インタビュー

《人形劇団 代表》 渡辺けさ美
Vol.24 【ボランティア】地域の仲間と共に長年続ける手づくり人形劇団
今回のゲスト
《人形劇団 代表》 渡辺けさ美さん
(山梨市)
人形劇団「こんぺいとう」代表

農閑期だけの活動も農作業の張り合いに

Q人形劇団結成のきっかけは何ですか
子どもが通っていた保育園のクリスマス会で子どもたちに人形劇を見せたいと思っていた頃、偶然見たテレビで長野県の女性たちの人形劇グループの活動を知りました。それに刺激を受け「自分たちもやってみよう」と、他の園児のお母さんたち7人と指人形劇を披露したのが始まりです。当初はその1回のつもりだったのですが、とても楽しかったので「もっと続けよう」と盛り上がり、人形劇団「こんぺいとう」を結成しました。現在は団員13名。ほとんどが農家の主婦です。そのため、半年間の農繁期は一生懸命に農作業に励み、残り半年間の11月から翌年の4月までの農閑期に人形劇の活動をしています。メンバーが自己流で勉強して、人形、脚本、舞台装置などすべて手づくりの公演を行っています。1年間がこのサイクルとなっていて、農作業の張り合いにもなっています。

Q周囲の反応はいかがでしたか。
家族は特に何も言わずに活動をさせてくれました。厚生労働大臣表彰を受賞してからは、周囲の見方も変わって「人形劇は子供が見るもの」と言っていた大人たちも見てくれるようになりました。

同じ環境の仲間で共感し合う

Q人形劇団を続けてきて良かったことは何ですか?
人形劇を通じて近所の人たちと仲間づくりができたのが一番良かったです。人形劇をやっている仲間は言いたいことを言える友達でもあります。そして、同じような環境にいるので、共感し合うことができます。農家に嫁に来て、農作業や家事・育児に追われ、ともすれば自分自身を見失いがちの中で、人形劇の活動によって話題も豊富になり生活に潤いが生まれました。

Q今後の抱負をお聞かせください。
まだ県内全市町村で公演していませんので、結成20年までには全市町村を回りたいです。「続けようか、やめようか」と悩むこともありますが、笑いが絶えない稽古場の雰囲気や、お茶を飲みながらのおしゃべりのひとときが楽しく、まだまだ頑張って続けていきたいと思います。

☆メッセージ☆

結婚して育児が一段落したら、何か夢中になるものをひとつは見つけてチャレンジしてほしい。


右に掲載した写真:
(1枚目)左から、大村さん、坂本さん、渡辺さん
(取材に協力していただいたメンバーの皆さん)


取材日:平成17年10月11日

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「こんぺいとう」のこれまで

1986年、子どもが通う保育園のクリスマス会で、母親数人で人形劇を行ったことをきっかけに人形劇団「こんぺいとう」を結成。

自己流で人形劇の練習をし、1991年には山梨学院短大の人形劇フェスティバルに出場し、最優秀賞を受賞。

その後、県内各地の保育園や福祉施設などで多数公演。2003年にボランティア功労者に贈られる厚生労働大臣表彰を受賞。

結成20年に向け、全市町村での公演をめざす。

渡辺けさ美さん(グル-プ2)
渡辺けさ美さん(グループ3)
渡辺けさ美さん(グループ)