インタビュー

《デイサービスセンター施設長》 渡辺晴美
Vol.19 【介護】家庭的な雰囲気で過ごせる場所を提供したい
今回のゲスト
《デイサービスセンター施設長》 渡辺晴美さん
(富士河口湖町)
デイサービスセンター「はるみさん家(はるみさんち)」施設長

理想の介護施設をつくりたい

Qデイサービス事業を始めたきっかけは何ですか?
雇用開発セミナーのホームヘルパー講座を受講していた時に、「両親や自分自身も利用したいような施設をつくりたい」と思いました。ちょうど、経営していた自宅の社員用保養所を生かして何かできないかと思っていたので、改装してデイサービスセンターを始めることにしました。大きなボイラーの付け替え、手すりの設置、送迎の車が必要でしたが、保養所の建物・家具など元々あるものを使うことによって最小限の資金で始めることができました。無理をしたらできなかったと思います。起業セミナーを受講し、事前に勉強していたことも役立ちました。
 
Q周囲のサポートはいかがでしたか?
夫は事業開始にとても協力してくれました。夫の協力なしではできませんでした。また、妹は共同経営者で、何でも相談しながらやることができ心強いです。両親や子どもも協力してくれます。また、これまでの保養所の仕事や、町の委員会活動、地域活動でのつながりで、周囲の方々からも自然に協力が得られました。

女性を応援する活動もしたい

Q仕事をする中で苦労したところは何ですか?
日常のケアをする中で、制度上の制約があり、やってあげたいけどできないことがたくさんあり残念です。また、経営者の立場になり、お年寄りの背中を流すという直接的な介護ができなくなり個人的に悩んだ時期がありました。その時は、「理想とする介護をすべて自分でできるわけではなく、自分の思いを職員のみんなが提供してくれている」と気持ちを整理しました。

Qこれからの抱負をお聞かせください
事業の拡張は考えていません。現在の通所定員を減らすことも考えています。私の思う介護を実現することを重視したいからです。また、自分のことを起業家だとは思っていません。やりたいと思ったことをやっていたら事業になっていたという状態です。職員の雇用を守る経営者だということは意識しなければならないと感じています。女性が働くことで、女性を応援したいですね。他にも、働く女性の支援や子育て支援もしたいし、女性が社会のいろいろな分野で男性と同じように活躍できるような活動もしたいです。仕事も地域活動も趣味も、楽しみながらやっていきたいです。

☆メッセージ☆

チャレンジは何歳でもいつでも「やりたい」という気持ちがあればできます。目標を立てて、それに向う姿勢や過程が大切だと思います。


取材日:平成17年9月22日

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渡辺さんのこれまで

2001年、家業の保養所をやめ、ホームヘルパーの勉強をして1級の資格をとる。その後、両親の介護が必要となる。

他の通所介護の施設長をしながら、商工会主催の起業セミナーを受講する。

2003年3月「(有)風と太陽の家」設立。同年4月「デイサービスセンターはるみさん家」開設。手づくりの食事を提供するなど温かな介護を実践している。

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