インタビュー

《消防官》 深澤夕紀
Vol.18 【働く】目指すはママさん救急救命士
今回のゲスト
《消防官》 深澤夕紀さん
(甲府市)
消防官

県内初の女性消防官

Q消防官という仕事を選んだきっかけは何ですか?
実は消防官でなくてもよかったのですが、人の役に立つ仕事に就こうと決めていました。世の中人の役に立たない仕事はないと思いますが、人に「ありがとう」と言われる仕事がしたいと思っていました。テレビを観ていて「かっこいい」と思ったのが最初のきっかけでもありましたが、消防官は火を消したり人を助けたりして感謝されるので、いい仕事だなと思いました。

Q消防官というと男性の仕事というイメージが強いのですが抵抗はありませんでしたか?
職場見学で東京消防庁に行き、18,000人のうち2,000人が女性だったので、山梨にも当然女性消防官がいるものと思っていました。そのため、抵抗はありませんでしたが、採用試験の合格の連絡を母からもらった時に「山梨初の女性消防官になるみたいだよ」と知らされ驚きました。
消防学校では「1人の消防官は1,000人の住民を守っているのだ」と聞かされましたが、「女性だから500人で勘弁してください」というわけにはいきません。私の肩にも1,000人の住民の生命・身体・財産がのしかかっています。

次の目標は「救急救命士」の資格をとること

Q途中で辞めたいと思ったことはありますか? また、どうやってそれを乗り越えましたか?
配属になってからは辞めたいと思ったことはありません。しかし、配属前、半年間の初任課教育の時には、速く走れないなど男性と比べて体力面で劣り、悔しい思いをしました。でも負けたくなかったし、「私が辛いことは皆も辛いはず、それを乗り越えてやっと人が守れる」と思ってやってきました。それに途中で辞めて、後で「やっておけば良かった」と後悔したくないので目の前にあることは一生懸命にやろうと思っています。

Qこれからどんな消防官になりたいですか?
男性とは体からして違うわけだから、体力的にはかないません。でも「これは人には負けない。自分は何ができるか」を考えてやっていきたいし、女性ならではの消防活動をしたいです。身近な目標は救急救命士の資格をとることです。将来は結婚をして子供も産み「ママさん救急救命士」を目指したいです。

Q常に心がけていることはありますか?
笑顔を大切にしています。また、私は物事を良い方にしか考えられない性格なので「こうなりたいと思っていることは必ずなれる」と信じています。常に言霊を大切にしているので「こうなりたい」と口に出して言うようにしています。

☆メッセージ☆

 好きなことをすれば、やりたいことが見つかる。何でも興味を持ったことはやってみることです。


取材日:平成17年11月11日

【救急救命士】
 救急患者に対し、病院到着前に、医師の指示のもとに気道確保・除細動・輸液点滴などの高度な応急処置を行う専門職。

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深澤さんのこれまで

甲府で生まれ育ち、大学4年間は埼玉で過ごす。大学では運動心理学を専攻し、ソフトボール部のマネージャーを務める。

就職活動をしていく中で「社会貢献度の高い仕事がしたい。」と消防官になることを決意。

消防官の採用試験を受け合格。2002年山梨県初の女性消防官第一号となる。

半年間の初任科訓練を経て甲府地区消防本部南消防署、査察係に配属となる。
2004年から警防係に所属。

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