インタビュー

《食と健康を考える会》 花輪千世子
Vol.17 【農業】女性パワーで地産地消の薬膳料理
今回のゲスト
《食と健康を考える会》 花輪千世子さん
(小淵沢町)
「食と健康を考える会」代表

食文化の継承と地域活性をめざして

Q会ができたきっかけは何ですか?
家族や地域の健康を支えていきたい、食文化を次世代に継承したい、地域の活性化に役立ちたい、という願いから「食と健康を考える会」が生まれました。発足当初は約70名の地域の女性が参加しました。遊休農地があり、行政の支援も受けられたので、農産物の生産から加工・販売までつなげることができました。その後、農水省の「都市と農村の交流をめざすリフレッシュビレッジ事業」を受けて、都会の人と交流し、情報も入手できるアンテナショップ的な場所として私たちのレストラン「ふるさと薬膳 森樹」をオープンすることになったのです。良い時期に私たちの活動が重なり恵まれたと思います。

Q 団結力の秘訣は何ですか?
もともと町の女性が地域活動を積極的にやっていたことが基礎にありますが、信頼できるリーダーの存在もメンバーの心の支えとなり安心して行動でき、団結にもつながっていると思います。

女性の働く場を生み出して

Q苦労されたことと良かったことは何ですか?
薬膳料理の事前勉強や、レジ打ちや接客の仕方なども何度も練習しました。レストランを開店した時は、周囲から「女性だけでできるのか?1〜2年もつのか?」と思われたり、初日に食材が足りなくなる事態となるなど不安もありましたが、家族の協力のもと、観光地であるという地の利や食と健康を考える社会のニーズもあり順調な経営が続けられてきたと思います。また、町内の女性の働く場を生み出すこともでき、町の活性化にも役立っています。今は、お客さんとの交流も楽しく、忙しさの中にも生きがいを感ずることもできます。

「安全安心の健康食」で地域活性へ

Qこれからの抱負は何ですか。
ちょうど10年目なので、今後のことを考える時だと思っています。今までを振り返り、単なる利益追求だけではなく、目的と理念の原点に帰って活動を進めていきたいと思います。また、地元の保育園や中学校へ巻き寿司やヨモギまんじゅう、ほうとうなどの指導をしたり、ひとり暮らしの高齢者への配食サービスなどを実施して喜ばれましたが、さらに『安全安心の健康食』を軸に、地域の活性化の一助になればと思っています。新しいメニューの開発も大切な課題になるでしょう。

☆メッセージ☆

ひとりではできないことも、みんなで力を合わせ「やろう」という積極性と一歩踏み出す勇気があれば絶対できる。


取材日:平成17年10月31日

※平成18年3月15日から「北杜市」になります

企業組合ふるさと薬膳 森樹
 http://www.chuokai-yamanashi.or.jp/kumiai/yakuzen/index.html

バックナンバー

食と健康を考える会のあゆみ

1995年、食文化の継承と地域活性化を目的に、町内の50〜60代の主婦を中心に「食と健康を考える会」を立ち上げる。

翌年、町営の交流施設「スパティオ小淵沢」内に地域の食材を使った食事を提供するレストラン「ふるさと薬膳 森樹」をオープンする。

レストランは会のメンバーの多くが組合員として出資して1997年「企業組合ふるさと薬膳 森樹」として法人化。会を組織する「生産部」「加工部」「体験工房部」など5つの部会が様々な形で企業組合を支える。

安全安心な食材を使った薬膳料理が評判となり順調な経営を行う。一連の活動は農村女性の先進活動として、全国的にも注目される。

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