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ページID:126271更新日:2026年6月8日
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【山梨県産業技術センタープロポーザル】
産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。
産業技術センターでは、宝飾業界で広く用いられている「磁気バレル研磨機」について、装置天板上の磁場を測定し、磁性体ステンレスピン(以下「ピン」といいます。)の運動に与える影響について検討しました。
産業技術センターでは令和3年度及び令和5年度において、「磁気バレル研磨機の加工能力向上に関する研究」という研究テーマで、近年増加傾向にある硬い宝飾品向けの磁気バレル研磨の検討を行いました。
磁気バレル研磨機は、磁石が配置された円盤を回転させることで、ピンを駆動し、対象物(ワーク)を加工する装置です。概要を図1に示します。これまでの研究から、低い位置でワークを加工できる環境をつくることができれば高い加工能力で研磨できることがわかりました。たとえば激しい水流の発生は、ワークを浮かせる作用を生じさせるため望ましくない場合があります。水流の発生要因としてはピンの容器内での公転運動等が挙げられますが、ピンがどのような動きをするかは、磁石円盤の磁石の配置にもよると考えられます。
そこで、より効果的な成果普及につなげるために、追試験として磁場分布の測定を行いました。

図1 磁気バレル研磨機の概要
■事業概要
本検討では、磁石の配置を任意に変更できる実験用磁石円盤を用いて、磁場分布を測定しました。実験に使用した磁石円盤を図2に、磁場分布の測定結果を図3に示します。

図2 実験に使用した磁石円盤

図3 磁場分布の測定結果
図2、3ともに、図中の白線の円は直径100mmの円筒形容器を使用した場合の容器内壁面の位置を表しています。
図3において、内壁面より30mmほど内側の領域では、赤色になっており比較的磁場が強く、ピンが密になる領域となります。そのため、磁石円盤が回転してもピンは自由に移動することが難しいので、公転運動が起きにくく、磁石の移動方向の逆向きに水をかくような運動(図4)が支配的な領域になると予想されます。

図4 水かき運動の模式図
内壁面に近い領域では、青い部分があります。この部分は磁場が弱いため、ピンを集める能力が低く、ピンがあまり多く存在しない空間(空隙)が生じることになります。すると、先ほどの領域とは違って、ピンは磁石円盤の回転に追従して移動することができるため、公転運動が支配的な領域となることが予想されます。
このことから、上記の磁石の配置及び容器サイズにおいて、たとえば壁面付近で激しい水流が生じている場合には、ピンの量を増加することで壁面付近の空隙を小さくして水流を抑える、等の対策を講じることで改善される可能性があると考えられます。
このように、磁場分布を測定することで、ピンの運動を予想するうえで有益なデータを得ることができました。
■担当からひと言
磁気バレル研磨は、宝飾業界において広く使用されている技術ですが、研究例は少なく、加工現場では経験に基づく条件設定で加工する例もあると思われます。まだ発展の可能性のある技術であるため、基礎的な研究や、本事業のような追試験等を通じて、業界の発展に寄与できればと考えております。
■連絡先
甲府技術支援センター
食品酒類・研磨宝飾技術部 研磨・宝飾科
TEL 055-243-6111