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ページID:103510更新日:2022年3月31日

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産業技術センタープロポーザル

【山梨県産業技術センタープロポーザル】

産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。

TOPIC:【事業紹介】無線通信によるデータ送信を可能とする超低消費電力センサボードの開発

当センターでは、研究成果を円滑に企業に普及し、実用化へ繋げていくために、企業からの要望に沿って追試験・試作等を行う「企業ニーズ対応試作開発事業」を実施しています。今回はR2年度研究テーマ「PLCと安価な組み込みコンピュータを用いた生産性向上IoTシステムの開発」およびR1~R2年度研究テーマ「生産現場におけるLPWA無線の活用に関する研究」から得られた研究成果を活用し、県内企業のシステム開発を支援しましたので紹介します。

 

■企業ニーズ対応試作開発事業実施の背景

 当センターでは、社内における IoT 活用能力の向上と人材育成を図りながら、自前で IoT システムの開発・導入を実現するための生産性向上支援ツールyisPIP(イスピプ)を開発し、県内企業における「製造現場のDX化」推進に向けた取り組みを実施しています。(詳しくは、センターニュース14号をご参照ください。)さらに、yisPIP によるシステムの導入事例、課題解決事例等の技術情報を共有できる場として「yisPIP Community (イスピプコミュニティ)」を設立し、yisPIPによるシステム導入及び課題解決を推進しています。
今回は、yisPIP Community参加企業が抱えている課題を解決するため、当センターの研究成果を活用し、企業のシステム開発を支援しました。

 

■無線通信対応センサボードの開発

本事業では、yisPIP Communityに参加されている企業を対象として、無線通信(最大で数十kmまで可能)によるデータ送信を可能とするセンサボードを開発しました。さらに、超低消費電力で制御できる仕組みとすることで、モバイルバッテリーによる長期稼働を可能としました。センサボードの開発により、ネットワークや電源の確保が困難な場所にもセンサを設置することができるようになり、通信料が発生しない安価な構成でデータ収集を可能とするシステムを実現しました。現在、yisPIP Communityに参加されている企業のうち、約10社がセンサボードを活用したシステムの導入を検討しています。

* センサボード・・・センサと組み合わせて使用する基板。センサを通じて様々な情報を読み取ることができる。開発品は最大8個のセンサと接続可能。無線通信規格(BLE、LoRaWAN)に対応し、さまざまなセンサデータを無線通信により送信できる。

 

■生産現場のDX化推進支援

過去の研究2テーマから生まれた成果であるyisPIP及びLPWA(LoRaWAN)に係る技術シーズを活用し、ブロッコリースプラウト、豆苗など「機能性野菜」を生産・販売する株式会社村上農園(北杜市)のDX化支援を行いました。
当該企業は、全国8箇所に生産センターを有する国内トップシェアのスプラウトメーカーです。その中でも、DX推進を目標にしている山梨北杜生産センターは、豆苗専用としては国内最大級の生産工場となっており、生産管理の面においては、農業先進国オランダと日本の最新技術を取り入れ、光や気温といった施設内の育成環境をコンピュータにより管理しています。一方で、生産状況のリアルタイム監視や生産設備の異常検知、これに伴う通知システムなどに課題がありました。今回、これらの課題を解決するため、既存の生産設備を活かし、低コストかつ短期間で目標とするシステムを自ら構築していきたいとの要望があり、当センターによる支援を実施することとなりました。
山梨北杜生産センター・加茂センター長はじめ社員の皆様は、プログラミング経験がない状態でyisPIPセミナーに参加されましたが、受講後わずか3ヶ月で以下のような生産設備監視システムを構築されました。
豆苗の発芽工程は、豆苗の種子をきれいに洗浄した後、たっぷりと水を吸収させます。専用の生産設備によって種子を水に浸漬させていますが、生産設備の異常監視に課題を抱えていました。従業員が不在となる夜間に異常が発生すると、異常の発見が遅れ、発芽不良など品質低下のリスクがあります。新たに開発したシステムは、生産設備に異常が発生すると、従業員に通知が届きます。そして、リモート撮影機能により、異常の詳細を確認することができます。このシステムにより、異常監視に係る従業員の負担軽減だけでなく、品質低下のリスクを軽減することに繋がりました。


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   遠隔地にある生産設備の異常をコントロールルームで確認する加茂センター長

 

緑化工程は、緑化場に豆苗の苗を広げて生育します。散水設備により苗に水を撒いていますが、散水設備の異常は苗の生育に大きな影響を与えてしまいます。広さ14,700平方メートル(縦70m×横210m)に及ぶ緑化場は、散水による高湿度環境の影響もあるため、Wi-Fiネットワーク環境を構築することができませんでした。しかし、当センターが開発したセンサボードは、LoRaWAN通信にも対応しているため、広い緑化場においても異常検出・データ送受信が可能となります。現在開発しているシステムは、散水設備の異常をセンサボードにより検出し、異常発生を従業員に通知するため、緑化工程における不良の軽減に貢献できると期待しています。

 

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           開発したセンサボードと緑化場

 

 

■支援を受けた企業の方の声

「プログラミング経験がなく、期待と不安が入り混じる気持ちでyisPIPセミナーに参加しましたが、オンライン提供される豊富な教材と丁寧な技術支援により、システムを構築するために必要な技術を習得することができました。特に、オンデマンド受講に対応した教材は、業務の都合に合わせて好きな時間・場所で受講できるため、業務を停滞させることなく進めることができました。セミナー受講後は、yisPIP Communityに参加させていただき、他の県内企業の取り組みに刺激を受けながら、自社の課題解決に向けたシステムを開発することができました。全国8箇所ある生産拠点の中でも、山梨北杜生産センターの取り組みは、他の生産拠点から問い合わせがくるほど社内で関心の高い取り組みとなっています。今後も、yisPIP Communityに参加されている企業のみなさまと切磋琢磨しながら、生産現場のDX化推進に取り組んでまいります。」(株式会社村上農園 山梨北杜生産センター・加茂センター長)

 

 〇株式会社村上農園 山梨北杜生産センター
山梨北杜生産センターは、豆苗の出荷量で日本一を誇る生産施設です。2021年2月には、健康志向の高まりを背景に出荷が急伸している高成分野菜「ブロッコリー スーパースプラウト」の生産能力を拡大するため、「スーパースプラウトファクトリー」も完成しました。
 〒408-0204 山梨県北杜市明野町上手12250
 URL:www.murakamifarm.com

 

■担当からひと言

今回、当センターが生産現場のDX化推進に向けてお手伝いさせていただいたシステムの特徴は、既存設備を有効活用して低コストかつ短期間でシステムを構築し、効果を確認できるところにあります。しかも、現状の設備に変更を加えることがなく、機能の追加等が容易なため、非常に利便性の高いシステムと言えます。山梨県産業技術センターでは、これからも県内企業の課題を適切に把握し、必要な技術支援の提供に取り組んで参ります。

システム開発科

このページに関するお問い合わせ先

山梨県産業労働部産業技術センター 
住所:〒400-0055 甲府市大津町2094
電話番号:055(243)6111   ファクス番号:055(243)6110

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