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ページID:119469更新日:2025年3月7日
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【山梨県産業技術センタープロポーザル】
産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。
産業技術センターでは、古代の山梨の美しい縄文土器の文様を現代の技術でデジタルデータ化し、アイスクリーム・コーン紙を試作しました。
縄文文様と現代の技術が融合したこのアイスクリーム・コーン紙は、ベクターデータ※1を用いて精密に描き直された縄文文様データを厚紙へのエンボス加工※2で表現しています
※1ベクターデータ:画像を円や直線などのような解析幾何学的な「図形」の集まりとして表現する表現形式
※2エンボス加工:紙などに凹凸を付けて文字や絵柄などを浮き彫りにする加工
産業技術センターでは、県内企業に商品開発等を行う際の情報源として利用していただくことを目的に、平成28年9月からデータベース「山梨デザインアーカイブ(https://design-archive.pref.yamanashi.jp/)」を運営しております。
このデータベースでは、本県で出土した縄文土器をはじめとする各種文化財や生活用具、染色用型紙など、県内に存在する多様なデザイン資源をデジタルデータ化し、インターネットを通じて公開し、そのデータ利用を促しています。
今回、このデータベースやデジタルデータの活用事例により、皆様のご利用の促進はもとより、新たな着想を生み出すきっかけづくりになることを狙いとして、身近な生活アイテムとしてアイスクリーム・コーン紙を作製しました。
■開発の概要
◯縄文文様の再現
縄文土器の文様は、縄文人が自然や生活の中からインスピレーションを受けて作製したものと考えられており、その美しさと複雑さが魅力です。今回のフォローアップ事業では、円筒状の土器表面に施された独特な文様を現代の技術で平面のベクターデータ(シームレス)として描き直しました。このことにより、対象媒体に合わせて文様の大きさや収まりを編集し、美しい仕上がりを実現しています。
◯文様を触感で楽しむ
通常、貴重な縄文土器は直接手で触れることはできません。このアイスクリーム・コーン紙では、文様をエンボス加工(「浮き出し加工」)することで、縄文文様を立体的に再現しています。紙の質感とエンボス加工が相まって、手に持った時の感触も特別なものとなっています。
◯文様の元となった土器は重要文化財
今回、エンボス加工した文様の元となったのは山梨県笛吹市桂野遺跡出土の「渦巻文土器」(笛吹市教育委員会所蔵)であり、重要文化財に指定されています。普段は、山梨県立博物館の常設展示入口に展示されています。
■担当からひと言
今回はエンボス加工によって縄文文様を立体的に仕上げてみましたが、元となっているのはデジタルデータ(ベクターデータ)ですので、通常の印刷やレーザー加工機でのカットや彫刻など、幅広くお使いいただくことができます。
また、山梨デザインアーカイブでは、縄文文様の他にも、様々な文様データを収録・公開しています。これらのデータは、どなたでも閲覧し、ご利用いただけます。特別なイベントや、製品の個性を引き立てるためのソースとし、是非ご利用いただければと思います。
■連絡先
デザイン技術部
TEL 055-243-6101