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ページID:123131更新日:2025年10月22日
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【山梨県産業技術センタープロポーザル】
産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。
■宝飾品デザインの現状
近年、宝飾品の製造では、3次元CADを用いたデザインと、3Dプリンターによる鋳造原型の制作が主流となっています。山梨県内の宝飾業界では、曲面のモデリングに優れたCADソフト「Rhinoceros(ライノセラス)」が広く使用されています。
3Dプリンターを使うことでデザインデータを高精度に立体化できるため、CADによるデザインやモデリングの重要性はますます高まっています。
■パラメトリックデザインとは
近年注目されているのが、「パラメトリックデザイン」という新しいモデリング手法です。これは、数値(パラメータ)を使って形状を制御するプログラミング的なアプローチで、Rhinocerosにはこの手法でモデリングする「Grasshopper(グラスホッパー)」という機能が搭載されています。
宝飾業界でもこの手法の存在は知られていますが、従来のモデリング方法とは大きく異なるため活用が進んでいない状況にあります。そこで本研究では、Grasshopperを用いたパラメトリックデザインの効果を検証し、宝飾品デザインへの活用方法を探りました。
■CADモデリングにおける効果
Grasshopperを使ったパラメトリックデザインには、以下の利点があることがわかりました。
■宝飾品デザインへの活用
これらの効果を活かし、プログラムを構築することで宝飾品のデザイン開発に以下の活用ができることを提案しました。
■試作と検証
提案した手法を用いて実際に製品デザインを行い、試作品の制作を行ったところ、以下のことがわかりました。
このことから、パラメトリックデザイン手法が宝飾品製造に適用できることを確認しました。
■期待される効果
パラメトリックデザインを活用することで、緻密なモデリングが可能になるだけでなく、作業の効率化・迅速化が図れます。その結果、デザイナーはより多くの時間を創造的な作業に充てることができ、デザイン性の高い製品開発につながると期待されます。
■今後の展開
今後は、パラメトリックデザイン手法の企業への普及を進めるとともに、さらなる活用範囲の拡大に向けた研究を続けていく予定です。
■研究者からのメッセージ
RhinocerosとGrasshopperを使ったパラメトリックデザインにご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
■連絡先
デザイン技術部
TEL 055-243-6111(代)