更新日:2018年12月6日

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産業技術センタープロポーザル

【山梨県産業技術センタープロポーザル】

産業技術センターをより活用していただくため、担当Yが外部の方の目線を
大切にしながら、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。

 

TOPIC:【研究紹介】県産農産物を用いた加工品の品質向上と開発
ー大豆チーズ様食品の開発ー

 

今回のTOPICは、県産の大豆を用いた大豆チーズ様食品の開発の研究のご紹介です。
大豆チーズ様食品とは?どんな形?大豆チーズ様食品の開発までのお話や、今後の展望を研究担当の木村主任研究員に聞いてみようと思います
 

研究について

 

Y.木村リーダー、本日はよろしくお願いします。
ず、簡単にこの研究の概要を教えてください。

木村主任研究員(以下:木).よろしくお願いします。
の研究では、主に「あけぼの大豆」などの県産大豆に着目し、県産大豆からチーズのような加工品を開発することを目指しています。昨年度(平成29年度)は、大豆チーズ様食品の試作を行いました。試作した大豆チーズ様食品は、仮称ですが大豆の甲州弁を踏まえて「デーズ」と呼んでいます。

Y.「デーズ」ですか、どこか親しみがわきますね。ここでは「デーズ(仮)」として紹介していきたいと思います。
は、どのようなきっかけでこの研究は始まったんですか。

木.3年前に県内の大豆加工業者の方から、大豆からチーズのような加工品を作れないか、という相談があったことがきっかけです。大豆、といいますか豆乳からチーズ様の加工品を作るという内容で、いくつか研究論文や特許も出ていますが、製品化されたものは少ないので、県産大豆を使うなど原材料や製法を工夫して魅力ある商品開発ができれば充分ニーズがあると思い、昨年度(平成29年度)から取り組むこととしました。

Y.なるほど。確かに大豆からできたチーズって今まで食べたことないです。
れでは、もう少し詳しく研究内容を聞いていきたいと思います。

「あけぼの大豆」のこと
 

Y.今回の研究で「あけぼの大豆」を取り上げた理由は何ですか?

木.本県産農産物を利用した加工品開発は、県外製品との差別化が図れることから県内の食品業界から継続的な要望があります。「あけぼの大豆」は身延町の在来品種で、「あけぼの大豆」を使った枝豆や大豆加工品など、「やまなしブランド」として定着しつつあるところです。そのような業界動向を踏まえ「あけぼの大豆」の特徴を科学的に明らかにするとともに、保存性に優れる「デーズ(仮)」を開発することにしました。

Y.「あけぼの大豆」と他の国産大豆との違いはありましたか?

木.はい、「あけぼの大豆」は一般的な大豆と比べて、大粒で甘みが強いと言われていますので、加工向けに流通している国産大豆10品種と重量および糖類の組成・含量を比較しました。その結果は表1のとおりです。「あけぼの大豆」は、大きさについては、他の大豆の1.6倍の重量をもつ大粒であり、甘味については糖類の総量が他の10品種の平均値の1.2倍、特にショ糖が1.4倍と高く、甘みが強いことがわかりました。

 

表1産大豆の重量と糖組成・含量

品種

100粒重
[g]

ショ糖
[g/100g]

スタキオース
[g/100g]

その他4糖類
[g/100g]

あけぼの大豆

67.6

7.3

2.1

2.0

10品種の平均値

41.6

5.2

2.3

1.7

10品種の標準偏差

10.0

1.0

0.2

0.5

10品種:エンレイ、おおすず、ツルムスメ、とよまさり、ナカセンナリ、ミヤギシロメ、あきたみどり、いわいくろ、
丹波黒(2Lサイズ)、光黒(水分量:平均11.4%(標準偏差1.8%)

Y.分析結果で、大粒で甘みが強いということが証明されたんですね。その特性は加工するうえでどのような利点があるんでしょうか?

木.そうですね、糖分が高く旨みもあるので、まろやかで深い味わいの加工品が出来るのではないかと考えています。

大豆チーズ様食品の製造
 

Y.「デーズ(仮)」は、チーズと同じ製法で作れるものなのですか?

木.昨年度の試作開発では、カマンベールチーズの製法をベースに使う乳酸菌や温度、湿度の条件を検討しました。普通のチーズと比べると植物性のタンパク質であるため固まりづらいのですが、条件を工夫することでその問題もクリアすることができました。
ちらが試作品です。

大豆チーズ様食品

 

Y.見た目は、本当のカマンベールチーズみたいですね。食感や風味はどうですか?

木.所内で試食をしてもらったところ好評でした。食感はなめらかさがあってチーズに近いものができ、風味は乳脂肪的な風味はなくちょっとチーズとは違いますが、発酵食品の美味しさがあります。ただし、発酵しすぎると見た目は白くてカマンベールそのものになりますが、味に苦みが出てしまうので、どこまで発酵させるか見極めていくのが今後の課題です。
また、県産の野菜や果実を入れた、緑やピンク色の「デーズ(仮)」の開発も検討しています。見た目や味の他にポリフェノールが入っていますよ、など成分的に優れたものを作ってアピールしていきたいです。

Y.それは、面白いですね!色とりどりの見た目に加えて、機能性も向上するとなると、特に女性に人気が出そうですね。
の「デーズ(仮)」を作るのに大豆はどのくらい必要なんですか?

木.この「デーズ(仮)」を1個作るのに、豆乳500ml、大豆にすると2キロ程が必要です。

Y.結構使うんですね!ちなみに日持ちの方は?

木.豆乳を発酵させることにより、豆腐等の加工食品よりも保存性が向上します。真空パックと脱酸素剤を入れて、冷蔵保存だと8ヶ月保存できることを確認しました。

Y.8ヶ月なら十分な保存期間ですね。山梨県の新しい特産品になりそうですね。

木.山梨県の県産酒、ワインや日本酒に合うものとして作り込んでいく予定です。大豆由来で繊細な味なのでワインだけではなく、日本酒にも合うものができるのではないかと思います。

Y.完成したら私も食べてみたいです。商品化、期待しています!!本日はありがとうございました。

木.ありがとうございます。さらに研究をすすめていきます。

  まとめ
 

今回は、現在取り組んでいる県産大豆を使った大豆チーズ様食品の開発に関する研究をご紹介しました。
県産農産物を活用した新製品開発により、山梨県の魅力を引き出し、「やまなしブランド」の確立に繋がっていくものと思います。今回紹介した研究以外にも食品酒類・バイオ科では、食品酒類の加工や保存の技術や、バイオ利用技術の開発、加工品の開発の支援、研究を行っています。過去の研究については、こちらの研究報告のページをご覧ください。

 

研究員紹介

木村英生(食品酒類・研磨宝飾技術部品酒類・バイオ科主任研究員)

抱負等「大豆チーズ様食品の商品化に取り組んでみたいと考えている方はお気軽にお問い合わせください。」

 

 

このページに関するお問い合わせ先

山梨県産業労働部産業技術センター 
住所:〒400-0055 甲府市大津町2094
電話番号:055(243)6111   ファクス番号:055(243)6110

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