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ページID:112680更新日:2024年3月14日
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【山梨県産業技術センタープロポーザル】
産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などを紹介します。
今回のTOPICは、2023年11月~12月に富士吉田市内で開催された「FujiTextileWeek2023」のご紹介です。このイベントは2021年より開催されており、テキスタイルと芸術が融合した国内唯一の“布の芸術祭”です。
今回のイベントでは、当センターの職員が開発した技術を活用した展示がされたほか、当センターが所蔵する伝統織物の甲斐絹生地サンプルが展示されました。その概況について、繊維技術部の五十嵐主幹研究員が関わった部分を中心にお伝えします。
2023年11月23日から12月17日まで富士吉田市内の工場跡などを会場にして開催された国内唯一の布をテーマにした芸術祭で、今回で3回目を迎えました。
このイベントはアート、デザイン、ビジネスの3要素から成り立っています。アートは国内外アーティストによる作品が展示され、デザインは産地のルーツ甲斐絹をテーマにした企画展「甲斐絹をよむ」が、ビジネスでは24社の産地企業による生地展「MEETWEAVERSSHOW」がそれぞれ開催されました。
会場のひとつ「FUJIHIMURO」
3要素のうちの「アート」の展示に関するもので、ネリー・アガシ氏の作品のひとつ「mountain wishes come true」という巨大な作品では(株)槙田商店による生地が用いられ、その開発には当センターと山梨大学で共同開発した“高精細な表現を可能とするデジタルジャカード織物技術”が用いられました。
ネリー・アガシ氏の作品「mountainwishescometrue」
また、同氏のコラージュを織物にした作品にも同様に、細密表現が可能なデジタルジャカード織物技術が活用されました。
ネリー・アガシ氏のコラージュ作品(左:全体、右:一部拡大)
会場のひとつ「FUJIHIMURO」で行われた企画展において、明治~大正時代に収集した当センター所蔵の甲斐絹生地サンプル6点が展示されました。
企画展「甲斐絹をよむ」で展示された当センター所蔵の生地サンプル
また、同企画展で開催された「甲斐絹をよむ」では、甲斐絹を使った明治時代の羽織などが展示され、甲斐絹を読み解く「読み手」として、詩人の水沢なお氏、写真家の川谷光平氏、産業技術センターの五十嵐、3名がそれぞれの角度で甲斐絹を深掘りするという構成で展示が行われました。
企画展「甲斐絹をよむ」で展示された明治時代の羽織
今後もFujiTextileWeekの展示イベントに協力するほか、海外デザイナーと産地企業のコラボ事業についても支援を継続していく予定です。