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ページID:98637更新日:2021年3月15日

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産業技術センタープロポーザル

【山梨県産業技術センタープロポーザル】

産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。

TOPIC:【利用案内】標準化は製品普及、販路拡大のビジネスツール!-センターは標準化のパートナー機関です-

■「標準(規格)」は使うもの?

なさんは業務においてISOやJIS、IEEEなどの「標準(規格)」を利用されていますか。これらの標準(規格)では、例えばネジの外径やピッチといった製品の仕様(JISB0205など)や、その製品の評価方法(JISB1081など)、組織での品質マネジメントシステム(ISO9001)などを定めています。

標準(規格)は使うもの」もしくは「標準(規格)は従うもの」と思っている方も多いかもしれません。しかし、近年では自社の製品形状やその性能、それらを評価する手法等を、JISなどの規格に制定して普及させる「標準化」という戦略を上手に活用し、自社に優位な市場を形成した事例が増えています*。また、詳細は次項「標準化のメリットと注意点」で説明しますが、オープン・クローズ戦略の広がりと共に、「標準化」だけでなく、企業ノウハウや特許等の「知的財産(知財)」、「研究開発(R&D)」の三位一体で事業戦略を練っていくことも重要となってきました。標準化によって自社製品の優れた点をPRし、ブランド力の向上や販路拡大へ繋げられるため、中小企業にとっても効果的な戦略です。

*例:

逆止弁により、しょうゆ等の鮮度を保持できる(酸化を防止する)液体用容器の製品化

内容物の酸化度合いを評価する方法を標準化(JISZ1717装ー液体用高機能容器)し、客観的な性能の証明に成功。調味料業界だけでなく他業界からも引き合いが来るようになった。

(その他の事例[経済産業省準化活用事例集]:https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/katsuyo/shinshijo/pdf/zireisyuu.pdf(外部リンク))

 

表1準化の主な要素と例

1品仕様の標準化 2ンターフェース部分の標準化
  • ネジの外径やピッチ
  • ステンレスの強度や成分

など

  • USB
  • HDMI

など

3ネジメント・サービスの標準 4価方法の標準化
  • 品質マネジメントシステム
  • オープンイノベーションマネジメント

など

  • プラスチックの引張強度試験
  • 照明の照度測定

など

 

プロポーザルR3-3-1_三位一体

図1位一体での事業戦略が大切

 

■標準化のメリットと注意点

ランド力の向上や販路拡大の方法は標準化以外にも様々な手段が考えられますが、なぜ標準化が有用なのでしょうか。それは、標準化によって「客観的な信頼性」を示すことができるからです。

えば、これまでにない新しい方式の評価装置を作った場合、既存の標準(規格)には適合するものがないため、客観的な信頼性を伝えることが困難です。実際、展示会で興味を持ってくれる企業は多いものの、客観的な評価がないため購入には至らないケースが見られるようです。標準化によってJIS等の公的な規格に製品仕様や評価手法が制定されることで、客観的な信頼性を示すことができ、製品の優位性を訴求しやすくなります。

だし、前述のとおり標準化は知財やR&Dと併せた戦略の検討が必要です。特に、標準化が「オープン戦略」に分類される一方、知財は「クローズド戦略」に分類されるため、これら2つを一緒に考えることが重要となっています(図2)。具体的には、標準化と知財には表2に示すようなメリットとデメリットが考えられます。従って、差別化すべき製品・技術のコア部分はノウハウとしてブラックボックス化したり、知財化するなどして守り(クローズド戦略)、他の領域をオープンにすることで市場拡大を狙っていくことが大切です(オープン戦略)。

 

プロポーザルR3-3-1_オープンクローズ戦略

図2ープンとクローズドのバランスが重要

 

表2財の権利化および標準化のメリットとデメリット

 

知財の権利化

標準化

メリット
  • ライセンスによる事業拡大と収益
  • 知財バリアによる模倣の防止
  • 直接的な差別化
  • 標準利用者の拡大による市場の拡大と安定
  • 粗悪品等の排除による品質の安定
  • 市場拡大に伴う製造コストの低下
デメリット
  • 市場が拡大しづらい
  • 取得及び維持のコスト
  • 独占による技術進化の鈍化
  • 参入障壁低下による低価格化やシェアの減少
  • 規格制定にかかるコスト
  • 標準化部分は差別化が困難
■新市場創造型標準化制度の紹介

準化は基本的に、原案作成→合意形成→審議のプロセスを経て制定されます。一般に、JISは既存の業界団体等が原案を作成しますが、新規性の高い製品のため業界団体が存在しなかったり、融合技術・サービスのため複数の業界団体に跨がったりする場合があります。このような際にも標準化ができるよう、経済産業省では新規の原案作成委員会等の立ち上げを後押しする、「新市場創造型標準化制度」を運用しています。

制度に採択された場合、以下のような支援が受けられます。

  • 委員会の新規設立・・・既存の業界団体等で対応できない場合に、新規に原案作成委員会を立ち上げる支援。
  • 標準化アドバイザー・・・規格開発の方法がわからない企業に、規格の作り方をアドバイスする支援。
  • 標準化ビジネス戦略検討委員会・・・標準化のビジネスへの活用に悩む企業に、その戦略をアドバイスする支援。

東経済産業局では、本制度についてわかりすく解説したガイドブックを作成していますので、興味を持たれた方は是非ご覧ください。

https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/hyojyunka/data/hyojunka_guidebook.pdf(外部リンク)

 制度について詳しく知りたい方は、下記リンク先(経済産業省のHP)をご覧ください。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/katsuyo/shinshijo/index.html(外部リンク)

 

■センターは標準化活用支援パートナー機関です

ざ標準化したいとなっても、どこに相談すればいいのかわからない場合があると思います。そんな時は、産業技術センターへご相談ください。センターは地域の中小企業の標準化活用をサポートする「標準化活用支援パートナー機関」となっています。パートナー機関はJIS規格の原案作成・維持管理や標準化の普及を行っている一般財団法人本規格協会(JSA)と連携しており、企業とJSAとの橋渡しが可能です。

プロポーザルR3-3-1_パートナー機関

図3準化のご相談はセンターへ


■担当からひと言

多くの企業は知財について意識していると思いますが、標準化は中小企業による標準化事例が増え始めたところであり、意識的に取り組んでいる企業はまだ少ないのが現状です。標準化には原案作成等の労力やコストも必要になりますが、「新市場創造型標準化制度」や「標準化支援パートナーシップ制度」など、中小企業の標準化に対する支援体制も充実してきました。標準化についてご興味やご不明な点がありましたら、一度センターへお問い合わせください。

総合相談・連携推進科

 

 

 

このページに関するお問い合わせ先

山梨県産業政策部産業技術センター 
住所:〒400-0055 甲府市大津町2094
電話番号:055(243)6111   ファクス番号:055(243)6110

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