ページID:107162更新日:2022年12月22日
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防災新館401,402会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
令和4年12月臨時県議会を、今月26日月曜日に招集することとし、本日招集告示を行ったところです。
提出案件は、訴えの提起1件、予算案1件であります。
山中湖畔県有地に係る一連の訴訟につきまして、昨日、甲府地方裁判所において判決が下されたところであります。
周辺環境に見合った現実的な「適正賃料」、すなわち、県民資産の実勢価格を反映した賃料を求めるという本県の趣旨が汲まれない内容となったことは、誠に残念であります。
いずれにいたしましても、県有地や県民の資産を運用する県といたしましては、その運用のあり方、方法、仕組みを透明で公平なものにしていかなければならないことは、殊更、申し上げるまでもないことであろうかと思います。
県有地に係る一連の議論につきましては、県民全体の財産の行方を決する重要な問題であるにも関わらず、これまで県民の皆様の目に触れさせることなく、ひっそりと処理され続けてきたという歴史的経緯に対しまして、法廷だけではなく、県民から選ばれた県議会でも活発に議論をされるきっかけとなり、ひいては、県民の皆様の前に明らかにされるという歴史的な意義があるものと考えております。
県有地の貸し付けに係る効果は、当然のことながら、将来にわたり、あまねく県民全体に最大限還元されるべきものであろうと考えます。このことを前提に、その手続きにおける透明性、公平性を確保していくべきであると考える次第でございます。
知事として、その議論を前に進めることが大切であるという思いは、微動だにするものではなく、むしろ更なる覚悟をもって臨んで参る決意であります。
このような観点から、今般、控訴の手続きをとり、上級審において更なる議論を行うべきであるとの判断に至りました。
すなわち、今回の判決内容に対しまして異議を述べなかった場合、実勢価格に対して、低廉過ぎる賃料を事実上未来永劫、甘受せざるを得ないこととなり、県民に属するべき利益の回復・実現を図る途が閉ざされてしまうこととなります。
県民から負託を受けた県有資産の管理人たる私といたしましては、なお上級審において議論を深め、県民全体の財産を活用していくルールのあり方は、将来に向かってどう改善され、運用されるべきなのか、その利益は県民全体にどう還元されるべきなのか、このことを考えていくことが、県民の皆様に対して果たすべき責務であると信ずる次第であります。
このため、県民の利益を守ることを第一に考え、県民資産の実勢価格を反映した適正な賃料を受け取って、県民のもとに取り戻すことを裁判所にご理解していただくべく、甲府地方裁判所による判決の速やかな破棄及び県の請求を認容するとの判決を求めて、控訴する必要があると判断する次第でございます。
この控訴を行うには、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき、議会の議決が必要となります。
また、控訴を提起するには、裁判所に手数料を納付する必要があることから、補正予算に所要の経費を計上しております。
控訴状の提出期限は、年明け早々の1月4日となることから、年末のお忙しい時期ではありますが、臨時県議会を招集することといたしました。
詳細につきましては担当課長がご説明いたします。
記者
訴えの提起の関係でお伺いできればと思います。損害賠償等93億円の支払いを求めてると思うのですが、これから先の訴えの中で、損害賠償の金額について変更がないかというのが1点と、弁護士費用についてはどのように措置されるかということを教えてください。
知事
まず訴訟の具体的な方針というのはこれからしっかりと弁護士と詰めて議論をしたいと思います。
それから、弁護士費用に関しては、今回は、着手金はお支払いしないという方向で今、調整をしています。
記者
支払わないことに至った経緯はどのようなものですか。
知事
最後に成功報酬ですべて必要なものも含めてお支払いをさせていただき、着手金については払わないと。その分、しっかり、我々もそうですけども、さらに県の利益のために、或いは、県民の皆様のために頑張って欲しいと、そういう趣旨であります。向こうもそのつもりであり、その覚悟を示すという意味で、今回、そういう話をお互いさせていただいているということです。
記者
1億4300万円について県民から住民訴訟なり批判が出たというのも少し考慮には入っているのでしょうか。
知事
そういう県民の皆さんの感情というものはもちろん重要な話だと思うので、それも当然考慮には入っておりますが、いずれにしても、しっかりと本当に覚悟を固めて、県民の皆さんの利益を守るべく、お互い頑張りましょうということの決意のあらわれであります。
記者
今の質問に関連して、債務負担行為がついていますが、この債務負担行為はどういうものを想定しているんでしょうか。
知事
成功報酬です。勝訴した場合の成功報酬です。
記者
昨日、知事がぶら下がりでおっしゃっていた判決に対する疑問が多々あるというところの疑問について、一晩経ちまして整理したものがあれば教えてください。
知事
はい。幾つもありますけれども一番大きな問題というのは、やはり過去において、その合意があったと。そしてその合意が繰り返されてるがゆえに今回の賃料水準というのは否定されるべきものではないと、こういうご判断があったわけであります。
判決においても、この賃料水準は低いということを前提とした判決になってますけども、にもかかわらず、低いのだけれども、その合意が繰り返されてきているということになってます。
これをそのままの理屈でいうと、おそらく未来永劫、一旦貸してしまったら、それを未来永劫是正するすべというものがなくなってしまうのではないか、こういう懸念があるというのが1点。
それからもう一つ、当該土地の価値の向上に対しまして、それは賃借人の投資によるものだということが書いてあります。それはその通りなのですけれども、他方でそれ以外の、例えば公共の道路ですとか、或いは様々な公共工事、周辺の土地の開発によって、まさにその地区の価値も上がるはずだと私は思いますが、例えば高速道路も含めて、そういう周辺価値の向上についても、すべてカウントされないというのがこの前の判決でした。
さらには前々知事、横内正明知事の時に、まさに多くの皆さんのご尽力で、富士山の世界文化遺産登録が実現した。やはりこれによっても大変ブランド価値も含めて、土地の価値というのは上がっているはずなのですけれど、こういうものも全部考慮されていないというのはちょっとどうなのでしょうか、という点。
大きく言うとその2つの点は我々としてはいかがなものだろうかと思っています。
あとは実際、転貸で相当、2倍以上の転貸料は取られてるはずであって、余りにも実勢価値と乖離し過ぎたものがずっと塩漬けになっていいのだろうかと。それは私どもの立場としては、特に県民全体の財産ですから、その最終的な価値の帰属は、県民全体に還元されるべきで、我々としてはできる限り適正な範囲の中で最大限のものを目指していくというわけですので、その是正するすべすら否定されてしまうような話はちょっと困ったなということでありますので、ここはさらに議論を深めて参りたいと思います。
記者
県有地の話ですけれども、この判決で控訴されるということですが、一旦この富士急行から見込まれてた大きなお金が入ってこないかもしれない、黄色信号になったかと思います。
こうしたことを受けて、現状、今県が進めてる施策とか、来年からの少人数教育とか含めて、今の政策での変更点はあるでしょうか。
知事
少人数教育に関しましては、小学校3年生が今議論の焦点になっているわけですけれども、ここについては、元からこの県有地問題とは外したところで、財源の工夫というものも考えているところですので、これに関しましては、中長期的にもちろん影響して参りますけれども、当面の問題としてはこれはこうなったらこうなるという話ではありません。
敢えて申し上げますと、一つは山梨県は県土の3割が県有地でありまして、この3割をいかに有効活用をして、それを先ほど申し上げたように県民の皆さまに還元をしていくかということが、私どもにとっては重要なテーマになって参ります。
従って、山中湖畔の県有地は大変重要な場所ではありますけれども、そこだけが県有地というわけではありません。他に富士山のふもとに素晴らしい場所もありますし、また八ヶ岳の方にも多くの人が憧れるようなすてきな場所も多くあります。
先般9月議会におきまして、この県有地の活用の仕方について、従来一定の目的のものに限定をしておりましたけれども、そこをもっと多くの県民の皆さま、県民全体への還元の最大化という観点から、もちろん環境保持など留意しなければならない点はありますが、その範囲の中で、最大限活用していくと、こういう方針を議会における答弁、議論の中で打ち出しておりますので、今後まずその動きもしっかりと加速をさせていかなければいけないなと思っています。
すでにいくつか問い合わせとか、引き合いもありますので、こういうことに向けて、できる限り早く方針・対応を決めて、できる限り早く県民還元というものをさらに図っていきたいと思います。
それからもう一つ、今般の判決というものは、過去の合意が繰り返されてきた、だからこれでよろしいんだという端的にまとめるとそういう趣旨の内容だったのではないかなと思いますが、だとするとしっかりとその合意のあり方・内容については、今後、かなり厳格に、県民利益の最大化の観点から、かなりしっかりとした合意のあり方というものを、私たちは考えていかなければならないんではないだろうか。こういう点は、今回の一審判決を受けて、我々が取るべき対応への影響ではないかと考えております。
記者
先般の発表された公約の方は、この先、何かこれを受けて変更することはありますか。
知事
ありません。県有地を適正に活用して、県民利益の最大化を図る。これは私の公約でもありますし、県有資産の管理人たる知事として、公約に掲げるまでもない当たり前のことでありますので、その当たり前のことを改めて再度公約という形で確認をして、しっかりと取り組んでいきますということは、お伝えしたいと思います。
記者
直接財源がなくなりそう、または、なくなる可能性があるからこれがちょっと難しくなるとか、もしくは、例えば別のところへ財源確保を求めるために、地下水税の話が再開するとか、何かそういう意味合いでは如何でしょうか。
知事
先ほど申し上げましたように、他の県有地の活用というものを、まずは当面、我々は考えていかなければならないことだろうと思っています。
それから、今このご時世で、いずれにしても税の取り扱いというものは、人様の懐に手を突っ込んで、強制的にそのお金を取り上げるものですから、これはある意味、最終・最後の手段としてやるべき話であり、そうでなければ、納税者のご理解というのは得られないと思っています。
今回の地下水税の議論は、まさに県議会から我々が検討を依頼され、専門家委員会に検討していただいたものをお返したわけですが、まず、私としては、県議会でちゃんと議論をしてくださいと。県議会でも意見が割れている話を、知事が勝手にああだこうだと言うと、これこそまさにどこかの誰かが独断でなんだって変な悪口言っていますけれども、そういうことになってしまう。
これはやはり県民の皆さんの代表から構成される県議会において、そもそもこの県議会で発議をされた話で、我々その技術的なものをお返ししましたが、それを踏まえてどうご判断されるかは、まずは県議会でご議論をいただくのが筋だと私は思っていますので、そのご議論を待ちたいと思います。
知事
甲府一高の生徒さんによります、棚田米の贈呈についてご報告いたします。
今年の10月、山梨県立甲府第一高等学校の生徒さんより、県内の棚田を保全・継承する活動への協力についてお手紙をいただいたところです。今回、生徒の皆さんが、甲斐市亀沢地区の棚田で栽培していただきました、お米を届けにきていただきました。
司会
それではここで、高校生の方前に来ていただきまして、代表の方お手紙を読んでいただいた後、渡させていただきます。
高校生
私たち甲府第一高校探究科5名は、甲斐市の地域資源である「御領棚田」の保存、そして日本の原風景の復興を目標に、これまで探究を行って参りました。
今年の10月、知事に手紙を出し、協力をお願いしたところ、農政部を初めとした多くの方々にご協力をいただき、とてもありがたかったです。
そして私たちの活動は、まず御領棚田米をおいしいおむすびにして市場に出し、皆さんに棚田をもっと身近に感じていただくところから少しずつ歩みを始めています。
この活動を通して、ますます棚田の美しさに魅了され、棚田米の美味しさに気が付くことができました。このお米は、全員が農業未経験の中、一角の田んぼのオーナーとして携わり、田植えから稲刈りまでの一連の農作業を、棚田保存会のご協力の下行い、収穫された新米です。
我々の想い、そして、これまで関わってくださったすべての方々の想いがたっぷり詰まった棚田米を、ぜひお納めください。
知事
ありがとうございました。棚田で栽培したお米をいただきましたが、この写真を見てもものすごく美味しそうですよね。今回いただいたお米は、本当は県庁全体でと言いたいとこですが、農政部の皆さんとおにぎりにしていただきたいと思います。本当にありがとうございました。
中山間地域の棚田の維持というものは、大変な労力が必要であると伺っております。地域にとって大変重要な財産であると私も考えています。まさに若い世代、若い皆さんがこの棚田、貴重な財産である棚田を保全・継承していただける活動に参加をしていただいたこと、大変私たちとしても心強いというか、喜ばしいことであります。改めてこの活動に対して心からの敬意を表します。
引き続き頑張っていただきたいと思いますし、私どもも、多くの皆さんにご理解をしていただき、また参加をしていただくように、工夫をしていきたいと思います。
また先日、全国の高校生が、「食の未来」について提案するテレビ番組において、今日お越しの皆さんが決勝大会に出場する5チームに選ばれ、「棚田米のおいしさを広める」をテーマにプレゼンを行ったと聞いております。
これもまた素晴らしいことでありまして、ぜひ皆さんの若い感性、フレッシュな感性で農業含め、この棚田の活動、さらには山梨県の農業、もっと言うとより良い山梨づくりに向けていろいろお知恵をいただけること、さらなる期待を申し上げまして、感謝の言葉といたします。本当にありがとうございます。引き続きぜひ頑張ってください。
知事
県馬術競技場ですが、2024年パリオリンピックに向けました、国際競技力の向上を目的とした「JOC認定競技別強化センター」に認定され、先日、その証しとなる看板がJOCから送付されました。こちらがその看板となっております。
県馬術競技場ですが、過去にもシドニーオリンピックと北京オリンピックに際しまして、競技別強化センターに認定されておりまして、今回で3回目となります。
2024パリオリンピックの競技別強化センターの認定は、全国で本県の馬術競技場のみとなっておりまして、この認定期間は令和4年10月21日から、パリオリンピックが開催されます令和6年度末までとなっております。
また、本年10月に栃木県で開催されました、第77回国民体育大会馬術競技におきまして、波里有希選手が、成年男子スピードアンドハンディネス部門で初優勝を果たしました。誠におめでとうございます。
波里選手は18歳でオランダに渡り、数々の競技経験や競走馬の飼養管理や調教に関する経験などを積まれた後、7年ほど前に北杜市に移住をされ、馬事振興センターが運営管理をいたします県馬術競技場を拠点に活動され、2020東京オリンピック馬術競技会場の企画業務にも携わるなど、本県の馬術界の底上げに尽力をしてくださっております。
今回の認定を受けまして、全日本クラスの大会、或いはトップクラスの競技者の強化合宿に利用されるなど、全国最高レベルの馬術競技の拠点として活用されることから、北杜市の「馬の町」としての発展や、スポーツツーリズムによる観光振興が大いに期待されるところでございます。
記者
今、新潟県が大雪になっていて、自分の記憶してる範囲内で恐縮なのですけども、8年前の大雪の時には新潟から多分除雪車とかの支援を受けていたかと思うのですが、今回の大雪の関連で何かこう山梨県として支援するようなことはないですか。
知事
特に新潟県は中央4県ということで、私どもにとりましては、戦国時代は別として、ある意味兄弟県なわけですが、その親しい県が今大変な災害に見舞われているということにつきまして、まずは、お見舞いを申し上げたいと思います。
その上で今回の事態に対しまして、私どもから、新潟県さんに対して、何か貢献できることはありませんかと、そういう問い合わせを差し上げたところ、現状においては大丈夫だというご回答をいただいているところであります。
また、要請があれば速やかに最大限の対応をして参りたいと思います。
記者
少人数学級についてなのですが、先般、報告書で25人と30人という両論併記という形でまとまりましたけれども、知事が現在どういうふうに考えているかを教えてください。
知事
すみません、それも最終の話につきましては、これから報告書をいただけることになっておりますので、そこを踏まえて、具体的な判断をしていきたいと思いますが、私の基本的な考え方の方向性は少人数学級を実現したいと。
もちろん財源の問題がありますが、できる限り全学年を最終・最後の目標としては、25人学級にするべく、段階的に取り組みを進めていきたい、この方針に変わりはありません。ただ、ご案内の通り、現実問題として財源の問題はあります。
今回の話はいずれにしても、裁判は、一審は単に通過点ですので、いずれ高裁に行く可能性も当初からあるわけです。そういうことも踏まえて、今年の議論の中にはそのカウントはしておりませんが、いずれにしても恒久的な財源をどのように確保していくかというのは、先ほど申し上げたように、いろんな手段を駆使しながらその見極めがついたところで、一つ一つ実行をしていきたいと思います。
昨日、不登校について、これに携わってる皆さんとの対話というものもしたのですけれども、その中でも、少人数学級というものが大変大きな役割、効果を果たしうると期待されるのだと、このような話もいただきましたし、また当初、根本の目標であります、いかなる家庭の経済環境であっても、しっかりと将来に向けてチャレンジできる環境づくり、これは本当に重要な話でありますので、あらゆる知恵を絞りながら財源を捻出し、また、教職員の志願者も増やして、これもまたいろいろ言われていますけど、教職員の本来の魅力をしっかりと受け取っていただける若い人たちも増やしながら、この25人学級を実現できる環境づくりに取り組みを進めていきたいと思います。