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ページID:100808更新日:2021年8月10日

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議長、副議長定例記者会見(令和3年7月7日)

詳細内容

令和3年7月7日(水曜日)午後1時30分~午後2時10分

県議会議事堂2階 議会運営委員会室

210707

所感

(議長)

はじめに、新型コロナウイルス感染症の最前線や、ワクチン接種の迅速な対応のため、各現場において御尽力いただいております医療関係者や行政の皆様、さらに感染防止対策の徹底など懸命に御努力くださっています県民の皆様、事業者の皆様に、県議会を代表して感謝申し上げます。

また、東海や関東を中心とした活発な梅雨前線の影響で、非常に激しい雨となり、3日午前に静岡県熱海市で大規模な土石流が発生しました。多くの人命が失われ、そしてまだ見つかっていない方々がおいでであります。謹んで哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。

さて、今定例会におきましては、検査対象の拡大や、ワクチン接種関連の助成、ワクチン接種の加速化などの新型コロナウイルス感染症対策や、教育環境の充実、八ヶ岳スケートセンターの施設の改修などを含め、224億円余の一般会計補正予算や、「山梨県太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例」の制定などの審議といった、幅広い分野において、活発な議論が交わされました。最終日の6月の本議会においては、各会派から計25人が登壇して、質疑や討論が行われ、まさに言論の府としての県議会のあるべき姿が、ここにあったのではないかと思います。

ただ、いくつか問題が提起されていることもあります。

例えば、県有地の貸付に関する調査及び検証特別委員会より提案があった議会基本条例第10条に基づく専門家会議の設置が否決されておりますが、設置されれば全国的に先進的な取組であったため、このことについては残念に思っております。

また、議会基本条例第3条にあるとおり、議会は基本理念にのっとり知事等の事務の執行についての監視及び評価を行い、また付議された案件に対し精査するとともに、誠実に対応しなければなりません。このため、常任委員会や特別委員会等で様々な形で調査審査を行うことは当然であります。また、住民監査請求が提起されていますが、これは地方自治法242条に基づいて行われるもので住民全体の利益を守るためのものであります。今回の県有地問題は、県民から大変関心の高い事案であり、このような請求が複数提起されていてもおかしくないと私は思っています。昨日討論において複数の議員がこれらの対応について、執行部の負担が重いとの趣旨の発言をされましたが、これは甚だ理解に苦しむ点であります。関心を持っていることに対して、議員が議会の中で真摯に向き合いながら議論を交わすということは、これは当たり前のことであり、そこについては議員の中で考えの隔たりがあるように思います。

また今回、私に対する不信任の動議が可決されましたが、本会議での私の弁明の機会が賛成者少数により否決されたことについても、議会人として大変憤りと残念な気持ちを持って受け止めております。やはり、提案して理由を述べている以上、相手方にその弁明の機会を失わせるという行為に及ぶことは、非常にこの平等の原則に反する行為だと私は思います。

私自身議長の不信任決議は、法律上認められたものではなく法的には服従する義務がありません。加えて決議案の可決後に賛成者の皆さんが、私が議長を務める本会議に出席していました。一般的には不信任を出した後は、皆さん退室するようですが、閉会の挨拶まで誰一人欠けることなく聞いていただいたことについては、さらに精進して議長職を全うしろというエールだと受け止めさせていただきます。

また、本日の新聞記事において、自由民主党・山梨の浅川代表による「本人が頑張って続けるなら応援する」とのコメントが掲載されておりました。ありがたい応援のメッセージだと受け止め、引き続き公正公平で中立な議長職に邁進していくことを心に新たにしたところであります。不信任決議に私としては非常に沈んだ気持ちもありましたが、このように応援していただきありがたく思っております。

新たに皆様方に御報告しなければならないことがあります。今年3月、自民党誠心会から一部議員が会派を離脱しておりますが、その直前に、不信任動議の提出者である議員が、胸にICレコーダーを忍ばせ、会派控室内の議員の会話を盗聴した事件がありました。不審に思った議員がこれに気付き、当人もその場で事実を認めております。ここに立ち会っている議員も複数おります。言うまでもなく、議員には県民の負託を受けた代表として、重大な使命と高い倫理的義務が課せられており、品位の保持及び政治倫理の向上に努めなければなりません。このような議員としての資質を欠く行為、それ以前に人として許されざる行為であり、他人を批判する資質はないと、私自身考えております。今後どのように対処すべきか検討しているところであります。恐らく、今まで山梨県議会の中でも、このようなことはかつてなかったことだと記憶するところでありますが、本人もその場で認め、複数人がそこで立ち会っているということなどから、由々しき事態について今後精査し、対応していかなければならないと思っております。法的にどのような流れがあるのかも含め、事務局や専門家等にも相談をしながら、詰めていきたいと思っております。

議長としては公正公平な議会運営は当然のことであり、常に県民全体の利益を考え、その負託と信頼に応えるべき、議会の品位の保持と機能強化に向け、先導的な役割をこれからも引き続いて図っていきたいと思っております。昨日もお答えをさせていただきましたように、私の身に覚えもない、つくられたものに関して、私も一社会人として、議会人として、家庭人として、企業人として、名誉を回復、挽回していかなければなりません。あの時(不信任動議時)の遠藤議員の発言を精査して、対処していかなければならないと思っております。

発表事項

(議長)

「「こども庁」創設を求める意見書」、「中華人民共和国による人権侵害問題の解決に向けた日本政府の適切な対応を求める意見書」、「急傾斜地における緊急点検及び早期の対策を求める国に対する意見書」については、配布のとおりです。山梨県議会委員会条例の一部改正に関して、今後、女性の政治参加等や、通年議会の開催について検討を始めたいということがあります。議会においても専決事項について議論が沸き起こっている中、解決する方法としては、通年議会の開催を検討していかなければならないというメッセージも送らせていただきます。

最後に「高校生議会」についてであります。選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられて5年が経過しておりますが、10代の投票率が他の年代に比べて低いことを踏まえて、県内の高校生に県議会を体験してもらうことで、県政や県議会に対する理解、関心を深め、政治へ参加する意識の向上を図るため、来る8月3日に高校生議会を開催することといたしました。参加する高校生が、本県の将来に向けた提言を行い、若い方々の意見を県政に反映する機会としたいと思っています。内容等につきましては、また改めて議会事務局の方から、配布させていただきます。

以上とさせていただきますが、今後とも皆様方の非常に熱心な取材に感謝するとともに、私自身、議長として開かれた議会ということで、公的な議論の場については、全てマスコミの方や一般の方に公開をし、また、議員の研修等も含め闊達な議論が取り交わされている部分についても公開をしていきたいと思っております。本日はありがとうございました。

質疑事項

(記者)

政務活動費の関係で、不適切な使用が疑われるような事案がいくつか拝見されるかと思います。毎年出ている話ですが、それに対して議会の方で何かしらの対応は。

(議長)

私自身、当選以来、政務活動費を会派としても個人でも受け取っていませんでした。ただ、昨年は、まずは受け取った気分を経験しなければならないと思い、個人分会派分ともに交付を受けましたが、最終的には全額使わず返金させていただきました。

その中で今回の内容ですが、家族親族を雇用したり、家族親族から事務所を借りたりなどの事例は、法にのっとっていると私自身は理解をしています。一般的な県民にとっては、そこに少し疑念を持つ人も、私は、数多くいると思います。しかし、それが法律に触れていないということであれば問題はないことだと私自身は思います。

また、一議員が制作した映像が民間企業に使われているということについては、私も映像を見させていただきましたが、なかなか私としては理解できませんでした。

政務活動費の手引きという中に、充当適否の最終判断という部分が出ております。山梨県の場合は、会派が5万円(×所属議員)、議員には23万円、毎月交付されているわけですが、その個々の事業に関わる充当、適否の判断は、最終的に会派議員が行うということになっています。説明責任については、しっかりとわかる形でしないとなりません。これは個人のお金ではなく、公のお金であり、議員の資格・資質に関わる問題でありますので、議会側としてはノータッチでありますが、指摘された以上は、明確に公の場で説明を早い段階で図るべきだと私自身は思います。

(記者)

3月の盗聴の疑惑についてですが、どういう場所で盗聴があったのか、細かく教えてください。

(議長)

会派分裂の時期に、長い時間、ソファーに座っており、それも数時間、数日にわたりました。周りに同僚議員がいるわけでもないのに一人自席にポツンと座りじっとしている姿がたびたび見受けられたので、少しおかしいな、ということに繋がりました。ある日、手洗場にいたその議員からカシャカシャッという機械音を立てて機器が落ち、「それは何ですか。」とその場にいた議員が聞いたところ、「ICレコーダーですよ。」という返事だったということでした。その後、会派の中でその指摘された議員がICレコーダーを持っていたことが話題になり、一部議員が、「それは本当ですか。」と聞いたところ、「本当です。録音していました。」という言葉を、複数の会派の議員が聞いておりました。「そんなつまらないことは、やめろ。」というような声に、「わかりました。」と返したということで、その話は済ましてきているわけです。ただ、やはり会派も分裂してくるとだんだんと疑心暗鬼になる部分もあります。様々な会話が録音されたことにより、考え方がわかってしまったのではないかと感じています。

(記者)

録音場所としては、1階の誠心会の部屋ですか。

(議長)

はいそうです。

(記者)

疑惑のある方というのは、当時はまだ誠心会にいらっしゃったのですか。

(議長)

そうです。

今議会の中において、公的な研修会を無断で欠席して、その欠席理由も言わなかったり、常任委員会を欠席したりだとか、適切でない発言をするようなことが起きたりするなどありました。

昨日の議会終わりの後、先輩議員OBの方からも「しっかりせよ」という叱咤をいただいておりますので、こうしたことも含めて、議会人として、きっちりと対応を県民に見せていかなければいけないというように、また改めて感じるところでございます。

このことによって、私自身が議長に不適切だということも、昨日(不信任動議時)、遠藤議員からそうしたことも含めて説明があったようですが、やはり、それとこれとは次元が違うということを、改めてこの議長記者会見の中で、私は県民に伝えていきたいと思っております。

(記者)

録音は3月に発覚していると思いますが、このタイミングで明らかにしたのは何か理由があるのでしょうか。

(議長)

会派の方から、こうしたこともしっかり表に出していかないと、二度三度繰り返すのではないかという御意見をいただきまして、今回この中で発表することにいたしました。

(記者)

会派から要請があったということですか。

(議長)

はいそうです。その時に、数多くの議員がおりましたので、この際、こういったことも明確にしていった方が良いと、会派内から要請がありました。

(記者)

不信任の議決に関して、いくつか伺います。先ほど開会後に全員、席におられてエールをいただいたとおっしゃっていましたが、可決されて、それから本会議が再開されるまでの間は、どのようなお気持ちだったのでしょうか。

(議長)

そうですね、不信任に対して否決する討論を、会派から3人、他会派から1人していただきました。私自身もその内容を聞いていましたが、私自身の弁明を許されなかった部分を弁明していただいたなと思いました。そして、私について討論していただいた方々というのは、実際そこにいた人達ですから、遠藤議員の(不信任動議の)ように、つくられたような話ではありません。実際その方々はその現場にいての発言ですので、本当に信憑性のある話をしていただいてありがたいなという気持ちで聞いておりました。

(記者)

不信任が過半数で可決されるというのは、それ自体重大なことだと思います。それでも議長を続けようと思われた理由は何でしょうか。

(議長)

今までのこの議決の流れが20対15ぐらいだったので、私の提案した部分も否決されておりました。それが最終的には17対15になったので、だいぶこの件については、そういったことについて、左右されないなというのが私自身の見方です。議会のこの執行部側のものと、私の部分は若干違う。あれだけのつくられた遠藤議員の(不信任動議の)内容を聞いて、やっぱりここでやめるわけにはいかない、そのようなことは当てはまらないと、何を言っているのだというものが、私の中に沸き起こっております。

(記者)

その3会派の挙げている理由が7つあって、それぞれ今おっしゃるようなお気持ちだったと言うことですけれども、大きく言うと議会運営を中立公正にやっていただきたい、中立公正ではないのではないかという主旨だと思うのですが。議長は自民党誠心会に属しておられますけれども、山梨県議会の慣例とは言え、会派に止まるということについてどう思われますか。

(議長)

そうですね、会派に止まることについては今まで問題があることだと感じたことはございません。

(記者)

例えば、国会では昔だったら、離党するだとかあると思いますが、そこまでは。

(議長)

国会と地方議会では、首相の選び方も違います。そのあたりについては、地方議会というのはまた違ってくるので。

(記者)

確かに、議院内閣制、二元代表制、そもそも振り返ると、もう成り立ちが違うからというのは。

先ほど会派からの要請だということですけれども、自民党誠心会の中での出来事を議長さんから取り上げて調査するとおっしゃっているので、そういう会派と議会との関係からして、中立公正という点でどうなのかなと思うのですが。

(議長)

ここの部分については、発言などというものではなく、ある程度行為という、社会通念上許されない行為でありますので、これはまた別問題なのかなという気がします。

(記者)

議長として調査をするということになるのでしょうか。

(議長)

そうですね。日も経ってはおりますが、この件についても、看過できることではないという意見が徐々に出てきましたので、私自身もここで発言する機会が生じたなと感じています。

(記者)

議長としての発言であり、議長として調査をするということですか。

(議長)

そうですね。

(記者)

議長さんが、自民党誠心会に所属しておられるので、どちらなのか少し確認したかったのですが、議長としてということですね。

その盗聴の機会に、議長さんは控室におられたのですか。

(議長)

私自身もいました。

(記者)

それと、山梨県議会では本会議前に研修を行うということは、しばしばあるのでしょうか。

(議長)

本会議の後行うということが一般的に、ずっと続いています。皆さん本会議ということで、その日の時間は取ってあるだろう、会期中はやはり議会活動、議会を中心にしてもらわなければいけないだろうということで、その日に研修をしています。例えば、今議会の最終日には、9月の議会の予定表も配布をいたします。その中で月に一回、通院されている方も、その日はやはり外していただきたい。毎日、毎時間研修をやっているわけではありませんので、3ヶ月くらい前に渡すスケジュールによって、病院に行く、通院も日時を決めていただきたいというような思いもあります。しかも、本会議の後ですから、非常に皆さんスムーズに研修を受けやすいという、そういったことで本会議の知事の所信表明の後、休憩を挟んで行うというのが、最近の通例です。

(記者)

講師の選定やテーマなど、その内容に関してその中立公正云々という意見が確か本会議にあったように記憶していますが、その点議長はどう思いますか。

(議長)

私がお願いした江藤先生は、山梨県議会が流会した時にお世話になった先生です。アドバイザーという形だったと思います。山梨県の議会基本条例も、その後、構築できたのですが、その時にもアドバイスをいただいております。また山梨学院大学の講師、教授を長くされていましたので、山梨県議会議員にも教え子さんが複数いるわけです。

今回の専決のことなどは、江藤先生がテーマにしていることでもありますし、今、山梨県の抱えている問題についても、専決ということになれば今度は通年議会だとか、そういったことも含めて、お話を伺いたかった。先生が関わった流会から数年経っておりますので、どのようにこの山梨県議会が変わってきたのかということも含めてお聞きしたかったので、私としては、選定をさせていただきました。

(記者)

江藤教授を選定したのは議長さんであり、当然、今回の焦点だと私は思いますけども、例えば、専決処分がテーマになるということも、その打ち合わせの中で決めてきたことですか。

(議長)

ただ、新聞で江藤先生の時評が出たことについても全てセットになって、議長は考えているのではないかというような誤解もされているなという気はいたします。それは偶然で、タイミングが重なってしまっただけですので。

(記者)

議長が講師を江藤教授にお願いして、テーマについても議長と打ち合わせの中で、あのようなテーマでお話いただいたということでよろしいですね。

研修会は、今回に限らず、しょっちゅう開かれているのですか。

(議長)

しょっちゅうと言いますか、そういった形式で。常にやっています。

(記者)

先ほど、不信任動議を提出した3会派の方々が、議長に対して、申入書ということで、局長に渡したと思います。その中で携帯電話の持ち込みの件と発言で、それぞれ公平公正ではないのではないかというような内容でした。それに対して今、改めて質問の内容を二つピックアップして申し入れてると思いますが、その内容については。

(議長)

この1時30分ぎりぎりだったので、まだ何も見ていません。

(記者)

内容は、そこは確認して対応ということで。

(議長)

はい。ある程度遠藤議員から(不信任動議で)指摘されたことについては、私が昨日の報道、議運の中で、説明させていただきましたので、その中でまた回答漏れがあるのであれば、回答をしていきたいとは思っています。

(記者)

議長さんが職責を全うするという考えをお示しになっていますけども、議長の任期は、議員の任期、ずっと通してやれば4年間。それは、私たちが「たらいまわし」と表現していますが、1年未満でどんどん交代することについて、残り任期の間どのようにしてお努めになりますか。

(議長)

8月には高校生議会もありますし、私自身議長就任時にいくつか公約を掲げさせていただいておりますので、その公約を成し遂げた段階が議長退任の時期なのかなという考え方でおります。

(記者)

そうすると任期途中でお辞めになる可能性もありますか。

(議長)

そこまで踏み込んだことは、お答えできません。

(記者)

事務局長に。さっき開かれた議会という発言があったかと思いますが、最終日、ここ連続で11月・2月・6月議会とバタバタで、色々と進行が大変なところもあるかと思いますけれども、県民に正しい議会の状況を伝えるというのも、私たちの務めであります。

昨日のような少し混乱が起きたときに、なかなか取材対応が難しいようで。見ていると本当にお忙しそうにしているので、私どもも昨日は無理に取材をせずにいましたが、できる範囲で構いませんので、少し取材対応をしていただきたい。例えば、議長の討論は何人くらいあるかなどをお聞きしたかった。うちもニュースなどで締め切りがあるので、事前に何人が討論予定など、そうしたことも伝えていただきたい。

(議長)

私からも、事務局側にお願いをしておきます。

やはりニュース、記事ですから、タイムリーでね、生ものだと私も思っていますので。今日、協力を求めます。

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