ページID:62840更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成26年10月8日水曜日)

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

  • なし
発表事項以外の質疑応答
 

発表事項以外の質疑応答

 「富士山火山防災対策について」

記者

御嶽山の噴火について知事の率直なお気持ち、所感をお聞きしたいのと、活火山として本県に富士山がありますが、富士山の防災対策について知事からどのように取り組んでいかれるかお聞かせください。

 

知事

大変痛ましい事故でありまして、報道などを見ておりましても山を愛する人だけに本当に立派な方々が犠牲になったわけでありまして、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。

あのような突発的な水蒸気爆発ということでありますから、なかなか従来の噴火対策というのは、事前に何らかの兆候が1カ月前、1週間前には必ずあるものであると、そういう前提に立って行われる場合が多かったわけであります。突然の噴火に対応するということは、余り考えていなかった訳でありまして、富士山の場合も又同様でありまして、我々としてはそういった突発的な水蒸気爆発というものに対する対応も、現在検討中の広域避難計画の中でしっかりと検討していかなければならないと思っております。

記者

御嶽山の噴火を受けて、富士山にも専門家からは下山道にシェルターを整備する、狭い登山道を拡幅するなど、そういうことをすべきであるという意見があります。ハード整備に取り組むお考えはありますか。

知事

ハード整備も当然必要だろうと思っております。一つは、なんといっても富士山は、観測機器等は相当整備されておりますが、山体が非常に大きいですからまだまだ不足しているわけでありまして、観測体制をより強化をしていくことを国にももちろん要請したいし、県レベルでもそういった観測機器の設置等を進めていかなければならないと思っております。

富士山の場合には、噴火が起こるとしても山頂ももちろんあるかもしれませんが、むしろ山腹で起こる場合が多いわけでありますから、富士山全体に観測体制を充実しなければいけないということでありますが、今回の御嶽山の水蒸気爆発でも、10日くらい前には予兆が出ておりましたから予兆をしっかりとつかまえて、それに対応する対策を安全性を常に前提にしながら考えておくことが、まず第一だろうと思います。

その上で、登山道の方は山小屋が19軒(吉田口登山道16、山頂3)ありますから、これが緊急避難所になっておりますから、一応緊急避難施設はあるわけであります。

下山道の方はおっしゃるように緊急避難所が1カ所しかないということでありますので、下山道についてはシェルター、或いは洞門の設置が必要ではないかと考えております。ただ、一つは自然公園法、或いは文化財保護法の非常に厳しい規制があること、世界遺産としてユネスコ、イコモスの考え方ももちろんありますから、そういうものとの調整が必要であります。

しかし、これは人命に関わることですから、それらの問題は必要性がしっかり説明できれば、クリアできるのではないかと思っております。ただ、登山者は何千人ですから何千人を全て収容するようなシェルターを造るのは、現実的ではないわけでありまして、そこにやはりシェルターも一定の限界があるのではないかと思っておりますが、シェルターの設置について有識者の意見をよく聞きながら今後検討していきたいと思っております。

更に申し上げると、ヘルメット、マスクです。御嶽山の被災者を見ても、山小屋の黄色いヘルメットをかぶり、何らかのマスクか手ぬぐいなどで口を覆って避難されたわけでありまして、ヘルメットとマスクは避難するときの必須のものであると思いますから、現在、山小屋にヘルメットは常置はしておりますが、数的には非常に少ないですから各山小屋に相当量のヘルメットを配置をしておく、或いはマスクを配置しておく様なことは、必要ではないかと思っております。

記者

昨日の庁内連絡会議の中で、スバルライン側で噴火が起きた時にスバルラインが避難路として使えなくなった時のために、反対側の林道を避難ルートとして整備する必要があるのではないかという意見がありましたが、その辺りはどのようにお考えですか。

知事

それは必要だろうと思っております。ちょうどスバルラインの方向とその反対側の方向に滝沢林道がありますから、スバルライン方面で噴火が発生してそちらが使えなくなったときには滝沢林道を使っていくしかありません。林道の幅員が4~5メートルありますし、舗装はされておりますので、林道としては非常にグレードの高いものであります。しかし、一部分狭いところもあったりしますからそういうところの整備、或いは線形などを直したりする必要がある所もあるかもしれませんが、滝沢林道の整備というものも避難路として検討する必要があると思っております。

記者

登山者に対してヘルメットの着用を奨励する、登山届けを義務付ける等、登山者に対する対応ということで何かお考えはありますでしょうか。

知事

おっしゃるようにヘルメット、それからマスクについては頂上まで登られる登山者に対しては是非持ってきてくださいということは、いろいろな形でPRをしていかなければならないと思っております。ヘルメットは噴火に限らず落石対策としても重要でありますので、そのことはいろいろな手段を通じて登山をされる方にPRをしていきたいと思っております。

それから登山計画書の提出ということですが、現在は環境省と山梨県と静岡県で作っている富士山登山における安全確保のためのガイドラインで夏の登山期間以外の冬季の登山について登山計画書を必ず提出するよう定めている。

それからもうひとつはツアーで頂上まで登る人の場合には、観光庁のツアー登山運行ガイドラインというものがありまして、必ず登山計画書を提出することを定めているということでありますから、そうしたガイドラインによる義務付けといいましょうか、それを更にPRし、徹底していく必要があると思っております。

記者

夏山についても拡大するということはありますか。

知事

ツアー登山客の登山計画書の提出は夏山も対象になるわけですが、環境省や山梨県、静岡県で作っている、富士登山における安全確保のためのガイドラインでは冬山ということになっているわけであります。夏山について、それを拡大するかということについては、頂上まで登る人だけでも30万人という人。したがって、1日数千人が登るわけでして、そういう方々全部に登山計画書の提出を義務づけるというのは、なかなか大変なことで、やや現実的ではないのではないかという感じがしています。検討の対象にはなると思いますけれども、相当大変な作業になるに違いないと思っておりまして、そこまでやるべきかどうかは、よく有識者、関係者に意見を聞いてみたいと思っております。

記者

こうした火山防災というのは、かなり専門家の委員会というか知見が必要かと思うのですが、今年度から新設された富士山科学研究所との連携について、これからどうしていくかについて、改めてお伺いしたいのですが。

知事

まさに富士山噴火対策の前提となる科学的知見をしっかりと得るようにしなければならない、という必要性から従来の環境科学研究所を富士山科学研究所に改組して、富士山科学研究所には富士山火山防災研究部門の人的な充実を図ったというところであります。言うまでもなく、所長は前は荒巻先生であり、今回は藤井先生にお願いしておりますけれども、ご案内のように、火山予知連の会長を務めておられる我が国のマグマ学、火山学の最高権威といっていい方だと思います。そして、その下に、北海道大学から大変優秀な藤井先生のお弟子さんだと思いますが、吉本主任研究員に来ていただいておりまして、そのように人的な火山の専門家も充実しておりますから、そういう方がぜひ有珠山における岡田先生のように富士山のホームドクターになって、常に富士山の状況を監視し、科学的に今の段階でどうなっているのか、そういった科学的な情報とか知見というものを我々行政に与えてくれるようにお願いしたいと思っております。

 

(以上)

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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