ページID:64775更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成27年2月16日月曜日)

本館2階特別会議室

11時30分から

コメント

 

 

 2期8年間を振り返って

知事

マスコミ各社の皆さま方には、8年間大変ご厄介になりました。皆さま方や皆さま方の先輩各位が、常に公正公平、適切な報道をされることを通じて県政の進展にご協力をいただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。

皆さま方とは、原則週1回の記者会見という場でお会いをしたわけですが、この週1回の記者会見は私にも貴重な機会であった、と思うわけであります。

一つは、常に、県政に緊張感を持ち続けることができた、ということもありますし、同時に皆さま方からのいろいろなご意見、ご質問を通じて県民意見というものを把握して、「県民が今どういうものに関心を持っているか」、「どういうことを問題としているのか」、そういう各部局の県民が関心を持つ課題について、詳細に承知することができたという意味において、適正な県政運営の推進に、私にとっても大変有益であったと思っておりまして、心から感謝を申し上げたいと思います。

新知事の新県政が、明日から始まるわけでありますが、引き続き皆さま方には、是々非々で適正な報道を通じて山梨県の発展のためにご尽力を賜りますように、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

皆さんのご健勝、ご活躍をお祈りしてご挨拶といたします。

皆さんありがとうございました。

 

記者

8年間、本当にお疲れ様でした。我々も、知事から非常に学ぶべきところが多く、毎日勉強させていただいたと思っております。2期8年を振り返って、この8年が知事にとってどんなものだったか、何か言葉で表現されたり、点数をつけたらいかがでしょうか。

知事

この8年間を一言でいえば、いつもいっておりますように全力投球ということで、自分なりにたいして能力がありませんが、能力の限りを尽くして仕事をしたということは、確かでありますから、もう一回やれといわれてもこれ以上のことはできない、もっと能力のある人なら、もっとできたかもしれませんが、私には、自分なりの最大限のことができたと思っております。

そういう意味で、全力投球だったということであります。点数ということになりますと、自分はまあ合格点は何とかもらえるのではないかという思いはありますが、それは県民の皆さん、今日お集まりの(記者の)皆さんがつけることであって、私が何点かと申し上げるのは適当ではないと思っております。

記者

8年間、最後の日を迎え最も心に残っていることと、心に残っている積み残しと感じられる課題がありましたら教えてください。

知事

8年間にやったことで、一番心に残っていることといえば、富士山の世界遺産の登録が実現したというのが一番印象的であります。

それから、もう一つは医療の問題で県立病院、これをかなりの赤字の状況が続いておりまして、何とか黒字にしなければいけない、いい病院にしていかなければならないという思いで、独立行政法人にしたわけであります。これについても、相当県民の皆さんから懸念の声が出た中で、タウンミーティングなども行い、私が直接説明し、独立行政法人にしたわけでありますが、結果として、財政経営の面はもちろんですが、医療機関として県民サービスの向上を図っておりまして、これが成功したということは非常に印象に残っております。その他いろいろなことがありますが、そんなところでしょうか。

それから、おっしゃったもう一点の残った課題ですが、これは今日も(幹部職員への挨拶で)申し上げましたが、新しい産業と新しい雇用を創造するということが、残された一番大きな課題だと、私は思っております。いつもいっていることですが、本県の主力産業は、機械電子産業ですが、グローバル化の進展の中で、リストラ、海外への工場移転などが行われ、結果として雇用が放出され、有効求人倍率などが、全国水準よりもかなり低い水準になっているということで、本県の雇用が非常に厳しい状況にあるということが続いております。

これを何とか改善の方向に持っていきたいと思って努力をしてきたわけでありますが、まだ、いくつか農業、観光、地場産業にしても成長していく芽のようなものは出てきていますが、まだ雇用吸収力という点では、大きなものになっていないということでありまして、これが私としては、心残りな課題ということであります。

記者

2007年に公約を様々掲げられ当選されましたが、公約に関してはどれくらい達成されたとお考えでしょうか。

知事

公約は120近くありましたが、チャレンジ山梨行動計画をつくりまして、これに全部盛り込んだわけです。チャレンジ山梨行動計画は、100パーセントではありませんが、ほぼ100パーセントに近い達成をしたということであります。具体的な達成度等については、知事政策局にお聞きいただければと思います。

そういうことで、公約は100パーセントとはいえないまでも、大部分のものが達成できたと思っております。

記者

 県民の皆様にどのように気持ちを伝えたいと考えていらっしゃるかということ、引退を表明されてから、今までいろいろな形で県民の方から声をかけていただいたと思いますが、県民の声をどのように考えていらっしゃるかということ、職員に対してどのような気持ちかお聞かせください。

知事

 県民の皆さんには、この8年間暖かく見守っていただき、私の県政運営に協力していただいたと思っており、このことを心からお礼を申し上げたいと思います。

そして、県庁職員については、8年間付き合ってみて、非常にまじめな組織だと思いました。一生懸命、私の指示を具体化する努力をしてくれた、と思っております。もちろん、足らざる点はあるわけですが、今日は、そのことを私からの希望として(幹部職員への挨拶で)3点申し上げましたが、そういう点も充実していけば、非常に立派な組織になっていくのではないかと思っております。

記者

後藤知事に贈る言葉、と明日からの過ごし方について何かありましたら教えてください。

知事

新知事に贈る言葉としては、熟議断行(じゅくぎだんこう)ということを申し上げたいと思います。熟慮断行という言葉はありますけれども、熟慮ではなくて熟議断行という言葉です。自分がこうだ、正しいと思ったら思い切って断行してもらいたいと思います。ただ、知事には意外と情報が上がってこない面がありまして、県庁職員は知事の指示があったら多少おかしいと思っても、それに従うという習性がありまして、なかなか知事が言うことに対して身をていして反対をするとかということはあまりないです。県庁外の皆さんからも知事がやっていることに対する厳しい意見というのは、あまり入ってこないということもありまして、情報が入ってこないという面があります。したがって、自分だけの判断で決めますと、間違うことがあるわけです。物事を決めるとき、自分の腹を固めるときには、県庁内外のできるだけ多くの人の話を聞いて、自分の腹を決めて、決まったら、断行してもらいたいと思います。そういう意味で熟議断行という言葉を贈りたいと思います。

それから、辞めた後の過ごし方については、まだ、こうということは決めておりません。具体的に何か仕事をするとか考えているわけではありません。小さい事務所は持ちますけれども、しばらく体を休めたりしながら、これからどうしていくかということは、考えたいと思っています。

記者

 職員から情報が上がってこないという話がありましたが、県の負の遺産という意味では、いろいろ林業公社なり住宅供給公社なり実績を踏まれてきたというふうに考えているのですが、明野処分場に関して、開業したときの判断は果たして正しかったのか、一部支持者の方からは最初から20億くらい赤字が出るのではないかと知事の方におっしゃっていたということもあるみたいですが、それに関してはどのようにお考えでしょうか。

知事

おっしゃるようなことは確かにありました。あの処分場のことをいいますと、平成18年の10月に前の知事の時に着工しましてですね。すでに工事が始まっていました。私が就任したのが平成19年の2月ですから、その時点では仕事が始まっていたわけですから、私が知事になって、始まっていたものを止めるということは、大きな混乱を招くということはありますので、これはもうやむを得ない、続けるしかないという方向でやったわけです。これについては、公約としては書いてありませんけれども、選挙の前に記者会見などで、これはもう続けるしかないということは申し上げていますから、そのことは県民の皆さんに知ってもらった上で投票してもらったと思っております。ということで始まって立派な処分場が完成したわけですが、確かに大きな赤字になることが明らかになってしまいました。この点については、結局歴史の流れの中でリサイクルが進展して需要を見誤ったと。需要が変化している、縮小していることを見誤ったことについては、県行政として反省をしなければならないと思っております。処分場を閉鎖した直接的な理由というのは、赤字の問題もありますけれども、それより何よりやはり処分場が漏水検知システムの異常検知という事態が2度にわたって起きて、これはシステムに工事の瑕疵による欠陥があるということで、これを放置しておくと3度目、4度目が起こってくる可能性があるものですから、欠陥のあるものを続けるわけにはいかないということで、閉鎖をし、それを作った施工業者に対して損害賠償請求を行うということにしたということです。

記者

今日退任ということで、今日身につけられているもので特別なものとか、服装などで特別なものを身につけられたとか、朝、普段と違うことをされたとか何か特別な日にされたことはありますか。

知事

特別なことはありませんでした、申し訳ない。通常の出勤日と同じように出勤をしてきました。強いていえば、家内が「ごくろうさまでした」と一言いっただけのことです。

記者

公約の件に関してなのですが、概ねできたのではというお話でしたが、チャレンジ計画から見ればそうなのかもしれませんが、2007年の時に掲げられた公約から見れば、JRの甲府新宿1時間化とか、早朝の特急とか今から見てもこれは実現していたらすごい便利になっていたのではないかと期待してしまうような文言がかなりあったのですが、2007年に発表された公約ベースから言えばどういうふうにお感じですか。

知事

確かに公約ベースから言うといくつかできなかったことがありますね。おっしゃる点についても努力は8年間したわけです。長野県とともに中央東線高速化促進広域期成同盟会というのを作って私が会長、長野県知事が副会長になってですね、毎年毎年JR東日本に対して要請してきたわけであります。JR東日本も、なかなかお金のかかる話なので、実現が見られていないわけですが、ついこの間も、JR東日本の副社長に会ってこういう話をして、JR東日本も早朝の快速電車的なものについては、八王子とかあのあたりに所在しているたくさんの大学に山梨県の若者が入学する、そのときに向こうへ行って下宿をしなければならないのでは、地方創生にはならないわけで、やっぱり山梨から通学できるということは地方創生の観点からも必要なことだと、いう認識は持っていただいていまして、引き続きこういう努力を続けていけば、早朝の快速電車というようなものは実現できるのではないかと。さらに言えば、地価が下がっているので、下がっている地価をストップさせると言うことを申し上げましたけども、なかなかストップさせてあげる状況にならなかったわけで、そういう意味ではできなかったということでありますが、ここへ来てずっと下がっていたものが横ばいになって来たものがいくつかありまして、これからリニアが具体化などをしていけば、上昇していくところも出てくるのではないかと思っています。おっしゃるように公約について、実現できなかったものは率直に認めるべきだと思います。

記者

先日の後藤新知事との引き継ぎでも知事というのは激務だというようにおっしゃりました。この激務はどのようにして乗り越えられたのでしょうか。

知事

往々にして激務なのですけれども、私自身が貧乏性というのでしょうか、いろいろなことが来たときに、ついついできるだけそういうものに前向きに対応しようと思っていて、いろいろな会合だとか人と会う機会とかそういうものを選んでなるべく絞るというようなことをしてなかったものですから、自分自身がかなり激務だったわけであります。そのこと自体は別に何かこつがあってやったわけではなくて、それは毎日毎日そういう生活を送ったということであって、特別何かをやったわけではありません。

記者

退任に当たって各方面に御挨拶に回られたと思うのですけれども、ねぎらいの声とかいろいろあったと思うのですが、一番かけられた声の中で印象に残っている言葉は何かありますか。

知事

東京の皆さん方が、後援会それから東京のいろいろな経済人、そういう方々が、全体として非常に良くやってくれた、いろいろな意味で山梨の知名度といいましょうか、そのようなものが上がったということを、日本郵政の社長の西室さんをはじめ、そういう方々が何人かおっしゃってくれたというのは嬉しかったです。

記者

先程小さな事務所を構えてとおっしゃっていましたが、これは現行の事務所を維持されていくということでよろしいのでしょうか。

知事

いえ、現行の事務所は大きすぎるものですから、それはもうやめて、どこか近くに小さい所を見つけようということであります。

記者

8年前の選挙に出られるとき、ほっとけないということで1兆円の問題を取り上げて、確かに県債残高というのは非常に削減されてきたということは私も認識しています。ただ、未だに1兆円というのが残ったままで、これについてどう思われるのかということと、これは国の施策もあるもので、実現というのは将来的に可能かという見通しみたいなものがあれば教えていただきたいのですが。

知事

これは釈迦に説法ですけれども、県債残高というのは通常の県債残高と言われているもの、これは将来の県民の負担になるものです。その上に臨時財政対策債というものが乗っかっているわけです。臨時財政対策債というのは地方交付税そのものであって、本来は現金で貰わなければいけないわけですけれども、国の方もお金がないものですから、県の方でひとつ借金をしておいて、後で国が元利しっかりと返すからという、法律でそう書いてあるものです。つまり現金の代わりに手形でくれているようなものなのです。交付税ですから、国からこう数字が割り当てられてきたというのにこれを減らすと、その都道府県の市町村は予算が組めなくなってしまうのです。だから、これはこのまま乗っけるしかないのです。ということですから、これの削減というのはちょっと不可能だということなのです。

したがって将来の県民負担となる通常の県債残高というものの削減を、これは公共事業を抑制等していけばできるわけで、それをやってきたということです。全体の県債も、通常の県債を減らしたことに伴って、一時はずっと横ばいになって、平成20年度くらいですが減る傾向が出てきたのですが、リーマンショックがあって、今度は国が一段と国債を発行しなければならないとなって、その時は臨時財政対策債が、地方も一緒に借金を背負って貰いたいということで出てきて、そこでどんと増えたわけです。しかし、また最近になって、平成26年度は前年に対して臨財債も含めての全体の借金というのは落ちてきておりますけれども、そういう特別なものがない限り、これからは臨財債を含めて減少していくと思っております。

いずれにしても臨財債というのは交付税そのものですから地方公共団体としてはどうにもならないもので、全国知事会などでも時々話題になるのですけれども、要するにこれはちゃんと現金でくれないと困るという要望をするしかないのです。それを言っているわけです。国は国債を臨時財政対策債分も入れて発行して、それを現金でということを全国知事会は要望しているわけです。ところが国の方は国の方の借金が大きくなってくるものだから地方の分をひとつもってくれという感じなのです。しかし繰り返しになりますけれども、地方交付税法上、それは将来的には国が元利負担をきちっと面倒見ますということになっていることは間違いないということであります。

記者

スーツの仕立券の問題について、刑事事件にはならなかったわけですが、人事委員は知事が任命されるわけで、賄賂という認識はなかったのか。そして検察審査会で事実が出るまで疑われるような事実はないという説明をされていたわけですが、報道の捉え方としては貰っていないというご説明だと捉えていたのですが、そのように説明されていた理由はどういったものだったのでしょうか。最後に店側の台帳の職業欄に医師と書かれていたという点についてご説明がされていないのですが、それについて説明いただけないでしょうか。

知事

これは、私としては大変軽率な行為であったと深く反省し、県民の皆さんにお詫びしているところです。

賄賂の認識がなかったかといわれる話なのですけれども、本当に率直に言って、友達から応援をしたいという話があって、それはありがとうというぐらいの話です。別にそこのところで人事委員の任命がどうのこうのとかそういうことは全くない。人事委員はだいたい2期やってもらうものですから、その人について2期目を任命したのは、そういうある種の、ルールとして決まっているわけではないけど、慣例から2期目も任命したというだけのことで、そこに何かある種の約束があって、したがって賄賂性があるということは私自身の認識としてもなかったということです。したがって事実はないということを申し上げたのですが、それは賄賂として貰ったのではないかということを例えば共産党の質問でも言われておりまして、それはそうではありません、そういう事実はありませんということを申し上げてきたわけであります。

それから医師云々というのですが、それは私の関知しないところでありまして、そんなことを私が言った覚えもないし、それは何かの間違いではないか。もちろんそれは書いてあるかどうかは知りません。書いてあるかもしれませんが、それはそのお店の方がどういう判断でそう書いたのか、そこのところは私はわかりませんし、少なくとも私からそういうことを言った覚えはないということであります。

 

以上

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