トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 平成26年度知事会見(2月16日まで) > 知事記者会見(平成26年4月9日水曜日)
ページID:59851更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項
発表事項以外の質疑応答 |
記者
一昨日、日本とオーストラリアの間でEPA、経済連携協定が大筋合意されましたが、知事として率直なご感想はございますか。
知事
グローバル化の時代ですから、ひとつの時代の流れだろうと思います。韓国をはじめ他の国はそういった貿易自由化を進めているなかでありますので、日本の産業が国際社会で対等な競争条件で競争していくためには、こうしたEPAというような措置は拡大していくのが時代の流れだろうと思いますから、結構なことではないかと思います。
しかし、畜産への影響というのは当然懸念されるところでありますので、これについては政府もそれなりの対策は取っていくだろうと思います。畜産をはじめ農産物についても自由化をしていっても、もちろん極端な自由化をするということになるとマイナスも大きいわけでありますけれども、日本の農産物の質の良さとか、あるいは安全性という面でも十分競争力を持っておりますから、むしろ積極的に日本の農産物も外へ出していくという姿勢で臨んでいくことが必要なのではないかと思います。
記者
畜産の影響とおっしゃいましたが、本県で考えられる影響というのは何か具体的にありますか。
知事
まだ具体的にどの程度のものになるのか、今は(牛肉の)輸入関税が38.5パーセントですが、これを冷凍は約半分にするのですけれども、しかし輸入量が一定量以上になるとセーフガードが働いて、その38.5パーセントという関税率が復活してくるというようなことでありますから、どの程度の輸入量の増大になってくるのかというのがよく分からないものでありますから、その影響についてはなかなか具体的な数字では計りがたいものがあります。
しかし本県の場合には甲州牛というのが高級な牛でありますし、あとワインビーフなどがありますけれども、これも一定のブランド性を持っておりますので、さらにこのブランド性を強めていくように努力していけば十分対抗できるのではないかと思っております 。
記者
最後に1点ですが、今回米は関税の撤廃の対象外、牛肉も段階的な引き下げという、ある意味日本側が守るところは守り切ったという印象があるのですが、こういったことが今後の通商交渉、特にTPPに交渉段階で与える影響というのは何かあると思われますか。
知事
それはよくわかりません。実際に交渉を担当しているわけではありませんので、どういう影響があるのか私どもにはわからないというのが正直なところです。
記者
過日、果樹への雪害対応として露地物に対してハウスをかける場合、再建規模と同規模であれば支援することが決まったと思いますが、あらためて知事からこの対策の効果とか期待することというのをお伺いできますでしょうか。
知事
おっしゃるとおりでして、災害復旧というのは原則があって、ある施設が被災したときに被災した同じ場所で再建する。しかも復旧ですから原則として1年以内に再建するというのが災害復旧です。しかし、それで果樹ハウスを当てはめていくと、よくいわれているようにハウスを建てても苗木を植えていくわけですから5年間くらいは収入がないということになります。したがって、そこのところが農家にとって再建していく上で最大の課題だと思います。
この点を農林水産省に改善を図るように要請していたわけでありますけれども、一つにはその方法として、他の場所での再建、あなたがおっしゃった既に露地ものの成木があるその場所に同等のハウスを建てる、それを災害復旧として今回の支援措置に認めてもらいたいということであります。これを認めますということになり、これは非常に大きな前進でありまして、露地ものの既に成木があるところにハウスを覆えばいいわけですから、それも助成対象になりますから、次の年からハウスブドウの収入が得られるということであります。これをOKとした農林水産省の判断は大変柔軟な実態に即したものだと我々としては高く評価したいと思います。
それからもう一つのやり方というのは、まずは苗木を植えて、それから苗木が4、5年経ってそろそろ実が実るようになったときにハウスを造る。ですから4、5年先に災害復旧の支援をして欲しいということになります。これは複数年の支援措置ということになるわけですが、これについても要請をしていたのですが、やはりこれは災害復旧というものの性質からして、4、5年先に復旧する、予算をその時までずっとつけ続けるというのは、それはできないということでした。したがって原則として26年度に建てるものは建てるということになるわけでありますが、ただ、どうしても26年度では終わらないとか特別な事情があるときには相談に乗りますといっております。例えば27年度への繰り越し等も含めて柔軟な対応はしてくれるだろうと思いますが、4、5年先まで延ばすというのはできませんということでありました。災害復旧という事柄の性格としてやむを得ないかなとも思っております。したがって、さっき言われた露地ものがあるよその場所でのハウスの設置というものを我々としては支援していきたいと思っております。
その辺の運用がはっきりしなかったものですから農家としてはなかなか判断をしかねていたところでありますけれども、農林水産省の支援の具体的な指針がはっきりしてきましたので、これはできるだけ早く復旧を進めるということにしております。各農務事務所ごとに市町村、農協と相談しながら、個別の農家ごとにどういうやり方をしていくのか、農家の皆様とよくよく説明して話を聞いて、個別農家ごとにどういうやり方をするのかという計画を立ててもらって、4月中くらいに山梨県全体の災害復旧の計画を立てて農林水産省に要請したいと思っております。
記者
関連ですがそうしますと複数年度というものは引き続き県として要請していくということなんでしょうか。さきほどの露地にハウスをかけるというのは、あくまでも露地・ハウスの兼業農家さんに対する話になるわけでして、ハウスのみで大規模にやられていた方っていうのは、非常にギャップが出る苦しさっていうものがあるという声も聞くのですが、その辺の配慮というのはどのように考えているのでしょうか。
知事
複数年での復旧というのは引き続きもちろん我々としては要請していくわけですが、率直に言って4年5年先まで災害復旧が行われるというのは難しいかなという感じはしています。したがって、できるだけ露地の成木をハウスで覆うというやり方がいいのではないかと。先ほども申しましたように、「どうしても26年度中に終わらないような事情があるときにそれを伸ばすというようなことは考えます」と言っていますけれども、4、5年先まで伸ばすということは、予算の性格としてできにくいということだろうと思います。
そうするとおっしゃるとおり、その農家が露地ものの畑を持っていればいいけれども、持っていない場合には、どうなるのかということだと思います。その場合、自分の畑の中でハウスを作って苗木を植えて4、5年収穫が得られるのを待っていただくということになります。そこで、4、5年の間の収入がないという場合をどうするかということですが、ひとつには、定額補助です。10アールあたり5万円を4年間補助しますという制度があります。これは使える訳です。4年間で20万円、10アールあたりで20万円、ヘクタールであると200万円ということです、4年間で。
農協において、その間の生活費の支援をするための、低利の融資制度というようなものがあります。そのようなものを使ってしのいでいくということではないかと思います。
農業技術課長
果樹経営支援対策です。
知事
自分の農地に露地ものがないというときにはやっぱりこれは今年、今年度建てるしかないです。
農業技術課長
まったく露地がない農家はほとんど無いのですが、確かに露地が少ない農家もありますので、その場合はそういう方法もありますし、あと制度的に、確認しなければいけませんが、借りてやるという方法でどうか。
知事
よその露地の畑を借りてやる方法。
農業技術課長
その辺はまだ運用の部分を確認しなければいけませんが。
知事
借地に対するハウスの再建、国の方に確認しましたが適用除外だとはっきり農林水産省から言われましたが、可能性はあるのですか。
記者
借地に対するハウスの再建、国の方に確認しましたが適用除外だとはっきり農林水産省から言われましたが、可能性はあるのですか。
農業技術課長
その部分、今言われた明確な答えは我々も確認していません。
記者
そうしますと、今お話があったように露地が2割しかやっていないような農家にとっては、ハウスの再建はすごく重要で、1棟1千万円という話の中に5棟があったような(農家の)方は、少なからず再建を5年後、5千万円をそこで9割の補助とかを得られなければ、かなり苦しい状況に陥ってくるので、農家は営農を断念される選択肢も広がる可能性がありますので、年度内にハウスを是が非でも建てなければならないということになりますと集中し、「業者が足りない、資材が足りない」そういう状況の声を聞くのですが、「見積もりをしてほしいが業者がいなくて見積もりさえ今の段階でできない」と言う声もあるのですが、そういう業者不足、資材不足の懸念をいわゆる(平成26年度の)単年度になると集中することもあり、国の助成制度はかなり厚いと思いますが、実情はかなり凄く不便を感じられている方がたくさんいらっしゃるのが事実だと思いますが、県独自で、何かしらはそういうところへの対応を検討していくことはあり得ないのでしょうか。
知事
そういう人手不足、資材不足、そういうことがあるからまさに先ほど言ったように、「26年度に(ハウスを)造るのが原則だけれども、そこは実情に応じて相談に乗ります」と、こう言っているのはまさにそういうことです。
そういうような場合、どうしても造れない、そういう場合には27年度に繰り越すと、繰り越して使ってもいいのです、ということを言っていることだろうと思います。それはそれで対応しますが、露地で栽培しているものがない農家については、やはりハウスを26年度、場合によっては1年延ばして27年度再建をしてもらわなければいけないわけです。しかし、それは補助としては9割補助で残りの1割については、県の無利子融資が出ます。ですから、無利子融資ですから将来は返さなければいけませんが、それは少なくとも収入が無い間に返せ、などとは言いませんから25年間無利子融資がありますから、残りの1割の負担についても、それを使いますので、当面何か負担を出すということはない。そうすると問題はその間の収入の問題になってくるわけです。その未収益期間の経費については、先ほど言ったように10アール当たり5万円という農林水産省の支援措置があります。
加えて、農協のそういう低利な生活資金に対する融資制度がありますので、そういうものを使って、ぜひともひとつ頑張ってもらいたいということになるのだろうと思います。
それから借地の問題は、これからの応用動作ですから、さらに農林水産省とよく詰めて、他人の土地を借りてそこにハウスを設置することも認められるかどうか、よくよく協議をしてみたいと思っております。
記者
県議会議事堂のそばの遺跡調査の中で、甲府城の跡地からお湯が湧出していたのではないかと思われる遺跡が見つかりましたが、年頭の訓示の中でも知事の言葉として、「甲府城周辺の整備」がありましたが、その辺も踏まえて、ああいった貴重な、今のところ貴重な遺構と見られると思うのですが、ああいったものを保存活用していく、整備していく上での知事の考えを伺いたいのですが。
知事
確かに甲府城の古地図を見るとその辺りに「湯出る」とか、何か温泉らしきものが表示としてあるということであります。今回出た遺構が、それなのかどうかわかりません。今、教育委員会で詳細調査をやって、その上で文化財保護審議会の先生方に、よくよく精査をしてもらおうと思っているところです。
審議会の意見等を踏まえて、対応をどうしていくのか決めていきたい、今の段階では、まだ調査をやっている最中ですから、この調査結果で審議会の先生方によくよく説明をして、どの程度貴重な遺構なのか、というようなことも含めて学識経験者の意見を聞いた上でどうするか判断をしたいと思っております。
記者
先日、ルネサス(甲府工場)の跡地にタッチパネルの企業が購入の意思を示している話がでてきて、実際知事もお会いになられたという話も聞きましたが、今、現状、交渉がどこまで進んでいるか教えていただけますか。また、そういった手が挙がったことについての知事の所感を教えてください。
知事
ルネサスエレクトロニクスに対しましては、県それから関係の自治体の要請として、甲府工場を再活用してもらいたい。他に譲渡したり、どういう形であれ再活用をしてもらいたい、ということを強く要請してきたところでありますから、ルネサスエレクトロニクスとしても、あれを(甲府工場)再活用してくれるそういう企業を探してはいるのだろうと思います。その中で一昨日、確かにあるタッチパネル会社の方がお見えになって、「そういう交渉をしています」という話がありました。いずれにしても再活用ができることは、これは要請をしてきたことですから好ましいことであり、それが実現すれば大変結構だと思うわけであります。
今の段階でその会社との交渉は、我々もちろん承知をしておりませんし、まだ海のものとも山のものともつかない話でありますから、今の段階でその話については、申しあげることはないです。「そういうことをやっています」という話ですから、「そうですか。頑張ってください」ということを申し上げただけであって、後は民間同士の交渉の話です
記者
そういった意味では、知事が一昨日お話を聞かれた中では、まだ具体的、本格的に決定している段階ではなく、あくまでも交渉の中のお話を聞かれたということでよろしいでしょうか。
知事
そういうことです。まだまだ交渉には、相当な論議が両社の間で交わされるだろうと感じました。
(以上)