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ページID:79524更新日:2017年4月27日

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遺跡トピックスNo.0461四ツ塚古墳群(笛吹市)-横穴式石室から出土する土器-

笛吹市の遺跡

  • 0014経塚古墳-復元古墳-
  • 0217経塚古墳-内部構造-
  • 0251経塚古墳-石室の石積み-
  • 0280経塚古墳-列石-
  • 0396経塚古墳-八角形の意味-
  • 0019桂野遺跡-石皿・磨石-
  • 0100桂野遺跡-陥し穴-
  • 0111桂野遺跡-前期土偶-
  • 0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡-
  • 0265桂野遺跡-土器に描かれた物語-
  • 0020四ツ塚古墳群-玉類-
  • 0235四ツ塚古墳群-装身具-
  • 0461四ツ塚古墳群ー横穴式石室から出土する土器ー
  • 0022狐原遺跡-墨書土器-
  • 0059平林2号墳-副葬品-
  • 0079平林2号墳-青銅鏡-
  • 0102平林2号墳-ガラス玉-
  • 0202平林2号墳-馬具類や装身具類-
  • 0240平林2号墳-勾玉-
  • 0337平林2号墳-勾玉(2)-
  • 0081身洗沢遺跡-田んぼと木製品-
  • 0230身洗沢遺跡-プラント・オパール-
  • 0339身洗沢遺跡-農具の今と昔-
  • 0417身洗沢遺跡
  • 0427身洗沢遺跡
  • 0432身洗沢遺跡-弥生時代後期の木製品(クワ)
  • 0460身洗沢遺跡-弥生時代のモモの種-
  • 0125水口遺跡-柄鏡形敷石住居跡(1号住居跡)-
  • 0355水口遺跡-敷石住居跡(3号住居跡)-
  • 0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊-
  • 0194花鳥山遺跡-縄文時代の食生活を知る遺物-
  • 0199花鳥山遺跡-世界最大級の縄文土器?-
  • 0406花鳥山遺跡-耳飾り-
  • 0145竜安寺川西遺跡-発掘調査速報-
  • 0155竜安寺川西遺跡-発掘調査速報2-
  • 0165竜安寺川西遺跡-発掘調査速報3-
  • 0179竜安寺川西遺跡-ミニチュア土器-
  • 0147境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0157境川中丸遺跡-発掘調査速報-2008年9月10日~2008年9月18日
  • 0181境川中丸遺跡-S字状口縁台付甕-
  • 0148一の沢遺跡-縄文時代中期の住居-
  • 0293一の沢西遺跡-ヒトをモチーフにした土器-
  • 0307一の沢遺跡-縄文土器-
  • 0350一の沢遺跡-みんなで応援しよう!「ミュージアムキャラクターアワード2012」のいっちゃん-
  • 0451一の沢遺跡の土偶いっちゃん2
  • 0150稲山遺跡-発掘調査速報-
  • 0160稲山遺跡-発掘調査速報2-
  • 0170稲山遺跡-発掘調査速報3-
  • 0209稲山遺跡-常滑甕-
  • 0229稲山遺跡-すり鉢-
  • 0288稲山遺跡-かわらけ-
  • 0445稲山遺跡出土の石槍-
  • 0151三光遺跡-発掘調査速報-
  • 0166三光遺跡-発掘調査速報5-
  • 0171三光遺跡-発掘調査速報6-
  • 0186三光遺跡-耳飾り他-
  • 0173二之宮遺跡-食材をふかす道具-
  • 0284二之宮遺跡-置きカマド-
  • 0219亀甲塚古墳-盤龍鏡-
  • 0264亀甲塚古墳-碧玉製管玉-
  • 0234御坂中丸遺跡-縄文時代早期-
  • 0275馬乗山2号墳-甲府盆地最後の前方後円墳-
  • 0331地耕免遺跡-斎串と馬の歯-
  • 0354中丸東遺跡-縄文時代前期の土器と古墳時代の住居跡-
  • 0356石橋条里制遺構-古代の土地区画整理-
  • 0371太鼓畑遺跡-調査概要-
  • 0382六ッ長遺跡-調査概要-

四ツ塚古墳群について

 四ツ塚古墳群は、笛吹市一宮町にある今から1300~1400年ほど前の古墳群です。1981年の中央自動車道建設工事(一次調査)と、1995年の「金川の森」公園造成工事(二次調査)に伴って、合計27基の古墳が発掘調査されました。場所は、一宮・御坂インターチェンジ付近にあり、現在でも金川の森公園内に、発掘調査後復元整備された古墳と、未調査の古墳を確認することができます。
 これほどの数の群集墳が発掘調査された事例は、山梨では多くありません。被葬者が埋葬された部屋(横穴式石室)の様子や、古墳の造り方が分かる貴重な調査事例となっています。
 遺跡トピックスでは、No.0020No.0235でも四ツ塚古墳群を紹介しています。

所 在 地 笛吹市一宮町国分
時  代 古墳時代後期~終末期(1300~1400年前)
報 告 書 『四ツ塚古墳群』山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第11集(1985) 
 『南西田遺跡・西林遺跡・四ツ塚古墳群』 山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第162集(1999)
調査機関 山梨県埋蔵文化財センター

調査風景

写真:センター所蔵の調査風景写真(1981年)。ちょうど桃の花が咲く頃に発掘調査をしていたのが分かる写真です。

古墳に供えられる土器

 古墳は、その地で権力のあった首長が眠るお墓です。そのお墓の中には、お供え物が亡きがらの近くに置かれます。例えば、首長の偉大さを示す刀剣などの武器や、馬に装着する馬具などが置かれます(この行為を”副葬”といいます)。古墳を発掘調査していると、同じように、お供え物としての土器が出土することがあります。しかし、山梨県では発掘調査が行われた古墳が少ないため、実は古墳から出土する土器について、詳しいことはよく分かっていません。今回のトピックスでは、四ツ塚古墳群の調査事例から考えてみます。

四ツ塚2号墳

2号墳

 上図は、四ツ塚2号墳の遺物の出土状況です。玄室(首長が埋葬される場所)の奥の方に、矢尻や刀のつばなどの武具があり、土器は入り口の近くから出土しています。
 土器は須恵器が多く、坏が身と蓋のセットであるほか、首の長い瓶や大きな甕、注ぎ口のあるハソウなどが出土しています。須恵器の種類ごとに、まとまって出土しているため、最初からそこに置いたものと思われます。大きな甕は、東日本では横穴式石室の入り口付近に置かれることが多いようです。お水やお酒をいれていたのかもしれません。2号墳では亡きがらの付近には土器が置かれることなく、入り口の近くでお祀りをしていた痕跡が分かります。

四ツ塚6号墳

6号墳

 上図は、四ツ塚6号墳の遺物の出土状況です。武器などはほとんど出土していませんが、須恵器や土師器がいくつか出土しています。須恵器の多くは、入り口の近くに集まっていますが、大きな甕は見られません。玄室の奥のほうには、土師器の坏形土器が2つ見つかりました。 

お墓の中に土器をお供えする行為について

  四ツ塚古墳群のうち、2号墳と6号墳では遺物の出土する状況が異なることがわかります。6号墳は、金属製の武器などはほとんど出土していませんが、玄室の中から土器が2点出土しました。玄室の中(亡きがらのそば)に土器をお供えする行為は、横穴式石室が普及するより前の時代では、ほとんどみられないものでした。この行為は、「黄泉(ヨミ)の国」神話にある「ヨモツヘグイ」と関連しているのではないかという説があります。「黄泉の国」を横穴式石室の内部に見立てて、死者に食べ物を献げた(黄泉の国のものを食べると、現世には戻れないから)とか、もう死者は現世のものを食べられませんよ(還ってこないで)という意味でカラの器をお供えをしたなど、考え方は研究者によって分かれています。

 四ツ塚6号墳の玄室内から出土した土器も、こうした思想をもとにお供えされた可能性はあると思います。ただし、2号墳のような例もあるので、一概には言えません。山梨県の他の古墳群でも研究をして、県内全体で考えるべき課題の一つです。

 四ツ塚古墳群は、金川の森公園内で見学することができますので、ぜひ脚を運んでみてください。

 

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住所:〒400-1508 甲府市下曽根町923
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