ページID:62576更新日:2014年9月18日

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平成26年9月定例県議会知事説明要旨

平成二十六年九月定例県議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

先ず、所信の説明に先立ちまして、一言申し上げます。

先月の臨時議会の場をお借りして、私は、明春に実施される知事選挙へは出馬しないことを表明させていただきました。

残された任期は、四箇月余となりますが、県民の福祉向上と山梨の発展のために、引き続き全力投球して参りたいと考えておりますので、県議会の皆様方の変わらぬ御理解、御協力をお願い申し上げます。

次に、先般開催されました全国高等学校総合体育大会についてであります。

本県では、七月三十日から八月九日までの十一日間にわたり開催され、連日の猛暑の中、約一万人の選手が熱戦を繰り広げ、期間中に延べ約十六万人の観客が本県を訪れました。

県内の会場では、高校生約三千人が補助員として大会運営に参画するとともに、本県選手団も地元の大声援に応え、全力を尽くしてプレーし、素晴らしい成績を収め、その姿は、多くの県民に大きな感動や希望を与えてくれました。

ここに、大会の開催に御協力いただきました県議会、会場地の市や町並びに関係者の皆様をはじめ、おもてなしの心で来訪者を迎えていただいた県民の皆様に改めて感謝申し上げます。

今後は、本大会から得られた成果を、心身ともに健全な青少年の育成や本県スポーツの一層の振興につなげて参ります。

次に、当面する県政の課題について申し上げます。

先ず、防災体制の再構築についてであります。

過日、県議会の皆様から「防災対策に関する政策提言」をいただきました。

真剣な御議論と建設的な御意見を賜り、改めて御礼を申し上げます。

また、外部有識者により構成する「山梨県防災体制のあり方検討委員会」から、本県の防災体制の再構築に関する御提言をいただくとともに、「やまなし女性の知恵委員会」からも貴重な御提言をいただきました。

今後は、これらの御提言を踏まえながら、山梨県地域防災計画の抜本的な見直し作業を進めて参ります。
更に、各種災害対応マニュアルの改正を行うとともに、防災に関する研修や訓練の充実強化に取り組み、豪雪災害はもとより、地震災害や風水害に対しても、より的確に対応できる体制を構築して参ります。

本年二月の豪雪により被災された農家の経営再建については、現在、施設の復旧対策や減収対策などの様々な支援策を全力で実施しているところであります。

また、危惧されていた再建のための人材不足や、事務手続きの円滑化などについては、建設業者や行政書士会と連携を図る中で、着実に再建が進むよう支援を行っております。

今後は、農作業が一段落することから、果樹ハウスの復旧が本格化することとなりますが、復旧工事が円滑に進み、本県農業の復興につながるよう、引き続き、きめ細かな支援を行って参ります。

更に、今後の資材や人員等の状況によっては、本年度中の再建が困難となることも予想されることから、複数年での再建が可能となるよう、引き続き、国に対して強力に要請して参ります。

次に、人口減少対策についてであります。

少子化対策、移住定住対策については、これまでも県政の主要課題に位置付け、プロジェクトチームなどを設置し、積極的に対策を講じて参りました。

国においては、去る六月二十四日に「経済財政運営と改革の基本方針二〇一四」を閣議決定し、五十年後に一億人程度の安定した人口構造を保持することを目指すとともに、今月三日には「まち・ひと・しごと創生本部」を設置し、地域の活力を維持するための政策を総合的に推進することとしております。

また、全国知事会においては、七月十五日に「少子化非常事態宣言」を発し、少子化対策を国家的課題と位置付け、国と地方が総力を挙げて取り組んでいくことを決議致しました。

こうした中、先月十二日には、私を本部長として、全ての部局長で構成する「山梨県人口減少対策戦略本部」を設置し、全庁を挙げて人口減少対策に取り組む体制を整えたところであります。

今後は、これまで取り組んできた少子化対策、移住定住対策を更に強化するとともに、地域の活力を将来にわたって維持するため、本県の実情に合った新たな施策を検討して参ります。

次に、富士山の保全及び安全対策についてであります。

今夏の富士山の登山者数については、二十万八千三百二十八人となり、心配されていた登山道の過度な混雑もなく、概ね安全な登山が実現できたと考えておりますが、先月九日には、富士山の九合目付近で落石があり、女性が重傷を負う事故が発生しました。

事故に遭われた方には、心より御見舞いを申し上げます。

今回の事故が発生した箇所は、山小屋の荷揚げ等のためのブルドーザーが通る道であり、下山道としても利用しておりますが、管理は須走口の山小屋組合が行っている道であります。

そのため、山梨、静岡両県での管理対策、安全対策は取ってこなかった経緯がありますが、今後、明年の夏山シーズンに向けて、静岡県や須走口の山小屋組合の皆様とよく相談し、安全対策に万全を期して参りたいと考えております。

また、ユネスコから平成二十八年二月までに提出を求められている保全状況報告書については、国や静岡県、地元関係者等と連携を図りながら、鋭意作業を進めております。

現在、来訪者管理戦略や情報提供戦略といった各種の方針案について検討を行っておりますが、ユネスコから指摘されている四合目・五合目の修景対策や来訪者の安全対策などについても速やかに検討に着手したいと考えております。

そこで、四合目・五合目のあるべき姿を検討した上で、全体構想として取りまとめることとし、所要の経費を計上致しております。

次に、リニア中央新幹線の開業に向けた取り組みについてであります。

JR東海においては、先月二十六日に、工事実施計画の認可申請を国に対して行ったところであり、国土交通大臣から計画が認可されれば、いよいよ事業着手の運びとなります。

県としては、リニア中央新幹線の一日も早い実現に向け、用地取得などに万全の体制で臨み、事業主体であるJR東海に協力して参りたいと考えております。

また、四月に開館した県立リニア見学センターの新館「どきどきリニア館」については、先月二十八日に入館者数十万人を達成し、県内外の多くの方々に御好評をいただいております。

本年十一月には、見学センターを会場に「やまなしリニアフェス」を開催し、科学の楽しさを体験できるサイエンスショーや、リニアの沿線各都府県のゆるキャラによる各地のPR、特産品の販売などを行う予定としております。

引き続き、見学センターへ多くのお客様に来ていただき、リニアの魅力を感じていただくことにより、リニア中央新幹線の早期開業に向けた機運の醸成を図って参りたいと考えております。

次に、バス交通ネットワークの再生計画についてであります。

公共交通が脆弱な本県においては、マイカーの利用を前提に、暮らしや経済が成り立っておりますが、車の運転が困難となる高齢者の増加が見込まれる中、地域の公共交通をいかに確保していくかが大きな課題となっております。

また、平成三十二年の東京オリンピック・パラリンピックの開催、平成三十九年のリニア中央新幹線の開業など、国内外から本県を訪れる方々の増加が予想される中で、観光客の二次交通としても、バス路線の充実が求められております。

そこで、利便性の高いバス交通ネットワークの確立を図るため、「山梨県バス交通ネットワーク再生計画(仮称)」の策定に着手して参りたいと考えております。

再生計画の策定に際しては、県民の日常生活における移動の目的や、手段、頻度などを的確に把握する必要があることから、これらの調査等に要する経費を計上致しております。

次に、産業の振興についてであります。

先ず、新産業の創出等についてであります。

燃料電池自動車については、本年度中に一般販売が始まる予定とされており、県では、積極的に水素ステーションの誘致活動を行って参りました。

その結果、大都市圏以外の地域では全国初となる水素ステーションが、甲府市に設置されることが決定致しました。

併せて、県では、水素エネルギー社会の実現を推進するとともに、燃料電池関連産業の振興を図るため、「燃料電池自動車普及促進計画」を策定し、二〇二五年までの十年間で八百台の燃料電池自動車の普及を目指すなど、意欲的な目標を掲げたところであります。

こうした取り組みを通して、環境に負荷をかけない地域づくりを推進するとともに、山梨大学と連携し、燃料電池関連産業の振興を図って参ります。

次に、海外トップセールスについてであります。

先月、タイにおいて、トップセールスを実施して参りました。

タイへの訪問は三回目でありますが、これまでの成果を更に発展させるべく、県内企業のタイへの販路開拓や進出支援を行うビジネスサポートデスクの開設式を行って参りました。

今後はこのデスクが活発に利用され、県内企業のタイ市場での販路獲得につながっていくことを大いに期待しております。

また、ぶどうや桃などの県産果実の輸出促進に向け、タイ最大のスーパーマーケットチェーンのセントラルフードリテールとパートナー協力に関する覚書を締結致しました。

こうして県が果実の輸出促進に関し、国外の企業・団体と覚書を交わすことは初めてのことであります。

これに加え、タイでローソンを展開するサハ・ローソンや現地旅行会社のエイチ・アイ・エス・ツアーズなどと協力して、本県の魅力を伝えるキャンペーンを実施することとし、広くPRして参りました。

また、インドネシアについては、私の代理として、副知事を派遣し、インドネシア大学、山梨県立大学及び山梨県の三者による地域間連携協定を結ぶとともに、ジョグジャカルタ王室とは、連携して両地域の発展のために協力することで合意することができました。

今月初旬には、本県と姉妹提携関係にあるアイオワ州を訪問し、日本・米国中西部会に出席するとともに、ブランスタッド知事と私立ち会いの下、アイオワ州と本県の大学同士及び若手経営者団体同士の新たな交流協定が締結されました。

こうした交流が活発に行われることにより、アイオワ州との五十四年にわたる友好関係が更に発展することになると考えております。

併せて、ロサンゼルスやシアトルを訪問し、防災・危機管理や都市交通政策について意見交換を行い、今後の本県施策に役立つ貴重な知見を得ることができました。

更にその後は、韓国を訪問し、旅行会社等に対して本県の魅力をPRするとともに、最大の日韓交流イベントである「日韓交流おまつり」においてブースを出展し、本県の認知度の更なる向上を図って参りました。

今後も、本県の魅力を海外に積極的に情報発信し、本県企業の海外展開やインバウンド観光等の推進について、積極的に取り組むことが必要と考えております。

次に、観光の振興についてであります。

秋の本格的な観光シーズンを迎えるに当たり、今月から三箇月間、JR東日本とともに、秋の山梨観光キャンペーンを実施しております。

今回のキャンペーンは、「山梨での出会い」をテーマとしており、県内各地の観光ガイドや地元の方々など「人」との出会い、フルーツやワインなど「旬の恵み」との出会い、富士山、南アルプスなど「自然」との出会いなどを通じ、何度も訪れていただける山梨の魅力を発信して参ります。

NHKの朝の連続テレビ小説「花子とアン」については、放送開始以来、非常に高い視聴率を維持し、本県への誘客に大きく寄与しているところであります。

放送終了後においても、誘客効果を持続、発展させることが重要であり、度々ドラマの重要な場面で登場した「花子の生家」のロケセットについて、今後も県内周遊観光の拠点として活用したいと考えておりました。

この度、ドラマの撮影が終了し、ロケセットを移設、公開する目処が立ったことから、同じくドラマのロケが行われていた韮崎市内へ移設、保存することとし、所要の経費を計上致しております。

次に、高速道路の整備等についてであります。

中部横断自動車道の長坂以北については、去る七月に、長野県知事や山梨・長野両県の市町村長などとともに、国に事業の進展を図るよう要望して参りました。

このような中、七月二十三日に開催された「社会資本整備審議会関東地方小委員会」において、長坂ジャンクションから八千穂インターチェンジ間のルート案が了承され、事業化に向けて大きく前進したところであります。

今後は、地域の様々な意見に丁寧に対応するとともに、速やかな環境影響評価の実施と整備計画区間への格上げを、強く国に働きかけて参ります。

中央自動車道の小仏トンネル付近や調布付近をはじめとする慢性的な渋滞の解消については、沿線の自治体に呼びかけて設立した「中央自動車道渋滞対策促進協議会」を通じて要望活動を行って参りました。

去る六月三十日には、国のワーキンググループにおいて、上り線への付加車線の設置等の具体的な対策案が示されたところであり、この対策案の速やかな事業化と下り線の対策について、引き続き国に強く要望して参ります。

リニア駅に直結する中央自動車道の「甲府中央スマートインターチェンジ(仮称)」については、去る七月三十一日に事業着手のための連結許可申請書を国に提出し、八月八日に許可が下りたところであります。

また、新山梨環状道路の東部区間については、本年度、甲府市落合から笛吹市石和町広瀬の国道二十号までの五・五キロメートルが新規事業採択となり、全線で事業着手致しました。

今後も、交通の円滑化や地域間の連携強化を推進する必要があることから、関係機関と連携しながら、早期の完成に向けて事業の進捗を図って参ります。

次に、甲府市中心部の再整備についてであります。

甲府駅南口駅前広場の再整備については、現在、信玄公像西側の一般車ロータリーと駐輪場の整備工事を進めており、本年度末の完成を予定しております。

また、駅前広場中央に計画しているバスなどの公共交通ロータリーの整備のため、この八月から中央分離帯の樹木の移植に着手し、平和通りの老朽化したアーケードについても、本年度中に撤去する予定としております。

県庁敷地の再整備については、現在、北別館周辺の外構工事などを先行して行っており、県庁敷地全体が、歴史と文化を感じられる開放的な空間となるよう整備を進めているところであります。

今般、第二期工事として、残る本館前広場、議事堂周辺及び別館周辺などの外構を整備するため、債務負担行為を設定致しております。

こうした取り組みを通じて、この地域が、県都の玄関口にふさわしく風格があり賑やかさが感じられる空間となるよう、整備して参ります。

次に、保健医療の充実についてであります。

本県における人口当たりの医師数については、四つある医療圏のうち、中北以外の三つの医療圏で全国平均を下回るとともに、産科などの診療科において医師数が減少するなど、医師の地域偏在と診療科偏在が生じております。

県では、これまで、医師修学資金貸与制度の創設などにより、医師の総数確保に努めて参りましたが、今後は総数確保に加え、医師の地域偏在と診療科偏在にも対応できる制度となるよう、医師修学資金貸与条例の改正案を提出致しております。

これまでの制度では、修学資金の貸与を受けた学生は、一定期間県内のどこかの公立病院等に勤務すれば、資金の返還が免除されるという制度でありましたが、これからは、一部の修学資金について、貸与を受けた学生が勤務する病院を知事が指定できるようにし、地域偏在の解消を図って参ります。

更に、産科や麻酔科、外科など、特に医師の確保が必要な診療科の専門研修を受ける医師を対象に、研修資金を貸与する制度を新設し、診療科の偏在も是正して参りたいと考えております。

次に、重度心身障害者医療費助成事業についてであります。

本年十一月に助成方法を窓口無料方式から自動還付方式へ変更することについては、これまで障害者団体をはじめ、県医師会、歯科医師会、薬剤師会などの関係団体の御理解をいただき、市町村とともに順調に準備を進めております。

受給者の方々への周知についても、各市町村が行う受給者証の更新手続きの中で、情報提供しており、新たに創設した医療費貸与制度については、既に受付を開始しております。

また、窓口において支払いをしていただくことによって生じる待ち時間については、受給者にとって過大な負担とならないよう、あらゆる機会を通じ、医療機関に配慮を要請しているところであります。

十一月の自動還付方式への移行まで残すところわずかとなりましたが、今後も受給者の方々に丁寧に説明を行い、円滑な制度移行に向けて、万全を期して参ります。

次に、提出案件の内容につきまして御説明申し上げます。

今回提出致しました案件は、条例案八件、予算案三件、その他の案件三件となっております。

条例案のうち、主なるものにつきまして申し上げます。

山梨県幼保連携型認定こども園に関する基準を定める条例の制定についてであります。

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部改正に鑑み、幼保連携型認定こども園に関する基準を定めようとするものであります。

次に、予算案のうち主なるものにつきまして申し上げます。

豪雪災害の教訓を踏まえ、防災体制を強化するため、被害情報等を共有するシステムの検討、災害対策本部事務局の人員体制の拡充に要する経費を計上致しております。

また、産後の母親が肉体的、精神的ケア等を宿泊しながら受けられる産後ケアセンターにつきましては、明年度の開設を目指し、事業者の選定などに要する経費を計上するとともに、明年度に事業者が行う施設整備に対して助成することとし、限度額七千万円の債務負担行為を設定致しております。

このほか、既に申し上げました、富士山四合目・五合目の修景対策や来訪者の安全対策等の一層の充実を図る全体構想の策定、バス交通ネットワーク再生計画に係る基礎調査、NHKの朝の連続テレビ小説放送終了後の継続的な観光客誘致などに要する経費を計上致しております。

以上の内容をもって編成しました結果、一般会計の補正額は、二十一億円余、既定予算と合わせますと四千七百三十三億円余となり、前年度同期予算と比較して、〇・七パーセントの増となっております。

この財源と致しましては、地方交付税十九億円余などとなっております。

その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。

なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。

平成二十六年九月十八日

山梨県知事内正明

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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