ページID:50337更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成24年12月28日金曜日)

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

知事コメント

 

 山梨県リニア活用基本構想(素案)に対する県民意見提出制度の実施について

知事 

「リニア活用基本構想」については、年度内の策定に向け、県議会をはじめリニア活用推進懇話会や活用策検討部会、さらに県内各地で開催した意見交換会における幅広いご意見などを踏まえ、今般、素案を取りまとめました。

策定の趣旨でありますが、リニアの時間短縮効果や本県の優位性を生かし、リニア開業後の本県の将来像を展望する中で、基盤整備のあり方や活性化施策の方向性を明らかにするなど、リニアを活用した今後の県土づくりの基本的な指針とするために基本構想を策定するものであります。

まず、本県の将来像でありますが、リニア開業後の本県の将来像を次のように展望しております。

1点目として訪れる人々が安らぎや癒しを感じられる魅力あるまちづくりが展開され、美しく魅力ある県土の形成が進む山梨、2点目として太陽光発電などの利用が広がり、燃料電池や蓄電技術の研究開発などが進み、エネルギーの地産地消に向かう山梨、3点目としてサテライトオフィスなどで勤務する人々、二地域居住を楽しむ人々など、新たなライフスタイルが展開される山梨、4点目として多様なツーリズムが展開し、世界文化遺産の富士山をはじめ世界に開かれた魅力的な国際観光地として進展する山梨、5点目として災害時の救援拠点、首都機能や企業の分散の受け皿、リフレッシュの場など、首都圏の補完機能の向上が進む山梨、研究開発施設など高次機能の立地が進み、地域ブランド産業が成長するなど、新たな産業や機能が集積・発展する山梨。

そういった将来像のもとにリニアを活用した県土づくりについてでありますが、1点目としてリニア新駅及び周辺の整備につきましては、新駅については、誰もが利用したくなる魅力的な施設を目指し、観光案内や特産品の展示販売など地域振興につながる施設のほか、富士山・南アルプス・八ヶ岳などの眺望を楽しむことができる展望施設の整備を検討する。

新駅周辺地域につきましては、バスターミナルなど交通結節機能を高める施設のほか、本県の特産果樹を配置する公園などのアメニティ空間の整備を検討する。

さらに、先端産業の研究施設の立地など、本県の将来の発展を先導する地域としての整備も、併せて検討を進める。

2点目として、県内各地を結ぶアクセスの強化ということでありますが、まず、リニア新駅と甲府駅周辺とのアクセス強化としては、新たな交通手段として、新駅から荒川堤防を専用道として活用するBRTの整備を検討する。これは高速バスシステムと言われるものであります、2点目といたしまして、リニア新駅と県内各地域とのアクセスの強化でありますが、身延線と新駅を結ぶバス交通の促進など在来線鉄道との連携強化を図る。

また、道路交通によるアクセス強化として、できる限りの時間短縮を図るとともに、特に、東京の都心と1時間程度で結べるようにリニア新駅と県内各地とを概ね30分で連絡可能なアクセス30分圏域の拡大を目指す。

道路整備については、現行の道路整備方針も踏まえ、まず、新駅と県内各地とをより短時間で結ぶための中部横断自動車道・新山梨環状道路などの高規格道路や富士吉田北、甲府中央などのスマートインターチェンジ等の整備を積極的に進める。また、国道137号の新たな御坂トンネル構想の推進をはじめ、新駅と近隣各地域とを結ぶ道路や、新駅周辺地域の交通混雑を緩和するための新駅と国道358号線とを結ぶ新設道路など、効率的で計画的な道路整備を進める。

3番目のバスネットワークの再編につきましては、市町村やバス事業者などと十分協議を行う中で、主要な都市や鉄道駅とのバス運行など、県内各方面への円滑なアクセスの確保を検討する。

リニアを生かした活性化施策についてでありますが、まず、産業について、ジェトロ山梨と連携したものづくり産業の海外展開、成長分野産業の集積促進、産学官を連携した新規事業等への育成支援などであります。また、定住の促進については、美しく魅力ある県土づくり、二地域居住の推進、移住希望者への情報発信や受入サポート体制の構築などであります。3番目の観光・交流の推進については、中京圏や関西圏からの誘客促進、グリーンツーリズムなどの多様なツーリズムの推進、インバウンド観光の推進などであります。

この基本構想を推進していくにあたっての配慮事項ということでありますが、今後の県土づくりにおいては、県民一人一人の知恵と力を結集するとともに、迅速・的確な情報提供などにより地域との連携を深めながら取り組みを推進する一方、社会経済情勢の動向を的確に捉え、適時適切に基本構想を見直すということであります。

経済波及効果が最後に書いてございますが、リニア開業から概ね10年後、2027年ぐらいに開通するわけでありますが、そういたしますと、2035年時点の経済波及効果について、需要予測で示した企業立地数、観光を目的としたリニア利用者数を基に、産業連関分析によって推計いたしますと本県へ企業が新規に立地いたします。それに伴う経済波及効果は、年間約2,420億円であります。(これを県内総生産ベースで見ますと)現在の県内総生産の約4.9%に相当するということであります。リニアを利用する観光客、年間約145万人でありますが、これは県外の観光客の約7.7%に相当するわけでありますが、それによる経済波及効果は、年間約170億円と見込まれるということであります。

以上であります。

 中央自動車道富士吉田線大月インターチェンジ、河口湖インターチェンジ間の無料化について

知事 

先ほど、国土交通大臣及び中日本高速道路株式会社から中央自動車道富士吉田線の無料化などにつきまして発表がありました。

これによりますと、国土交通大臣は、中央自動車道の大月インターチェンジから河口湖インターチェンジ間の通行料金を無料化することを中日本高速道路株式会社に指示し、その指示を受け、中日本高速道路株式会社は1月1日午前0時から無料化するとのことであります。

県としては、下り線を使った片側1車線の対面通行では中央自動車道本来の機能が発揮されず、国道20号への交通集中の解決には至らないと考えまして、中央自動車道富士吉田線への迂回をさらに誘導すべきだと、そのためには、この富士吉田線の無料化が必要であると判断いたしまして、過日、過日というのは(12月)25日に私が口頭で要望し、(12月)27日に文書で国土交通省と中日本高速道路株式会社に要望したところであります。これに対し、両機関が早期に決断されたことに感謝したいと思います。

しかし、今回の事故により、観光をはじめとする県内外の産業は、大きな影響を受けておりますので、安全を確保した上で、中央自動車道を1日も早く完全復旧することを、国土交通省と中日本高速道路株式会社には、引き続き要望して参りたいと考えております。

県といたしましては、迂回路への円滑な誘導や周知など、関係機関にできる限り協力して行く所存であります。

なお、笹子トンネル下り線を利用した対面通行は29日から始まりますが、夕方の開通になるということでありまして、具体的な時間は今日、中日本高速道路株式会社から発表されることになっております。

それから、既に皆さんに情報としてお入れしたわけでありますけれども、笹子トンネルの復旧に、毎日千人前後の作業員さんが昼夜兼行で働いているわけであります。中日本高速道路株式会社としては、今回の事故によって石和温泉に非常に大きな打撃が生じているということに配慮して、できるだけ作業員さんを石和温泉に宿泊させるということにいたしております。具体的には請負業者である大林組と石和温泉旅館組合との間で現在協議を行っておりますけれども、正月の繁忙期は避けまして、繁忙期が過ぎた後でありますけれども、協議がまとまれば数百人の作業員が石和温泉に宿泊することになるだろうと思っています。

以上であります。

質疑応答 

記者

無料化とは別ですが、この29日からの開通再開に伴っての渋滞の新しい予測を出されていて、特に年末年始の最長45キロメートルというこれまでにはないくらいのかなりの混雑が予想されるような状況が年明け以降も続くと思うのですが、これを踏まえた上で改めて対面通行はどの程度、大月より東側、   甲府方面の通行の回復が図られると予想されるか、改めて所見を伺えますでしょうか。

知事

(高速道路推進室長に対して)具体的の数字は、この間推計していましたよね。例えば対面通行によってどのくらい交通が対面通行に行くかとか。

高速道路推進室長

対面通行ですと、通常2車線でさばける交通量は14,000台という道路を設計する上での基準値がございます。それ以上ですと4車線必要となりますので、今現状、(国道)20号に迂回している交通が約16,000台ございますので、そのまま中央自動車道に戻ってきて、それなりの時間帯では渋滞が想定されます。

知事

事故が起こる前、中央自動車道は1日平均37,000台上下通行していたわけです。それが事故が起こって交通が途絶したことに伴って、国道20号が従来1日9,000台乗っていたわけですけれども、それにプラス16,000台が乗っかったのです。つまり約2.8倍に増えたわけですから、これは大渋滞を来たしているわけであります。16,000台は国道20号に乗っかった。しかし、こちらの富士吉田線から御坂トンネルを越えるこのルートにはほとんど行っていません。ですから事実上迂回路になっていません。37,000台が16,000台になったわけですから、21,000台交通が減ったわけです。これは交通を取りやめたりとか、あるいは東名高速道路とか関越道路とか、そういう非常に広域に迂回したという車だと思います。対面通行が開通すれば、14,000台ぐらいは乗るだろうということですから、今の国道20号の16,000台の一部が転換することは間違いない。しかしながら、そもそも21,000台減っていますから、それが復活してきますから、しかも暮れ正月の繁忙期でありますから、これは対面通行も大渋滞、国道20号も大渋滞となります。

そういう中で、何とかさらに迂回路を確保していくためには、この中央自動車道富士吉田線を無料化して、現在は迂回するためにわざわざプラスの料金を払わなければいけないわけですから、これは迂回しません。ここを無料化すればただで回れるわけですから、したがって我々としてはこの中央自動車道富士吉田線を使用して御坂トンネルを使用するこの迂回路を活用したいと要請したわけであります。ただ残念ながら、この暮れの渋滞には間に合わないわけでありますけれども、(平成25年)1月1日の午前0時からですから、帰省の車は間に合うわけですから、多少とも渋滞の解消にはなっていくだろうと思います。

そうは言っても暮れ正月、相当な渋滞が予想されるわけでありまして、これは主として警察の仕事になりますけれども、交通の安全を確保するために、例えば信号機の仕組みを弾力的に行ったり、あるいはこれは道路管理者の仕事ですけれども、迂回路のどこが今一番空いているのかというような情報を適時的確にインターネットを通じて流すなど、できるだけ渋滞を少なくする対策は取っていかなければならないと思っております。

記者

追加で今日の午前中に中日本高速道路株式会社から、新しい渋滞予測の更新がされましたが、これまでよりも渋滞の規模が大きくなることが示されています。これは年末年始に限るのですが、こういうものを踏まえられて、これまで観光とか物流に一時影響が出ていましたが、この対面通行が今後どのぐらい回復されると少なくとも今は期待されるか。

知事

それは期待できるわけですけれども、今時点で既に暮れ正月には間に合わないかもしれませんが、東京でいろいろな観光プロモーションを行っていまして、対面通行が29日から行われますとPRしておりますから、対面通行のない時に比べればプラスの効果はあるだろうと思っております。少なくともこの笹子トンネル区間の国道20号が現在満杯の状態の中で、プラスアルファで14,000台分は通行できるわけですから、これはプラスの効果は当然あると思っておりますが、具体的に今、どのくらいということまではなかなか推計はできないであろうと思います。

 今年1年を振り返って

知事

皆さんには今年1年ご厄介になりました。県政運営について県民の皆さんに適切に報道していただいたことに対して感謝を申し上げたいと思います。

今年もですけれども、非常にさまざまなことが多い、多事多端なまた多忙な年であったと思います。

まず良いことといえば、今年は特に山梨縁の方々の全国的な活躍が目立った年であったわけであります。全国的に活躍して評価を受けて山梨のイメージアップに貢献した人にイメージアップ大賞を差し上げているわけでありますが、通常1年に1人いるかいないかということでありますが、今年は7人の方にイメージアップ大賞を差し上げたということから見ても山梨縁の方が大変に活躍された年であったと思います。

また、ヴァンフォーレ甲府もご案内のように断トツの優勝をJ2リーグで果たされたということでありまして、そのような意味で明るい話題が続いた年であったと思います。

県政の面でもさまざまな進展がありました。いちいち申し上げるのも何でありますけれども、1月には内陸部最大といわれる米倉山の太陽光発電所がオープンし、甲斐市と韮崎市で県有地2カ所を使った民間メガソーラもいよいよ着工したということがあります。

4月にはドクターヘリが始まって県民の安全安心に貢献いたしました。

また、4月から森林環境税を県民からいただいて、これによって県有林はともかくとしましても県民の負担で民有林をしっかりと本格的に整備していく体制が整ったということもあります。

また12月には地下水の保全のための条例も制定されたこともあります。

中部横断自動車道につきましては、国の24年度予算において、その前の年に比べて予算額が倍増いたしまして、いよいよ29年度開通に向けてめどが立ちつつある状況であります。

リニア中央新幹線もアセスメントが順調に進み、先ほどご説明したような「リニア活用基本構想」もまとまってきているということであります。

富士山世界文化遺産もイコモスの調査があって、来年6月のユネスコの判断を待つばかりの状態になって参りました。

11月には新県立図書館が開館して、非常な賑わいを見せておりますし、少人数学級の完全実施にめどが付き、また、ジェトロ山梨事務所の開設が決まったということであります。

このように本年は、県政としてはやるべきことは予定どおりやることができた1年であったと思っております。

しかしながら、他方、不祥事も多く生じたのであります。

私自身が不注意・軽率な行為によりまして、県民から大きな批判、不信を招くことになってしまいました。誠に忸怩たるものでありまして、県民の皆さんの信頼を回復していくために、今まで以上に県政に邁進していかなければならないと思っております。

また県行政としても、土地開発公社の工業団地の不適切な造成の問題とか、あるいは県の体育協会が県の補助金を不適正に受給した問題とか、森林環境部において国の補助金を不適正に受給した問題というようなことが明らかになったわけであります。現在、第三者委員会でその実態を明らかにし、対策を検討していただいておりますけれども、私自身も県職員も自分の行為を常に自省自戒し、県民の皆さんの不信を招くことがないよう不断の努力をしていかなければならいと思っております。

来年もまた大変に忙しい年になるであろうと思います。今年からの継続する課題として中央自動車笹子トンネルの事故につきましては、今お話を申し上げましたように本県の物流や観光に大きな影響を生じてきております。対面交通が29日に始まりますけれども、1日も早く安全確保の上で、本格復旧するように強く要請していかなければならないと思っております。

また、景気が後退傾向にある中で本県の場合には特に雇用の状況が全国平均に比べて悪い状況にあります。これは本県の主力産業である機械電子産業、これはいわゆる輸出産業でありますけれども、グローバル化の中で円高の影響とかあるいは新興国企業の追い上げを受けて、非常に苦況にある、あるいは海外への展開をしていることから、雇用が急速に縮小している状況でありまして、そのことが本県の雇用の指標の悪化に結びついているということであります。したがって、新内閣がいよいよ経済政策にウェイトを移して、来年度大型の補正予算を編成し、さらには25年度予算編成についても大幅に組み替えるということのようでありますから、そういった新内閣の情報をしっかり取りながら国の施策、予算を最大限取り込んで本県の経済雇用の対策を進めていかなければならないと思っているところであります。

さらに1月12日から国民文化祭が始まるわけでございまして、300日間の長丁場になるわけであります。これを成功させながらさまざまな課題に取り組んで行かなければなりません。

そのような意味で来年においても気持ちを引き締めて努力していきたいと思っているところであります。

以上です。

質疑応答

記者

毎年恒例かもしれませんが、今年の漢字、知事が考える漢字を一文字で表して欲しいのですが。

知事

今年は良いこともたくさんありましたけれども、悪いこともいろいろとあったと、そういう中で、私自身の軽率な行為によって、県民の皆さんの信頼を大きく損ねたということがあったわけでありますから、私自身としては、しっかりと自戒していかなければならない。また、県庁あるいは外郭団体の不祥事もありましたので、引き続き、職員は自らをしっかりと戒めていかなければならないということがあります。そういう意味で、自戒の「戒」、あるいは警戒の「戒」と言ってもいいのですが、戒めるという言葉が、私としては適当ではないかと思っております。

笹子トンネルの事故についても、これはアメリカのミネアポリスの高速道路の橋桁が落ちた事故が7年前にありましたけれども、それと同じように高速道路をはじめとする社会資本が老朽化をしてきている。したがって、維持修繕をしっかりやっていかなければならないといけない。そのようなある種の戒めと捉えることができるのではないかと思っておりますので、そう意味で「戒」という言葉が適当だと思っております。

 

(以上)

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