トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 平成24年度知事会見 > 知事臨時記者会見(平成24年10月31日水曜日)
ページID:48748更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 15時から
発表事項
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知事
ただ今、山梨県弁護士会および東京地方税理士会山梨県会と山梨県との間で、「大規模災害時における法律・税務相談業務に関する協定」を締結させていただきました。大変うれしく思っているところであります。
今回の協定締結に向けてご尽力いただいた、関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。
先の東日本大震災では、多くの方が被災されたわけでありますが、土地や建物の財産などの生活基盤を失われまして、そのための相続の手続きや借入金の返済、税金の支払いなど、さまざまな悩みごとを抱えることになりました。
そうした状況に対しまして、弁護士会や税理士会など専門家の皆さま方が、相続や税金などに関する無料相談会を開催いたしまして、被災者のみなさんの生活再建に大きな力になってきていると聞いております。
本県においても、東海地震や富士山噴火といった大規模災害が懸念されている中でございますので、もし、こうしたものが発生すれば、同様な事態が生じることが想定されるわけであります。
そこで、このたび、山梨県弁護士会、東京地方税理士会山梨県会の皆さんと災害時における被災者の相談対応にご協力いただくという協定を結ぶことができましたことは、県民の不安を払拭するということで、大変異議があることであり、心強く感じているところであります。
今後も県といたしましては、こうしたさまざまな専門家の皆さん方と連携を深めながら、災害への備えをしっかりと進めていきたいと考えております。
山梨県弁護士会、そして東京地方税理士会山梨県会の皆さま方には、今後とも本県防災対策へのさらなるご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げるとともに、両会のますますのご発展をお祈り申し上げまして、お礼の挨拶といたします。ありがとうございました。
山梨県弁護士会会長
山梨県弁護士会の清水でございます。
本日は念願でありました協定を締結させていただき、ありがとうございます。この協定の締結に際し、ご努力いただきました担当者の皆さま方に深くお礼申しあげます。
山梨県弁護士会は、東日本大震災の経験をもとに昨年度から緊急時の弁護士会の対応を協議して参りました。
東北地方の地元の弁護士が、自分が被災していたにもかかわらず、積極的、献身的な活動をしていたが、それを補うために全国から弁護士を派遣しています。震災から現在までに何百人という単位で派遣しており、当会でも派遣回数は20回ぐらい、延べ人数は60人を超えております。
そのような経験を踏まえまして、山梨県で大規模な災害が起きた時には県民の皆さま方の法的な面での保護、あるいは救済を早期に図らなければいけない相談業務を無料で行うことを実現したいということで今回の協定となりました。
今回の協定は、単純に弁護士業務の中で山梨県のご協力を得て関係施設等を臨機応変に使わせていただいて、法律相談を無料で実施するという簡単な協定ではありますが、山梨県とこのような形で緊急時の対応がとれたことは非常に意義深いと思っております。本日はありがとうございました。
東京地方税理士会山梨県会会長
税理士会の小泉と申します。
このたびは、山梨県と東京地方税理士会山梨県会との間で大規模災害時における税務相談業務に関する協定が締結されましたことは、私ども税理士会が目指します社会貢献の見地からも大変喜ばしいことと考えております。
私達は、平成7年1月17日の阪神淡路大震災を経験し、また昨年3月11日にはより広範囲にわたります東日本大震災を経験いたしました。
被災されました方々のことを思いますと、この山梨県において、もし同様の災害が発生した場合には、身近な県民の皆さまのために少しでもお役に立ちたいと思うのは同じ県民として当然のことだと思っております。
税制面におきましても過去の大きな災害から学んだことも多々あり、もし将来において、被災される方がいれば、税務行政の面からも素早い救済措置がなされるものと考えております。
事実、東日本大震災の際には4月27日にいわゆる震災特例法が交付施行されまして、この法律に基づく被災者への税務相談が5月から開始されました。特に被災が甚大でした宮城、岩手、福島等につきましては、11月までに延べ2,200人ほどの税理士が相談に従事したことが報告されております。
また、フリーダイヤルによる電話相談や弁護士会等との共同相談会等も実施されております。
今後、このような実績を糧といたしまして、山梨県の税理士会も平常時からの準備も含めまして、ぜひ県民の皆さまのお役に立ちたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
記者
3点ほどあるのですが、この協定は全国的にもこのような流れになっているのでしょうか。どの程度の災害を想定されているのでしょうか。実際、東日本大震災等で弁護士会も税理士会も相談に行かれていると思いますが、どのような相談が多くて、どういうところでこういう相談会が必要になっているという現状を目の当たりにされてきたというところをお伺いしたいと思います。
知事
最初の点ですけれども、全国でのこういうものの例ですが、県によってやり方が違いまして、一番多いのは弁護士さんとか税理士さんとか司法書士さんとか公認会計士さんも入るのでしょうが、そういう方々の協議会と県でこういう協定を結んでいる例が現在6県あるということであります。単独で弁護士会と協定を結んでいるのは岐阜県があります。税理士会と単独で協定を結んでいる県はないという状況です。
大規模災害というのは、これは特に具体的な基準というものがあるというものではありませんが、社会常識的に考えて相当な被害が発生しているものについては、これの対象にしていくということになると思いますけど、(県民生活・男女参画課長に対して)これはいかがですか。
県民生活・男女参画課長
特に基準というものはありませんが、今回の東日本大震災のようなものを想定しています。
弁護士会会長
相談の具体的状況ですけれども、昨年の東日本大震災の例を上げますと4月の時点で私も行ったのですけれども、その時点で相談会の場所よりはむしろ避難している場所に行って、こちらの方から相談を持ちかける形で、何か困ったことはございませんかという相談が最初の状況でございました。何回か行っておりますが、仮設に移って、また仮設で相談会をする形で進んでいったのですけれども、時間が経つにつれて、例えば最初は災害救助法などの基本的な法律の説明だけにとどまっているのですけれども、時間がかかったというか、原発の問題がございまして、福島の場合は紛争審査会の基準が刻々と変わりますので、その基準を示した相談で、皆さんを対象にした説明会、後は個別にどんな救済がその人の場合できるのかというような相談に変わってきております。
そういうようなことを想定しますと1回や2回では済まないのだろうと考えておりますので、いろいろな機会、時期をずらした形で相談を実施していきたいと考えております。
東京地方税理士会山梨県会会長
税理士会は先ほども少し話の中に入れさせてもらいましたが、主に東日本大震災の際の被災された地域が大変広範囲にわたり、地元の税理士会も(当初から)相当の応援をしましたけれども、被災直後は相談会を開催してもなかなか税金のところまで余裕が回らない状況でございました。
7月、8月あたりの相談会から少しずつ相談者が増加してきました。主にやはり被災した財産に対する損失の問題とか亡くなった方の相続の問題とかそういった事柄が出てきたようでございます。
日本税理士会連合会でも11月26日、27日の両日にわたりまして、全国で一斉に震災の相談会を開催しました。山梨県でも実際に行ったところでございますが、県内22市町村にご協力をいただいて約900名の被災避難者の方々に通知を差し上げて、8名の相談員体制で対応しました。お恥ずかしい話ですが、その当時まだ(相談件数)は0でございました。他県の状況を見てもそういう状況でございまして、多かったのはやはり(東北)被災地域と千葉県の液状化などの災害についてでございます。千葉県では両日において277件の相談があったようでございます。
(相談対策も)長期的にわたるものですので、東日本大震災に関しましては、逐次相談マニュアル等も作成しながら、今後に備えたいと思っております。
阪神淡路大震災の時には、実際に神戸支部の支部長さんはじめ、数名の方に山梨までお越しいただいて、当時の状況とか震災後の我々のフォローの仕方とかを直接ご指導いただいて、一冊の本にマニュアル化してございます。山梨にそういう事態が起きた時にはそういったものをフル活用し応援させていただきたいと思っています。
以上