ページID:72906更新日:2023年8月4日
ここから本文です。
山梨県障害者幸住条例は、障害を理由とする差別の解消を推進する法律(平成25年法律第65号)に基づいて、県や事業者に対して、障害者を理由とする不当な差別的取扱いの禁止や社会的障壁の除去のための合理的な配慮の提供を定めています。
県や事業者は、その事務事業を行う際、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることで、障害者の権利利益を侵してはなりません。
県は、事務事業を行う際、障害者等から社会的障壁の除去を必要とする旨の意思表明があった場合、負担が過重でなければ、障害者の権利利益を侵害しないよう、障害者の障害の状態等に応じて、必要かつ合理的な配慮を提供しなければなりません。
令和3年6月に、事業者に対し合理的配慮の提供を義務付けることなどを内容とする障害者差別解消法の改正法が公布されました。
改正障害者差別解消法は、令和6年4月1日に施行されます。
主な改正点
1. 国及び地方公共団体の連携協力の責務の追加
2. 事業者による社会的障壁の除去の実施に係る必要かつ合理的な配慮の提供の義務化
3. 障害を理由とする差別を解消するための支援措置の強化
障害を理由とする不当な差別的取扱いに関する相談や社会的障壁の除去のための合理的な配慮の提供に関する相談に対応するため、障害者の身近な相談相手として、障害者差別地域相談員を県内の市町村に各1名以上を配置しています。
各市町村の障害者差別地域相談員は、次の名簿で御確認いただけます。
障害者差別地域相談員は、障害を理由とする不当な差別的取扱や社会的障壁の除去のための合理的な配慮の提供に関する相談に関して、必要に応じて、障害者差別解消推進員に指導や助言を求めることができます。
障害者差別解消推進員は、障害者差別地域相談員からの求めに対するため、障害福祉課内に2名配置し、適切な指導や助言を行うとともに、必要に応じて、障害者差別地域相談員と協力して関係者相互の調整を図ります。また、解決することが困難な相談事案には、公的な紛争解決機関に連絡し、情報を提供します。
障害者差別解消支援ネットワーク会議は、障害者団体や事業者団体、公的な紛争解決機関等を構成員として、障害を理由とする差別に関する相談業務を円滑に進めるための指導・助言や、障害を理由とする差別を解消するための取組を行います。
主な取組は、次のとおり。
県では、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づいて、職員が適切に対応するために必要な事項を定めた「山梨県における障害を理由とする差別の解消の推進に関する職員対応要領」を策定し、知事部局と労働委員会の全ての所属に「心のバリアフリー推進責任者」を設置しています。
合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的な状況などに応じて異なり、多様で個別性が高く、建設的な対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応される必要があります。なお、掲載事例を提供しないことで直ちに違法と判断されるものでないこと、事例の提供を義務づけるものでないことに御留意ください。
県では、障害の特性に応じた望ましい対応をまとめた「やまなし心のバリアフリーガイドブック」を公表しています。
身体障害者補助犬は、法律に基づき認定された犬で、特別な訓練を受けています。障害のある人のパートナーであり、ペットではありません。きちんと訓練され管理も行われているので、社会のマナーも守れますし、清潔です。だからこそ、人が立ち入ることのできるさまざまな場所に同伴できます。
山梨県障害者幸住条例に基づき、障害を理由とする差別を解消するための取組として、障害者の差別に関する相談に応じる「障害者差別地域相談員」を委嘱し、すべての市町村に配置しました。これに併せて、同相談員の活動を支援する「障害者差別解消推進員」を県障害福祉課に配置して、相談体制を構築しました。
障害者差別地域相談員等に寄せられた障害を理由とする差別に関する相談件数を次のとおり公表します。
相談件数33件 件数の内訳は、次のリンクからご覧ください。 令和3年度相談件数(PDF:266KB)
・主な相談内容
1.遊戯施設で、聴覚障害を理由にアトラクションの利用を拒否されました。
県内遊戯施設で聴覚障碍者に対し、緊急放送が聞こえないので安全が確保できないという理由でアトラクションの利用を拒否された
との内容がSNSに投稿されました。このことが関係団体から県に情報提供されました
■結果 運営会社に事実確認を行いました。会社は、現場担当者の認識不足で迷惑をかけたことを認め、拒否されたご本人に謝罪
を行いました。会社では、再発防止のため、社員向けに障害者差別解消の研修を実施しました。
2.盲導犬との入店を拒否されました。
飲食店利用の際に、事前に電話で盲導犬ユーザーであることを伝えたのに、お店に行ったら、「他の客に迷惑」「スペースがない」
という理由で盲導犬同伴での入店を従業員から拒否されたという相談がありました。
■結果 店長から事実関係を聞き取りました。盲導犬ユーザーの入店は基本的には受け入れており、従業員の対応が誤っていまし
た。再発防止のため、対応について社員に徹底を図ることを依頼しました。
3.家族に障害者がいるという理由でアパートの契約を断られました。
他県から県内に引っ越しをしたいと思い、不動産会社を通して賃貸アパートの契約に至ったが、家族に障害者がいるという理由で
オーナーから断られたという相談がありました。
■結果 地域相談員から事実確認のため不動産会社に連絡を取りました。障害を理由に契約を断れないことを承知していました
が、オーナーの同意が得られなかったということです。障害のある方のアパート探しを支援している山梨県居住支援協議会を紹介
しました。
4.甲府駅南口のバスロータリーが不便です。
甲府駅南口のバスロータリーでバスを降りる際、バスが雨よけの屋根にぶつからないように離れて停車するため、車いすの乗降が困
難という相談がありました。
■結果 県の関係部署が現地の様子と具体的に改善が必要な箇所を確認しました。バス会社からの聞き取りも行い、バスの幅寄せ
の障害になっている構造物を移設するなどの対応を行いました。
相談件数71件 件数の内訳は、次のリンクからご覧ください。 令和2年度相談件数(PDF:235KB)
・主な相談内容
1.子供が学校行事の参加について、学校より制限を受けました。
子供が発達障害で放課後学習支援を受けている母親から、放課後の学校行事の練習と放課後学習支援の時間が重ることで担任から
行事の練習には参加しなくてよいと言われてしまったと相談がありました。
■結果 地域相談員等で状況確認を行い、学校、保護者、関係機関等で対応方法を検討しました。当該生徒の参加について市町村
教育委員会と情報を共有し、SSW(スクールソーシャルワーカー)が連絡調整し、学校と保護者が話し合いの場を持つことにな
りました。
2.障害特性の理解不足から合理的配慮の提供が受けられませんでした。
内部疾患を持つ園児の家族から、保育園に状況を伝え必要な配慮を求めましたが、保育園での生活の中で心配されるような状況を見
聞きしたと相談がありました。
■結果 地域相談員が保育園との面談を行い情報共有を図った旨を保護者に連絡しました。後日、保護者より、保育園と情報交換
ができ、保育園も自分たちの話を受け止めてくれたとの連絡がありました。
3.「障害者差別解消法」や障害特性も含めて、「障害」についての周知の要望がありました。
「障害者差別解消法」や障害特性も含めて、「障害」について、県民への周知を進めてほしい。障害者の特性や「障害者差別解消
法」について、県民にあまり理解されていないのではないかと思います。県はもっとPRしてほしい。市町村は広報紙などを効果的
に使って周知徹底をしてはどうでしょうか。
■結果 県では、ホームページのほか県政出張講座や県下小中学校への出張授業、情報紙「ネットワーク通信」等で周知していま
す。また、やまなし心のバリアフリー推進事業や障害者週間等で啓発活動に努めています。市町村でも、広報紙を通して広く働き
かけを行っていますが、改めて周知活動の推進を依頼しています。
4.障害者雇用で採用されているが。職場で配慮されていません。
視覚障害で障害者雇用として採用されています。職場の上司に、障害の特性や必要な支援や配慮について話をしましたが、マニュア
ルを渡されるだけで、具体的な指導や支援をしてもらえませんでした。
■結果 相談者の職場に、情報提供を行い、障害者に対する合理的配慮の提供や差別解消の必要について周知徹底をしました。
5.コロナの感染者の発表記者会見の際に、手話通訳者をつけてほしいと要望がありました。
■結果 令和2年度より新型コロナウイルス感染に係る緊急記者会見時には手話通訳者をつけるようにしました。それ以外の場合
は、翌日には文字情報としてHPで配信しています。
・相談件数52件 件数の内訳は、次のリンクからご覧ください。 令和元年度相談件数(PDF:481KB)
・主な相談内容
1.盲導犬の入店拒否の相談がありました。
飲食店の利用予約をした際に、盲導犬ユーザーであることと、盲導犬についての説明をしましたが、従業員から予約を拒否されまし
た。店のオーナーも理解を示してくれませんでした。
■結果 市町村の担当課から事業主へ指導し、対応改善と社員教育の徹底等、再発防止に努めることになりました。
2.タクシーの運転手から差別的な言動を受けたと訴えがありました。
タクシーを利用した際に、運転手に障害者手帳による割引を申し出ると、「できない。」等の発言と障害者手帳を放り投げるような
粗暴な扱いや迷惑そうな表情を示されました。
■結果 当事者からの申し出を事業者に情報提供し、乗務員の対応改善を依頼しました。適正な割引の手続きが行われました。
3.事業所や施設に設置されているAEDについての要望がありました。
聴覚障害者でも使用可能なモニター付きの機器を設置してほしい。
■結果 当該事業所の担当者に情報提供し、機器更新時の対応を依頼したところ、設置の方向で検討されています。また、県関係
課にも要望内容について情報提供をしました。
4.公共交通において車椅子利用者の安全な乗降についての要望がありました。
バスの車椅子乗降のためのスロープの傾斜角度の点検と国の基準に改善してほしいこと、安全に乗降できるようにしてほしいという
要望がありました。
■結果 国の基準を確認し、バス会社等関係機関に要望を周知し、安全確保のための改善方策を検討していくことになりました。
5.杖を利用する家族が公衆浴場施設の利用を拒否されたとの訴えがありました。
公衆浴場施設を利用しようとしたところ、受付で杖を使う方の利用は禁止と受け取れる対応をされたと訴えがありました。
■結果 事業者に事実確認を行い、事業者が当事者に対応時の説明不足等について謝罪し了承されました。事業者は、入浴施設内
で使用する杖の貸し出し等を開始しました。