ページID:60330更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成26年5月14日水曜日)

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

 

   

発表事項以外の質疑応答
 

 平成27年度国の施策及び予算に関する提案・要望について

知事

「平成27年度国の施策及び予算に関する提案・要望」については、先ほどの庁議におきまして、20項目を決定いたしました。

提案・要望に当たりましては、「第二期チャレンジ山梨行動計画」が目指す「暮らしやすさ日本一の県づくり」を着実に進めていく上で、重要かつ迅速な対応が必要な施策・課題のうち、制度の創設や財源措置など、国における取り組みが必要となる項目につきまして選定をいたしました。 

今年度、新たに提案・要望する項目は、ふるさと納税制度の充実、農地中間管理機構制度の円滑な推進、果樹農業の振興対策、エネルギー対策の充実・強化、企業立地促進法に基づく支援措置の拡充及び新たな助成制度等の創設、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機とした外国人受入体制の整備等の6項目であります。

5月22日に上京し、県関係国会議員などに対しまして、提案・要望項目について説明した上で、ご支援・ご協力をお願いすることにしております。

リニア中央新幹線に係る環境影響評価書に対する考え方と今後の対応について

知事

リニア中央新幹線の建設は、新たな企業立地の促進や観光の推進など、本県の経済に大きなプラス効果をもたらすことから、その早期実現を強く望むところであり、県としても協力していく考えであります。

一方で、本県の恵まれた水資源や景観など良好な環境への影響を可能な限り少なくすることは重要であり、環境影響評価の手続きを通じて、事業が十分環境に配慮されたものとなるようにする必要があります。

県では、リニア中央新幹線の環境影響評価の手続きの中で、法律の定めに従い、事業者であるJR東海から方法書及び準備書が提出された各段階で、県民、県内沿線自治体、技術審議会の意見をとりまとめまして、JR東海に知事としての意見を述べて参りました。

今般、JR東海が国土交通大臣に提出した環境影響評価書について内容を確認いたしましたところ、わかりやすい表現への修正、山梨リニア実験線で得られたデータの追記、更に各種調査やモニタリングの追加、地元への説明などについては、知事意見を反映した見直しが行われ、改善が図られております。

その一方で、騒音や景観に係る予測地点の追加、水資源への影響の把握、動植物の地域ごとの確認地点や生息状況を考慮した影響予測など、知事意見が十分に反映されていない点があり、これらに関してはさらなる改善が必要であると考えております。

JR東海が提出した評価書につきましては、国土交通大臣が環境大臣の意見を踏まえ事業者に意見を述べ、事業者はその意見を勘案して必要な補正を行うこととなります。

そこで、県といたしましては、事業者が評価書を補正する際に県の意見がさらに十分に反映されるよう、JR東海に対し 必要な要請を行うとともに、環境省に対しまして本県の知事意見の考え方の説明を行いたいと考えております。

さらに、事業に着手された後においても、本県の環境影響評価条例に基づき、事業の中間報告書及び完了報告書の作成が行われますので、その手続きにおいて知事の意見を述べるなど、JR東海に対し、進捗段階に応じて、さらに十分な環境保全措置がとられるよう求めていくこととしております。

このような取り組みを通じ、この事業が環境に十分配慮したものとなるよう努めて参ります。

以上であります。お手元に(手続きの)経緯の資料があります。

 

質疑応答

記者

環境省に対して、知事意見の考え方の説明を行いたいということなのですがこれは昨日長野県の阿部知事が国の方に出向いて、要望という形かはわかりませんが意見をおっしゃられたということなのですが、そういう形で知事が国の方に出向いてご説明をされるのでよろしいのでしょうか。

知事

これは、環境影響評価準備書に対して知事意見書というものを出しまして、その知事意見書、そして今回更に要請をするわけでありますがそういった内容について事務的に環境省の事務方に説明をするといことであります。

記者

そうしますと知事が出向いて行く形ですか。 

知事

 そうではありません。事務方です。 

記者

あくまでも準備書に対する知事意見を説明なさるということですか。 

知事

そうです、準備書に対する知事意見。知事としてこういう考え方でこういう意見を申し上げておりますと。今回、更にここにも書いてありますように不十分なところがありますから、そこはこういう風に更に直していただくようにこう言っております。そのことももちろん説明することになると思いますが、いずれにしても事務方が相手の事務方に説明をするということにしたいと思っております。 

記者

今回のことに関して、知事の方で環境省に出向かれて何かするということ、そういう行動は特に取られる予定はございませんか。

知事

それは考えておりません。端的に言いますと、これは事業主体がJR東海でありまして、そのJR東海に対して知事としては、既に知事の意見を申し上げているわけであります。それについて満たされているものもありますけれども、満たされていないところがありますから、それについては今回更にそれを満たしたものにしてくれと、こういう要請をするということであります。

いずれにしましても、これは事業者がやることでありますから事業者に対して要請をするのが筋であって、環境省は環境省でまた国の立場から意見を事業者に対していう訳でありますので、これは環境省というよりも事業者に対してきっちりと意見を言っていくというのが筋だろうということでありますので、そうしようとしていく、ということであります。 

記者

この中で知事意見が十分反映されていない点として、騒音や景観に係る予測地点の追加、それから水資源、動植物、こういった主に3点挙げられています。

これについてはそれなりに非常に重要なことであるということで挙げていると思うのですが、なぜ重要といえるのか、山梨特有の話が結構あるのかと思うのですが、騒音や景観はルートが非常にトンネル、地下でないところが長いものですから山梨特有のものだと思うのですが、なぜこれらが重要かということを知事にお伺いいたします。

知事

それはまさにおっしゃるとおりです。明かり区間が20キロと長いということがあります。長野県、岐阜県の場合はそれが大体4キロというところであります。

山梨の場合には、おっしゃるように地上区間が長いわけですからそれだけ騒音、景観に対する影響は大きいということでありますので、騒音・振動の予測地点は既に準備書の段階で25カ所やっておりますが、それでは不十分だということで、知事意見で14カ所追加をしていただく要請をしました。それに対して評価書では5カ所を追加しますといっています。それでは不十分であるので、更に追加をしてもらいたいとこういうことをいっています。

それから景観につきましては、準備書では34カ所予測をしているわけです。それに対して知事意見では15カ所更に追加をしていただきたいと、それに対して追加の予測地点は1カ所でありますのでこれについても、それだけでは不十分であるといっているわけです。騒音について申しあげますと、14カ所といって5カ所しか追加されていませんが、騒音予測図みたいなものを付けておりまして同じ500キロで走ってくるわけですから、トンネルを出たときにその近くでどれくらいの騒音になるのか、いわゆる騒音コンター図をつけます。騒音コンター図がついていますから、概略は大体この辺だとどのくらいとわかるわけです。そういう様なものが今回の評価書には添付をされていたりします。

これはJRの方からの話なのですが、県が追加をしてもらいたい中には、一般の道路と交差したりして、一般の道路の騒音と複合騒音になる場合があります。そういうものについては、アセスメントの基準で、複合騒音の生ずる所ははずす基準になっていますから、そういう所は基準上できませんというようなことがあったりして、県のいっているものについては全部はできないということなのです。

しかし、更にできる範囲があると思いますので更に増やしてもらいたいということはいうということであります。

それと景観につきましては、15カ所追加で要望し1カ所でありますけれども、彼ら(JR東海)は新幹線の環境アセスメントというのは相当な蓄積を持っておりまして、そういう中で自ずから新幹線の環境アセスメントの目安のようなものがあるわけですが、そういうことからいうとこの景観については既に34カ所やっているし、それで彼らとしては十分だと思っているけれども、しかしこの文書表記をみていくと知事の意見があるので、知事意見で予測をするようにいった箇所については事業説明会があります。事業にかかると地域住民に説明する機会があります。その事業説明会でモンタージュ写真を提示し、住民の皆さんに丁寧に説明しますと言っています。だから正規の評価書の中には載っていませんが、そういう形で住民の皆さんにはきっちりと説明しますと言っている訳です。それぞれの県の要請に対して配慮はしていますが、なお不十分な点がありますのでその点については更に改善をしていただく要請をするということであります。 

記者

知事の方からそういった要請はされないということだったのですが、事務方のやりとりの日程、スケジュールはもう決まっていますか。

知事

それはまだです。環境省へ行くのはいつですか。

森林環境総務課長

環境省については日程調整中です。 

知事

JR東海に対しては、森林環境部長が向こう側(JR東海)のしかるべき部長のところに要請をするということにしております。その日程もまだ決まっていませんか。

森林環境総務課長

相手方がいますので調整させていただきます。 

記者

JR東海が評価書を出した時に、8割方要望に応えたのではないかというお話をされていたと思いますが、それに対して知事はどのように感じていらっしゃいますか。

知事

JR東海の部長さんはそういう説明をされ、一方で(県環境影響評価等)技術審議会の会長さんは5割程度だとおっしゃったということであります。これはなかなか行政の立場としては、どれくらいということは数字では申しあげられないということだと思います。端的に言いますと、知事の意見書は200項目くらい大小合わせればあります。それについて、マルとバツで全部付けられれば、その内のマルがいくつかであり何パーセントとなるわけですが、マルとかバツになるのではなく真ん中のサンカクが1番多いのです。

先ほども申し上げましたが、景観は評価書で載せるのは1カ所です。しかしながら、残りの知事の要請の箇所については事業説明会できっちりとモンタージュ写真を示して説明しますと言っていますから、全く(知事意見を)聞いていないわけではありません。そういう意味では△です。そういうものがたくさんありますから、全体が何パーセントはいえません。だからそれはご勘弁願いたいということであります。 

記者

先ほど、事業説明会の中で騒音、景観を説明するというお話ですが、実際向こう側(JR東海)が説明する段階は、工事直前の工事説明会、遅くともそこまでにといういい方をしているところがあるのですが、そうなりますと実際こういう方針に決めましたと出た時に、住民から反発があった場合、変えられますかというと変えられないタイミングでないように思っていますが、アセスの段階で今回の要望に応えなければならないということは、強く要請していくおつもりがあるのかどうかということですが、その必要性を知事はどのように考えていらっしゃるか教えてください。

知事

事業説明会は工事の直前というよりも、用地取得に入っていく。この事業説明会は用地取得に入る前提のものでしょう。確認しますけれども、後で確認して電話させます。事業説明会は、いよいよ工事実施計画が認可されますと、まず始まるのは事業説明会から始まります。地域の住民のみなさんに集まってもらって、こういう事業ですと、まず説明して、住民の皆さんが大体わかって、用地測量に入っていいという了解をもらったら測量に入っていきます。事業説明会は、場合によっては今年の後半には行われるのではないかと思っております。その事業説明会だと私は思っておりますが、もしかしたら間違っているかもしれませんので後で説明しますけれども。その時にはもう決まってしまい、直せないのではないかということはありますが、それはしかし、住民の意見がどうしてもこうでなければ困るという話であれば、もちろん県や市町村が中に入って、ここはこうしてほしいと直すことはその時点でも可能だろうと思います。

しかし、おっしゃるようになるべく早い段階で予測をして、直せるものは直していくことは、その方が大事だと思いますからそういう考え方でいきたいと思いますが、しかし事業説明会の段階で住民の意見に答えるということもできないことではないと思います。ただ景観などになりますと、リニアは承知のようにルートを変えるわけにはいきません。道路のようにちょっと横に振ることはできませんから、そこにそういうものが存在せざるを得ないわけで、それをなくすことはできません。後は地域の景観とどうマッチしているかということで、できるだけ地域の景観にマッチするようにデザイン、色そういうものを考えてもらうということだと思います。

高速道路ならば、植樹すればかなりの程度景観への影響が緩和できる場合がありますが、リニアの場合はかなり高いですから、木を周りに植えたからといって景観が改善されるものでもありません。景観はなかなか改善するのは難しいのですが、やはりデザイン、色そういう面でできるだけ工夫をして、影響を緩和していくようにしていかなければならないと思います。

 

記者

昨日の長野県知事の要請は、トンネル工事のためのトラックの交通量に関してかなり懸念が残っているようで、それについて協定を結んでなるべく担保したい、いろいろな含みもあると思いますがそういったことで要請しているわけですが、長野県知事はそういう形で直接出向いて行かれた。知事は今のところの考えでは行かれる予定はないということですが、長野、山梨同じように論ずるのは難しいかもしれませんが、比較した時に長野の方が積極的な印象が与えられる気がしますが、知事が行かれない理由をもう一度詳しく教えていただけますでしょうか。。

知事

長野県の知事さんは知事さんの考え方でやっていることですから、それについて云々するつもりはありませんが、やはりこれはそういう工事中の騒音の問題があれば事業者にきっちりと言ったらいいと思います。それこそ環境アセスメントであって、(事業者が)いうことを聞いてくれないから国にいうといっても、国でも国の立場で地元と別の立場の意見を言います。だから地元の意見を代弁してということになるかどうかはわからない。地元は地元の立場で地元の意見をしっかりと事業者に言うということであって、それはJR東海とまさに四つに組んでもきっちりと対応していくべきものだと思います。

長野県の中身がどういう中身かわかりませんが、例えば岐阜県とかそういうところは同じように環境省ではなく、自ら意見を言うというスタンスです。それが筋ではなかろうかと思っております。また、JR東海も県の言うことが、それなりに合理的なきっちりと根拠のあるものであれば、彼らもそれはそれに対してきっちりと前向きに答えるであろうし、答えないのであれば地域住民が納得しませんので、これは事業者に対してきっちりと意見を言っていくということでいいのではないかと思っております。

記者

今回のアセスの手続きの中で準備書が出されてから120日以内に知事意見を出さなくてはいけない。それで約1ヶ月後に評価書がでてきましたが、県環境影響評価等技術審議会の片谷会長に聞いたところでは、知事意見を120日以内に出さなければいけないのは、リニアの約5兆円の事業規模からしてみれば非常に時期としては短いと、今後のアセスの課題とおっしゃっていたところがあります。それについては十分な審議ができたのかという問題になっていくと思いますが、120日以内で十分な知事意見を出すまでの審議ができたのかが1つ、評価書が1カ月後に出されたのは、JRの方では拙速ではないと否定していますがそれについてのご所感をいただけますか。

知事

120日間が短いのではないかというのは、現在の環境影響評価法上はそうなっていますので、それに従ってやるしかありません。確かに大きな事業の場合は、短いということがある。行政はもちろんそういう対応をするのですが、技術審議会の委員の先生方は、他に仕事を持った方々ですからかなり短い間に詰めて会議が行われることになればそれだけご迷惑も掛かるということは確かにあると思います。それはわかりますが、しかし現在の制度がそうなっている以上はその範囲内で、先生方にも最大限協力をいただきながらきっちりとした意見を言っていくということだと思っております。 

それが短いというのは、これはまさに環境省あたりが将来の課題として考えることだと思います。それから、知事意見に対して1カ月で、評価書が出てきたのが、ちょっと短いのではないかということですが、これは決して拙速とかではなく、当たり前のことですが準備書ができ、それを公告、縦覧、説明会を開き、地域の皆さんの意見を聞き更に市町村の意見の提出があり、それから技術審議会においてはかなりの場合は、JR東海の人が入ってそこで議論を戦わせている。したがって、JR東海の担当者にしてみれば、どういう意見があるのか、どういうことが問題になっているかはわかっているわけですから、知事意見が出てからそれから作業を始めるのではなく、もっと前の段階からこういう意見が出てくるだろうからそれに対してどうするかの議論は当然やっているわけです。決して拙速とかそういうことではないわけで、要は期間が短いから出来が悪いとかではなく、中身で判断すべきものだと思っております。

記者

本日、環境大臣が意見書提出の前にリニア実験線にお越しになっていますが、県民としてはできているものよりもこれからできて、どういう影響があるかということ、そっちの方を見てもらいたいという思いがあると思いますがその点についてはいかがですか。例えば実験線を見た後に、実際に街中を通るところを見てもらいたいという思いはあるでしょうか。

知事

それは環境大臣がどう判断するかだと思います。環境省が今、鋭意中身を審査していると思いますが、その審査の過程でこれは現地をよく見た方がいいと思えば、当然事務方は見るでしょうし、大臣も場合によっては見るかもしれません。それは環境省が、自分の意見を言うに当たって必要ならば環境省の判断でやることであって、県として見てもらいたいとか言うべきものではないと思っております。

 

発表事項以外の質疑応答

 「日本創成会議」分科会提言について

記者

先日、日本創成会議が2040年の将来の人口推計を試算されて発表されましたが、県内でも市町村別に発表されてかなり厳しい試算が発表されたわけですが、それについての受け止めと県も少子化に対する対策というか対応をされていると思いますが、改めて今後の取り組みについてどのようにお考えかお聞かせください。

知事

おっしゃるとおり確かに創成会議が、2040年の市町村の人口推計を行って、約半分の市町村においては若い女性が減少し、そういった市町村が消滅していくだろうという切り方になっていましたけれども、大変厳しい状況だということを発表しておりましたが、これはそのとおりだろうと思います。少子化対策がいかに重要であるか、国の将来を大きく左右する大きな課題として国を挙げて取り組んでいかなければならない感じがしています。担当した前の岩手県知事の増田さんが言っておりましたが、もちろん合計特殊出生率を上げていく努力をするということは当然必要なのですけれども、もうひとつ彼が問題にしているのは、特に若い女性が東京に流出していくと、東京の場合は特殊出生率が1.09とかいう低い数字です。いってみれば都会的な生活環境の中においては、どうしても出生率が下がってしまう。田舎の若い女性が、田舎であれば出生率は1.4とか1.5とかいう出生率になるのでしょうけれど、それが都会へ行って都会的な生活水準になじんでしまう。出生率そのものが下がってしまう。したがって東京というのはある種のブラックホールみたいに若い女性を引きつけて、結果として日本全体をダメにしてしまうということなのではないかと。これはきわめて示唆に富む指摘だと思います。東京に一極集中というものを思い切って是正して、若い女性でも田舎で喜んで住んで、暮らしてくれるような地域づくりというものを国を挙げてやっていかなければならないと思います。少子化対策であるとともに、国土の均衡ある発展ということが大事といっていることについては私も大賛成です。

記者

今後の取り組みについてはどうでしょうか。

知事

ご承知のように県としては、昨年少子化対策については種々検討して、施策を取りまとめて今年度から実施をするということにしております。いちいち申し上げませんが、産後ケアセンターをつくる、あるいは病児病後児保育を充実する、保育所の広域入所を広げる、婚活を促進するなどいろんなことをやろうとしているわけです。これは県としても努力していきますけれども、当然のことながらこれはまずは国がしっかりやらなければならいわけで、消費税の引き上げも行われたわけですから、そういった財源も使いながら少子化対策というものに、従来に比べて抜本的に充実をしていく。これは三村元新日鉄会長が委員長をしている政府有識者会議「選択する未来」では、従来の高齢化対策よりも少子化対策に思い切って資金、施策を変えるべきだといっているわけですが、それはともかくとして、やはり少子化対策に抜本的な充実を図っていくことが必要だというように思うわけです。更に申し上げると、少子化・人口減少社会において、女性に過大な負担をお願いするようになる訳です。一方において人口は減るものですから労働力が減ることになるわけです。いわゆるM字カーブをできるだけなくすように女性に労働市場に参加してもらいたいという社会的な要請がある。同時にその上に少子化を防ぐために子供もできるだけたくさん産んでもらいたいという要請がある。そういうふたつの要請を女性にお願いすることになるわけであって、女性に対しては過大な負担をお願いするわけで、それだけに社会全体が子育てをし、同時に働く女性をしっかり支えていくような仕組みを作らなければいけない。特に保育所とかそういうものの整備はもちろんですが、特に子育てについても、夫と妻が一緒だと両方とも同じ割合で子育てを一緒にやるのだというくらいのつもりで、おおいに男性も育休を取るべきだと思うし、同時に会社自体がそうすべきであるという雰囲気になっていかなければならないと思います。社会全体で取り組まなければならない課題だと思います。そういう中で、山梨県もそうですが、自治体が少子化対策に本気で力を入れることは大変に大事なことで、県もそうですし、市町村もそうですが、我々としても努力をしていきたいと思っております。

 新御坂トンネル天井板撤去工事について

記者

今月の末から御坂トンネルの方は通行止めになりますが、一部の観光業者から県外に対しての周知が不徹底で影響が大きいのではないかという懸念の声が寄せられていますが知事のご意見をお伺いしたい。

知事

新御坂トンネルの天井板撤去工事につきましては、いろいろな形でPRはしているつもりでありまして、ポスター、チラシを配布する。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌あるいはもちろんネット、それから更に旅行業協会という旅行関係の団体には直接出向いてお願いして、旅行企画についてはこれを避けてくださいということをお願いしています。いろいろな方法でPRをしているわけですが、完璧だということはないわけでまだまだ足りないというご意見が当然あると思いますが、引き続きその努力をしていきたいと思っています。むしろ、どういうやり方が一番効果があるのか、アイデアがあれば教えていただきたいと思います。

甲府市の申し入れを受けた上で、県としてどうするか判断したいと思っているところです。

記者

実際に通行止めになった後の影響を県の方ではどの程度お考えなのか、今の段階でどういう影響懸念をお感じになっているか伺います。 

知事

 通行止めになった後の影響については、旅行会社にはかなり徹底されていますので、旅行会社が企画する団体旅行についてはこの期間は避けて実施するということは徹底していただいています。個人旅行については、ネット等も見ていただいているのでかなり避けられるのではないかと思っています。そうはいっても、地元の観光業者さんには一定の影響が出ることは避けられないと思っています。それをカバーするという意味において、旅行商品造成助成事業と言って、予算額450万円で工事が終わった後の新御坂トンネルを使って、かつ県内で宿泊をするという旅行企画を立てられた旅行業者に対して支援するという制度をつくってできるだけ新御坂トンネルを活用するようにやっていきたいと思っています。同時に沿線で商売をしている方には申し訳ないのですが、道路の工事によるマイナスの影響については、公共の施設として受忍していただくということになっていて、こういうものに対して補償をした例はないものですから申し訳ないのですが、ご理解を賜りたいと思っています。

 「山の日」祝日法改正案について

記者

政府が山の日を祝日に8月11日ということで、2016年からの施行だそうですが、山梨県は8月8日ということで、現段階で調整とか対応を何かお考えかどうか伺いたい。

知事

これは、政府が法律で決めてやるということですから、我々はやまなし「山の日」の行事として行ってきたものについては、政府のものに合流するということしかないわけです。山梨県としては8月8日に決めると同時に国民の祝日にするように要望してきたわけですが、8月8日にはならなかったですが、そのことが実現したことは評価しなければならないと思います。(法が施行される)平成28年1月から8月11日を山の日として従来のあるいは従来以上のイベント的なことはやっていきたいと思っています。

 花子とアンについて

記者

朝の連続テレビ小説がかなり高視聴率だと伺ったり、山梨の方言がインターネットで飛び交ったりという現象が見られるようなのですが、山梨の観光への影響も踏まえて知事は今のこの現象をどう見ていらっしゃるか、お伺いしたいのですが。 

知事

おっしゃるように、視聴率がずっと21パーセントぐらいを維持しているということで、前の「ごちそうさん」、その前の「あまちゃん」とかよりも高い視聴率を、しかもずっと維持しているということで、大変これはうれしいことだと思っております。なぜそうなのかというのは私もよくわからないです。同時にまた、東京などでは甲州弁なんかをかなり使う人が増えてきているということを聞いたりしまして、山梨の知名度の向上、観光、そういったものに相当の効果があるのかなと思っているところです。ただ観光についてはお客様を呼ぶとして、なかなかPRのスポットがなくて、今ロケをしているあの場所についてはこれからもまたロケが続く可能性があるのでNHKとしてはあまりお客様に入って欲しくないという気持ちもあるようですし、大々的にそこにお客様を呼び込んでいくということができないような状況であります。そういう中にあっても、今の(山梨)英和高校の周辺とか甲府の古いまちなみとか、そういうようなものについて、花子が暮らした頃の雰囲気がみられるようなそういう所をテーマにした旅行企画をやるところが出てきていると聞いております。これをさらに観光の振興に役立てていくことについて、甲府市とよく相談して考えてみたいと思っているところです。

記者

方言も含めてドラマの演出自体を知事はどう見ていらっしゃいますか。

知事

私も毎日見ておりますけれども、非常に上手だな、上手いなという気がします。最初の山田望叶さんは非常にかわいかったし、本当は花子は決してお百姓の家に生まれたわけではなく甲府の町の中の生まれですれけれども、ああやって百姓家から生まれてそれが成長していくという、あれはかつての、皆様は知らないかもしれませんが「おしん」という、山形県の貧しい農家から女性が世に出て行く物語ですけれども、まさに「おしん」のモードなのです。非常に人々を引きつけるものがあります。そういうドラマのたて方が非常に上手ではないかと思います。

記者

方言は特に違和感があるような使い方とかないですか。

知事

あまり感じません。上手いのではないかという気がします。

 

集団的自衛権について

記者

集団的自衛権について明日、首相が会見をされるということで日程も決まっているようですが、これまでの政府対応と、憲法解釈を閣議決定でというところで議論も多々あるようですが、いろいろな意味で知事の御所見をお伺いしたいのですが。。

知事

これは以前お話ししたことと同じことです。集団的自衛権についてはなにか法制局が違憲であるとしてきたわけでありますけれども、しかし国連憲章は集団的自衛権は当然国の固有の権利としてあるということが前提になっており、自衛権というものが集団的であれ個別的であれ、要は国の平和と安全を守るということなのであって、それを1人で守るのかあるいは親しい人と一緒に守るのか、それは守り方の問題なのであって、要するに国の平和と安全を守るということが一番大事なのです。その国の平和と安全を守るうえで、本当に必要最小限のものであれば、それが集団的自衛権であろうとなんであろうと、これは憲法が認めるところだと考えるべきだと思っております。個別的な自衛権は合憲だけれども、集団的という名前が付いた途端に全部違憲だというのは少しおかしいのではないかという感じがします。だから、そこのところを議論しているところだろうと思っております。

しかし言うまでもなく、よく言われるように地球の裏側まで出かけていってやるというのは当然違憲ですから、要はそこをどの範囲でやるかということをきっちりと決めていくということだと思います。

それから内閣が閣議決定で憲法解釈を変えるのはけしからんという議論があるのですが、私はそれがどうもよくわかりません。それは国会が決めることで、国会が法律で決めるわけです。その国会に集団的自衛権に基づいて、集団的自衛権というのはこの範囲でこういうことをやるのですというものを法律で決めていく。決める以上は内閣で閣議決定して法律を出さなければならないわけですから、これは内閣が事前に集団的自衛権は合憲である、しかしそれはこの範囲でやるものであるということを決めて国会に法律案として出すということが当然のことであって、内閣が変えているわけではない、最後は国会が変えるものです。ですから、どうもその議論、内閣が変えるのはけしからんというのはちょっとおかしいのではないかという気がしております。

 

除雪体制について

記者

8日の発表で、JR東日本が除雪体制の見直しということで中央線小淵沢と四方津と酒折の3つの駅に除雪車を配備した。これは中央線としては初めての除雪車で、それが山梨県の3駅に配備されたということで、これについて知事の御所見をいただきたい。また、こうした除雪の取り組みというのは各方面から知事の方にも改善ということでまとめられてはいると思いますが。今後の取り組みについて改めてお聞かせください。

知事

JR東日本が非常にスピーディに除雪機械を山梨県に3台配置すると決めていただいたことは、大変私どもとしては高く評価し、御礼を申し上げたいと思います。

併せてお願い申し上げたいのは、国鉄の時代であれば当然のことながら身延線もその除雪機械を使ってやるわけでありますけれども、今度は身延線になるとJR東海です。東日本は東日本で自分のところをやるのでしょうけれども、しかしJR東海になると静岡の方から上ってこなければならないわけですから、場合によってそれが時間がかかるのであれば、JR東日本が協力してその(中央線の)除雪機械を使って緊急事態だから身延線もできるという、そういう弾力的な運用を是非していただきたいと思います。

(道路の)除雪体制については現在検討中でありまして、この間の災害の検証をする学識経験者の会議があるわけですけれども、その場で議論をしてもらっているわけでありますが、県としては、相当な大雪があっても対応できるような、ロータリー除雪車ということになりますけれども、そういうものは手配をしなければならないのではないかと思っているところです。

 

雪害に伴う農業被害への復興支援対策について記者

昨日JAグループの方々が農政部長の方へ要請をしましたが、JAの方々の話としては今年度中にハウスの再建ができるのが1割にも満たない状況であり、そうした中で県の方になるべく国の再建費用の支援を今年度ではなく複数年度できるよう求められていたと思いますが、改めてJAのご意見を聞かれての知事の御所見をお聞かせください。

知事

災害復旧なので、できるだけ早くやるというのが原則です。通常であれば災害が発生した当該年度、その次の年度、その次の年度、その3年度で災害復旧は完成するというのが通常なのです。したがって26年度、27年度ということになるわけです。原則はもちろん26年度に完成するのが原則ですけれども、しかしどうしてもそれはできないということであれば27年度に繰り越して、そして27年度中には完成していくというのが原則です。どうもしかし聞いてみると、ハウスの再建をするためには当然ハウスを取り扱っている請負業者に工事をしてもらわなければいけないわけですけれども、その工事の能力からして、なかなか27年度でも間に合うかどうかちょっと心配だという状況があるようです。そこでJAとしては26年度はもちろんのこと、27年度と言わず更にもっと長くお願いしたいということを言っているのであろうと思います。これは聞いてみると山梨県だけではなくて群馬県とかそういうところも同じような事情があるようでして、昨日も関東地方知事会でそういう議論が出て、群馬県の知事に、場合によっては一緒に国にその働きかけをやりましょうといっておりましたけれども、場合によってはそういう関係の県と一緒になって26年度、27年度だけでなく更に延ばせるような対策がないか、やり方がないかどうか国に対して要請をしてみたいと思います。ただ災害復旧というのは、災害復旧なのでいつまでも延びてよいというものではない。やはり限度がある。そこのところとの兼ね合いです。JAの意向はよくわかって、実情もまたよく理解しておりますので、農家の皆様がしっかりと再建できるように国との相談をしていきたいと思っております。

記者

その中で、とにかく資材が足りない。あと、それを建てる人もいない。この夏既に露地が始まっていて、造るとしたら秋以降になるというお話だったのですが、その時に準備が足りないのではないかというところを特に懸念されておりまして、そういったところを改めて県として、増産プラスそれを建てる職人のところの部分をどのように言っていくのかというのはありますか。

知事

確かに資材が足りない。しかし農水省は鉄鋼業界などに増産の要請をしておりますから、これは一定の時期がくれば市場に出てくると思います。ただ人が足りない、要するにハウスを建ててくれる請負業者というのは割と零細な建設業者になりますから、そういうことをやる職人もいないということで、施工能力に限界があるということはあると思います。それからもう一つは、あまり先のことまできちっと見積もりで決めるわけにはいかないわけで、当然ハウス資材も変動しますから、そういう意味でも施工能力に限界があって、果たして26年度はもちろん27年度に完成できるかどうかという状況であります。よくよく事情を見ながら対応を考えていかなければならないと思っております。

 

富士山吉田口登山道について

記者

富士山の山開きの関係で、スバルラインが開通したばかりですが5合目でもかなり残雪があるということで地元の方々がかなり気にしているのですが、例年県も残雪調査を山開きの前にやられておりますが、今年あと1ヶ月半ありますがどのように取り組んでいかれるかお聞かせください。

知事

これは我々も大変に心配しているところです。通常でありますと積雪の状況を確認して、除雪が可能であるという場合には業者に委託して除雪作業とか安全施設の点検補修を実施していくわけであります。しかし果たして除雪ができるのかどうかというのが今の状況だと思います。これは山梨県、静岡県の両県が一緒になって富士山合同パトロールというのを県の要請関係だけではなく市町村も入り、警察関係も入り、また山小屋組合の皆様も入ったりして合同で関係機関が一緒になってパトロールを上までやっていきます。昨年は6月27日にやったようですが、今年はいつやることになるか、皆さんで一緒になってパトロールをしてみて、大丈夫かどうかをパトロールの結果で判断していくということになると思います。

道路管理課長

知事がおっしゃられた通り、5月26日に山梨静岡の両県で打ち合わせをやります。そこで具体的にいつパトロールをするかどうかを、積雪量等を考慮しながら決めて、それで今言った関係機関と合同でパトロールを実施して、山を開ける日を決めていくという段取りになります。

記者

そのパトロールを早めたりするということもありますか。 

道路管理課長

いずれ残雪が多いですから、早くはいけません。今から気温上昇とか降雨によって雪が例年減ります。それらを加味してパトロールは概ねこの時期に、6月下旬になると想定しております。

 

 

(以上)

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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