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ページID:46703更新日:2017年5月10日

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遺跡トピックスNo.0352甲府城跡(甲府市)~石垣普請~

県指定史跡甲府城跡一覧

0039県指定史跡甲府城跡-石垣
0043県指定史跡甲府城跡-甲府城発掘展-
0069県指定史跡甲府城跡-金箔瓦
0119県指定史跡甲府城跡-石垣補修工事(H19)-
0124県指定史跡甲府城跡-稲荷櫓-
0127県指定史跡甲府城跡-整備された城跡-
0129県指定史跡甲府城跡-道路の下から追手門-
0141県指定史跡甲府城跡-滴水瓦-
0146県指定史跡甲府城跡-石垣補修工事(H20)-
0156県指定史跡甲府城跡-石垣補修工事(H17)-
0161県指定史跡甲府城跡-詰石-
0176県指定史跡甲府城跡-矢穴-
0180県指定史跡甲府城跡-甲府城展-
0183県指定史跡甲府城跡-おもしろ講演会-
0189県指定史跡甲府城跡-石垣石材の加工-
0198県指定史跡甲府城跡-石垣補修工事(H21)-
0214県指定史跡甲府城跡-石垣補修工事と石工技術の体験-
0225県指定史跡甲府城跡-「昔覚ゆる甲府城-築城技術と甲州石工文化-」展の開催-
0232県指定史跡甲府城跡-「昔覚ゆる甲府城-築城技術と甲州石工文化-」展の開催-
0244県指定史跡甲府城跡-鉄門の再確認調査-
0257県指定史跡甲府城跡-野面積み-
0261県指定史跡甲府城跡-鉄門の石垣-
0278県指定史跡甲府城跡-鉄門復元事業-
0283県指定史跡甲府城跡-「昔覚ゆる甲府城展」の開催-
0285県指定史跡甲府城跡-狭間-
0306県指定史跡甲府城跡-お城の排水施設「暗渠」-
0295県指定史跡甲府城跡-ひらけ!玉手箱-
0297県指定史跡甲府城跡-石工道具-
0317県指定史跡甲府城跡-慶長一分金-
0329県指定史跡甲府城跡-数寄屋曲輪の地鎮祭-
0345県指定史跡甲府城跡-「ひらけ!玉手箱~よみがえる鯱」展の開催-
0364県指定史跡甲府城跡-石垣補修工事-
0389県指定史跡甲府城跡-石垣-
0249甲府城跡-県庁構内の遺跡-
0332甲府城跡-発掘された甲府の城下町展-
0352甲府城跡-石垣普請-
0362甲府城跡-県庁構内(駐輪場)発掘調査速報-
0367甲府城跡-県庁構内(委員会室棟)発掘調査速報-
0369甲府城跡-発掘された甲府の城下町~武田氏館と城下町-
0370甲府城跡-鉄門の活用~鉄門イベント-
0397甲府城跡-石切場跡-
0403甲府城跡-石垣-
0408県指定史跡甲府城跡-石垣-
0412県指定史跡甲府城跡-石垣の積み方-

平成22年度に発掘調査が行われた県庁構内「甲府城跡」。ここからは、石垣などの遺構が確認されました。

甲府城は、かつて19ヘクタールほどの広さを誇っていましたが、現在史跡として保護されているのは6ヘクタールほどです。県庁構内は主に楽屋曲輪に位置し、政務を掌った建物や大手門などがありました。

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発見された石垣の解体調査時に確認された胴木と呼ばれるもので、脆弱地盤面に石垣を構築する際に部分的な不等沈降による石積みの崩壊を防止するために、根石(石垣の一番下の石)の下に敷かれた木材のことをいいます。写真は根石を移動しながら胴木を確認しているときの様子のものです。

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石垣の部材をすべて取り外した状況です。手前の方は軟岩層で安定しているため胴木はありません。奥に向かって脆弱な地盤となることから胴木が敷かれていました。材種は松で、脂が腐るのを防ぐ効果があるとされ、杭などに用いる水利事業などには比較的使用されています。

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胴木の継手部分です。縦木と横木のクロス部分で、横木は斜めにスライスした組み合わせとなっています。丸太状のものと板状のものがあり、地盤のレベルに合わせて加工が施されていました。

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胴木の継ぎ手部分です。丸太状のものは組継ぎとなっており、主に西側の脆弱地盤面から認められました。

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縦木と横木の組み合わせ部分です。下側の胴木は上の胴木がずれないように加工してありました。また、右上の胴木は使用されずに放置されたものですが、運搬時に縄を通すために設けられた臍穴が認められます。

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胴木下の基礎構造です。灰色の土層が自然地盤で、礫が入った黄色い層が人工的に造成された地盤です。胴木が載る部分はこのように地盤改良され、沈降防止の工事が施されていることが確認されました。地下水が湧き出る状況の中で、築城期の人々はどのように作業していたのでしょうか?当時の土木技術水準の高さが窺えます。

現在、胴木は保存処理を行っており、将来的には公開を予定しております。

<参考文献・引用文献>

山梨県埋蔵文化財センター2012『甲府城跡2.-楽屋曲輪地点-』山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第284集

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