知事臨時記者会見(令和5年12月13日水曜日)

ページID:111994更新日:2023年12月14日

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知事臨時記者会見(令和5年12月13日水曜日)

令和5年12月定例県議会追加提出案件について

知事

令和5年12月定例県議会への追加提出案件につきまして、ご説明申し上げます。

まず国におきましては、先月29日、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を盛り込みました総額13兆1千億円の補正予算が成立いたしました。

本県におきましても、これを最大限活用し、可能な限り早期に経済効果を発現させるため、緊急で必要となる予算を12月定例県議会の最終日、12月18日に追加提出をすることといたしました。

追加補正の予算規模ですが、340億円程度となる見込みであります。

喫緊の課題であります物価高騰、そしてエネルギー価格高騰への目下の対応に加えまして、かかる情勢の悪化に対しましても、しなやかに対応できる経済基盤の強靱化は急務であると考えております。

すなわち、人々が将来の見通しに確信と安心が持てるように、将来にわたり大きな利益を安定的に得られる経済体質を地域経済に埋め込むということは、私の公約の重要な柱であります「ふるさと強靱化」の中核をなす考え方でもあります。

これに加えまして、人々を自然災害の脅威から守り抜くべく、防災・減災、県土強靱化を引き続き推進して参ります。

この方針の下、現在、編成作業をしている補正予算の内容につきまして、大きく二つの柱でご説明申し上げます。 

まず第一の柱、物価高騰対策であります。

はじめに、福祉施設等における物価高騰対策、或いは処遇改善への支援についてであります。

公定価格で収入が算定され、適切な価格転嫁が難しい福祉施設や医療機関に対しまして、これまで光熱費や食費の高騰分を支援して参りました。

しかしながら、物価は依然として高い水準で推移しており、また、診療・介護・障害の報酬改定は、令和6年6月から適用される見込みとなっております。

このため、新たに燃料費や消耗品費等の高騰分を支援することとし、更に光熱費や食費を含めました令和6年4月、5月分の高騰分につきましても、追加支援をすることといたしました。

また、介護施設等の職員や看護補助者の来年2月から5月までの賃上げに対して助成を行って参ります。

次に農畜水産業に向けた支援について申し述べます。

飼料等の価格高騰に対しまして、引き続き生産コストなどの削減と生産性の向上を図り、持続可能な経営体質に変えていく必要があります。

このため、自家飼料の増産やコスト削減・生産性向上に繋がる設備の導入など幅広く支援を行うこととし、低コスト経営への移行を更に後押しをして参ります。

次に、中小企業等に向けた支援について申し述べます。

省エネ・再エネ設備の導入に対しまして、これまで3度にわたり予算を計上し、支援をして参りましたが、継続を要望する声や新たなニーズも多く寄せられているところであります。

このため、新たに太陽熱利用設備を補助対象に追加するとともに、予算額自体を増額いたします。

また、中小企業の賃上げにつきまして、県では一定の賃上げを実施した事業者が行う生産性向上に対する設備整備、或いは人材育成などに対する補助制度を創設・拡充し、支援をしてきたところであります。

企業の人材ニーズに応えていくため、新たに職場の魅力アップに繋がる労働環境の改善に要する経費を補助対象に追加するとともに、スリーアップ、すなわちスキルアップ、収益アップ、賃金アップ、このスリーアップの理念に賛同する企業への補助上限額を倍増することといたします。

続きまして、第二の柱、県土強靱化、安全・安心の確保について申し上げます。

公共事業につきましては、防災・減災或いは県土の強靱化などへの対策といたしまして、国の内示を踏まえ、290億円規模の増額となる見込みであります。

また、富士山火山防災対策に資する課題解決に向けまして、産業界と積極的に連携し、集合知を最大限に活用するべく、プランニングコンテストを実施するとともに、新たな火山防災関連事業を創出しようとする企業に対しまして支援を行って参ります。

最後に、これら以外に早急な対応が必要なものといたしまして、人口減少対策について申し上げます。

内閣官房参与の山崎史郎氏を筆頭とする人口減少問題の専門家グループと連携をした各種少子化対策の効果検証に関しまして、その本格展開に向けた調整が整いましたので、必要な調査経費を計上することといたします。

具体的には、調査研究テーマであります「働き方改革・雇用改革」に関しまして、県内企業が実践する各種少子化対策とその効果について、企業ごとにきめ細かくデータを収集するために行うヒアリング調査などに要する経費であります。

このほか、「プレコンセプションケア推進」、「地域力向上」に関する調査研究も実施することとし、各種対策の効果を検証することで、本県の人口減少危機の突破に向けた取り組みに反映させうるのみならず、全国にも展開しうる知見を着実に獲得すべく努めて参りたいと思います。

なお、詳細につきましては、後ほど財政課長からご説明申し上げます。

記者

予算の関係で、物価高騰対策の予算は、総額でいくらぐらいかということと、そこに込めた知事の思いを教えてください。

課長

物価高騰対策につきましては、59億円弱でございます。

知事

今般は年度内での編成になります。特に医療機関或いは介護施設、障害者施設など、公定価格で収入が決められている業種があります。ここはいわゆる価格転嫁をしようがないわけでありまして、実際それが経営状況を圧迫する恐れがあり、またそのしわ寄せは、例えば介護であれば、介護職員の待遇改善が逆方向に進んでしまうものですので、これは県民生活を守っていくためにも、まずこういうところをしっかり手当をして、次の公定価格の改定が実際施行されるまで、しっかりつないでいくということだろうと思います。

記者

今回もなのですけれども、以前から知事は物価高騰やエネルギー価格の高騰対策に対しては、省エネ機器を導入するとか持続可能な支援をということで仰っていましたが、今回もそのような思いがあるのかということを改めてお伺いしたいと思います。また、その点で新規に公共交通の電気自動車の導入(支援)について、そこにかかる知事の思いがありましたら詳しくお願いします。

知事

まずこの物価高騰は当面続いていくわけでありまして、一番重要なことは物価高騰に耐えうるだけの収益の向上、もしくは賃金の向上、これをいかに実現していくかということを念頭に物事を取り進めることが本筋だろうと思っています。

そういう意味で、今回中小企業対策に関しましてもスリーアップを行っていくところに対して循環のスピードを早めるべく、必要な支援を盛り込むこととしておりますし、この機会にエネルギー価格の高騰に関しましては、再生エネルギーの活用度合いを高めていくということで、これは従来から一貫した考え方であります。

これが本筋でありますが、もう一つ、額としてはこちらの方が大きくはなるのですけれども、価格転嫁をし、そしてまたそれが給与アップに反映していく、この循環に乗れないところがあるわけですので、そこは今国の方で様々、診療報酬その他の改定作業が議論されているところでありますが、ここはもうやむを得ないと思います。これがゆえに経営状況が破綻し、事業継続できなくなると、これは県民生活が破壊されてしまいますので、今般国からの交付金は、そういうところを価格改定までの間支えろと、支えるべきだという趣旨も込められていると私たちは理解いたしますので、本筋は先ほど申し上げた循環を作ること、ただその循環に乗りようがないところに関しては、この国の交付金の趣旨を生かしてしっかりお支えをしていくと、こういう基本的な考え方です。

公共交通に関しては、電気自動車単体で導入というよりは、本来であれば太陽光発電設備とあわせて導入していただければ、エネルギー価格の高騰の波は避けることができるのではないだろうかと考えています。ぜひ組み合わせで考えて活用していただけるとありがたいと思います。

課長

1点補足させていただきます。先ほど知事からEVバス、タクシーについて発電設備とセットでぜひとありましたが、当該事業において充電設備についてはこれを含めての補助が可能となっております。なお新規事業となっておりますが、バス、タクシーそれぞれ令和3,4年に一度事業化をしておりまして、今回の予算上の整理としては新規事業になっておりますけれども、これまでもやってきた事業ではあるというところでございまして、新たな部分といいますと、特に公共性の高い箇所について急速充電器を設置する場合の補助、これは新しい要素となっているところでございます。

それから何点か誤解がないようにというところでございまして、知事から予算規模につきまして340億円という話がありましたが、これは一般会計ベースでございます。逆に公共事業につきまして290億円となっていますけれども、これは特別会計ですとか、公営企業会計を含むもので、つまり普通会計になりますので、こちらにつきましては一般会計以外も含んでいるということをご理解ください。

先ほどの290億と59億弱を足すと340億にならないと思われるかもしれませんが、一般会計の部分とそうではない部分があります。つまり、公共事業について290億程度ですが、このうち10億円前後は一般会計に入らないもの、具体的に言うと、下水ですとか、林業の関係が入りますので、その関係で若干数字に齟齬があるところでございます。

その他につきましては別途お受けいたしますので、随時お尋ねいただければと思います。

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発表事項以外の質問事項

富士山登山鉄道について

記者

富士山登山鉄道について、反対する研究者団体が中止を求める要望書を提出したりですとか、神社の宮司が異議を唱えたりといった状況もありますけれども、それぞれの受け止めを教えてください。

知事

まず総論として、多くの方がこの議論にご参画いただくことは心から歓迎をしたいと思います。富士山の普遍的な価値をどう後世に伝えていくのか、或いは2013年に世界文化遺産に認定された時に、「三つの宿題」と表現するのがいいのか、或いはその問題を解決するのはある意味「国際公約」だと思っていますが、日本として世界に対してお約束をした、この三つのテーマ「来訪者数が多い」「環境負荷を抑えていく」「人工的景観の改善」についてどう答えを出していくか、これはぜひ大勢の皆さんとさまざま議論を交わすことが一番重要なことだろうと思いますので、今般登山鉄道を契機に、研究者団体の皆さん或いは宮司さんに議論に積極的に関わっていただいたことを心から歓迎をしたいと思います。

その上で、まず研究者の方々からそういうご意見があったということはテイクノートしたいと思いますが、議論を拝読いたしましたが、もう少しアップトゥーデートされた議論を追いかけていただきたいなと思います。以前にいろんなところで指摘された問題をそのまま焼き直しているのではなくて、ぜひそこに新しい議論を追加して付加価値をつけた議論をしていただきたいと思います。

それから宮司さんがご意見を述べられておられます。これは私どもとしては富士山信仰の歴史的経緯と意義の上に、富士山への国民的・国際的な親しみですとか、さらには世界文化遺産登録がなされたということは紛れもない事実であろうと思います。

従いまして、私たちはその歴史的経緯、或いはその意義というものに対して最大限の敬意とともに、尊重すべきものであろうと考えています。ですがそれゆえにこそ、富士山信仰上の理由からなにがしかご議論をいただく場合には、ぜひとも国民的・国際的説得力が得られるだけの論拠が求められるだろうと、これは論理必然的にそうなるものだろうと思います。

従いまして、ご議論にかかる宗旨、或いは経緯などの立脚点を文献などの確固たる客観的根拠を持って明確にお示しいただくことが、まずは出発点だろうと思います。こういう文献などの客観的な根拠に基づく議論、論拠の提示、そしてそれに基づくご説明、これがあって初めて議論が成り立つわけでありまして、政治行政と信仰との適切な関係を確保する観点からも、私たちはここをしっかり求めて参りたいと思います。

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リニア中央新幹線に係る今後の対応について

記者

今月7日になると思うのですが、国土交通省の有識者会議の方が静岡工区の環境評価について議論してきた中で、JR東海の対応を妥当、適正であると評価を下しまして、国土交通大臣に提出をしました。

ただ一方で、静岡県の川勝知事はこれに反発をしておりまして、国でそうした評価が出たにもかかわらず、議論の膠着状態は続くことが今予想されていると思います。

これについて、山梨県として何か働きかけを行ったり、例えば橋渡しをしたりとか、この評価に対する知事の受け止めと、今後の対応についてお考えがあれば頂戴してよろしいでしょうか。

 

知事

まずは、この国の有識者会議の評価によりまして、静岡工区の着工が前進することを大いに期待するものであります。

JR東海さんに対しましては、この報告書で取りまとめられた内容に沿って、静岡県さん或いは静岡市さんなどの地域の理解が得られるように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

また、これに対して静岡県がご異論があるというのはニュースでも承知していますが、私たちとしては、何がどういうふうに問題なのか、期成同盟会などの場において静岡県さんからご懸念の点はさらに説明をいただいて、議論する場があったらいいなと思います。

この問題は、静岡県とJR東海、静岡県と国だけの問題ではなく、我々沿線自治体にも大変大きな影響があるわけですので、私どもは国の有識者会議の評価というものを是といたしますが、そうでないお考えであれば、それはそれで尊重しないといけないのですが、その場合にもしっかりとご説明をいただかないと何で反対されているのか、そこは静岡県さんに説明責任があろうかなと考えるので、その説明責任を果たしていただくことを期待するものであります。

その上で、さらに静岡県さんのご懸念については、我々はやはり尊重して何がしか解決策というものを、我々も知恵を絞って、集合知を形成すべく努力をするべきだと思いますが、そのためにも、まずはこの報告書のどこがどういう点で問題なのかを我々にも分かるような説明を、まずは静岡県さんからしていただくことを期待しております。

記者

今のリニアの問題に関連するんですが、川勝知事がリニアの問題解決に対して腹案があるとおっしゃっていて、内容を聞くと部分開通と実験線の延伸と山梨県に関わる話をされているようなんですけれども、これについての所感はどうでしょうか。

知事

繰り返し申し上げますが、リニアは全線開通して初めて効果が最大化されると思っています。この考え方は全く今も変わらないわけでありまして、私たちとしては、まずはその全線開通をいかにするべきかについて、静岡県も含めてみんなで知恵を出し合って協力、或いは貢献できるところはしっかりと貢献をしていきたいと思っています。

全線開通の前提のもとで、山梨県までの部分開通というものは歓迎したいと思いますし、そうなったらいいなと私たちも期待をいたしますが、まず大切なことは繰り返しになりますが、全線開通をいかに図るかと、ここを揺るがしてはならないことだろうと思います。

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