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更新日:2024年3月19日

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やまなしの美酒探訪11「武の井酒造」

 

やまなしの美酒を深く知っていただくための企画「やまなしの美酒探訪」。

今回は、北杜市高根町にある「武の井酒造」さんを訪ねました。

酒蔵の紹介 

武の井酒造の創業は、1865年(慶応元年)。創業から150年以上の歴史ある酒蔵です。

雄大な八ヶ岳連峰を臨む自然豊かな環境の中で、ご家族のみで経営されています。八ヶ岳山麓の伏流水を仕込み水に使用し、日本酒のほか、山梨では珍しい純米本格焼酎を製造しています。

社名の「武の井」は、創業者である清水(しみず)武(ぶ)左(ざ)衛門(えもん)の「武」に、清冽な水が湧き出る井戸の「井」を添えたものだそうです。

 

現在、酒造りを担うのは、専務で醸造責任者の清水紘一郎さん・常務取締役の大介さんご兄弟。お二人とも東京農業大学の醸造学科で学ばれ、兄の紘一郎さんが日本酒杜氏を、弟の大介さんが米焼酎杜氏をされています。

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  右:兄の清水紘一郎さん 

  左:弟の清水大介さん

 

訪問日は、ちょうど米焼酎の仕込みの日でした。米焼酎の製造は、酒米の品種や酵母菌などを除いて基本工程は日本酒と同じだそうです。

今回は、通常公開していない酒造りの様子を特別に見学させていただきました。

 

アルコール発酵は酵母が糖を分解することによって起きるため、まずは原料のお米の主成分であるデンプンを「糖化」する必要があります。

この「糖化」を行うのが「麹」です。麹は蒸した酒米に麹菌を振りかけてつくります(工程①)。

こちらが製造中の麹です。

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次に、麹に蒸した酒米と酵母とお水を加えて「酒母」を造ります(工程②)。

酒母に蒸した酒米と麹とお水を加え、発酵させたものが「醪」(もろみ)となり(工程③)、醪を搾ったものがお酒になります(工程④)。

 

訪問日は、酒母に蒸した酒米と麹とお水を加える作業(工程③)を拝見しました。

 

まず、酒米を専用の大きな蒸し器で蒸します。

この日の酒米は、山梨県産です。

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蒸し上がった酒米を引き上げて、ベルトコンベアーに移します。

作業場には湯気とともに蒸し立てのお米の優しい良い香りが広がります。

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ベルトコンベアーに乗せる理由は、酒米の温度を調整して発酵適温にするためです。

 

酒米の温度が適温になっているか最終チェックを行います。

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適温になった酒米を発酵タンクに移します。

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タンク内では、麹がデンプンを糖化する工程と、酵母が糖をアルコールに発酵する工程とが同時並行で行われています。このような醸造方法を「並行複発酵」といいます。

また、仕込みは3回に分けて行われる方法が一般的で、これを「三段仕込み」といいます。全量を一気に発酵させるともろみ中の酵母量が薄くなり雑菌が繁殖してしまう恐れがあるため、酵母の様子を見ながら数回に分けて加え、ゆっくりと発酵させます。

この日、タンク内では先に仕込んだ酒米が発酵中でした。

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タンク内の品温を均一にするため、定期的に撹拌します。

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作業場は2階、タンクは1階にあり、作業がしやすい構造になっています。

 

この仕込みの作業は毎年5月頃まで続くそうです。

産地の自然を活かして手間と愛情を惜しまずに丁寧に造られていることがよく分かりました。

 

産地やまなしの魅力

八ヶ岳山麓の豊かな自然環境こそが産地やまなしの魅力と語る清水さんご兄弟。

酒造りの肝ともいえる仕込み水は、日本の名水百選にも選ばれている山梨県北杜市の三分一湧水がある八ヶ岳の伏流水。そして、この美しい伏流水を使って作られる地元北杜市産の酒米。

全てがこの土地の恵みであり、武の井酒造のお酒の個性を形作るものです。

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お酒造りのこだわり

紘一郎さん曰く、「お酒を構成する素材の一つ一つを活かすこと」と「主張しすぎず食事と合わせやすいお酒」であることを大切にしているそうです。

 

その上で、「素材の違いを楽しめる」ことが武の井酒造の魅力。

2007年から製造している「青煌」(せいこう)シリーズもその一つです。

 

「青煌」シリーズは「つるばら酵母」を使用し、原料米となる酒米は全国各地より取り寄せた酒造好適米で醸造。酒米の産地、品種ごとに異なる味わいを楽しむことができます。

 

「つるばら酵母」とは、バラの花から抽出した花酵母の一種で、清水さんご兄弟の母校である東京農業大学で発見された稀少な優良酵母だそうです。

 

紘一郎さんは、数ある酵母の中からご自身のイメージするお酒に合う酵母を厳選した結果、この「つるばら酵母」に辿り着き、2007年に「青煌」シリーズの醸造を開始します。

 

「青煌」の名称は、綺麗な水を連想する「青」と日本酒が世界で煌めく存在となるようにという思いが込められた「煌」が由来。ラインナップは定番品から季節商品までありますが、旨味がありつつもすっきり爽やかな味わいが特徴です。

 

シリーズの中でもまず飲んでいただきたいのは、岡山県産の酒米「雄町」を使用した純米吟醸「青煌 雄町」。口当たりが柔らかくお刺身やカルパッチョなどとも好相性です。

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「青煌 雄町」のご購入はこちらからどうぞ

https://takenoishuzo.official.ec/items/51873921

 

名刺代わりの1本

「武の井 純米吟醸 ひとごこち

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商品名に社名を冠した、まさに名刺代わりの1本。

酒米は山梨県北杜市産の「ひとごこち」を使用。2021年に国税庁に指定された日本酒の地理的表示「GI山梨」認証商品です。

仕込み水、酒米、造っている人、全てが山梨県産のこの商品は、まさに地理的表示「GI山梨」を体現している一品です。今の季節ですと、おでんなど塩気の強いお料理とも相性抜群です。

 

武の井 純米吟醸 ひとごこち」のご購入はこちらからどうぞ。

https://takenoishuzo.official.ec/items/51866908

 

ちなみに、先ほどの「青煌」は同じ酵母の酒米違いでしたが、「武の井」には、全て同じ品種の酒米を使用した上で、四季の花から採取された花酵母を使用する「四季シリーズ」があります。

春は桜、夏は向日葵、秋は秋桜、冬は椿と花酵母を変え、季節の移り変わりとともに味わいの違いを楽しむことができます。商品ラベルにはお花の絵柄が描かれており、テーブルに並べるとまるで季節のお花を飾ったような華やかな雰囲気に。味覚と視覚の両方で季節を感じることができます。

 

「四季シリーズ」の詳細はこちらからどうぞ。http://takenoishuzo.jp/products.html

※「四季シリーズ」純米吟醸 さくら酵母仕込(発売時期:3~5月)のご購入はこちらからどうぞ。

 https://takenoishuzo.official.ec/items/51872904

 

施設情報

 武の井酒造株式会社

 所在地:山梨県北杜市高根町箕輪1450

  電話:0551-47-2277

  URL:http://takenoishuzo.jp/index.html  

 ※4月からは試飲・販売スペースがリニューアルオープン!

  詳細は、公式HP、Instagramでご確認ください。

 

お問い合わせ

山梨県産業政策部産業振興課

所在地:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1

電話:055(223)8871

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