ページID:107340更新日:2023年1月12日

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知事臨時記者会見(令和5年1月11日水曜日)

防災新館401,402会議室

16時30分から

発表事項

  参考資料(PDF:319KB)

発表事項以外の質問事項

 なし

230111会見

新型コロナウイルス感染症対策について

知事

まず直近の新型コロナウイルス感染症の感染状況ですが、本日公表の病床使用率51.6%と、引き続き50%を超えており、大変厳しい状況となっております。

先週6日公表の1日当たりの新規感染者数2201人と、過去最多を更新いたしましたのは、ご案内のとおりであります。

本日公表の新規感染者数は、1679人でありまして、今月5日から本日までの1週間の新規感染者数につきましては、9777人と、昨年8月中旬の第7波のピーク時を上回る、過去最高の水準となっております。まさに、感染が爆発的に増加している状況と認識しております。

クラスターの状況ですが、昨日までの2週間のクラスター発生状況を見ますと、医療機関におきましては8件、高齢者施設におきましては13件、障害者施設におきましては1件と、クラスターが頻発している状況であります。

こうした状況の中、医療機関において多数の職員やそのご家族が感染し、職員さんが、患者や濃厚接触者として勤務できないケースが頻発しており、コロナ対応のみならず、救急医療や一般医療への対応能力が著しく低下する病院も目立ってきております。

更に、冬場は、心疾患、或いは脳疾患などによる救急搬送が多くなる時期であり、加えまして、クラスターが発生した施設などから、体調が悪化し患者が搬送されるケースも増加していることから、救急の現場では、第7波以上に逼迫度合いが増している状況にあります。

受け入れの集中によりまして、医療機関の前で、患者さんを搬送してきた多数の救急車が待機するような事例や、患者を受け入れる病床に空きがないため、救急患者の搬送先が決まるまでに時間がかかる事例があるなど、救急の逼迫した状況が生じてもおります。

加えまして、昨日、県内60病院に対しまして、一般医療も含めました診療体制の現状につきまして、聞き取り調査を行いました。

県内60病院のうち、14の病院で、院内クラスターの発生や医療従事者の感染、或いは病床が埋まっていることなどから、十分な診療体制をとることができず、新型コロナ以外の様々な一般診療で、患者さんの入院を制限せざるを得ない状況が生じております。

また、コロナ以外の救急患者の受け入れにつきましても、二次救急医療機関33病院中、7病院で救急患者の受け入れを断らざるを得ない状況にあります。

また、14病院で逼迫している、或いは受け入れる余裕がなくなってきているとの回答がございました。

こうした状況につきましては、本日、山梨県医師会手塚会長や、山梨大学医学部附属病院榎本院長さんをはじめ、重点医療機関の院長先生にお越しいただいておりますので、後程ご説明いただきたいと思います。

本日ご出席をいただいております先生方をはじめ、医療従事者の皆様におかれましては、県民の命を守るため、日夜、献身的な御尽力をいただいております。

この場をお借りいたしまして、全ての医療従事者の皆様に、改めまして心からの感謝と御礼を申し上げる次第でございます。

今後の更なる感染感染の拡大によりまして、一般医療を含めた医療提供体制や救急搬送体制が一層逼迫する事態も想定されます。こうした事態を回避するためにも、県を挙げて最大級の警戒感を共有し、対処していかなければならない状況であります。

こうした状況にはありますが、「必要とする人に必要な医療を提供する」という県の基本方針を堅持すべく、私ども県といたしましても、全力を尽くして参りたいと思います。

そこで、先ほど開催いたしました、県対策本部会議におきまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法第24条第9項に基づきます、臨時特別協力要請を発出することといたしました。

この要請ですが、重症化リスクの高い方々や、真に救急医療を必要とされる方々をしっかりお守りすることを大前提とした上で、それを可能とする医療提供体制を堅持するために、県民・事業者の皆様の御協力をいただこうというものであります。

以下、その主な内容につきまして申し上げます。

まず、高齢者など重症化リスクの高い方々には、少しでも症状がある場合には、躊躇なく早期に医療機関を受診していただきたいと思います。

新型コロナウイルス感染症における抗ウイルス薬ですが、早期投与が大変効果的であり、入院リスクを下げることにも繋がりますので、重症化リスクの高い方は、早めに医療機関を受診していただくようお願いいたします。

中でも、経口抗ウイルス薬の「パキロビッドパック」ですが、重症化の抑制効果が高く、死亡率の低下が期待される薬として、昨年秋には専門家から活用促進についてのご意見をいただいたところであります。そして10月には、山梨大学、山梨県医師会と共同で研修会を開催するなど、県として積極的な普及に努めております。

この研修会以後、関係者の皆様のご理解のもと、本県におけるパキロビッドパックの活用も増加傾向にはありますが、まだまだ少ない状況であることから、一層の促進が必要であると考えております。

引き続き、重症化する方や死亡する方を少しでも減らすため、パキロビッドパックを早期に投与できるよう、高齢者など重症化リスクの高い方々には、早期の受診をお願いするとともに、医療関係者の皆様に対しましても、積極的な投与のご検討を是非ともお願いいたします。

他方におきまして、こうした医療サービスの提供を社会全体でサポートしていくため、高齢者施設や障害者施設の皆様方に2点お願いをしたいと思います。

1点目ですが、施設内で点滴や抗ウイルス薬の投与などの医療行為ができるような体制を早急に整えていただくか、それが困難な場合には、保健所に御相談いただき、地域の医療機関による療養支援の受け入れ体制を整えていただくようお願いいたします。

なお、甲府市内の施設におかれましても、県では甲府市と十分な連携を取って体制を整えておりますので、甲府市保健所へご相談いただきたいと思います。

2点目といたしまして、医療機関や保健所から、患者の退院と施設での受け入れの意向が示された場合には、速やかにその意向に沿った御対応をお願い申し上げます。

次に、県民の皆様におかれましては、発熱などの症状が出た場合は、できる限り平日・日中の受診に努めていただくようお願いします。

夜間や休日に救急車や救急外来を利用すべきかどうか迷う場合には、119番通報の前に、まずは「かかりつけ医」や「受診・相談センター」にご相談いただきたくお願いいたします。

なお、この受診・相談センターにおける体制ですが、県では、電話回線をこれまで60回線に増やし強化を図っているところですが、今後、感染者の増加により、相談件数も増加することが見込まれますので、更に30回線プラスいたしまして、合計90回線、1.5倍の増強を図って参ります。

また、甲府市受診・相談センターにおきましても、回線数を増やし、相談体制の強化を図るよう、今要請をしているところでございます。

この臨時特別協力要請の期間ですが、今月末までといたします。

県民の皆様におかれましては、「短期集中」で要請内容の実践を是非ともお願い申し上げます。大波の最中でも、医療の力で守れる命は余さずしっかりと守り抜いていけるように、格別の御理解・御協力を賜りますようお願いいたします。

なお、全国的にも感染急拡大しております。県内の全ての医療機関、或いは福祉施設など、あらゆる機関が「オール山梨」で連携して、この急場を乗り切っていきたいと思います。

県民の皆様には、医療提供体制を守り、ひいては、ご自身、或いはご家族の命と健康を守っていけるように、是非ともこの臨時特別協力要請に基づき、お力添え、ご協力を賜りますようお願いいたします。

 

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藤井充 山梨県感染症対策センター総長のコメント

総長

県民の皆様等から、非常にコロナによる死亡者が多いというお話が出てきております。その点について少し補足をして説明をさせていただきたいと思います。

第8波に入りまして、全国的にコロナによる死亡者というのが多いというのが指摘をされております。

その時にまず統計上の問題として念頭に置かなければならないのは、コロナで直接死亡をしていなくても、コロナ陽性の方が亡くなった場合に、コロナによる死亡という形で統計上計上されるという、そういうことが前提になっております。

山梨県でコロナでお亡くなりになった方、個人情報もあるので細かくは分析ができないんですがある程度分析をしたところ、80歳以上の方が約85%を占めています。基礎疾患がある方についても約85%を占めています。

そして、コロナで人工呼吸器をつけたりICUをに入らなければならないという、いわゆる重症者という方は統計上非常に少ないというのが県の方からも公表をされているところであります。

コロナによって状態が悪くなれば、まだ山梨県においては、入院が可能であるという状況が続いているという中で、いろんなことを考えてみますと、コロナそのものでお亡くなりになるというよりは、コロナの症状で入院をしていて軽快をしても、誤嚥性肺炎等々併発症でお亡くなりになる。

または、持っておられる基礎疾患、持病が悪化をして亡くなられるという方が多数ではないかということが想定をされます。

亡くなられる方のうち、入院をしておられる方っていうのは約6割ぐらいです。あと、残りの大多数の方が施設で、残念ながらお亡くなりになってます。

先ほど申し上げましたように、山梨県の場合、施設でコロナが悪くなっても入院ができないという状況ではありませんから、多くの場合、施設の中で、若干一部聞き取りをした段階では、お看取りのような形で、お亡くなりになるというそういう方が、施設の方ではかなりの割合を占めているんだろうということが想定されます。

やはりどういう形でも亡くなられる方っていうのを減らすっていうのは、一番基本的なことだと思います。それにはやはり、まず最初の感染者を減らすということが最も大切だと思います。

ただ、なかなか感染者自体を減らすことができないということになりますと、そういうリスクが高い方に早い段階で治療ができる、そういう体制づくりをしていくということが必要でしょうし、あわせて、重症化予防のために、ワクチン接種の推進、そういうことも必要だと思います。

そういうことを重ねながら、できるだけリスクが高い方が、お亡くなりにならないような体制というものを、進めていく必要があるんではないかなと思っております。

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手塚司朗 山梨県医師会長のコメント

会長

本日はお忙しい中このように多くの皆様方にご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。

新型コロナにつきましては正月明け以降、患者数が過去最多を記録するなど、深刻な状態が続いております。

感染者の増加に伴い、死者数も増えております。

一方県内ではインフルエンザも流行期に入りました。新型コロナ発生以来、インフルエンザの流行は、我々は経験しておりません。このため社会全体の免疫力が低下しており、感染すると重症化する恐れがあります。

特に乳幼児や高齢者、基礎疾患のある方々など、重症化リスクが高いとされており、学校の再開、厳しい寒さ、空気の乾燥等感染しやすい条件が出揃い、最悪のシナリオである、同時流行が現実味を帯びております。

また、同時流行に加え、コロナとインフルエンザが同時に感染する同時感染も報告されており、重症化リスクが高くなる可能性があるとの報告もあります。

こうした状況を踏まえ、本日の県民の皆様へのお願いになった次第であります。

まず手洗い、マスクの着用、三密を避けるなどのコロナ対策は、インフルエンザにも有効でございますので、改めて徹底をお願いいたします。

ワクチン接種も重症化を防ぐ上で有効でございますので、接種をお願いいたします。

またコロナかインフルエンザかは、初期症状では見分けがつきにくく、わからないまま受診する患者さんが増えますと発熱外来が逼迫する恐れがあります。

リスクの高い人に確実に医療が提供できるようにするために、まずご家庭に、検査キットを備え、自主検査にご協力ください。

また若い世代などでリスクの低い人は、受診する前に健康フォローアップセンターに相談し、自宅療養などを選択してください。

コロナかインフルエンザかにかかわらず、感染が疑われる場合には、予約をしてから受診をお願いします。

こうした県民の皆様一人ひとりのご協力が医療の逼迫を防ぎ、乳幼児や高齢者などの重症化リスクの高い方々、そして社会を守ることにも繋がります。どうかよろしくお願いいたします。

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榎本信幸 山梨大学医学部附属病院長のコメント

病院長

私ども、山梨県の高度医療の中核として一番難しい患者さんを受け入れるという立場でやって参りました。このコロナの感染拡大が始まってから、コロナに感染した方の診療を最優先にここまでやって参りました。

しかしながら今お話がありますように、ここまで感染者が増えると我々の病院で何が起こっているか。コロナに感染した患者さんの受け入れは万全の体制でやっております。その代わりに一般の高度医療、例えばがんで一刻も早く手術をしなくちゃいけない、脳卒中や心筋梗塞ですぐに対応しなくちゃいけない、或いは放っておくと目が見えなくなったり耳が聞こえなくなってしまう、そういう患者さんの診療に大きな支障が生じ始めています。つまりそういう患者さんに待っていただかなきゃならない。そうするとどっちを優先するかということになります。今その瀬戸際に立っています。まだ幸いにして救急車をお断りするというところまでは行っていません。ですから、一般の高度医療が制限されるということが我々は医療逼迫だと思っています。

そしてもし、我々の病院でしか助からないような患者さん、救急車で来られたような患者さんをお断りするような事態になれば、これは本当に医療崩壊だと思います。今その一歩手前だと思いますんで、今、知事はじめ皆さんがお話になっていますように、少しでも感染の方を減らしていただいて何とか一般高度医療の崩壊を防いでいただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。

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中込博 山梨県立中央病院長のコメント

院長

まず、今回このような会を催し、県民の方に協力を求めていただいたことに本当に感謝したいと思います。病院の現状を理解し、的確な対応をしていただいていると思います。

中央病院のことをちょっとお話しますと、年末年始の二次救(急)の当番日に100人以上の患者さんが来られます。救急車の数を数えたところ、50台くらいが来ています。救急外来のところに5台くらい連なっているのによく会っています。トリアージと言いまして、重症患者さんとか中等度の患者さん、軽症患者さんを分けて、重症患者さんの手当が遅れないようにということで診ているんですけれども、やはりここまで患者さんが多いと、そういう体制が維持できるかちょっと危機感を感じているところです。本当に救急患者さんが多くて、コロナの患者さんも含めてですが、本当に一つの医療機関が当番を引き受けてやっている、そういう輪番体制なんですけれども、一つの病院だけではちょっと引き受けられない数が来ているような状況だと思います。私どもも頑張りますのでぜひ県民の皆さんにご協力いただければと思います。

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萩野哲男 国立病院機構甲府病院長のコメント

病院長

私どもの病院は小児科と重症化リスクの高い重度心身障害児(者)の医療を主に担当しておりまして、最近の7波、8波になりますと、あまり今までなかったのですけれども、子供の患者が増えたり、もともと在宅で人工呼吸器をつけたりとか、それから肺にもともと病気がある重度心身障害児の患者さんが増えておりまして、その方が入院しますと、ケアとかその治療がものすごい大変で、看護師などが少ない人数で非常に頑張っていただいていまして、これ以上増えますと、病院は太刀打ちできないような状況になる。あと、先ほども出ましたが、看護師をはじめ病院のスタッフが最近20人以上、うちの病院は規模が小さいのですけれど、それでも20人以上がコロナの濃厚接触や患者になって休業します。そうすると、診療体制が病院の中で少ないもので、大変になってしまって、断ってはいないのですけれどもぎりぎりの状態でやっています。

年末からはうちの入院患者で10数人コロナ患者が出まして、それに対する対

応も非常に苦労してまして、ぎりぎりのところで凌いでいるような状況です。

どうか県民の皆さんには、基本的な感染対策をしていただいて、これから学校も始まりますので子供の患者さんが増えると思いますから、子供の患者さんが増えると家庭内の感染が増えます、そうするとコロナ患者全体が増えますので、ワクチンを打っていただくとか、手洗い、三密の回避とか基本的なところをやっていただきまして感染者を減らすよう、ご協力をよろしくお願いします。

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佐藤公 山梨病院長のコメント

病院長

今日はこのような機会をいただきましてありがとうございます。

私どもの病院は地域医療の病院としまして、健康診断から救急医療、それから高齢者の診療という任務を賜っております。この1年間だけを見ましても100人近くのがんの患者さんを見つけ、それを治療につなげる、そして、約1万数千人のワクチン接種を行うということをやって参りました。これがこのしばらくの間、コロナ病床は満床というのが続いております。あわせて救急患者の受け入れに関しましては、通常の救急の患者さんを診療ができないというような状況も生じておりまして、がんで早く見つかった方を治療してあげたいと、そういった診療にも一部支障が出てくるような状況、遅れが出るような状況になってきております。

ですので、感染機会が増大する中、通常診療を維持していくためにも、高齢者など、重症化しやすい人を守るために、なお一層の感染対策をお願いしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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渡邉義孝 富士川病院長のコメント

病院長

病床使用率を第7波とかと比べますと、さほど大きく変わってない印象があるかもしれませんが、現状、受け入れている患者さんの層がかなり高齢者になっているというのを現場で感じているところです。やはり高齢者で手のかかる方が非常に多くなってきたというのが現実だと思います。そうしますと、以前出ていた数字よりもはるかに医療の中での負担が増えてるという現状を、皆さんご理解いただければと。また峡南地区を当病院は受け持ってますが、幸い峡南地区は少し他の地域のレベルと比べると、感染状況が落ち着いてるというのがありまして、通常診療を何とか維持出来ているような状態で、最近、今週に限って言いますと僕が担当した事例で、救急車搬送困難事例が立て続けに4件あります。今日たまたまですけど、3件ぐらい一般的な外傷とかそういったところがなかなか受け入れられないということで、医療圏外を超えてこちらの方で対応してるというような現状もあり、やはりじわりと医療崩壊が始まりつつあるのかなというところを感じるところであります。

また病棟の看護師さんにちょっとお話を聞いたのですけれども、やはりご高齢の方が増えますと、コロナを治療した後、もともと動けないので、それで約1週間安静にしたりすると、やはり歩けない動けない、家に帰ってからの負担もかなり大きい。なので、患者さんの家族が、やはり少し動けない状態とか、そういったところを、家に帰っても大変な状態があったといったところで、なかなかコロナに感染しますと、リハビリが介入できないという事態がありますので、できればそういったご高齢の方はなるべくリハビリをして、足腰を鍛えてやっていただいた方が、家に帰った時に早期復帰できるのですけども、それが現状出来ていない状態があります。やはり第7波、第8波になって、高齢者が非常に増えたということがいろんなところに悪さをしてるといったところを感じるところであります。以上です。

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森口武史 山梨大学医学部救急集中治療医学講座教授のコメント

教授

まず県民の皆さんに知っていただきたいことが幾つかあるのですけれども、ご覧になれますでしょうか。

これ世界の平均寿命の推移で、昨年分は入っておりません。2021年までのものなのですけれども。

ご覧になってわかるように世界に、順調に伸びていた平均寿命というのが、軒並み、世界各国で低下しているというのが分かると思います。昨年のデータが反映されれば、もっと明確に低下傾向というのが分かるのではないかと思います。

これを見ると日本は世界の中で比較的、命を守り切ってるというふうに言えると思うのですけれども、諸外国では寿命が縮んでいるのです。コロナは風邪なのではないかと、そういう軽く見たい人がちょっと増えてきてるような気がするのですけれども、風邪で寿命は縮まないですし、風邪で解熱剤が底をつくこともないですし、全く違う病気だということを今一度思い出していただきたいなというふうに思います。

それから、亡くなられる人が高齢者中心であるということに対して、今、若い人がコロナにかかっても大丈夫だというふうな、そういう安心感みたいなのを感じておられる人もいるのではないかと思うのですけれども、これも、もう少し警戒したほうがいいのではないかというふうに思います。というのは、アメリカではその数百万人が職を失っていると。コロナの後遺症等で、治っても元の体調には戻らないという人が、多くはいませんけれども、ある一定割合存在するというのも分かっている病気です。ですから、これからが重要だと思います。

いつかは、みんなそのうちかかる病気になってしまってるのではないかと思うのですけれども、それを遅らせることにとても意味がありまして、これが山梨県における昨年の救急搬送困難事例です。赤がコロナ疑いの患者さんで、ブルーが非コロナの患者さんです。これは国のアドバイザリーボードで提出されている資料です。これを見ると、もうすでに7波の時を大きく超えて救急搬送困難事例が増えているというのがお分かりだと思います。これは我々としては、重点医療機関というのが、救急当番を担っている病院ですから、非常に申し訳ないことですし、恥ずかしいことだと思うのですけれども、この救急搬送件数の増大の前に、僕らはもう倍々と、受け入れのその能力を上げていくことはできませんので、これ以上増えるともっと大変なことになるのではないかということを非常に心配しております。

これは救急車を呼んでもなかなかこなかったり、それから、救急車が来ても運ぶ病院がなかなか見つからないということが、年末から頻発しています。それから他の先生方もご説明いただいたと思うのですけれども、一般診療に現在大きな影響が出てまして、手術で予定して入院する患者さんというのが多いと思うのですけれども、その手術が延期されたり、普段でしたら、救急でかかって、これは入院しましょうという人を、ちょっとこれは今の病床の具合を考えると入院させられないと。1回おうちに帰って様子見てくださいというような判断をせざるをえない状況というのが、非常に頻発しております。これ以上患者さんが増えると、もっともっと顕在化してくるということを、とても僕らは心配してるというのをちょっと共有いただけたらなというふうに思います。これだけ亡くなられる数が増えて、その感染が増えて、搬送困難件数が増加している最中でありますけれども、やはり世の中の注目度というのがすごく落ちていて、僕らはその現場でのこの体感の感覚、これはまずいぞとやばいことになってるという感覚と、世の中の皆さんの雰囲気とのズレに、非常に懸念を抱いております。ですので、繰り返しになるのですけれども、マスクは非常に有効です。ウレタンマスクではなくて、不織布マスクを正しくつけていれば、かなりその感染数は低減できるというのは、これはもうコンセンサスになっている動かしがたい事実ですので、ぜひマスクを信頼していただいて、つけていただきたいと思います。

それからワクチンについても、その一部、副作用とかを、懸念される人もいらっしゃると思いますし、副作用が出ると言うことでは、全くそういうことを言うつもりはありませんけれども、今の時点ではワクチンは分がいい賭けだというふうに繰り返し証明されております。ですので、ハイリスクの人は特にワクチンを打っていただきたいと思います。

それからもう一つ、ウイズコロナというのはノー対策ということではないと思いますので、全くその経済活動止めろということをお願いするつもりは僕らはありません。ですけれども、やるのであれば、なるべく感染しないような、少しの注意を払っていただくと。もう昔のコロナがない時代には戻れないわけですから、コロナがある時代に即した楽しみ方だったり、経済活動なり、遊び方、人とのあり方というのを工夫しながら、以前の生活をなるべく取り戻しつつ、コロナ感染への対策というのも両立させていただきたいなというふうに思っています。

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井上修 山梨大学医学部附属病院 感染症制御部特任教授のコメント

特任教授

今、諸先生方が大分重要なことをおっしゃっていただきました。私は簡単に補足です。

森口先生も手塚会長もおっしゃいましたけれども、やはりワクチンを最大限活用していただきたいと思います。打った後すぐ罹っちゃったという声もいただきますし、実際周りにもワクチン接種後に罹患してしまうというケースも続いてはおりますが、ひどくならなそうだというのはデータとしてはあります。且つワクチン打って感染を防止する効果が全然ないかというと、そういうわけではないんです。大体3ヶ月ぐらいの間はかかりにくくなることも間違いないと思います。私たちが集めたデータで分析しても、やはりそういうデータが出ております。ただやはり3ヶ月ぐらい経つと、だんだん減弱してしまうのも確かです。

さっきデータを見てみたのですが、過去3ヶ月の間にワクチン接種を済ませている方、今の時点で感染しにくい状態になっている方というのは、県民の中の35%ぐらいしかいらっしゃらないんです。なのであとの65%の方は、感染してしまう可能性が、ワクチンを打った後、最初の3ヶ月よりも随分感染阻止効果が落ちてしまっている状態の方が65%ぐらいに達しているということです。ですので接種券がもうお手元に来ていて、どうしようかなと迷ってる方は、今からでも全然遅くないですから、ワクチン接種に参加していただきたいと思います。それがコロナの方です。

インフルの方も同じで、もうここ2年ぐらいはあまり流行してなかったので注目度も低いかもしれません。去年流行らなかったし、インフルのワクチンがあまり効かなそうだから打たなくていいんじゃないと思ってしまうかもしれないのですが、やはりワクチンは同じことで、打てば打っただけの効果はあります。感染しにくくなるだとか、万が一感染しても軽くて済む可能性が高くなりますので、そういうワクチンを利用して、とにかく調子が悪くならないように備えておくということが、すごく重要だと思います。そうしていただくことで、コロナやインフルの医療も助けていただくことできますし、この医療の逼迫をうまく切り抜けるには、非常に良い作戦だと思いますので、ぜひそういう作戦に参加していただきたいなと思います。

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三河貴裕 山梨県立中央病院 総合診療科部長のコメント

部長

諸先生方は、医療の場面をお話しくださいました。私は高齢者施設のクラスター対応や病院のクラスター対応、あとは高齢者に限りませんが、実際にコロナの患者さんを入院で見ている立場として、その辺のお話をさせていただこうと思います。

社会に若い人がいなくなって、家庭で高齢者を支えることができなくなり、社会の構造として、通所や入所の施設がつくられ、インフラとして今あると思います。ところがこういった通所・入所の施設で大きなクラスターが起きてしまう。とある施設に行くと1人2人感染者がいたのだけど、マスクができなかったり、行動制限ができそうになかったので、これは広がってしまうと思っていたのですが、ある施設ではたった3日4日で、そこの場所にいる40人まとめて全員感染してしまいました。すさまじい感染力です。すさまじい感染力で、社会でも広がってますが、そういった施設内とか或いはデイサービスとかで広がってしまう。

本来高齢者の施設は生活の場所です。先ほど知事からも医療ができるように、点滴や酸素が投与できるようにお願いしますとおっしゃっていただきました。本来は、様々な介護や看護でようやっと生活ができる方々が、本人たちが具合が悪くなり、或いは職員が感染してしまって、先ほど言ったすさまじい感染力ですから、職員がそのまま仕事をするわけにはいかないわけです。生活の場所が医療の場に変わってしまう。クラスターが起きた場所に行くと、大体5人から10人に1人ぐらいが、施設の生活の場所で医療が必要になります。点滴や酸素が必要。本来は施設はそれをやらないです。病院に搬送して、病院で治療することが今やできない。そこで見てもらうことになっています。一部その中で具合が悪くなった人が、病院の医療が必要で救急搬送されますが、すべての方を速やかに受入れたいのですけれども、地域や状況、あとは時間などによってはそう簡単にはいかず、先ほど言ったような救急搬送事例が出ます。

私達はコロナにかかって具合が悪くなった高齢者を見ますが、大体は肺炎か尿路感染症か何かを併発しています。具合が悪くなってご飯が食べられず、意識状態が悪くなってむせてしまったり、それで治療するわけです。なんとかそれらの治療をして、もちろん残念ながら亡くなってしまう人がいて、或いはコロナの隔離解除が終わって、やっとこれで帰れるねと思ったら、やっぱり食べられない動けない、元の場所に帰れない、家に帰れない施設にも戻れない。頑張って食べられないか、一生懸命工夫するんですけれども、1週間、2週間、3週間食べられず、ご高齢の方は鼻から管入れるわけにもいきませんし、それで看取るしかない。すごくジレンマです。これ本当に寿命だろうか。私たちはこれを寿命として本当に見るしかないのか。他にできることはなかったのか、ものすごく現場はジレンマです。医療の場だけでなく、高齢者施設にいらっしゃる職員の方々の懸命な頑張りで今やっておりますけれども、みんなとてもつらい思いをしてるということを知っていただきたいと思います。私たち医療の側も一生懸命やりますので、ぜひ皆さんもご協力をお願いします。

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記者

知事にお伺いしますが、今般の感染状況を受けて、行動制限を伴うような要請について、現状でどのようなご認識か教えてください。

知事

今般、特に高齢者を初めとして、重症化リスクの高い方々をどう守っていくかというところに特に気を配っていきたいと思っております。

そういう意味で高齢者に対する行動制限も議論はしたのですけれども、家庭内感染の可能性も多い状況ということもある中で、そもそも高齢者の皆さんは大変十分注意されていると思うのです。

ですが、まずそういう中でより効果が高い協力要請としていくために的を絞るべきだろうという議論で、何々をしないでくださいというのではなくて、「少しでもコロナの感染が疑われるような場合にはすぐお医者さんに行ってください」と、そういう積極的な行動をとるような要請にした方が、効果が高いだろうということで、この1点に絞って、今般の臨時特別協力要請を出させていただいた次第です。

記者

知事にお伺いします。グリーン・ゾーンの認証基準のレベルが今2だと思うのですけれども、これを3に引き上げるかどうかについて、今どのようにお考えですか。

知事

今後の状況によって対応したいと思いますが、今現時点では2のままでいこうと思っております。

記者

知事にお伺いいたします。臨時協力要請は短期集中ということですけれども、20日間の中で、中でも高齢者施設で医療行為ができるような体制を整えるということが可能なのでしょうか。その点どのような準備を進めていくのか、お考えがあれば教えてください。

統轄官補

高齢者施設には嘱託医の先生がいらっしゃいます。まずは、その先生方にコンタクトをとっていただきまして、例えば酸素の投与とかでありましても、保健所の方には貸し出しできる濃縮の酸素投与器みたいなものをすでに用意してございますので、要請があればすぐにそれを貸し出すことができることになっています。

点滴につきましても、もし嘱託医の先生がなかなか不慣れということであれば、保健所の方に相談していただければ、在宅の地域の医療機関を紹介して、別の先生に行っていただくというような体制も整えておりますので、ぜひ積極的にご活用していただきたいと思っています。

知事

当該施設の中で整えられない場合は、保健所にご連絡をいただければ、それをサポートする体制を整えておりますので、そういう意味ではこの短い期間でも十分対応できると思います。

記者

別件なのですけども、昨日から全国旅割が再開しました。これに対して、松野官房長官なども感染対策をした上でということでしたけれども、知事のお考えをお聞かせください。

知事

そこも感染防止対策を徹底していただいた上で、それが条件ですので、そういう意味では、現時点においてはそれを停止することを求めるところまでいかないだろうと考えています。

記者

森口先生に伺いたいのですけれども、先生から見て、今の救急医療の状況を具体的に教えてもらえればと思います。

教授

山梨大学に限らずどこの病院でも今そうだと思うのですけれども、救急当番日というのがありまして、救急当番日の夜でピークな時には、これはうちの大学で1月3日の時の写真なのですけれども、8台救急車が外に並んでお待ちいただくというような状況がありました。

非常に県民の方と救急隊の人に迷惑をおかけしているのですけども、こんな感じで外でお待ちいただけなければいけない状況が続いています。

それから、これは中の写真で、解像度を落としているので大丈夫だと思うのですけど、患者さん1人についてA4の紙1枚でちょっとアナログな方法ですが、こういう形で管理しています。

普段は二次救急当番日でも大体同時に診療する患者さんの数というのは、5人から多くても8人ぐらい、救急外来に滞留する患者さんの数なんですけれども、この正月年末で、うちで救急当番日に断ると他に行き先がありませんから、とにかく受けるという方針でやってたのですが、最大で28人患者さんが滞留しました。

これは完全にうちの救急科も多めに人を投入して対応してるんですけども、もうこれだけの数が集中するとなかなか、一人一人の処理時間も伸びていきますし、行き届かないところもなかなか出てきてしまうような状況です。

ここ数日はここまでの逼迫というところではなくて、緩和されてるところがありますけれども、それでもやはり毎日見ると、コロナの陽性患者さん、発熱患者さんというのが、普段の救急患者さんに上乗せしてやってくるところがあるので、かなり救急への負担というか、負荷のかかり方は強いような状況が続いています。

記者

先週の2200人を超えた時に対して、今後どういうふうになるかというと、CDCの方でも特殊要因がお休みであるとか、休日であるとかの要因があって見えないということだったのですけど、この1週間がやはり過去最大となったということは、まだこれからも感染拡大というのは続くというふうに見ていらっしゃるのか、これは医療の専門の方にお願いしたいです。

総長

少し本部会議でもお話をしましたけれども、結構、山梨県というのは首都圏のコロナの影響というのも受けてきています。

いろいろ報道でもありますように、より免疫をかいくぐる変異株というのが、かなり首都圏、特に東京では増加しているという状況の中で、山梨県においても、おそらくもうすでに影響を受けているのかわかりませんし、もし受けていないとしてもかなり影響を受けるだろうということなどを考えると、やはり今後も感染者というのは、増加傾向を示すんではないかと考えております。

記者

それに対して知事にお願いしたいのですけれども、今日こういう形で医療機関の方を集めて会見するというのは、過去に1回あったかなと思うのですが、今医療機関を含めて県民にもう一度呼びかけるということで、強くここまでの会見をやったことの意味を教えてください。

知事

今現在、本県内の医療現場で起きていることをぜひ県民の皆様に知っていただき、この危機的な状況を共有していただきたいというのが一番大きなポイントだと思います。

コロナに関しましても、特に最近若い人を中心に増えています。病床使用率も50%を超えて、じわりじわり上がっていますが、実態はそれ以上にかなり厳しい。コロナ以外の状況へのしわ寄せをはじめ、救急含め、かなりその実態は厳しい状況になっている。ここをぜひ多くの県民の皆様に共有していただき、これに対する対応というものに、向き合っていただきたいというのが趣旨であります。

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住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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