トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0421国指定史跡銚子塚古墳-山梨県有形文化財木製祭祀具-

ページID:67477更新日:2017年5月11日

ここから本文です。

遺跡トピックスNo.0421新たに山梨県有形文化財に指定国指定史跡銚子塚古墳木製祭祀具

曽根丘陵公園の遺跡

  • 0028国指定史跡銚子塚古墳-保存修理事業1-
  • 0040国指定史跡銚子塚古墳-保存修理事業2-
  • 0045国指定史跡銚子塚古墳-保存修理事業3-
  • 0096国指定史跡銚子塚古墳-立柱-
  • 0103国指定史跡銚子塚古墳-木製品-
  • 0110国指定史跡銚子塚古墳-火きりんぼう-
  • 0159国指定史跡銚子塚古墳-木-
  • 0318国指定史跡銚子塚古墳-鼉龍鏡-
  • 0335国指定史跡銚子塚古墳-立柱2-
  • 0374国指定史跡銚子塚古墳-壺形埴輪-
  • 0407国指定史跡銚子塚古墳-突出部と周濠区画帯-
  • 0391国指定史跡大丸山古墳-雪におおわれた前方後円墳-
  • 0126稲荷塚古墳-銀象眼大刀-
  • 03334月の中道古墳群
  • 0388かんかん塚古墳-県内最古の馬具-
  • 0067立石遺跡-山梨最古の旧石器-
  • 0211上の平遺跡-方形周溝墓群-
  • 0299上の平遺跡-地震の痕跡-
  • 0097東山北遺跡-火打ち金-
  • 0192東山北遺跡-方形周構墓-
  • 0290東山北遺跡-ウマの歯と骨-
  • 0353東山北遺跡-鉄製品-
  • 0247東山南遺跡-把手付椀-
  • 0414鍋弦塚と『東山の碑』
  • 0016岩清水遺跡-古式須恵器-
 

国指定史跡銚子塚古墳附丸山塚古墳

銚子塚古墳・丸山塚古墳航空写真

銚子塚古墳と丸山塚古墳

 

銚子塚古墳は古墳時代前期(4世紀後半)に築造された、前方後円墳です。全長169mは県内最大、東日本でも最大級の大きさになります(東日本最大の前方後円墳は群馬県の太田市の天神山古墳210m)。隣接する丸山塚古墳(5世紀前半築造、円墳)とともに山梨県で2番目に国の史跡に指定され、今年指定85周年を迎えました(昭和5年2月28日指定)。

これまで史跡整備に伴う発掘調査や史跡整備(第1次・2次)が行われ、平成16年度の調査では古墳の周濠から腐って残りにくいさまざまな木製品が出土したことなどが注目されました。

新たに山梨県有形文化財(考古資料)に指定された銚子塚古墳出土木製祭祀具70点~古墳での祭祀に使われた木製品~

銚子塚古墳木製祭祀具

木製祭祀具(円盤状木製品、蕨手状木製品、棒状木製品)

 

昨年、平成26年9月4日、銚子塚古墳より出土した立柱、笠形木製品、円盤状木製品、蕨手状(わらびてじょう)木製品、棒状木製品などの木製品、70点が「銚子塚古墳出土木製祭祀具」として新たに山梨県の有形文化財(考古資料)指定されました。

これらの木製品は古墳での祭祀に使われた道具であると考えられています。木製祭祀具は近年、畿内を中心に古墳時代中期(5世紀)の古墳からの出土事例が増えていますが、銚子塚古墳のように古墳時代前期(4世紀後半)に造営された古墳ではほとんど類例がなく、最古級に位置付けられています。特に笠形木製品については、畿内で出土するものに先駆けるものであり、最古例となる資料です。

古墳では、埴輪の祭祀が行われていたことは多くの事例からわかってきていますが、近年埴輪だけではなく木製品の出土事例も増えてきていることから、古墳には埴輪だけではなく木製の用具を使った祭祀が行われていたことが、明らかになってきています。古墳で行われた祭祀の内容を研究するうえでこれらの木製品は貴重な資料となっています。

さらにこれらは畿内のものとの共通性がありますが、銚子塚古墳と同型のものは今のところ見られません。当時の古墳文化の中心の畿内から地方に一方的に古墳文化が伝播するだけではなく、地方ではその地域の文化が形成され、独自のものが作られた可能性もあります。畿内と東国との関係を解き明かす重要な鍵となるものであり貴重な資料です。

以上のことにより指定された資料は、「古墳の出土品で学術的に価値の特に高いもの」として更なる適切な保存措置と活用が図られることとなりました。

 

立柱立柱出土状況

立柱および出土状況

材質:スギ、大きさ:直径約20cm、長さ(残)約88cm

古墳後円部西側の墳丘裾(周濠)に穴を掘って垂直に埋められていました。上部は失われていますが、長い柱の形で建っていたと考えられます。

笠形木製品(上面)

笠形木製品(横から)

笠形木製品(上面、横から見たところ)

材質:スギ、大きさ:長さ約47cm、幅約19cm

古墳北東の周濠から出土しました。本来は円形(笠の形をしたもの)であったものが腐食して半分に折れ、周濠に落ちたものと考えられています。立柱と組み合う可能性があると考えられています。

 

円盤状木製品(上面)円盤状木製品(下面)

円盤状木製品(上面、下面)

材質:スギ、直径約19.2cm、厚さ約1.7cm

蕨手状木製品

蕨手状(わらびてじょう)木製品

材質:スギ、長さ約24cm、幅約2.7cm、厚さ約1.1cm

棒状木製品1

棒状木製品2

棒状木製品

材質:スギ、径約3cm、写真の木製品接合時長さ約2.6m

 

円盤状木製品等出土状況1円盤状木製品等出土状況2

円盤状木製品、蕨手状木製品、棒状木製品出土状況 

古墳後円部西側の墳丘裾(周濠)から出土しました。3種類の木製品は組み合わせができ、棒状木製品の上に円盤木製品がのり、円盤木製品に蕨手状木製品が差し込まれます。これらの木製品は古墳の墳丘や周辺に設置されたと考えられています。

木槌状木製品等

木槌状木製品、柄付き木製品、杭状木製品、加工木製品

他には木槌状木製品やヘラ状木製品、火きり板なども指定されています。

 

木製祭祀具の実物の一部は山梨県立考古博物館の常設展古墳時代コーナーで見ることができます。ぜひご覧ください。また、銚子塚古墳(現地)には案内板や復元立柱も設置してありますので、木製品がどのように使われたのか、古墳での祭祀のようすなどを想像しながら見学してみてはいかがでしょうか。

国指定史跡銚子塚古墳附丸山塚古墳

所在地:甲府市下曽根町

時代:古墳時代

調査期間:山梨県教育委員会・山梨県埋蔵文化財センター

報告書:山梨県教育委員会1988「国指定史跡銚子塚古墳附丸山塚古墳-保存整備事業報告書-」

山梨県教育委員会2002「国指定史跡銚子塚古墳附丸山塚古墳史跡整備事業に伴う発掘調査報告」

山梨県教育委員会2005「国指定史跡銚子塚古墳附丸山塚古墳-史跡整備事業に伴う平成16年度発掘調査概要報告書」

山梨県教育委員会2006「国指定史跡銚子塚古墳附丸山塚古墳-保存修理事業報告書-」

山梨県教育委員会2008「国指定史跡銚子塚古墳附丸山塚古墳-平成16年度発掘調査報告書及び平成18・19年度史跡等環境整備報告書-」

銚子塚古墳については、「国指定史跡銚子塚古墳附丸山塚古墳へようこそ!」のページ、他の銚子塚古墳の遺跡トピックスもご覧ください。

0028保存修理事業1、0040保存修理事業2、0045保存修理事業3、0096立柱、0103木製品、0110火きり板、0159木、0318鼉龍鏡、0335立柱2、0374壺型埴輪、0407突出部と周濠区画帯

 

 

次の遺跡トピックスへ遺跡トピックス一覧へ一つ前の遺跡トピックスへ

山梨県埋蔵文化財センタートップへ

このページに関するお問い合わせ先

山梨県観光文化・スポーツ部埋蔵文化財センター 
住所:〒400-1508 甲府市下曽根町923
電話番号:055-266-3016   ファクス番号:055-266-3882

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop