ページID:126391更新日:2026年6月12日
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防災新館401,402会議室 15時30分から 発表事項 発表事項外 |
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知事
県が独自に実施いたしました、最低賃金に関する調査分析の結果と今後の取り組みについて、ご報告申し上げます。
まず、最低賃金引き上げに関する県の考え方ですが、物価高騰が続く中、賃金の上昇が物価高に追いついていない現状では、県民の皆様が「働けば生活が豊かになる」という実感を持つことが、なかなか難しい状況になって参ります。
特に若い世代の皆さんが、将来への希望を持てなければ、本県を離れる動きが進み、地域の活力の縮小、あるいは県の持続可能性の低下を招きかねないと危惧する次第であります。
こうした強い危機感のもと、県は、賃金水準を持続的に引き上げ、「頑張れば報われる社会」を再構築することを最重要課題に掲げまして、全力で取り組んでいるところであります。
中でも最低賃金は、賃金体系全体を動かす最初の歯車であり、若い世代が将来に希望を持ち、結婚や子育てに安心して踏み出せる環境を整える上でも、極めて重要な役割を担っていると位置付けています。
来月には、労働局が所管する審議会におきまして、最低賃金の審議が始まります。
その場では、引き上げによって中小企業の倒産が増えるのではないかといった印象論に陥ることなく、データに基づく科学的・客観的な検討を行うことが不可欠であります。
そこで県では、こうしたデータに基づく検討を後押ししていくため、県内企業の経営状況や賃金雇用の動向につきまして、独自の調査を実施し、既存の統計とも組み合わせて様々な角度から分析を行いました。
その結果は、お手元に配付のとおり資料集として取りまとめております。
本日、県のホームページにも掲載し、今後審議会にも提供してご活用いただく予定であります。
分析結果のポイントは大きく分けて2点あります。
まず1点目。
最低賃金を引き上げた場合に、倒産や雇用の縮小が増えるのではないか、との懸念についてです。この懸念は大変根強いものがありまして、昨年の審議にも影響したと承知しております。
しかしながら、最低賃金の引き上げと倒産、あるいは雇用縮小の増加との間に明確な相関関係はない、ということが確認できました。
次に2点目。
県内企業の賃金支払い能力を示すデータがなかなかないと言われる中で、企業の経理事項まで踏み込んで調査をした結果、収益性が改善しているにもかかわらず、人件費に回る割合を示す労働分配率がむしろ低下しており、賃金を引き上げる余力は高まっているということが確認できました。
さらに、強い危機感を持って受けとめるべき、若年層の県外流出の状況や、本県の経済実態と最低賃金水準との間に生じている乖離を示すデータも用意いたしました。
これらはいずれも、本県にふさわしい最低賃金額を検討する上で大変重要な視点であり、あわせて審議会に提供して参ります。
以上の分析を総合いたしますと、最低賃金の引き上げを前向きにご検討いただけるだけのデータが整ったのではないかと考えています。
そして審議の開始にあたりましては、行政の立場を代表して、私自身も出席させていただいて、最低賃金引き上げの必要性についてしっかりと訴えて参りたいと思います。
今後の取り組みですが、持続的な賃上げを実現していく上では、なぜ今それが必要なことなのか、企業の皆様はもとより、県民の皆様にも広くご理解をいただくことが大変重要であると考えています。
このためお手元に配付した資料のとおり、県の考え方や引き上げの必要性、企業向け支援策を分かりやすく整理したパンフレットを今般作成したところであります。
このパンフレットは、経済団体や企業を中心に周知していくとともに、ホームページにも掲載しており、県民の皆様にも広くご覧いただきたいと思います。
また6月15日には賃金労働政策の専門家によるセミナーを、23日には官労使が一堂に会するシンポジウムと共同宣言式を開催し、持続的な経済発展と、賃金水準の向上に向けた機運の醸成を図って参りたいと思います。
加えて、テレビでの「県政広報番組」、広報誌「ふれあい」、オウンドメディア「やまなしin depth」など、各種広報媒体を活用し、県全体での理解促進を一層進めて参りたいと思います。
こうした取り組みを通じて、働き手の皆様、そして企業経済界の皆様、さらに県民の皆様とともに、本県の今と、そして将来を見据えた賃上げの必要性を広く共有して参りたいと思います。
一方で、原材料やエネルギー価格の高騰、人件費の上昇に加えて中東情勢の緊迫化など、先行きの不透明感もあり、企業の中には賃金を上げたくても将来への不安から容易には踏み出せないところもあると、承知しております。
こうした中、本県は、賃上げの負担を企業の努力だけにゆだねることなく、企業、働き手、行政がワンチームとなって取り組むべき課題と捉え、施策を進めているところであります。
具体的には、現場の声を踏まえて企業と働き手の双方に寄り添った、きめ細やかな支援策を展開しております。
内容については、先ほどのパンフレットにも掲載しているところです。
さらに今般6月補正予算におきましては、価格転嫁への支援や、特例融資の「賃上げ特例枠」の拡大に係る経費を計上するなど、厳しい経営環境にあっても企業が賃上げに踏み出せるよう、支援を強化したところであります。
今後は、どのような業種で最低賃金に近い水準の労働者が多いのか、また、その業種がどのような課題を抱えているのかといった実態を丁寧に把握しながら、企業の皆様が安心して賃上げに取り組める環境の整備に、一層力を注いでいきたいと思います。
働く人の生活を守ることと、地域の産業や企業を支えること、この両立を図りながら、「頑張れば報われる社会」の実現に向けて、オール山梨で力を合わせ、賃金水準の向上と、その土台となる最低賃金の引き上げに取り組んで参ります。
記者
調査のきっかけにもなった「最低賃金を引き上げれば倒産が増えるかもしれない」という漫然としたイメージが、山梨というか日本の中に広がっているというお話があった中で、今回このような調査結果が出て、先ほど知事からポイント2点をご説明いただきましたが、もう少し感想という点で、なぜそのようなイメージが日本で広がっているのか。
結果としてこういうデータが出たわけですが、イメージの払拭のためにどんなことに取り組んでいきたいか、改めて伺えればと思います。
知事
今まで、かなり漠然としたイメージだけでの議論が連綿と続いてきて、今回初めて、しっかりとした事実に基づく調査に踏み出した。
これはひとえに、賃金引き上げの必要性がかつてないほど上昇しているからです。
長らくのデフレが終わり、今まさに急激と言っていいと思いますが、物価上昇インフレの状態の中で、本当に賃金が上げられないのか、その検証が不可欠になっていると考えられます。
要は、賃上げの必要性が今までとレベルが違う状況になっていて、働く人の生活を守っていく上でも本当にぎりぎりの水準がどこなのか、厳しい議論が求められている、そういう段階に入ったということだと思います。
記者
いただいた資料の中で、県の経済実態とその最低賃金で、よそと比べてやや差があるというところですが、今後、こうしたデータも用いた中で、知事の方で審議会に出席して、賃上げの必要性を訴えられるということですが、どの程度の引き上げを知事の中でイメージしているのか、意見を訴える予定なのか、考えを伺えればと思います。
知事
具体的な水準は、最低賃金審議会の中でこれから議論されますが、私としては、まずしっかり物価上昇を上回って、実質賃金がプラスになることをぜひ実現していただきたいと思います。
さらに、今山梨県が苦しんでおりますのは、いわゆる近隣都県との差の問題があり、実際に人口流出あるいはUターンの減少という現象がで現れてきていますので、こういうところを埋めるだけの水準を実現していただけるとありがたいと期待しています。
記者
若者の県外流出という点で、今回、県境付近での企業への調査を行い、アンケートの結果から「山梨=低賃金」というイメージが、県外流出を招いているのではないかという分析結果も出ていますが、その結果を踏まえて知事の受け止めといいますか、関連性についてどのようにお考えでしょうか。
知事
関連性については相当あると思います。
まさに県境の地域の皆さんにとっては、少し動けば、同じだけ働いても賃金が2割違ってくるような状況であれば、高いところへ行くのは当然の話であって、それがドミノのように県内全体に広がってきていることについては、極めて強い相関があると考えています。
記者
そうした中で当然賃金を上げていくことになると思いますが、他県を見た中でどのくらいの水準まで上げられればよいのか、例えば、東京や神奈川と比べるとかなり高いハードルがあるかもしれませんが、山梨県としてどの辺まで目指していきたいかという点について伺います。
知事
最終究極の目標といいますか、満たさなければならない状況というのは、東京と同じ水準だと思っています。
いつまでに、ということは申し上げられませんが、最終的にはその水準まで追いついていかなければ、人口流出は止められないのではないかと考えています。
記者
医師の修学資金の関係で伺います。先日の会見で違約金の撤廃など、新たな見直しをされました。その中で一昨日も控訴審がありましたけれども、今後の県の方針や、また新たな考えが決まって定まっているものがあればお願いします。
知事
今般の地域枠の問題ですけれども、これは総合的な見直しによりまして新たな離脱防止策というものを提案しているわけですが、これは、これまでの違約金を中心とした制度と比較しまして、シンプルでより洗練し、改善された制度になっていると考えています。
ただし、この新たな離脱防止策の導入には、条例の改正、つまり改正案が、議会において議決されることが必要であります。
従って、現時点でこの条例改正案の可決というものは、これから議会で議論されるわけですから、これは当然保証されているわけではありません。
県議会でご議論をいただいて、認めるというご議決をいただいて、初めて導入できる条件が整います。
つまり、私たちとしてはこの改正案の可決がなければ、新たな離脱防止策というのは導入できないわけです。
先般の法廷における議論では、まだ議会が始まっていない段階ですので、この段階で改正案が可決するということを前提に、法的なアクションを取ることは議会軽視になってしまうので、できません。
一方で、改正案の議論はこれからあるわけですから、当然否決される可能性もありますし、延期される可能性も議会のご判断なのであり得るわけであります。
こうしたときに、その期間によっては、離脱防止策がなくなってしまう空白期間が生まれてしまいますので、今この段階で取り下げるということも、不適切だろうということです。
離脱防止策が全くない状態に置いてしまうということは、地域医療を守る観点からはあり得ないことです。
結論から言うと、この条例改正案の議会の議決が得られない現在では控訴の取り下げはできず、議会の議決をいただいた場合に初めて、取り下げができるということになります。
私たちとしては、今回出す新しい案について、議会のご議論の結果、可決だというご判断をいただければ、裁判で争うこと自体、県にとって何ら実益がなくなりますので、裁判を早期に解決する上でも取り下げをするべきだと考えています。これが我々の基本的な考えです。
記者
控訴審が始まる前にその方針が分かっていれば、もう少し報道の仕方や混乱がなかったのでは、という部分もあると思うのですが、そのタイミングはこの2日間で何があったのでしょうか。
知事
たまたま説明する機会がありませんでしたが、この前お話したとおり、弁護士と相談して対応しています。
今のようにもう少し詳しく話せば良かったのかもしれませんが、我々の価値感は、まず地域医療を守らなければならない、これが一番重要な原則その1です。
その2は議会の議決です。決して議会軽視になってはならない。二元代表制の両翼ですので議会でご議決をいただかなければならないものについて、その議決の結果をこちらで勝手に想定して、何がしかのアクションを取ることは不適切であると考えています。
この2つの状態で、現時点では取り下げることは不適切だと考えています。
詳細に説明させていただく機会をつくるべきだったと反省しておりますが、今日この場の説明をもって、ご理解、ご了解いただければありがたいと思います。
記者
控訴審での県の争う姿勢というのは、あくまで手続き上の問題といいますか、ここで取り下げることができないので、1回目を争う姿勢になったということでしょうか。
知事
条例案を議会で認めていただけないと内容が確定しないということで、単に手続き上の話とは言いづらいと思っています。
記者
今回の新たな案というのは、原告側に対してはもう何か示されているのかと、示されている原告からの反応とかもし分かっていましたら、教えていただけますか。
課長
当然上申案として、口頭弁論の方で新しい見直し案は示させていただいております。
原告からの反応については、示された内容に触れずに結審していただきたいという主張を、原告の方はしていると聞いています。
記者
技術的な話ですが、控訴審で書面を裁判所に提出すると、控訴審の趣意書というか、控訴書でしょうか。それは、今回は制度が新たに議会で議決されれば認められるであろうというところは踏まえずに、現判決の状況の反論を原告側に行っているという理解でよろしいでしょうか。
課長
控訴状は、今までの県の第一審の主張を強化する内容ですが、こういう見直しを予定しているので、そこを踏まえた今後の裁判の進行をお願いしたいという上申書を提出しております。