ページID:126279更新日:2026年6月5日
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防災新館401,402会議室 16時00分から 発表事項 発表事項外 |
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知事
まず、6月補正予算についてお伝えいたします。6月の定例県議会ですが、6月19日に招集を予定しています。提出案件は、予算案6件、条例案8件などです。補正予算額ですが、一般会計で426億円程度となる見込みです。
次に、計上予定の主な事業につきまして、発表をいたします。
はじめに、当面する県政の重要課題であります、イランの紛争によるエネル
ギー危機対策に関してです。
本年2月に勃発したイラン紛争ですが、国際的なエネルギー市場に大変大き
な打撃を与え、本県でも既に原材料価格の高騰あるいは燃料調達の困難化、石油関連製品の供給不安が顕在化しているところであります。
県民生活の強靱化は我々の重要テーマであり、その中身は、いかなる外的シ
ョックがあったとしても、安定的かつ持続的な成長を維持できる地域経済の基盤を作っていくということでありますが、この観点から県においては、国の対応を待たず、先手を打って的確な対策を講じていくとともに、中長期的には、エネルギー利用の効率化や多様化、更には地産地消を進める必要があると判断いたしました。
この問題に関しましては、「イラン紛争に伴う影響対策チーム」を設置いたしまして、生活面への影響あるいは価格動向調査を継続的に行いながら、タイムリーに対策を講じて参ります。
まず、喫緊の課題といたしまして、この紛争の長期化によって県内の多くのご家庭で利用されておりますLPガスの料金の上昇が見込まれる点です。
LPガスは、電気や都市ガスに比べ、国の支援が届きにくく、家計への圧迫が懸念されます。
このため、LPガスを利用する生活困窮世帯に臨時的・緊急的な支援金を支給いたします。
また、事業者の皆さまからは、原材料の調達困難により経営危機に陥りかねないという大変切実な声をいただいております。
そこで、資金繰り支援を行って参ります。
この資金繰り支援に万全を期すため、制度融資に低利かつ保証料全額補助の「中東情勢対応枠」を新設し、融資枠を大幅に拡大して参ります。
併せて、これとは別に、旺盛な資金需要がみられる「賃上げ特例枠」についても融資枠を拡大することとし、イラン紛争などで大変厳しい経営環境にあるにも関わらず、賃上げに踏み出していただける前向きな企業に対し、強力に支援して参りたいと思います。
加えて、原材料価格の高騰に伴い、価格転嫁は大変重要となります。
このため、意識の醸成から交渉資料の作成に至る一気通貫の支援を講じることにより、事業者の経営基盤の強化を図って参りたいと思います。
次に、中長期的な対応について申し上げます。
ご案内のとおり、我が国はエネルギー資源の多くを海外からの輸入に頼っており、このような危機がありますと、価格変動リスクあるいは調達すら厳しくなり得るというリスクを抱えている訳であります。
このため、外的要因からの影響を受けにくい暮らしへの転換を図って参りたいと考えています。
エコキュートなど省エネ機器の導入を新たに支援することといたします。
また、太陽光発電など再生可能エネルギーの自家消費設備の導入支援により、エネルギーの地産地消をこの際しっかりと進めていきたいと思います。
更に長期的には、グリーン水素について大規模需要だけではなく身近な分野での利用拡大をさせていくことが必要だと考えています。
このため、小口分散型需要に対応した供給体制の構築を進めるべく、そのサプライチェーン構築のための事業費を計上したいと思います。
これらまとめてエネルギー危機対策に係る予算ですが、予算支出で144億円程度、事業規模にいたしまして303億円程度となる見込みとなっています。
次にふるさと強靭化に向けた取り組みについてです。
まず県民所得の向上についてですが、本県では、最低賃金の審議に向け、独自調査に基づく企業の経営実態データを審議会に提供し、科学的かつ客観的な議論を促して参りたいと思います。
また、私もこの審議会に出席し、最低賃金の引き上げの必要性をしっかりと訴えて参ります。
更に、「スリーアップの好循環」を社会運動として一層推進することとし、認証制度の拡大を通じて企業の主体的な取り組みを県内全体へ波及させたいと思います。これによって、企業成長と一体となった持続的な賃金上昇のサイクルを構築して参りたいと思います。
一方で、技術職の不足と事務職の余剰といった労働需給のミスマッチが拡大しております。これがゆえに経済成長や賃上げのマイナス要因となっていると認識しております。
このため、人手不足が顕著な分野を対象に実態調査を行うこととし、労働移動の可能性を探ることで人材の有効活用と持続的な賃上げにつなげる施策の検討を進めていきたいと思います。
働く人の生活を守ることと地域の産業・企業を支えること、その双方をしっかりと取り組んで参ります。
次に、困難な状況にある方への支援についてです。
まず、ケアラーに対する伴走支援です。
昨年度、ケアラー支援推進パッケージを策定し、家族の介護を担うケアラーの皆様への支援の強化に取り組んで来たところであります。特に、負担が重い介護発生直後における対応強化が課題であると認識しています。
このため、対象となるケアラーに親身に寄り添い、必要な支援につなげる伴走支援体制の構築に要する経費を計上することといたします。
具体的には、ワークサポートケアマネジャーという職種の方々が相談窓口となり、24時間365日対応いたします。個々の状況に応じた民間サービスの手配、あるいは支援機関への接続を実行して参ります。
繰り返しとなりますが、介護の必要性が生じた直後に適切な支援が行われるかどうかによって、生活あるいはその就労継続に大変大きく影響が及ぶと考えております。介護離職ゼロ社会の実現に向けて、この直後の支援をしっかり行っていくよう、今度の議会では必要な予算措置を講じて参りたいと思います。
次に、ひとり親家庭の養育費の保証推進についてです。
ひとり親家庭の貧困は大変深刻化しております。特に母子家庭ですが、養育費の受給率が半数未満にとどまっているというひどい状況がございます。
こうした状況を踏まえ、県では養育費確保に必要とされる公正証書の作成費用などを補助する制度を創設したところ、補助を受ける前の自己負担が大きいことや、保証会社を探す時間的余裕がないといった意見をいただいたところです。
そこで、こういったご意見を踏まえ、県と保証会社が連携して養育費保証契約の締結を促進し、養育費を確実に受け取ることができる新たな取り組みを開始します。
これは、都道府県では初となる先駆的な取り組みであります。全ての子どもが安心して成長できる社会の実現に大きく役立つことを期待するものです。
次に、地域を担う人財づくりについてです。
本県におきましては生産年齢人口が減少し、将来的な労働力不足の深刻化が見込まれております。地域産業を支える人材の確保と定着が大変大きな課題となっております。
また、産業の高度化やスマート農林業に対応できる人材も不足しており、高等学校教育もこうした産業構造の変化に十分対応できていない現状があります。
更に、地域や学校規模により教育機会に差が生じると考えており、教育の公平性の観点からも早急に是正しなければならない課題となっております。
こうした状況を踏まえ、地域産業と連携した人材育成などを目的として高等学校教育の抜本的な改革を進めたいと思います。
具体的には、県内4校を改革拠点校として位置付け、工業・農林業・理数系分野の実践的教育を強化していくとともに、遠隔教育の導入により様々な背景を持つ生徒の教育機会の確保を図って参ります。
また、技術系人材の育成機関については、昨年度、「高専又はそれ以上の効果を持つ新たな教育機関」を設置すべきとの提言を専門家の委員会から受けました。
これに基づき、令和12年度から甲府工業高校と県立大学を接続する全国初の7年一貫の教育プログラムを開始し、データサイエンスやAIなどの最先端分野を体系的に学べる環境を整備して参ります。
次に、防災・減災、県土強靱化についてです。
まず火山防災対策についてですが、富士山科学研究所は、火口が生じる可能性のあるエリアに近く、噴火時には観測機能が失われる恐れが指摘されています。
このため、噴火時においても観測体制を維持できる場所への移転を検討するとともに、現地対策本部機能の集約や中長期的な人材育成、国内外機関との連携強化により、世界最高水準の火山防災拠点の確立を目指して参ります。
加えて、第2次避難対象区域内に位置する富士吉田市立病院の入院患者の円滑な避難も大きな課題と認識しており、富士吉田市長からも要望をいただいているところです。
これらを踏まえ、他の病院への搬送を円滑に行う医療用コンテナを整備することで、患者の容体の安定を確保しながらスムーズに搬送できる仕組みの導入を検討して参ります。
今後、富士吉田市立病院や富士吉田市とも連携しながら、設備整備や訓練を進め、避難ノウハウを蓄積するとともに、他の地域への展開も視野に入れ、防災体制の高度化につなげて参ります。
次に、林野火災への消火活動の支援、いわゆる山火事対応についてです。
今年1月に発生した扇山の山火事は、県内では戦後最大規模の焼失面積となりました。
関係機関が一丸となり鎮圧できましたが、一方で今回の経験を踏まえると、大規模林野火災への知見や経験には消防本部や市町村ごとに大きな差があり、指揮機能が十分に発揮されないという課題も指摘されています。
このため、林野火災発生時には、県が司令塔としての責務を担い、専門的な知見を持つリエゾンを現地に派遣して連絡体制を確保するとともに、他の本部や自衛隊との広域応援に係る調整を統括するという、新たなシステムを構築します。
併せて、資機材の不足や人員・経費の負担増に対応するため、山火事対応に有効な資機材を整備するとともに、広域応援する消防本部の待機・代替要員の確保に要する経費の支援制度を新たに構築します。
火災をはじめとする災害対応は、現行の法律上は市町村の責務となっていますが、実際、山火事を経験したことがある市町村とない市町村があり、知見の蓄積に差が生じるため、いつ応援要請してよいのかなど様々な問題が生じます。
そこで、県が蓄積された知見を活用し、県の責務として広域的な山火事対応を担っていきます。
また費用面について、消防本部に支援をお願いした場合、人件費をはじめとする費用が発生します。
この費用の8割は特別交付税で補填されますが、2割は持ち出しとなります。
これを各市町村の負担にしておくと、長い間山火事のなかった地域の住民の皆さんから、税金の使い方としてどうなのかという議論が出てくる可能性があります。
そのため、県が相応の費用を負担して、各市町村や消防本部が応援しやすい体制を築いて参ります。
次に、県土の強靱化についてです。
令和8年度からの第5次社会資本整備重点計画におきましては、「活力・成長」「防災・減災」「持続・スマート」という3本柱のもとに施策を展開することとしております。
今補正予算には、国の内示増に伴いまして公共事業費198億円程度を計上することとしております。
前年度との経済対策を含めた比較におきましては4.1%増となりまして、令和以降最大の事業規模を確保しております。
次に、「『開の国』づくり」に関する取り組みについてです。
本県は、「人の交流による新たな価値の創出」と「面的連携の構築」、この2つを柱に、諸外国との協力関係を進め、経済的な実益を伴う国際交流へと転換を進めてきたところであります。
特にベトナムにおきましては、クアンチ省との姉妹友好県省締結をはじめとし、家族医療傷害保険制度の創設など双方の実益にかなう誠実な交流を継続し、これについてはベトナム側からも高いご評価をいただいております。
こういった信頼関係を着実に醸成してきたことにより、今年5月のベトナム訪問では、就任間もない同国の首相、あるいは関係閣僚と会談をすることができました。
その会談の場において日本産ブドウの輸出解禁を改めて要請をしたところ、大変前向きな姿勢をお示しいただいたところであります。
また、南部ホーチミン市に隣接するタイニン省との間では、エネルギーや農業など幅広い分野での交流・協力に関する覚書を締結いたしました。加えてハノイ市とは様々な意見交換ができまして、今般開催する国際水素サミットへの参加や、観光・青少年交流などの具体的な合意を得るに至ったところであります。
ベトナム側の関心が高まっているこの機を捉え、互恵関係を更に強化していくため、ベトナム政府関係者などの招へいや、交流地域との実務者訪問団の相互受入・相互派遣の実施に向けた準備を進めて参りたいと思います。
同様にインドについても、本年2月、ウッタル・プラデーシュ州のヨギ首相が初の外遊先として本県を選ばれました。このことは、山梨県がこれまでインドとの誠実な交流を着実に構築してきたことの賜物であり、これまでの交流に対する評価と今後の更なる期待の表れであると考えています。
ウッタル・プラデーシュ州は、人口2億5千万人でインド最大の州です。ヨギ首相は、大変将来を嘱望される有力な方です。
今後は、インド中央政府とも関係を強化し、具体的な交流を推進して参りたいと思います。このため、県内外の企業を中心とした200人規模の大訪問団を派遣し、グリーン水素や人的交流・観光交流など多分野での連携を一層加速させていきます。
こうした双方に実益をもたらす実質的な国際交流を推進し、その成果を県内経済の活性化やあるいは青少年の成長などにつなげ、県民一人ひとりの豊かさの実現に向け役立てていきたいと考えています。
最後に、県産果実と山梨ワインの持続的成長についてです。本県産業の更なる活性化には、地域ブランドの確立を通じた市場拡大が不可欠です。それを実現していくためには、これまでの事業効果の検証とターゲットに即した分野ごとの戦略を立てていく必要があると考えています。
そこで今般、本県の主力産業の一つである、県産果実の海外展開及び山梨ワインの価値向上に向け、新たな戦略を策定することといたします。
まず、県産果実の海外展開に向けましては、国内市場が縮小する中で生産者の所得向上を図っていくためには、輸出が大変重要になってきます。この輸出、これまで香港と台湾でほぼ9割と偏りがありましたので、これの多角化を進めることが不可欠だと考えています。
県ではこれまで、デジタルとリアルを組み合わせたプロモーションなどを実施し、輸出額は着実に増加していますが、今後、購買拡大からブランド定着への移行が喫緊の課題となっています。
そこで、これまでの施策の効果を検証し、市場環境の変化に対応した新たな輸出戦略を策定して参ります。
このプロセスの中で、シンガポールに対しても現状の果物5%程度のマーケットをしっかりと拡大していきたい。
特に、大変購買力が高い地域でもありますし、日本食に対する受け入れもありますので、現地企業との連携や大使館関係者の招へいによるPRを通じて、新たな商流を構築しながら輸出拡大をして参りたいと思います。
山梨ワインの価値向上については、現状において高い評価を得ているものの、それに見合う輸出量の伸びが実現できていないという残念な状況がございます。
このためブランド形成から購買拡大に至る一連の取り組みをしっかり整理してやっていきたいと考えています。
これまでの関連施策の事業効果をしっかり検証して、それを踏まえた新たな戦略を策定していく。更には、一貫したブランディングによる持続的な市場拡大を図っていく。こういった取り組みを実行して参ります。
記者
まずエネルギー危機対策の関連で、制度融資枠の拡大の規模感としてはどれくらいの額を拡大するのか。また生活困窮世帯への支援、世帯数はどれ位を想定していますでしょうか?
課長
制度融資枠についてですが、中東情勢対応枠として融資枠として180億円程度と考えております。また賃上げ特例融資につきましては、これまで15億円を確保していたのですが、これを100億円に枠を拡大する予定となっております。LPガスの支援につきましては、約8万5千世帯程度を念頭において積算しております。
記者
中東情勢、イラン情勢の緊迫化がやはり長引いて先行き不透明ということについて、知事の見解を改めてお願いできますか。
知事
本当に行く先々で大変悲痛な声をいただきます。まず値段が上がるのもさることながら、仕事をするのに必要な材料が入ってこない。材料が入る見込みが立たない。見込みが立たないので、官でも民でもそうだが受注ができない。受注ができないとそもそも売り上げを立てることができなくて、どうやって生活していくんだと。こういうぎりぎりの状況が多く寄せられます。
国は目詰まり目詰まりと言っていますが、なんとなく私の受ける印象ではそんな生易しいものではないと思います。本当に危機的な状況で、国難だと思います。目詰まりを掃除すれば治るとか、そんなものではないです。
サプライチェーン全体をしっかり円滑化するべく、モグラたたきではなくトータルでの対応を国では考えていただきたい。
これが1点。
それから、大元のイランとアメリカの戦争を早く止めさせてほしい。そのため、国では外交努力を更にアクセルを踏んでいただきたいと思います。
県レベルでできることは、国レベルのサプライチェーン全体の円滑化と、それから大元の国際関係の問題が解消するまで、いかにこの状況を県民の皆さんとしのいでいくか。
それが我々ができることの限度ですけれども、とにかく頑張りますので早くスムーズに物が流れる状況を国においては作っていただきたいと強く思っております。
記者
融資枠の受付を、たしか5月18日に開始したと思うが、今のところどれくらいの申し込みなどがあるような状況でしょうか。
課長
最新の申込件数は19件でございます。
知事
まだまだ全然使われていないと思います。我々も広報に努力を重ねていきたいと思いますが、できる限りぜひ、県民の皆様にお伝えいただければありがたいと思います。
記者
使われていないとのことですが、需要はあるということですか。
知事
需要は間違いなくあると思います。みんな厳しいと思います。
例えば、今まで銀行は敷居が高いとか、融資の申し込みで嫌な思いをするくらいだったら我慢しようかとか、いろいろな思いはあろうかと思いますが、県では相談窓口を用意しており、できるだけスムーズに資金供給し最大限のサポートをしていきますので、資金繰りに困られた皆様は、ぜひ早くご相談していただければと思います。
局長
知事が申しました金融窓口への相談件数は6月2日現在で41件の相談が寄せられております。
知事
おそらく需要はもっと多いと思いますので、ぜひメディアの皆様からも事業継続に支援が必要だと思われる方が相談窓口にご相談いただけるよう、周知にご協力をお願いします。
記者
LPガス料金の支援について伺います。今回対象が生活困窮者が対象となったその理由と、一般世帯についてはどのようにお考えなのかお願いします。
知事
我々がやるべきことは、まず価格の高騰によって最も打撃を受けるところを支えていくことだと思っています。一般的に支援を撒くことは逆に値段の高騰を招くと思いますので、それは物価対策には逆行すると私は考えています。
一般的な支援は、財政的な裏付けもなく、今この状況で行うとかえって価格の高騰を引き出してしまうので、不適切だと考えます。
他方で、生活が厳しい方にとっては打撃の度合いが余裕のある方とは違いますので、そこはしっかりと支えていく。こういう形で組み立てています。
記者
これまで業界団体などの要望もあったと承知しています。これまで交付金事業を使って料金支援をしなかった理由。ほかにはお米券や灯油券をやっていると思いますが、LPガスの料金支援を実施してこなかった理由がありましたら教えてください。
知事
技術的な理由です。我々としては今申し上げたように、生活困窮世帯に対する支援に集中すべきだと考えています。積極的な意味で。
ところがLPガスの料金収受体系がなかなか技術的に難しいということで、やる場合は、ある意味薄撒きになる。すべてのご家庭に対しての補助になってしまう、こういうことがありました。
補助がある程度しっかりした額になればいいですが、ある意味薄撒きになってしまう。薄くみんなに撒くのであれば、より困っている人に十分な額を出すことの方が私は正しいやり方だと考えております。
したがって、薄撒きになるようなやり方は、技術的な課題しかないのでできなかったということではあるのですが、今回は直接の価格差支援ではなく、LPガスを使っているご家庭に対して出す。事業者に出すのではなく、発想を転換して、ご家庭に対して出すということで考えています。
記者
対象世帯に対しては、申請方法というか今お考えがありましたら。
課長
早急な対応をするために、プッシュ型ではなく、対象者からの申請に基づいて支給する方法を取りたいと考えています。
記者
前のお米券や灯油券と同じやり方か。
課長
はい。
※お米券や灯油券は、県から対象者に案内を送付後、対象者から申請。
LPガスについても対象者からの申請によるが、より迅速に対応するため、事前の案内は行わない予定。
記者
政府は、石油は足りている、ナフサ等も来年度までもつという話をして、需要を満たしているという話をされていると思うが、他国では運転の制限やガソリンの使用制限も行っている。そういった中で、日本はエネルギー消費の制限のようなことをすべきか否かということに対して、知事は政府の方針に対してどのように考えていますか。
知事
私は一次情報に接しているわけではありませんが、問題は先々に確実に入手できるというその見通しだと思います。
工場を一度止めると、再起動させるのに大変なコストがかかるという話を聞きます。ある程度の期間、確実に入手できることが約束されていたとしても、その先どうなるか確信が見えないと、その先も工場を止めるわけにはいかないので、普段の生産量を半分に落としてできる限り長持ちさせよう、という風に民間経済主体は動いていくのではないかと思っています。
政府には、この紛争はいずれそう遠くないうちに終わるのだと、なかなか難しいのかもしれないが、おしりを示していただくことが重要だと考えます。紛争が終わるか、新たな供給ルートが開拓されて大丈夫だ、このときまでにはなんとかなるからと、今備蓄を出して使っても、これが無くなる頃にはちゃんとしているから、という確信を経済主体に提供していただくようなポイントも重要かと思っています。
記者
先ほど知事から最低賃金審議会に出席するという意向が示されましたが、知事が最低賃金審議会に出席するという例は聞いたことがありません。知事のご存じの範囲でいかがでしょうか。
知事
我々山梨県にとっては、最低賃金の引き上げは地域の存続意義に極めて重要です。労働局に対しても、あるいは審議会の3つのカテゴリーの委員の先生方にも直接我々の意思を伝えた上で議論をしていただきたいと考えているので、出席させていただきます。
記者
例えば3つのカテゴリーの委員の中の公益委員の中に知事が任命されるということではないという認識でよいでしょうか。
知事
そういうことではありません。国会における参考人のようなものだと思います。
記者
参加されるに当たって決意はいかがでしょうか。
知事
データに基づいた議論をお願いしますということを強調したいです。そのためのデータは今我々が収集をしており、近日中に県民の皆様にも公表したいと考えています。人の生活に関わることですので、漠然としたイメージだけで語られると頑張っている若い人たちが報われないので、しっかりとデータに基づいて議論をしていただき、その中で双方がより納得できる結論につながればと考えています。
記者
今回の補正の事業に関わってくることはあるのでしょうか。
課長
令和7年度の事業で県内企業の経営状況等の調査を行っており、その結果をバックデータとして今回の審議会で知事に発言していただくことになっています。
一方で人手不足の問題については、国でこの3月に発表されたように、職種や業務、スキルのミスマッチという課題や、事務職が多く技術職が少ない業種があるという課題も見えてきたところです。
今回の補正の事業の中では、人手不足分野と言われるいくつかの分野に絞って、労働力の需給のミスマッチをなくして行こうと考えているところです。もちろん、審議会の状況により反映できるところはしていきたいと考えております。
記者
最低賃金の審議会に出す調査というものは既決の予算で実行中だということですか。
知事
はい。もうすぐ結果を発表できると思います。しっかりとメディアの皆さんにご説明申し上げたいと思っています。
局長
補足ですけれども、審議会に出席した知事について、近年最低賃金ということで各県知事も問題意識をもってコミットしていまして、群馬県ですとか、茨城県なんかでは、昨年最低賃金審議会で意見陳述したというのは報道等でもされて、初めてということではないかと思います。
知事
次に、地域医療を担う医師確保対策の充実についてです。
県では、これまで全ての県民が安心して必要な医療を受けられる体制を確保していくため、その土台となる医師の確保を最重要課題として位置づけて参りました。
「地域枠制度」及び「医師修学資金の貸与制度」これら2つを柱として取り組んできたところです。その結果、これまでのところ人口当たりの医師数では、全国平均を上回る水準が実現できております。一方で、高齢化の進行に伴う医療需要の増加と生産年齢人口の減少を踏まえますと、今後も医師の安定的な確保に向けた対策に注力していかなければならないと受け止めております。
加えて、医師の地域偏在あるいは診療科の偏在の解消に向けての取り組みも重要になって参ります。
医師確保を進めるに当たり、地域医療への高い志を持った医師の育成と定着を図ることが重要であります。
このため、本県医療への貢献意欲が高い医師の確保や定着を一層進めるべく、今般、医師修学資金及び研修資金貸与条例の改正を軸に、関連施策を総合的に見直すことといたしました。
見直しのポイントは3つです。
第1は貸与額の引き上げです。昨今の大変著しい物価高騰に対応するとともに、医療人材の更なる確保につなげていくため、貸与額を全国最高水準に引き上げることといたします。現在の月額13万円を、山梨大学につきましては20万円、北里大学・昭和医科大などの私立大学につきましては25万円に増額いたします。
この引き上げにより経済的な不安がなく、医学の勉強に専念していただきたいと思っています。
第2は制度の活用機会の拡大であります。これは地域枠入試の一部を全国募集とし、更に地域枠以外の修学資金についても対象を全国の医学生に広げ、地域医療への貢献意欲を持った医学生を幅広く確保して参りたいと思います。
これまで地域枠の入試の対象は、県内の高校を卒業した生徒に限られていましたが、対象の一部を全国に拡大して、より優秀な人材を集めていきたい。
最大の目標は地域医療水準の確保ですので、その卵となる優秀な人材を集めていきたいと思っています。
第3に、県内就業義務の履行確保対策の充実です。地域枠をはじめ、地域枠で医学を学びながら医師免許を取った医師が、当初の約束を違えて違う地域で、あるいは地域医療ではない医療に携わる、こういう残念なことに対してどう向き合うか。これは訴訟でも議論になっているところでありますが、この点についても制度の見直しをしたいと思っています。
まず、受験生に対して県による面接をしっかりと行います。そこで地域医療への志をしっかりと見極める。やはり、地域医療に対する熱い思いを持った人に限定していきたいと思います。加えて、在学中の地域医療の実習により、地域枠制度の理解促進あるいは地域医療への意識付けを図って参りたいと思っています。
更に、修学資金の返還利息の発生時期ですが、貸与の翌日からとすることにより、公的支援により医師の道が開かれることを早期に強く認識をしていただき、制度趣旨の徹底とその履行確保の強化につなげていきたいと思います。
加えて、県内の就業年数に応じて返還額を段階的に免除していく仕組みを導入いたします。
個々の事情を踏まえて、就業義務をより履行しやすく、かつ、地域医療への貢献度に応じた納得感の高い制度に改善していきたいと思います。
なお、これまでの離脱防止策として導入して参りました違約金規定につきましては、これらの総合的な見直しにより、医師確保と県内定着の促進が充分に図られることから廃止することといたします。施策のバージョンアップにより、地域枠制度の実効性を更に高め、安定的な医師の確保と質の更なる向上を実現したいと思います。
記者
地域医療の関係の裁判も行われている形の中で、今回その制度自体をブラッシュアップして、その上で違約金規定を廃止するという判断に至ったのは、裁判を踏まえてというところがあるという認識でよろしいでしょうか?
知事
もちろんです。
裁判における問題意識を踏まえて我々として制度のあり方をしっかり議論し、質の高い医師をしっかり確保する、という観点からどうしていくのが良いか総合的に見直した結果、今申し上げた制度にするのが良いだろうとなりました。
記者
今、控訴していると思うのですが、その裁判の取り扱いに関して、何か考えていますか?
知事
弁護士の先生に相談をしたいと思います。
記者
違約金の廃止の関係でお伺いしたいのですが、知事が以前の会見で違約金自体の制度についてはやはりあるべきだという発言があったのですが、その中でも違約金ということに関して検討を重ねた結果、その問題点といいますか、ちょっと強過ぎたとか、その辺の認識はあったのでしょうか。
知事
そういうことではなく、事実上違う法的構成を取ったということです。
今は医師になってから利息が発生する仕組みですが、もっと早い段階から発生させるものです。やめたら違約金を支払うということではなく、金利も含めて高い貸付金の水準を取って、それを就業年限に応じて減額をしていくものです。
こうすることによって、より長く地域の医師として働いていただければ、返済額はその分減ってくという形になります。早くやめた方の負担が低いという矛盾を解消するのに、もっと良い方法があるのではないかと考えました。
真面目に当初の予定通り地域でしっかりと医療に携わろうという思いを持つ人が、約束を違えて早くやめてしまった人よりも、経済的にマイナスになるようなことはやめようと考えました。
それが本来違約金の目的だったので、この目的を実現するために、どういう方法がより良いかを検討した結果、今回の方法が良いだろうとなりました。実現しようとしている価値観は一緒です。
記者
違約金があった方が制約があって、より県外に逃げにくいのではないかという考え方の人もいると思いますが。
知事
それは一緒だと思います。経済的な意味でも状況は一緒だと思います。
また、しっかり県として地域枠への思いを見極めて行こうということになりました。ここは今までやっていませんでした。山梨県の地域枠制度はかなり早い段階でスタートしたものなので、その分、手探り状態で作ったものでした。今回いろいろな県の事例を踏まえ、県がしっかり志をみて、地域枠で来てくださいと言えるような状態にしようということになりました。金額の多寡で動く人は少なくなるのではないかと思います。
記者
全国の大学に1回行ってから山梨で働くという選択肢が増えると思いますが、それについてはかなり珍しい取り組みなのでしょうか。全国的に見てどうでしょうか。
知事
ぜひ、優秀な方に山梨県で医療の道を志していただきたいと思っています。
記者
地域医療の関係で質問します。非常に前向きなよい制度改正だと思います。判決の後に、県内勤務の意思がないのに事業を利用する行為は断じて容認できないと控訴されました。もし、この制度をもっと早く検討していれば、控訴は必要なかったのではないでしょうか。控訴しなければ、控訴に必要な予算も発生しませんでした。控訴せずに制度導入という方向性は考えられなかったのでしょうか。
知事
それは後付けの結果論だと思います。我々は神様ではありませんので。
記者
ではその段階では控訴は適切であったということでしょうか。
知事
ベストだったと思います。
記者
先日国勢調査で人口減少率が過去最大だったという発表もありました。短期 的には結果は出るものではないことは承知していますが、受け止めと今後の対策等をお伺いできればと思います。
知事
まず、人口減少が一段と進んでいるということは大変重く受け止めております。この状況を打開するため、これまで様々な努力を積み重ねてきたところです。
我々としてはまずは減少のスピードを下げて、減少を止めて、次に増加につなげるという一連のプロセスを、できる限り早いスケジュールで実現することを目標に取り組みを進めていきたいと思っています。
そこに向けて一番の肝は、所得が上がっていくこと、それに対する見通し、確信が、若い人たちの人生設計、生活設計において重要な意味を持つのだろうと思います。私たちとしては、そういう確信を持てるような地域の経済社会を作っていくことに、まず注力していきたいと思います。
状況だけ申し上げますと、人口減少は全国的なものではありますが、私たち山梨県の人口減少率は3.7パーセントのマイナスでした。
これは令和2年の前回調査と比較しますと、前回がマイナス3.0%で、0.7%悪化しています。他方、全国平均は、令和2年のときは0.7%の減少でしたが、今回は2.5%のマイナスと、大幅にマイナスの度合いが進んでおり、1.7ポイント悪化したわけですが、私たちは0. 7ポイントのマイナスにとどまっているという状況にあります。何ら正当化されるものではないのですが、様々な取り組みが少しずつ効果を現していると思いたいと考えています。
引き続き、あらゆる手段を講じながら、若い人も家族を持ちたい、お子さんを持ちたいと希望される方が、障害なく確信をもって子供が持てるような、そういう地域社会づくりに向けて、最大限の努力をしていきたいと思います。
記者
あけぼの医療センターの関係で和解という判断に至ったと思うが、和解をした理由、背景、経緯等を教えていただきたい。
知事
裁判の中で様々な議論を原告の方と我々の方で積み重ねてきて、その結果、呼吸維持のためのカニューレの抜去事故と児童の死亡に関し、県に過失があったということ、それから因果関係があったということは、認めるべきだという判断に至りました。
裁判所から和解案の提示があり、我々としても裁判所の見解はその通りだと考えるべきだという判断に至りましたので、和解を受け入れることになりました。議論の結果、事実の認識の仕方などが明らかになって、それを踏まえれば、裁判所の見解がもっともだと、我々の責任を認めることが正しい道だという判断に至りました。
記者
知事が県の男性職員の方に、3か月の育休を強く推進していることは承知しているのですが、先般、京都府八幡市の若い女性市長が、育休ではなく産休を取られるというニュースがありまして、大方好意的に受け止められていたと思うのですが、首長さんが女性であれば産休だし、男性であれば育休になると思いますが、その取得について知事の見方はどうですか。
知事
トップの方が率先して取るということは、部下の皆さんが取りやすい雰囲気を作ることにつながるので、そういう意味でとても重要な行いだと思います。応援したいと思います。
記者
一方で反対する方は、職員とは違い首長というのは選挙で選ばれて、副市長、副知事がいらっしゃるにしても、取り替えがきかない存在という一面もあるので、休業をとる期間などについて、なかなか難しい面もあるのではという意見を言う方もいますが、そのあたりはどうですか。
知事
それは、休業期間中であれ何であれ、行政責任というものは免れないわけですので、それを踏まえた様々な工夫をしながら取るべきだと思います。