5月 端午の節句(菖蒲、兜)・曾我の仇討ち 絵甲斐絹には物語に題材を求めた模様も多く使われています。ここでご紹介する作品もその中のひとつです。日本三大仇討ち(忠臣蔵、荒木又右衛門の伊賀の仇討ち、曾我の仇討ち)の一つである曾我の仇討ちを題材としたもので、曾我十郎と五郎の兄弟が、源頼朝によって催された富士の巻き狩りで親の敵の工藤祐経を討ち取ったのが建久4年(1193)5月28日と言われています。左上の図柄は巻き狩りの様子、右上の図柄は仇討ちを象徴的に描いたもので、中心の庵に木瓜の紋所が敵の工藤祐経、炎立つ千鳥と揚羽の蝶は十郎と五郎を表しています。工藤祐経の紋所の庵が壊れているのは仇討ちが成就した印でしょうか。 |