2月 梅

 明治から大正にかけての甲斐絹全盛の頃に、草花模様の素材として多く使われているのが梅の花です。松と竹のセットで松竹梅模様(右上 松は松皮菱)として、また、その楚々(そそ)とした佇まいが故に他の模様(左下 麻の葉)との組み合わせが容易なところから数多くの作品を残しています。甲斐絹の模様としては、月との組み合わせ(左下、右下)が目を引きます。朧(おぼろ)月夜に浮かぶ梅の花は香気を放ち、控えめながら凛とした気品を感じさせます。その詩情は、羽織裏に要求される粋に通じるものがあるのでしょう。


松竹梅模様
西暦 1914 年[ 大正 3 年] 北都留郡上野原 製作者: 佐藤林之助



梅に麻の葉模様
西暦 1916 年[ 大正 5 年] 南都留郡谷村町 製作者: 小宮芳蔵



月に梅模様
西暦 1914 年[ 大正 3 年] 北都留郡上野原 製作者: 佐藤林之助



月に梅模様
西 暦 1910 年[ 明治 43 年] 南都留郡










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