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村松 真

宝石の力、ジュエリーの力を皆に伝えたい。

甲府市愛宕町にある(株)エムツーデザイン。

代表を務める村松真氏は各種コンテストで受賞歴を持つ新進気鋭の若きデザイナー。

そのクールで斬新なセンスは、オリジナルブランド「ムーア・コンチネント」で具現され、

見る人に感動を与えるジュエリーを創り出している

キレイな眺めですね!

毎日ここから富士山を見るのが楽しみなんです。月に2,3回個展があって全国を飛び回っているんですが、富士山をしばらく見ないと落ち着かなくて(笑)。ここはウチのオフィスでもあり、一般の方にジュエリーを楽しんでもらうためのギャラリーでもあるんです。甲府盆地が一望できる絶景の中でジュエリーを見ることができる空間なんです!ココに来ていただいたときはなるべく僕自身がおもてなしをして、その方に合ったジュエリーを提案するようにしてます。

へぇ!それは嬉しいですね。

客観的かつプロの目で、その人の雰囲気に合ったジュエリーを提案させていただくと「こんなの私には似合わないと思ってたけど、意外にいいわね!」って言ってくれたりして。それで気に入っていただいたときは本当に嬉しいですね。けど一つひとつ意味があって思いを込めて名前を付けているので、別れるときはまるで自分の子供が嫁いでいくような気分になりますね、ちょっと大げさですが(笑)。

「ムーア・コンチネント」はどんなブランド?

僕が考えたストーリー(※1)が背景にあって、そこから生まれた3つのシリーズを展開しています。ファーストラインの「ムーア・コンチネント」は、芸術をつかさどる女神ムーアが地球の恵みである宝石を使って作り出したというジュエリーを表現しています。着け心地もいいし、横から見たときや裏を返したときのデザインも凝ってるんですよ。

(※1)ストーリーは(株)エムツーデザインのオフィシャルHPに掲載。

シンプルだけど今まで見たことないデザインですね。

あまりにも凝ったデザインよりシンプルが好きですね。こういう風に一つだけの色石をメインにしてあげると、更にその石の良さが引き立つ、というか輝いてくれるんです。シンプルなデザインが石の持つ美しさを引き出すんです。川端康成が「一輪の花は百輪の花よりも華やか」と言ったけど、まさにその通りだと思っています。だからデザインするときは初め頭に浮かんだ形から瞬間的にマイナスしていって余計な装飾を除いて、最後にいい形だけを残してあげるんです。そうすることで普遍性のあるものが生まれるんですよ。

へぇ!たしかに飽きの来ないデザインですね。こっちのスカルリングはものすごいインパクト!

それはDシリーズですね。金属の塊に姿を変えた魔神たちを表現したシリーズなんです。この「スカルアイ 01」はアゴが可動式なんですよ。で、こっちのスカルは全体をダイヤで埋め尽くしてあります。これほどクオリティの高いものを作れるところは他にないと思いますよ。

作っているのはどんな職人さん?

甲府には熟練の職人さんがたくさんいますが、10年以上お付き合いしている方がいて、いつも制作をお願いしています。僕は面倒くさがり屋(笑)なのと時間短縮の意味で、無理に細かくデザイン画を描き込まないんです。だから絵では伝わりにくい微妙な部分や作品に対する思いを言葉で伝えて、二人で話し合いながら作っていくんだけど、その中で新しいアイデアが生まれることもあるんですよ。その職人さんがいてくれるから満足いくものが作れています。

この道に入ったきっかけは?

デザインっていうのは工業製品だったり色んなものがあるけど、ジュエリーは100年、200年、もっと言えば何千年という形で残るんです。この世界に入った決定的な理由は、そこにロマンを感じたというか、すごく衝撃を受けたからなんですよ。で、ふとしたことで県立宝石美術専門学校を知って「これしかない!」と思って入学しました。学校では非常勤講師としてデザインを教えていたこともありますよ。

そうだったんですね!では、せっかくなので宝石美術専門学校の生徒や若手へのメッセージをもらえますか?

そうですね。若いときは美術やデザインとか技術とか、いい物をどんどん吸収してほしいですね。で、3年くらい経ったら今度は取り入れた物を熟成させながら、自分の中で新しい物を生み出す準備をしておく。そして更に3年経ったら自分のオリジナル作品を一気に出していってほしいですね。年数はあくまで目安ですが、要は焦らずに段階を踏んでいくことが大切です。あと、特にデザイナーを目指すのであれば、客観的に物を見る力を養うことですね。自分の中で満足しないで、一歩引いてみて身に着ける側の考えとか視点に立って見るようにすること。僕が駆け出しのときによくしたのが、一度デザインを完成させてもあえて一晩寝かせて、次の日まっさらな頭で見てみる。そうすると、こうすればもっと良くなるとか新たな気付きがあるんです。そういう見方を繰り返しているとそのうち一発で迷いのないデザインが生まれるようになってきます。

なるほど!では村松さんのこれからの展望は?

色んな方面でウチのジュエリーが認知されてきたので、今後はそれをもっと伸ばしていきたいですね。最近、個展を開催していただけるところも多くなったので、そういう場所も増やしていけたらいいなと。あとは国内だけでなく海外にも出展していきたい。欧米に比べたら日本のジュエリーの歴史はまだまだ浅いけど、最近は日本のデザインも注目されていますし、日本人がこれだけのことができるんだぞ!ってのを示していきたい。そしてジュエリーの秘めた力を一人でも多くの人に伝えたいと思っています。

それは頼もしいお言葉です。村松さんがデザインしたジュエリーが世界に羽ばたく日を心待ちにしております。今日はありがとうございました。

2011年4月6日 インタビュー掲載

企業情報

名  称:株式会社エムツーデザイン

住  所:山梨県甲府市愛宕町335-8

T E L: 055-287-6321

F A X: 055-287-6322

H   P: https://m2design.jp

              https://www.japone.jp

     ※お問合せはHP内メールフォームからお願いします。

事業内容:ジュエリーブランド『M2DESIGN®』、『JAPONE.®』の企画制作・販売

  

 

エムツーデザイン内のm2ギャラリー

甲府盆地が一望できる絶景の中でジュエリーを楽しめる。 

ムーア・コンチネントの作品

「太陽の破片/TAIYO NO HAHEN」 

ムーア・コンチネントの作品

「女神の雫/MEGAMI NO SHIZUKU」 

ムーア・コンチネントDシリーズ

「スカルアイ01/SKULL EYE 01」 

 

ムーア・コンチネント Dシリーズ

「スカルボス/SKULL BOSS」

村松 真

●1974年、東京都生まれ。●株式会社エムツーデザイン代表取締役。●日本ジュエリーデザイナー協会正会員。●2006年山梨県立宝石美術専門学校の非常勤講師を務める。●国内外ジュエリーコンテスト入賞多数。●日本橋三越本店、銀座店に作品常設展示、デザイナー展多数開催。●NHK紅白歌合戦審査員のジュエリーを手掛けるなど、著名人からも支持を得ている。●個性的なアイデアでありながらシンプルなデザインには定評があり、2013年世界に発信できる和をテーマにしたジュエリー『JAPONE.』を発表。

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