ページID:123912更新日:2025年12月23日
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県ではデータ農業の一つとして、篤農家が行っている栽培管理に関する技術をデータ化し分析する「篤農家技術の見える化」に取り組んでいます。
シャインマスカットで高品質生産を目指すには、棚の明るさを適正に保ち、光合成を効率的に行える条件を整えることが重要な栽培管理の一つです。その明るさについて、試験研究では専用の特殊な機械で測定し数値化しますが、非常に高価な機械であるため、生産者の方による購入は一般的ではありません。
そこで、スマートフォンで撮影した写真を、お手持ちのスマートフォンに導入されたLINEアプリを使用してAIに送ることで、露地栽培のシャインマスカット(短梢剪定)の棚の明るさの数値(LAI:葉面積指数と葉影率の近似値)を簡単に計測できるシステムを開発しました。
※LINEアプリへの登録に用いるQRコードについては、お近くの県農務事務所へおたずね下さい。
①LINEアプリから「LAI測定(検証)」のトーク画面を開きます。

②LINEアプリより「カメラ」を起動します。カメラは、自撮りモードにしてください。
③【撮影姿勢】図の様に、ぶどう棚の下に立ち、ぶどう棚の下面がカメラに映る様に立
ち、撮影します。

※撮影のポイント!
④棚下から撮影した写真をトーク画面で送信します。送付後しばらく待つと、「LAI値:xx.x」
という数値が示されます。
※明るさ計測のポイント!
棚面が暗いので次の管理を行い目標数値まで調整してください。
徒長している新梢は、隣の主枝の果房手前で剪除する。
副梢は、先端部のもの以外は、長さ1m以上の場合2~3枚で切除。1m未満で直立し、棚面を暗くしないものはそのままにする。
それでも暗い場合、房を持っていない新梢、徒長している新梢を根元から切除する。
摘心等は必要な部分のみ実施し、葉枚数の確保に努める。
棚が明るくなりすぎないよう 、新梢誘引の見直しを行う 。
果房に直射日光が当たる場合は、クラフト傘などの日焼け防止対策を行う 。
※日々新梢が伸び、棚が暗くなるため、定期的にLAI を計測し、随時、測定結果に基づいて新梢管理を行う 。
極端に棚が暗いと糖度上昇が遅れやすく、枝の充実を図るために棚の明るさを確保する。
果房を越えて伸長している副梢や新梢は果房手前で剪除し、光環境の改善を図る。
棚を暗くしている副梢は2,3 枚で切除する。
一度摘心や剪除した新梢が再伸長しているので、これらの新梢も剪除(切除)する。
副梢などは無理に切除せず葉枚数を確保する。
果房に直射日光が当たる場合は、クラフト傘などの日焼け防止対策を行 う。
※極端な新梢の切除は、生育のバランスを崩したり、日焼けや縮果症の原因となったりする可能性があるため、何回かに分けて段階的に行うよう注意してください。
新梢管理は段階的に実施するよう心がけており、6 月下旬以降のLAI値は概ね4.0 から5.0 の範囲となっている。一時的に5を超える値になることもあるが、生育期を通して棚下に光が入る状態を保つよう管理されている。
