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更新日:2017年5月24日

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遺跡トピックNo.0272中込遺跡(なかごみいせき)〔北杜市〕

北杜市の遺跡

0002甲ッ原遺跡-埋甕-
0009横針前久保遺跡-石器-
0018金生遺跡-中空土偶-
0031天神遺跡-硬玉製大珠-
0050天神遺跡-石匙-
0336天神遺跡-集落跡-
0057丘の公園第2遺跡-石器-
0134丘の公園第2遺跡ほか-陥し穴-
0075原町農業高校前遺跡-縄文土器-
0076原町農業高校前遺跡-縄文土器-
0109原町農業高校前遺跡-陥し穴-
0115原町農業高校前遺跡-人面装飾付土器-
0137原町農業高校前遺跡-人面装飾付土器-
0094清里バイパス第1遺跡-陥し穴-
0112海道前C遺跡-人面装飾付土器-
0254海道前C遺跡-抽象文土器-
0138甲ッ原遺跡-縄文時代の住居-
0142金生遺跡-耳飾り-
0169甲ッ原遺跡-石皿とすり石-
0212甲ッ原遺跡-琥珀垂飾について-
0294甲ッ原遺跡-漆が塗られた土器片-
0405甲ッ原遺跡-特殊脚付鉢-
0226塩川遺跡-中世の調理器具-
0236天神遺跡-ヒスイのペンダント-
0237酒呑場遺跡-マメの圧痕-
0308酒呑場遺跡-火焔型土器-
0316酒呑場遺跡-産まれる縄文人-
0319酒呑場遺跡-海へのあこがれ-
0239甲ッ原遺跡-住居跡と土器-
0271金生遺跡-鉄釉兎形水滴-
0272中込遺跡-絡条体圧痕文土器-
0315郷蔵地遺跡-敷石住居-
0323金生遺跡-縄文ランドスケープ-
0328酒呑場遺跡-『謎』の土器片-
0399酒呑場遺跡-
0338柳坪遺跡-縄文時代中期の土器-
0377丘の公園14番ホール遺跡-石器作り工房跡-
0380日影田遺跡-住居跡と炉-

中込遺跡の絡条体圧痕文土器(らくじょうたいあっこんもんどき)

0272中込遺跡・絡条体圧痕文土器

中込遺跡の絡条体圧痕文土器

中込遺跡は八ヶ岳広域農道建設に先立って1990年6月5日~7月26日にかけて発掘調査が行われました。遺跡は北杜市長坂町大井ヶ森(おおいがもり)に所在します。この地域は古くから縄文時代の遺跡が多数知られており、八ヶ岳南麓の景観をよくのこしているところです。

調査の結果、上図に示したように見慣れない文様の土器が出土しました。考古学では絡条体圧痕文土器(らくじょうたいあっこんもんどき)と呼ばれています。「絡」はからまるという意味です。つまり何か軸に絡った条(縄)の圧痕の文様のある土器という意味になります。

  • 報告書:『中込遺跡』1990山梨県埋蔵文化財センター調査報告第52集

縄文土器の文様が縄の回転圧痕であることを発見し、縄の体系的な研究をなしたのは、縄文学の父といわれる故山内清男博士です。その著書『日本先史土器の縄紋』には、縄のことが詳しく書かれています。縄文土器を研究する人は必ず読まなければならない本と言われています。
絡条体の条は縄の束をさし、縄の研究では0段という繊維の束に撚りをかけた状態の条、次にその束を2本撚り合わせた1段の状態の条、さらに1段の縄を2本撚り合わせた2段の状態の条などがあります。

さて、中込遺跡の絡条体圧痕文土器は、土器の上半部に施された文様は対弧状に曲がっています。これは絡条体の軸が柔らかいものであるから弧状に曲がります。硬いものであれば直線的な文様になります。
おそらく、縄を軸とした絡条体だと思われます。つまり、縄に縄を絡ませた縄ということになります。縄文人の発想のやわらかさに驚かれされます。

0272_原体模型1

原体模型縄軸の絡条体の圧痕文

他の遺跡の絡条体圧痕文土器

絡条体圧痕文土器は県内でも各所で見られますが、まとまった資料は上野原市穴沢遺跡(あなざわいせき)、都留市玉川金山遺跡(たまがわかなやまいせき)、忍野村笹見原遺跡(ささみはらいせき)が代表的なものです。資料を提示しておきます。詳しくはそれぞれの報告書をご覧ください。こちらは、棒状の硬いものを軸とし、軸にやや間隔をあけて縄を絡めています。

0272玉川金山遺跡・絡条体圧痕文土器

0272笹見原遺跡・絡条体圧痕文土器

 

(左)玉川金山遺跡の絡条体圧痕文土器

(右)笹見原遺跡の絡条体圧痕文土器

0272穴沢遺跡・絡状体圧痕文土器

穴沢遺跡の絡状体圧痕文土器

0272原体模型・絡条体圧痕文

原体模型棒軸の絡条体圧痕文

さて、余談ですが、絡条体圧痕文は土器の器面に押し付けた圧痕ですが、これを一般の縄のように回転しながら押圧すれば、撚糸文(よりいともん)と呼ばれる文様になり、関東地方から中部東海地方の縄文早期によく見られます。縄の巻き方を工夫して、軸の中央から右巻きと左巻きに分ければ、中部地方から北陸地方、東北地方の中期初頭に見られる木目状撚糸文になります。山梨県内にも多数見られますすが、笛吹市銚子原遺跡(ちょうしっぱらいせき)に好例があります。

0272穴沢遺跡・絡条体圧痕文土器0272原体模型撚糸文

笹見原遺跡の撚糸文土器原体模型撚糸文

0272銚子原遺跡の木目状撚糸文土器0272原体模型木目状撚糸文

銚子原遺跡の木目状撚糸文土器原体模型木目状撚糸文

  • 山内清男1997『日本先史土器の縄紋』示人社
  • 山梨県教育委員会2009『玉川金山遺跡』山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第261集
  • 忍野村教育委員会2003『笹見原遺跡』
  • 上野原町教育委員会1992『穴沢遺跡・カイル遺跡』上野原町埋蔵文化財調査報告書第3集
  • 笛吹市教育委員会2006『銚子原遺跡』笛吹市文化財調査報告書第4集

 

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