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ページID:4409更新日:2017年6月5日

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遺跡トピックスNo.0109シリーズ山梨県で見つかった「陥し穴」No.4「原町農業高校前(下原)遺跡」

北杜市の遺跡

  • 0002甲ッ原遺跡-埋甕-
  • 0009横針前久保遺跡-石器-
  • 0018金生遺跡-中空土偶-
  • 0031天神遺跡-硬玉製大珠-
  • 0050天神遺跡-石匙-
  • 0336天神遺跡-集落跡-
  • 0057丘の公園第2遺跡-石器-
  • 0134丘の公園第2遺跡-陥し穴-
  • 0075原町農業高校前遺跡-縄文土器-
  • 0076原町農業高校前遺跡-縄文土器-
  • 0109原町農業高校前(下原)遺跡-陥し穴-
  • 0115原町農業高校前遺跡-人面装飾付土器-
  • 0137原町農業高校前遺跡-人面装飾付土器-
  • 0094清里バイパス第1遺跡-陥し穴-
  • 0112海道前C遺跡-人面装飾付土器-
  • 0254海道前C遺跡-抽象文土器-
  • 0138甲ッ原遺跡-縄文時代前期初頭の住居-
  • 0142金生遺跡-耳飾り-
  • 0169甲ッ原遺跡-石皿とすり石-
  • 0212甲ッ原遺跡-琥珀垂飾について-
  • 0294甲ッ原遺跡-漆が塗られた土器片-
  • 0405甲ッ原遺跡-特殊脚付鉢-
  • 0226塩川遺跡-中世の調理器具-
  • 0236天神遺跡-日本最古のヒスイのペンダント-
  • 0237酒呑場遺跡-マメの圧痕-
  • 0308酒呑場遺跡-火焔型土器-
  • 0316酒呑場遺跡-産まれる縄文人-
  • 0319酒呑場遺跡-海へのあこがれ-
  • 0239甲ッ原遺跡-縄文時代前期初頭の住居跡と土器-
  • 0271金生遺跡-鉄釉兎形水滴-
  • 0272中込遺跡-絡条体圧痕文土器-
  • 0315郷蔵地遺跡-敷石住居-
  • 0323金生遺跡-縄文ランドスケープ-
  • 0328酒呑場遺跡-酒呑場遺跡で見つかった『謎』の土器片-
  • 0399酒呑場遺跡-豊かな縄文時代中期文化を代表する683点の出土品-
  • 0338柳坪遺跡-縄文時代中期の土器-
  • 0377丘の公園14番ホール遺跡-長大な石槍で狩りをする人々の15000年前の石器作り工房跡-
  • 0380日影田遺跡-住居跡と炉-

遺跡トピックスNo.0109「原町農業高校前(下原)遺跡」

〔はらまちのうぎょうこうこうまえ(しもっぱら)いせき〕北杜市

遺跡トピックスNo.0100に続く第4弾、シリーズ山梨県で見つかった「陥し穴」No.4

遺跡遠景(南から八ヶ岳を望む500)

遺跡から八ヶ岳を望む(北杜市長坂町)

所在地北杜市長坂町渋沢(北杜高等学校校内)

時代縄文時代・古墳時代・平安時代

報告書「原町農業高校前(下原)遺跡(第1次)」山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第210集

調査機関山梨県埋蔵文化財センター

ここに何がつくられたのですか?

峡北地区総合学科高校整備事業に伴い、駐車場予定地および飼料園部分、生徒実習更衣室、体育館などの跡地を調査して、とても新しい校舎が建設されました。原町農業高校前(下原)遺跡は、どんな遺跡ですか?

長坂台地に営まれた縄文時代の大集落で、この長坂台地は標高600mから800mあります。そして、遺跡の標高は623m前後に位置しており、西の端には宮川が、東端には鳩川が流れています。遺跡はこの川に挟まれ、南北に長く延びた尾根の先端に立地しています。

また、この遺跡の周辺には、多くの縄文時代の遺跡が存在し、下原(したはら)遺跡(縄文時代)、下屋敷(しもやしき)遺跡(縄文時代)、上久通(かみくず)遺跡(縄文時代)、宮久保(みやくぼ)遺跡(縄文時代)、下村南(しもむらみなみ)遺跡(縄文時代)があります。

調査面積と調査期間については、第1次調査(5,237平方メートル)2000年5月から12月(第1図の○の部分とすぐ上の箇所)、第2次調査(14,000平方メートル)2001年5月から12月(第1図の中央右側の箇所)、第3次調査(2,270平方メートル)2002年6月から10月(第1図の右下の箇所)と行ってきました。調査面積全体では、21,507平方メートルです。

下の図を見てください。第1図の中央右寄りに縄文時代の集落がつくられています。第2次調査により約100軒の住居跡と土坑約400基が調査されました。このほか、平安時代の住居跡が3軒見つかっています。

原町003(450)

原町002(450)

第1図(上の図)の○の中に第1次調査で見つかった陥し穴が存在しています。

第2図(下の図)は、第1図の○の中を拡大しました。矢印の先にある第28号土坑が陥し穴です。

(第1図と第2図では、方位の向きがが異なっていますのでご注意してください)。

今回はどんな陥し穴ですか?

下の写真のような楕円形をしており、穴の底中央に3本と右端に3本の穴が見つかりました。シリーズ「陥し穴No.1,No.2,No.3」で紹介した陥し穴とちょっと異なっています。

NO20原町農業高校前PL-64-4段左第28号土坑(西から)450バージョン

陥し穴の状況写真(第28号土坑)

原町001(240)原町001-1(240)

左の図が陥し穴の平面図(へいめんず)、右の図が土層の堆積図(たいせきず)です。

この28号土坑の他に、247号、286号、287号土坑も構造が似ていることから陥し穴と考えられます。

さまざまな形をした陥し穴がありますが、地面に掘られた土坑(どこう)とどこが違うのでしょうか。一般的に「陥し穴」といわれているものについては、動物を捕まえるための土坑で、上面の形が楕円形をしており、底に杭を立てるために小さな穴があけられていたり、底が極端に狭いものなどがあります。杭があるために、この穴に落ちると抜け出すことができません。また、底が極端に狭いため、足が底に届かずはい出ることもできません。このような穴を「陥し穴」と呼んでいます。

今回、紹介しました28号土坑ですが、いつ頃の陥し穴でしょうか。まず周囲に早期の竪穴状の遺構があり、土坑については、早期、中期、後期があります。また、第2次調査では中期の集落が営まれていることなどから、遺物の出土がなくはっきりとしたことは言えませんが、縄文時代早期から中期頃と思われます。

シリーズ山梨県で見つかった「陥し穴」も参考にしてください。

清里バイパス遺跡(遺跡トピックスNo.0094)

南大浜遺跡(遺跡トピックスNo.0098)

桂野遺跡(遺跡トピックスNo.0100)

 

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