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更新日:2021年3月26日

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山梨の遺跡発掘展2021デジタルミュージアム
史跡新府城跡(しせきしんぷじょうあと)

所在地:韮崎市中田町

事業名:史跡内容確認調査

調査期間:令和元年11月~令和3年3月

調査面積:700㎡(50㎡)

時代:中世

調査主体:韮崎市教育委員会

史跡新府城跡の概要

 新府城は八ヶ岳から甲府盆地に向かって伸びる七里岩台地の西崖に、武田家最期の将である武田勝頼が築城した戦国時代末期(今から440年前)の城郭です。この地域一帯は、戦国時代のみならず、古代・近世・近代と、駿河、諏訪や佐久とつながる要衝を果たしてきた地域であり良好な立地条件であったといえます。

 今回の発掘調査地点は、新府城の中枢である本丸の北側中央にある虎口部分で、史跡整備のために地下に埋まる遺構の状況を知ることを目的とした調査を実施しました。調査によって、門を支えていた礎石などが確認され、当時の虎口の様子を検証できる知見を得ることができました。また、武田氏滅亡後の新府城の利用に関わる具体的な痕跡を確認できました。

ギャラリー

史跡新府城跡デジタル編集図

史跡新府城跡デジタル編集図

詳細はこちら史跡新府城跡デジタル編集図(PDF:1,264KB)

新府城の縄張り

 新府城は土の切り盛りによって造成が行われた石垣を用いない城郭で、総面積は240,000㎡を越えます。山頂の本丸を中心に、西に二の丸、南に西三の丸・東三の丸の大きな曲輪が配されています。北から東にかけての山裾には堀と土塁で防御された帯曲輪とともに堀側に突出した東西二つの出構があり、南斜面部には規模の大きい桝形虎口・丸馬出・三日月堀、北西端には堀に囲まれ独立的な乾門の曲輪が配置されています。「半造作」という言葉などから「未完の城」と呼ばれることがありますが、縄張りはしっかりと普請されているといえます。

本丸北側虎口(オルソ写真)

本丸北側虎口(オルソ写真)

門を支えていた礎石

 武田氏最後の将となる武田勝頼が新府城に入城したのは天正9年12月24日頃です。その頃には少なくとも本丸の建築工事などは終了していたものと思われます。これまでの本丸の調査では、具体的な建物の大きさなどを知る情報が得られていませんでしたが、今回の調査で虎口空間の構造が明瞭となりました。一辺60cm 四方で厚み25cmもある大きな石を礎石に用いて、門に取りつく土塁部分には石積が存在していたことが裏付けられました。詳細な分析は今後になりますが、当時の様子を復元できる知見を得られたといえます。

礎石の上を覆う武田氏滅亡後の叩き締められた地面

 礎石を発見する前に、民家の土間のように固く叩き締められた地面が現れました。これにより、門が燃えた後(武田勝頼による廃城後)に、焼け跡を片付け新しく整地をしたことがわかりました。土の堆積が薄いことから廃城後間もないことは明らかなので、武田氏滅亡後の領国を巡り発生した徳川氏と北条氏の争いである天正壬午の乱の際に、徳川氏がおこなった整地と思われます。なお、当時のことが記されている『松平家忠日記』には、徳川氏が新府城に陣を構えたことが記されています。

本丸北側虎口勝頼期造成面概要図

本丸北側虎口勝頼期造成面概要図

詳細はこちら本丸北側虎口勝頼期造成面概要図(PDF:132KB)

本丸北側虎口家康期造成面概要図

 

 

本丸北側虎口家康期造成面概要図

詳細はこちら本丸北側虎口家康期造成面概要図(PDF:152KB)

本丸北側虎口釘出土状況

本丸北側虎口釘出土状況

門が焼けた直後に埋もれた釘

 発掘調査では、中国産の陶磁器、釘や壁土などが発見されています。これらのモノが今回の発掘調査地点から発見された由来には、次のようなことが考えられます。

①武田氏が作り上げた門に関わるもの(釘など)

②武田氏滅亡後の片づけ(徳川氏による可能性大)時に、本丸内部の土などが運ばれ、その中に含まれていたもの(陶磁器、釘や壁土など)

③武田氏滅亡後以降の利用で、用いられたもの

 現在、このようなことも検討しながら整理を始めています。

 

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