トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県埋蔵文化財センター > 埋蔵文化財センター_発掘調査情報 > 令和2年度の発掘調査情報
ページID:96043更新日:2025年10月24日
ここから本文です。

中世の畑跡がみつかりました
新町前遺跡(市川三郷町市川大門)は、中世から平安時代の遺跡です。山梨県立青洲高等学校屋内運動場建設にともない、発掘調査を行っています(令和3年2月現在)。新町前遺跡の発掘調査は3年目となりますが、今回の調査でも昨年度の調査と同様の中世の畑の跡がみつかっています。また今は平安時代のムラの跡を調査中です。調査真っ最中の生の遺跡を見にきませんか?
令和3年2月14日(日曜日)
10時00分~12時00分、13時30分~15時30分
※雨天・降雪の場合は中止します。
※新型コロナウイルスの感染状況により中止をする場合があります。
山梨県西八代郡市川三郷町市川大門1733-2山梨県立市川高等学校・青洲高等学校校内
(元市川高等学校校舎)
※入口は元市川高等学校校門になります。
・発掘調査現場を時間内でお好きな時間に見学できます。
・通常の現場説明会とは異なり、発掘調査中の遺跡を見学していただきます。
・説明は状況に応じ、多数、密集を避け、現場担当者がいたします。
どなたでも※小学生以下は保護者同伴
不要
発熱や体調が優れない方のご来場は、お控えください。
マスクの着用をお願いいたします。
運動靴など動きやすい格好でご来場ください。
現場作業ヤード内に車を駐車できますが、台数に限りがあります。また作業ヤード内では徐行運転をお願いいたします。
見学の際は、他の方と間隔をあけて見学ください。
令和3年2月25日まで、現場を行っている平日(月~金、祝日を除く)は、調査現場入口付近の見学スペースにてフェンス越しに調査のようすを含めて、遺跡を見ることができます。
時間:9:00~16時00分
※現場が休工の日は中止
※駐車場のご用意はありません。ご了承ください。
山梨県埋蔵文化財センター調査研究課
電話055-266-3016(平日9時00分~17時00分)
現場携帯電話070-2689-5907
令和2年8月19日
リニア中央新幹線建設工事にともない、富士川町利根川公園内の町民体育館跡地で発掘調査を5月下旬から7月中旬に行いました。
今回の発掘で発見されたのはかつて町内を流れていた旧利根川の堤防跡です。

航空写真(東より)旧利根川が左側に流れる。
利根川は櫛形山を水源に平林、舂米、小林、長沢を東西に貫く河川です。
下流域では天井川になっており、長沢地区では、かつてのボロ電や国道52号は河床の下を通っていました。流域では過去たびたび氾濫していました。
戦後の洪水対策により、現在では戸川に水を分流させるための新利根川が造成されており、舂米地区にある越流堤以東は、水の流れがほとんどない状態になっています。名称も旧利根川に変更されました。
![]() |
![]() |
| 現在の旧利根川。舂米付近。護岸されているが、上部は、護岸以前の堤防の様子が見て取れます。 | 越流堤近辺。右側が新利根川。大雨の時は、一段低くなった手前の堤防を越えて左側の旧利根川に分水されます。 |
堤防の石積みの最上部は、地表下約10~20cmで発見されました。造成で崩されてしまっており、残っていた石積みの高さは約1.5mです。川表から川裏までの厚さは約10mでした。根石の上に葺石を積み上げ、堤防裏側は裏栗石と盛り土で構成されていました。断面を見ると、人工的に盛った砂礫層の上に堤防が造られているようです。
![]() |
![]() |
| 調査によって見つかった石積み。正面から | 発掘調査の様子 |
![]() |
|
| 堤防の断面 | 堤防裏側に詰みこまれた裏栗石 |
堤防で利用されていた石材は、利根川水系のもののようです。今後、堤防の成り立ちを考えていく上で、とても大事なヒントになるのではないでしょうか?
![]() |
![]() |
| 堤防に使われていた石材 | 利根川上流で採取した石材 |
今回発見された旧利根川の堤防は、この地域における水との戦いの歴史を物語る物証です。調査の成果は、今後刊行される報告書で明らかにしていきます。