11 月明かり梅図絵甲斐絹 (明治43年製作) 画面右上から左下にかけて大胆に描かれた枝ぶりが強い印象を与えるとともに、凛とした気迫がこの絵全体を引き締めています。月は描かれてはいませんが、月明かりに浮かぶ白梅と仄かな花影、薄墨で表現された明暗が朧月夜の雰囲気を伝えてくれます。余白に添えられた賛も、また、画面全体に重なった緻密な格子も更なる詩情を感じさせてくれます。