ページID:123387更新日:2025年11月5日
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防災新館401,402会議室 13時30分から 発表事項 発表事項外 |
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知事
令和8年4月3日から5日に開催いたします第52回信玄公祭りの信玄公役及び勘助役が決定しましたのでご報告いたします。
まず信玄公役ですが、歌舞伎役者で俳優の市川右團次さん、そして勘助役は、右團次さんのご子息で、歌舞伎役者、俳優の市川右近さんとなります。
市川右團次さんですが、12歳で大阪から単身上京し、歌舞伎の世界に入り、3代目市川猿之助さんの部屋子となり、現在の地位を築かれたご経歴はまさに我々が目指す「頑張ることで報われる社会」を体現しているものと考えております。
また、歌舞伎界を代表する役者の1人として、古典作品から現代風のスーパー歌舞伎まで、様々な役を演じられ、テレビドラマやバラエティ番組にも多数出演され、幅広い世代から支持されている方でございます。
また、オペラの演出を手がけるなど、新しい分野へも果敢にチャレンジされる姿は、まさに信玄公役としてふさわしいことから、今回、市川右團次さんに、信玄公役をお願いしたところ、ご快諾をいただいた次第であります。
市川右近さんですが、将来性豊かな歌舞伎役者として活躍されており、この度、親子で共演していただけることになりました。
市川右團次さん親子には、これまでも県内での公演などを通じまして、地域への伝統文化の普及にご協力いただいております。
今回の信玄公祭りですが、各地の伝統芸能の披露や子供たちのイベントなどを通じまして、新たな交流を生み出し、より魅力的なお祭りとなるように準備を進めて参りたいと考えております。
記者
信玄公役と勘助役が親子というのは初めてのことなのかという点と、あと親子ならではの魅力というところもあると思うのですけれども、どの辺りが魅力で、訪れた人にはどういったところを見てもらいたいか、という知事のコメントをいただけますでしょうか。
知事
おっしゃるように、親子は初めてです。
お二人ともプロの役者ですので、どういう高度なコンビネーションが見られるのかというのは楽しみなところであります。
ご案内のとおり最近は映画も流行っていて、映画では、血筋ではない役者さんが主人公だったと思うのですけれども、そういう方々の活躍のストーリーなんかもあって、そういう意味で多くの皆さんのご関心をいただけるのではないかと思います。
どのような感じになるかは楽しみですとしか言いようがないと思います。
なお、これは前からのテーマですけれども、信玄公祭りですが、シナリオも見直していきたいと思っています。
これは、ここ何年かの1つのテーマでもあるのですけれども、確かに出陣ではあるのですけれども、戦争に行くというよりは、むしろ、色々な課題に向けてチャレンジしていこうというメッセージになったらいいなと、今そのような議論をしているところです。
また、よく言われるのは、甲府だけのお祭りではないですかという捉え方をされている県民の皆様も少なからずいらっしゃるので、是非、県全体のお祭りにしていきたい。
そういうことで、前回は、小山田信茂公に着目したりとか、色々な取り組みをやっています。
まだできるかどうかはわからないのですけれども、議論の方向としては、例えば、ミニ万博ではないですけれども、県庁前の庭を使って、各市町村のパビリオンというほどではないですけれども、ブースがあって、それぞれ各27市町村、多様な文化などいろいろ持っておりますので、そういうものを来ていただいた皆さんと共有できるような場にできないかなと、こうした取り組みをこれから関係者の皆さんと議論していきたいと考えています。
是非、ご期待いただければと思います。
知事
先月26日から29日にかけまして、山梨県と中国四川省との友好県省締結40周年記念の記念式典に参加して参りました。
県議会の関係者の皆様、関係市町村長の皆様をはじめ、産業・福祉・文化芸術などの分野から約100名の皆さんとともに、訪問団として四川省を伺って参りました。
今回の訪問におきましては、これまでの友好関係の深化に加えまして、両地域の経済発展や、地域課題の解決に向けた新たな連携の枠組みとして、戦略的互恵関係の構築を目指す覚書を締結いたしました。
覚書では、これから申し上げます分野におきまして実質的な合意を終えたので報告いたします。
まず1点目、食文化交流の促進であります。
現地におきまして、料理人による創作料理と県産酒のペアリングイベントを開催し、現地レストラン関係者との商談などを通じまして、県産酒の輸出拡大に向けたビジネスネットワークを構築いたしました。
今後は、料理人やソムリエの相互派遣を通じまして、新たな食文化の発展・発信に、両県省で取り組んでいくことで合意いたしました。
次に、青少年交流の強化加速化であります。
今回の訪問団には、県内大学生13名に参加していただきました。
現地の学生との交流を実施したところであります。
今後ですが、周年事業の節目の年に限らず、交流を毎年実施することとし、次の世代の人材育成を強化・加速させていくことで合意したところであります。
3点目、観光及び文化交流の促進です。
日中の双方による書道パフォーマンスや「変面」などの伝統芸術を披露する文化交流会や、学生同士のワークショップを実施いたしました。
今後ですが、両県省が保有する文化財、或いは学芸員などの文化資産を共有した新たなイベントを開催するなど、両地域の文化的価値を高める取り組みを行うことで合意したところでございます。
4点目、介護分野での交流促進です。
ご案内のとおり中国におきましても大変な高齢化が進んでいますが、これによって日本の介護制度への関心が高まっていることから、民間団体を中心とした意見交換会を実施したところであります。
人材交流、或いは知見の共有を進めていくことで合意し、日本の介護サービスのビジネスチャンス拡大だけではなく、研修生の受け入れを通じて、担い手不足の解消にもつなげていければと考えています。
5点目、森林分野での交流促進です。
今回の訪問におきましては、両県省の持続可能な森づくりに向けまして、四川省の林業研究機関を視察するとともに、活発な意見交換を行ったところであります。
併せまして、今後、互いの知見を共有することで、技術力を高めていけるよう、林業職員の相互交流に関する協定を締結いたしました。
以上、覚書の事項となりますが、これに加えまして、今回、それ以外にも重要な成果がございます。
まず水素の分野ですが、四川省がクリーンエネルギーによる脱炭素化の取り組みを積極的に進めている状況を確認いたしました。
これを踏まえまして、本県が来春に開催を予定しております国際水素サミットへの参加を呼びかけたところ、ご快諾いただいたところであります。
このサミットは、すでにインド、ブラジルからも参加が予定されておりまして、中国・四川省が加わることで、国際的なイベントとしてより一層、世界的な注目を集めることが期待されるものであります。
この他、まだ確定ではないですが、オーストリア、韓国、アメリカ・カリフォルニアもご出席いただけるものと考えております。
もう1つ、今回の訪問におきましては、初の試みといたしまして、現地女性団体との間で、女性活躍促進に関するワークショップを実施いたしました。
このワークショップにおきましては、文化的背景の異なる四川省における女性の社会的状況、あるいは施策、人々の受けとめ方などにつきまして意見交換を行い、山梨県が現在抱える課題の打開策、解決の糸口を探る貴重な機会となったものと考えております。
この場で得られました知見、アイデアは、女性活躍推進にとどまらず、次世代の育成や、多文化共生といった広範囲の分野で、県事業へ反映させていきたいと考えております。
これらを通じまして、県民生活のさらなる向上につなげていきたいと思います。
以上が、四川省の話ですが、併せまして、四川省内にあります宜賓市も訪問して参りました。
この宜賓市は長江の出発点になる場所でありまして、また中国を代表する高級酒、「五糧液」の製造地として世界的に有名な都市となっています。
四川料理の宝庫ともいえるほど、個性豊かな郷土料理が揃う、まさに美食の都とも言われているところでありまして、国内外から多くの観光客が訪れる都市となっております。
現地におきましては、県産酒のプロモーションですとか、或いは観光資源の活用に関する様々なノウハウを勉強させていただきました。
また、人的交流或いは共同イベントの開催などを通じまして、新たな食文化をつくり出していこうと、話し合いをしてきたところです。
こちらの宜賓市からは県内市町村との姉妹都市締結の申し出もいただいております。
今後は、市町村との連携のもと、宜賓市との協力関係を具体化し、地域の魅力を高める取り組みへと寄与させていきたいと考えています。
また、この四川省の宜賓市におきましては、富士トラムの着想を得ましたモビリティであるARTを視察して参りました。
このARTを運行しております、CRRCグループと調整した結果、10月27日に視察及び意見交換が可能となったので、急遽日程に追加をさせていただいたところであります。
当日は、実際の営業路線に乗車するとともに、製造、メンテナンス工場及びコントロールセンターの視察も行いました。
これらを踏まえて、様々な意見交換を行いましたが、今回の乗車、或いは視察などを通じまして、車両性能はもとより、AIを活用した極めて少ない人数によるオペレーションシステムの確立など、管制システムの重要性というものを強く認識したところであります。
これらにつきましては、現在策定中の富士トラム基本計画に生かしていきたいと考えております。
また、本県におけるデモ走行の実施を検討していることをお伝えいたしました。
この点についてもアドバイスをいただいたところです。
これらの成果は、山梨県と四川省との関係をより実質的かつ未来志向へのものと進化させていくものでありまして、今後の県政運営においてもしっかり役立てていきたいと思います。
これから現地での様子をご紹介いたしますので、モニターをご覧いただきたいと思います。
記者
ARTについてお尋ねします。
まず乗車した感想と、コントロールセンターなどを見た現場の感想を伺えればと思います。
知事
乗り心地は、大変良かったと思っています。
一番驚いたのは、駅から駅までの間は、一般の路上を通るのですけれども、体感としてはほぼノンストップで移動していると。
しかもかなり高速で、ノンストップで移動することができた。
そんな印象を持ちました。
その話をしたところ、やはり信号なども一体的にコントロールしているらしいです。
単にARTの運行だけではなくて、道路交通を管理するための信号システムも統合した管理をするようなシステムができているらしくて。
そのため、止まらずに、全く止まらなかったわけではないのですけれども、かなりスムーズな運行を実現しているのだなということで驚きました。
コントロールシステムは、私たちがお伺いしたときは実際オペレーターが4人でやっていて、その4人も全部かかりきりで、いろいろ操作しているというよりは、モニターを基本的に見てるだけという状況で、かなり自動化されているのだなと思いました。
これが、3路線全長90キロの運行をそれだけの人数で集中してやっていて、これまで数年間、営業運転を開始してからART側が原因で起こした事故はゼロだったと。
無事故ということも含めて、大変この高度な運行管理システムに驚いたというのが率直な感想であります。
記者
その上で山梨に導入するにあたって、イメージというものはかなりできたでしょうか。
知事
あのレベルの運行管理体制ができれば、色々な方の利便は向上するのかなと思います。
記者
ARTの実際の山梨県での走行はこれから計画となっていくと思いますが、知事が見たうえで、導入の実現可能性はどのように感じられましたでしょうか。
知事
私たちとしては、できる限り高い国産比率でやれればいいなと思います。
まずは、来年中にデモ走行を行って、実物を多くの皆さんに見ていただきたいので、それを実現するべく、今、努力をしているところです。
日本のメーカーの技術者の皆さんにも、是非ご覧いただいて、「こういうものを作りましょう!」というような呼びかけもできたらなと思います。
知事
県政功績者表彰は、県政の各分野における功績が顕著な個人、または団体を表彰するものでございます。
本年度の受賞者は、特別功績者1名、県政功績者46名の合計47名となっています。
県政功績者46名のうち6名が女性の方となっています。
いずれも大変大きな功績を残された方々であります。
受賞者のお名前、主要経歴につきましては、お配りした県政功績者一覧表をご覧いただきたいと思います。
今回、山梨中央銀行代表取締役頭取を務められました進藤中さんを特別功績者として表彰することといたします。
表彰式は11月20日に行います。
なお、県政功績者であります、稲葉一俊様におかれましては、本年10月30日にご逝去されました。
稲葉様は、令和6年度に県文化功労者賞を受賞され、華道家として、華道文化の普及・向上に尽力されました。
また、県華道協会会長、やまなし県民文化祭華道部門専門委員長などをご歴任されるなど、本県の文化活動の振興にも、大変なご貢献をいただいた方であります。
稲葉一俊様のご生前のご功績に深く感謝を申し上げますとともに、謹んで哀悼の意を表します。
記者
先月末、与野党で合意したガソリンの暫定税率廃止についてです。
年内の廃止ということになり、税収減が課題にあるかと思いますけれども、この動きの受け止めと、財源についての知事の考えを伺えますか。
知事
まず、暫定税率の廃止によりまして、山梨県におきましては、トータルで年40億円程度の減収として計算しています。
軽油引取税が37億円、地方揮発油譲与税について、市町村交付分も含めて約3億円になっています。
これらは、是非、恒久的な財源を別途用意していただきたいと思っています。
心配しているのは、税収の上振れ分をもって財源措置ですという話はいかがなものかと私は思っています。
つまり、まさかそれが国内のインフレを加速させることで上がった税収で対応されるという話だと違うのではないですかということなので、財源措置を新たに講じるということは、大変厳しい作業になりますけれども、ここは是非、国において、真正面から取り組んでいただきたいと思います。
繰り返しになりますが、自然増収の出し方によっては、県民生活に対するマイナスのダメージが大きくなるようなやり方は、私は避けていただきたいと思います。
記者
先月末、県産のグリーン水素を使った焙煎のコーヒーが、大手コンビニのセブンイレブンで展開が始まったと承知しておりますが、この動きについての知事の受けとめと、期待感みたいなところがあればコメントいただけますか。
知事
いわゆる水素焙煎コーヒー、飲まれた方もいらっしゃるかと思いますけども、極めておいしいと私は思いました。
今まで我々は、単に水素は化石燃料を代替するだけのものということでいろいろ考えていましたけれども、実は水素特有のプラス面がある。
極めて安定したとろ火を作り出すことができて、それがまたコーヒーの焙煎の可能性を広げたと。
こういう出来事なのだろうと思います。
こういう水素ならではの利点を生かした、新しいおいしいもの、様々な生活に役立つものがどんどん出てくるといいなと思います。
これは1つ水素の新しい可能性を、まさに極めて身近なところで示していただいた本当にすばらしい事例だと思います。
記者
全国的にもクマの被害が相次いでいます。山梨でも、山間部を多く抱えております。目撃情報も出てきています。その受け止めと、例えば、対策とか何か考えておられましたら、そのお考えを聞ければと思います。
知事
昨今のクマの状況は、尋常ならざるものがあると思っています。
山梨県内でも街中に近いところに出ている。
先日は、列車にクマがぶつかって、列車の運行が止まったということもありましたし、そういう意味で出没が本県においても極めて身近だと思っています。
対応策の1つは、人里に近いところのクマは、やはり駆除しないといけないと思います。
これは、やはり人命が何よりも重要だと思います。
他方で、原因はもっと専門家含めて勉強しないといけませんけれど、もし山の中の食べ物がなくなって、それがゆえに麓に下りてきているような場合があるとすれば、例えば、伐採後の森林に関して、山の奥の方に、広葉樹を植樹して、クマが人里に下りてこないでも食べ物にアクセスできる。
このような環境を作っていく。
この2つの面を中心に対策を考える必要があるかなと。
記者
それを踏まえて、例えば国とかに対して何か要望を出すとかその辺の考えはありますでしょうか。
知事
我々として何をどういうふうにしてくかをもう少し整理した上で、当然国に対しても、協力を求めていきたいと思います。
ちなみに、今そちらに座られてます方は、渓流釣りの名手ですが、今年はクマで行けなかったというふうにも聞いてます。
多分同じ悩みを持たれた方は多いと思います。
やっぱり、各地に何人も亡くなられてる方がいますので。
そうはいっても、山菜採りとかキノコ採りとか、渓流釣りとか、山梨県にとって山は極めて身近なものですけれど、その山に入れなくなってしまってるような状況になっていることは、私としては改善したい。
そういう意味で、クマが生息できるように気を配りながら、併せて、危害を及ぼすものについては、断固とした対応をして山梨県の皆さんの命を守っていくと。
この基本的な考えで取り組みを進めていきたいと思います。