ページID:95724更新日:2020年8月19日

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遺跡トピックスNo.0516大平1号墳・2号墳-古墳さんぽ横穴式石室編-

 

甲府市の遺跡

(甲府城関連・曽根丘陵公園を除く)

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大平1号墳・2号墳の概要

大平1号墳は直径7.8m、高さ2.6mの円墳で、大平2号墳は直径15.9m、高さ23mの円墳です。6世紀から7世紀に造られた古墳です。

墳丘は一部除去され、石室も崩れている部分もありますが、良好な状態で残された古墳だといえます。

この2つの古墳は、地元では地蔵古墳やこうもり塚と呼ばれており、万寿森古墳、加牟那塚古墳などとともに湯村温泉街の史跡8選の、湯村八蹟にも選ばれています。

大平1号墳・2号墳がある塩澤寺も湯村八蹟のひとつです。弘法大師が開いたと言われる真言宗のお寺です。お寺では、国の重要文化財に指定されている地蔵堂や、県指定文化財の厄除地蔵尊像、板碑、無縫塔など、たくさんの文化財を見ることができます。

 

所在地:甲府市湯村

時代:古墳時代6世紀から7世紀

参考資料:甲斐古墳調査会編1974『甲斐の古墳1.甲府北東部に於ける積石塚、横穴式石室の調査』甲斐古墳調査会

関連遺跡トピックス0504湯村山古墳群1号墳-見学可能な積石塚-

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大平1号墳

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大平2号墳

横穴式石室とは?

大平1号墳、2号墳はどちらも横穴式石室と呼ばれる構造の石室を持っています。石室とは、被葬者の遺体を安置するための埋葬施設です。竪穴式石室や横穴式石室などの種類があります。

横穴式石室には、墳丘の側面に石室の入り口が設けられています。棺を納める部屋の玄室(げんしつ)と、部屋につながる通路である羨道(せんどう)からできており、入り口が開いているため複数人の埋葬(追葬)ができることが特徴です。

横穴式石室は朝鮮半島から4世紀半ばに九州地方に伝わり、古墳時代後期になると全国各地で造られるようになります。年代や地域によってさまざまな様式があります。

横穴式石室の観察ポイント

石室は石の材質、積み方、配置の仕方で表情が違ってきます。それぞれ注目してみましょう。

まず、石の形に注目します。どんな形をしているでしょうか?河原の石を使っているものは角が取れて丸い形をしています。一方、四角い形になるように加工された石を使っている石室もあります。

次に側面の壁(側壁)や一番奥の壁(奥壁)の積み方を見てみましょう。石の高さを合わせて目地を通した布積みや、不揃いの石を積んだ乱積みなどがあります。布積みするとレンガを積んだときのように段数が数えられる壁になります。

石を縦に置く、横に置く、広い部分が見えるように置く、狭い部分が見えるように置くなど石の置き方でも特徴が出ます。sekisitu1

大平1号墳石室

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大平1号墳石室(側壁)

では、懐中電灯のスイッチを入れて、大平1号墳をのぞいてみましょう。石が崩れる危険や、ヘビやコウモリ、虫などがいる場合もありますので、気をつけてのぞいてください。古墳の現在の主、カマドウマに挨拶するのも忘れずに!

1号墳の石室の全長は6.6m、幅は1.9mです。奥壁は2枚の大きな石を縦に並べ、その上に小さめの石を2つ乗せています。さらに、その4つの石を囲むように細かく石を積んでいます。こんなに大きな石をどうやって積んだのでしょう。想像が膨らみます。

今度は、側壁を見てみましょう。加工したような角がある石と自然そのままの石を混ぜて積まれています。石の隙間を埋めるように小さな石を積む工夫もされています。また、天井に向かって狭くなるように積まれていることもわかります。(持ち送りといいます)こちらに迫ってくるようなたくさんの石はまさに三つ星の迫力!?

天井の石は4枚あり、入り口が低く奥に向かって高くなっていきます。外から見ると狭そうに見えても、中は意外と広く、立っても頭が天井につきません。

2号墳と1号墳を比べてみましょう。石の積み方や用いられている石は似ています。近くにある古墳同士では石室の構造が似ていることが多いです。ただ、側壁がまっすぐに積まれていたり、奥壁の2枚の石の上の石の積み方が異なっていたりと、少しずつ差があります。nigouhun

大平2号墳石室

少し離れた場所にある古墳と比べるとまた違ったことがわかります。例えば、同じ甲府市の荒川近くにある穴塚古墳の石は、大平1号墳の角がある石と比べると、かなり丸いです。近くにたくさんあった河原の石を使って石室を造っているからだと思われます。古墳が造られた場所によって使われた石材に違いがあることがわかります。

一方、石室の構造は大平1号墳や2号墳とよく似ており、2枚の大きな石を縦に並べた奥壁を持っています。似た構造の石室が造られたことから、古墳を造った人同士が近い関係にあったのではないかと考えられます。

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穴塚古墳

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穴塚古墳石室

湯村の近くには、「千塚」という地名があります。その名の通り、かつてはたくさんの古墳があった場所で、江戸時代に作られた地誌である『甲斐国志』にも加牟那塚古墳など、千塚にある古墳の記述があります。

埋蔵文化財センターでは、一昨年から「古墳お宝マップ」を作成しています。今年度は第3弾として湯村や千塚地域をはじめ、甲府盆地北西部の古墳や遺跡を紹介します。ぜひ、マップを持って散歩に行き、石室を見比べてみてください。疲れたら湯村の温泉で一休みするのもおすすめです。

 

参考文献

太田宏明2016『横穴式石室と古墳時代社会~遺構分析の方法と実践』雄山閣

土生田純之2014『古墳の見方』ニューサイエンス社

甲府市市史編さん委員会1989『甲府市史資料編第一巻原始古代中世』甲府市役所

山梨県考古学協会2019『山梨県考古学協会2018年度研究集会横穴式石室と用石技法』山梨県考古学協会

 

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