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更新日:2017年3月8日

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遺跡トピックスNo.384上コブケ(かみこぶけ)遺跡B区-人面装飾付土器の復元修復-〔山梨市〕

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上コブケ遺跡人面装飾付土器01

今回のトピックスでは、土器が発掘現場から出土して復元修復される工程をご紹介したいと思います。

上コブケ遺跡B区の概要

上コブケ遺跡B区は平成23年5月18日~8月31日まで発掘調査が行われ、上コブケ遺跡B区は縄文時代の遺跡でした。

遺跡の主な時代は中期後半ですが、土器の破片を見てみると縄文時代前期から後期までの様々な時期の土器が発掘されました。

埋甕(うめがめ、幼い子どもが亡くなった時に用いられると考えられている)なども出土しており、今回紹介する人面装飾付土器はこの遺跡で見つかった埋甕の第一号でした。

この土器はどのくらい古いものか

この土器は上の写真中央部に人面の装飾が施されていることから、考古学では人面装飾付土器に分類されます。県内約50遺跡から出土していますが、その出土数は一般的な土器と比べ、とても少ない貴重な土器です。
この土器は今から約4,500年前の縄文時代中期に作られた土器で、考古学では曽利式土器と呼ばれます。曽利式土器は1~5式に細分されており、この土器は曽利式土器1式古段階に分類され、曽利式土器の中でも古い時期に位置づけられます。
曽利式土器に人面装飾が施される例は稀少であり、出土状況から逆位(上下逆さまの状態)で出土したことから、埋甕(うめがめ)であると推察され、当時の人々の精神性を知る上で貴重な資料となりそうです。

人面装飾付土器が発掘されてから、復元修復される工程

上コブケ遺跡人面装飾付土器出土状況

人面装飾付土器が発掘された状況の写真です。この写真の右下に人面の部分があるのがわかりますか?

0384上コブケ遺跡人面装飾付土器03

土器は保管場所を発掘現場から山梨県埋蔵文化財センターへ移し、きれいに洗って、どのように接合(土器の破片がピタリとくっつく)するかを確認します。

写真に小さなシールで色ごとに接合する部分が記されてるのがわかりますか。

0384上コブケ遺跡人面装飾付土器04

破片が足りない部分には樹脂粘土で補充していきます。この工程でゴムで押さえつけたり、内側から物を当て、土器が歪んで固着してしまわないようにします。
樹脂粘土の他に、補充材として石膏(せっこう)を使う場合もあります。

0384上コブケ遺跡人面装飾付土器05

補充した樹脂を成形し、土器の文様を復元していきます。白い編み目のように見える箇所がわかるでしょうか。
この後、土器本来の色に近づけるために、アクリル樹脂塗料を塗ります。

上コブケ遺跡人面装飾付土器01

これが復元修復が終了した土器です。右の皿状のものは土器の底部です。発掘現場とその後の整理作業からも底部は見つかりませんでした。縄文人は埋甕を埋設する際に、土器の一部を打ち欠いて破壊することが多く、この土器も縄文人に破壊されて埋められた可能性があることを考慮し、底の部分は完全に復元せず、また展示の際に土器が安定するように、底部は着脱式に復元しました。

土器の図化

0384上コブケ遺跡人面装飾付土器06

(第二原図化された人面装飾付土器の図面)

発掘された土器や石器などの遺物や記録された住居などの遺構は、文章や図版、写真などにまとめられ、報告書として刊行されます。

報告書に掲載するために、土器を接合・復元するだけではなく、図版や写真で掲載されます。3次元の立体的な土器を図化し、2次元の情報へ置き換えます。

1.土器の形や文様を正確に計測して鉛筆で描写します。

2.1.で描いたものを、必要に応じて縮尺コピーを行います。

3.2.を下地に図版を、トレースペン(細いインクのペン)でなぞり、掲載用の図版を作成します。

土器の文様などを伝えやすいように拓本(土器の上に紙を水で貼り付けて、墨を打つ。)をつける場合もあります。
現在ではパソコンを使って、写真画像から図面化をするデジタルトレースも行われています。

土器が発掘されてから、図化されるまでの工程を概観してみましたが、いかがだったでしょうか。
皆さんも博物館へ行った時は、土器に復元補修されている箇所はあるかなどを思いながら、土器を観察してみると面白いかもしれません。

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