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更新日:2017年6月7日

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遺跡トピックスNo.0252大木戸遺跡

笛吹市の遺跡

  • 0014経塚古墳-復元古墳-
  • 0217経塚古墳-内部構造-
  • 0251経塚古墳-石室の石積み-
  • 0280経塚古墳-列石-
  • 0396経塚古墳-八角形の意味-
  • 0019桂野遺跡-石皿・磨石-
  • 0100桂野遺跡-陥し穴-
  • 0111桂野遺跡-前期土偶-
  • 0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡-
  • 0265桂野遺跡-土器に描かれた物語-
  • 0020四ツ塚古墳群-玉類-
  • 0235四ツ塚古墳群-装身具-
  • 0022狐原遺跡-墨書土器-
  • 0059平林2号墳-副葬品-
  • 0079平林2号墳-青銅鏡-
  • 0102平林2号墳-ガラス玉-
  • 0202平林2号墳-馬具類や装身具類-
  • 0240平林2号墳-勾玉-
  • 0337平林2号墳-勾玉-
  • 0081身洗沢遺跡-田んぼと木製品-
  • 0230身洗沢遺跡-プラント・オパール-
  • 0339身洗沢遺跡-農具の今と昔-
  • 0125水口遺跡-柄鏡形敷石住居跡(1号住居跡)-
  • 0355水口遺跡-敷石住居跡(3号住居跡)-
  • 0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊-
  • 0194花鳥山遺跡-縄文時代の食生活を知る遺物-
  • 0199花鳥山遺跡-世界最大級の縄文土器?-
  • 0406花鳥山遺跡-耳飾り-
  • 0145竜安寺川西遺跡-発掘調査速報-
  • 0155竜安寺川西遺跡-発掘調査速報2-
  • 0165竜安寺川西遺跡-発掘調査速報3-
  • 0179竜安寺川西遺跡-ミニチュア土器-
  • 0147境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0157境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0181境川中丸遺跡-S字状口縁台付甕-
  • 0148一の沢遺跡-縄文時代中期の住居-
  • 0293一の沢西遺跡-ヒトをモチーフにした土器-
  • 0307一の沢遺跡-縄文土器-
  • 0350一の沢遺跡-みんなで応援しよう!「ミュージアムキャラクターアワード2012」のいっちゃん-
  • 0150稲山遺跡-発掘調査速報-
  • 0160稲山遺跡-発掘調査速報2-
  • 0170稲山遺跡-発掘調査速報3-
  • 0209稲山遺跡-常滑甕-
  • 0229稲山遺跡-すり鉢-
  • 0288稲山遺跡-かわらけ-
  • 0151三光遺跡-発掘調査速報-
  • 0166三光遺跡-発掘調査速報5-
  • 0171三光遺跡-発掘調査速報6-
  • 0186三光遺跡-耳飾り他-
  • 0173二之宮遺跡-食材をふかす道具-
  • 0284二之宮遺跡-置きカマド-
  • 0219亀甲塚古墳-盤龍鏡-
  • 0264亀甲塚古墳-碧玉製管玉-
  • 0234御坂中丸遺跡-縄文時代早期-
  • 0275馬乗山2号墳-甲府盆地最後の前方後円墳-
  • 0331地耕免遺跡-斎串と馬の歯-
  • 0354中丸東遺跡-縄文時代前期の土器と古墳時代の住居跡-
  • 0356石橋条里制遺構-古代の土地区画整理-
  • 0371太鼓畑遺跡-調査概要-
  • 0382六ッ長遺跡-調査概要-
  • 0406花鳥山遺跡-耳飾り-

大木戸遺跡(おおきどいせき)について

0252大木戸遺跡写真遺跡全景

〈写真〉大木戸遺跡全景

大木戸遺跡は、甲府盆地の東を流れる重川(おもかわ)右岸の河岸段丘上(かがんだんきゅうじょう)、標高約390m地点に位置しています。塩山東バイパス建設工事のため、平成10~11・14(1998~1999・2003)年度に発掘調査が行われ、縄文時代(約6,000~4,500年前)のムラの跡や平安時代(約1,000年前)の集落跡が発見されました。大木戸遺跡については過去のトピックスでも何度か紹介されています。→一覧はコチラ
土偶についても、今回紹介するものは縄文時代の中期のものですが、No.0024では前期のものを紹介しています。

所在地:甲州市塩山熊野

時代:縄文時代前期・中期・平安時代

報告書:山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第205集2003(平成17)年刊行

調査機関:山梨県教育委員会・山梨県埋蔵文化財センター

 

女性らしさの究極の姿

大木戸遺跡土偶正面大木戸遺跡土偶斜め大木戸遺跡土偶後ろ

〈写真〉大木戸遺跡中期土偶:左より正面、斜め、後方斜め

0252大木戸遺跡土偶実測図

〈図〉大木戸遺跡出土土偶実測図

土偶の多くは女性を形どったものであると言われています。女性らしい形と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、乳房であったり、くびれたウエストであったり、はたまたしっかりと張ったお尻であったり、さまざまであると思いますが、大木戸遺跡のこの土偶からわかる女性らしさとは何でしょうか。

はい、このくびれていないウエスト、プックリとふくらんだお腹なのです。あらこの土偶はメタボリックな中年かしら?いえいえ、そうではありません。プックリふくらんだお腹は出産を間近にひかえているということが表現されています。そう、この土偶は妊婦さんなのです。大木戸遺跡の発掘調査報告書の記述を見てみましょう。

報告書によると、この土偶は振るとかすかにシャラシャラとした音が感じられるため、鳴子タイプの土偶と考えられる、とあります。このような鳴子タイプの土偶の鳴子は胎児を表しているのではないかという研究者もいます。また、報告書にはこんな記述もあります。両腕が前方にまわるタイプの土偶で腹部中央に剥離(はくり)がみられることから壷(つぼ)などを抱えている土偶の可能性がある、と。

壷を抱えた縄文中期の土偶は、この中部地方ではしばしば出土するようですが、壷が何を意味しているのかは、よくわかっていません。しかし、研究者の中には、土偶が抱える壷は、生まれてきた赤ちゃんの胎盤(たいばん)をおさめる胞衣壷(えなつぼ)で、こういった土偶は、赤ちゃんが丈夫に育つことを願う、出産儀礼と関係があるのではないか、と考える人もいます。また、胎盤を入れるのではなく、産湯(うぶゆ)や出産時に使用する水を入れるのではないだろうかと考える研究者もいます。そういったことから、こういった妊婦さんの姿をする土偶は出産をつかさどる女神ではないか、という考えもあるようです。

胎内に子供を宿すということ…。男性にはできない、女性らしさの究極と言ってもよいのではないでしょうか。また、現代のように医学は発達していない縄文時代において、出産後、母子ともに無事であるということは、今よりもずっと重みがありました。女性にとって、出産は命がけの仕事だったのです。縄文時代の祈りの象徴である土偶。この土偶を女性らしさの究極の姿である妊婦さんにすることで、縄文人は子孫繁栄(しそんはんえい)や家族への思いをこめたのでしょう。

*今回トピックスで紹介した大木戸遺跡の土偶は山梨県立考古博物館で常設展示されています。
また、山梨県立考古博物館では、第28回特別展として「発掘された女性の系譜ー女性・子ども・家族の造形」を、10月9日(土曜日)より11月28日(日曜日)まで開催します。もちろん土偶も展示されます。なお、開催期間中の、11月21日(日曜日)の当センター所長小野正文による講演「縄文人のお産」でも、土偶の話が取り上げられる予定です。どうぞご来館くださいませ。詳細はコチラへ

学校で、児童・生徒に本物の土偶を触らせてみませんか?

0252大木戸遺跡出前支援写真

〈写真〉武川中学校1年生の歴史の授業、土偶に触わっている中学生

当センターが行っている出前支援事業では、土偶をはじめとする出土品を学校で教材として実際に児童・生徒に触れてもらうことができます。7月には北杜市の武川中学校で北杜市出土の土偶や土器、石器を実際に生徒に触ってもらうという授業を行いました。授業の詳細はコチラへ

身近な地域の出土品を実際に児童・生徒にふれさせ、魅力的な授業を展開してみませんか?出前支援事業のお申し込み等、詳しくはコチラへ

 

 

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山梨県観光文化部埋蔵文化財センター 
住所:〒400-1508 甲府市下曽根町923
電話番号:055(266)3016   ファクス番号:055(266)3882

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