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ページID:32526更新日:2017年5月17日

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遺跡トピックスNo.0245唐松遺跡で見つかった「炉」のない家

甲斐市の遺跡

0218金の尾遺跡-土偶-
0228金の尾遺跡-紡錘車-
0273金の尾遺跡-4号住居-
0398金の尾遺跡-県内最古のガラス玉-
0245唐松遺跡-炉のない家-
0363唐松遺跡-炉と土偶-
0253竜王2号墳-馬具にみる古代の技術-

0245-03

この写真は、唐松遺跡3号住居跡です。地面を掘りくぼめてつくられた家の内側に、7つの大きめの穴があります。この穴は、柱があったと考えられるものです。縄文時代中期後半の家の跡ですが、この時期の家には、ほぼ中央に石囲炉(いしがこいろ)をつくるのが一般的です。

しかし、この3号住居跡には炉がありませんでした。

唐松遺跡(からまついせき)

0245-01

遺跡名唐松遺跡(からまついせき)

所在地山梨県北巨摩郡双葉町宇津谷(現)甲斐市宇津谷

調査の原因山梨県住宅供給公社による宅地開発事業

発掘調査平成4年(1992)11月4日から12月24日

平成5年(1993)5月6日から平成6年(1994)1月9日

調査面積約7,000平方メートル

遺跡の標高380m前後

報告書山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第111集唐松遺跡

唐松遺跡は、双葉唐松団地建設事業に先立って発掘調査されました。遺跡の内容は、縄文時代中期の家の跡11軒と土坑100基が見つかりました。

今回紹介するのは、3号住居跡と4号住居跡が重なり合った家の3号についてです。

唐松遺跡3号住居跡について

3号住居跡の時期は、縄文時代中期後半で、今からおおよそ4000年前のものです。家の形は楕円形をしたもので、長径8m、短径約6.5m、深さは35cm程度で、炉は見つかっていません。

柱の穴は7本で、ほぼ円形に配置されています。家の北側そして西側の5本の柱の穴は壁に近寄っています。柱の穴の直径は最も大きなもので70cm、最も小さいものは50cmです。床面からの深さは深いもので50cm、浅いものでは10cm程度です。

0245-06

唐松遺跡4号住居跡について

4号住居跡の時期は、縄文時代中期初頭で、形態は円形の家です。家の直径は5.4m、深さは35cm、炉は家の中央に深鉢形土器を埋め込んでつくられています。

0245-04

家に「炉」がない?

唐松遺跡で見つかった家の跡は11軒ありますが、3号住居跡がつくられた中期後半の家は、この1軒だけしか見つかっていません。調査区外に存在している可能性もありますが、それよりも炉のない家がこれしかないというのも不思議です。

さて、炉のないこの住居は、家といえるのでしょうか?私たちの家には台所があり、炉ではないのですがガスコンロを使って煮炊きをしています。もし、このコンロがなかったとしたらまるでバンガローのようです。

このバンガローには、台所がついていませんからコンロはありません。寝泊まりするだけの家ですから、煮炊きをする場所は屋外です。今なら屋根付きの台所がありますが、縄文時代の頃はどのようだったのでしょうか。雨が降っている日は、食事を抜いていたのでしょうか。

それともご近所に行って一緒に食事をとっていたのでしょうか。

 

 

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