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ページID:27486更新日:2017年5月8日

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遺跡トピックスNo.0209稲山(いなやま)遺跡〔笛吹市〕

笛吹市の遺跡

  • 0014経塚古墳-復元古墳-
  • 0217経塚古墳-内部構造-
  • 0251経塚古墳-石室の石積み-
  • 0280経塚古墳-列石-
  • 0396経塚古墳-八角形の意味-
  • 0019桂野遺跡-石皿・磨石-
  • 0100桂野遺跡-陥し穴-
  • 0111桂野遺跡-前期土偶-
  • 0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡-
  • 0265桂野遺跡-土器に描かれた物語-
  • 0020四ツ塚古墳群-玉類-
  • 0235四ツ塚古墳群-装身具-
  • 0022狐原遺跡-墨書土器-
  • 0059平林2号墳-副葬品-
  • 0079平林2号墳-青銅鏡-
  • 0102平林2号墳-ガラス玉-
  • 0202平林2号墳-馬具類や装身具類-
  • 0240平林2号墳-勾玉-
  • 0337平林2号墳-勾玉-
  • 0081身洗沢遺跡-田んぼと木製品-
  • 0230身洗沢遺跡-プラント・オパール-
  • 0339身洗沢遺跡-農具の今と昔-
  • 0125水口遺跡-柄鏡形敷石住居跡(1号住居跡)-
  • 0355水口遺跡-敷石住居跡(3号住居跡)-
  • 0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊-
  • 0194花鳥山遺跡-縄文時代の食生活を知る遺物-
  • 0199花鳥山遺跡-世界最大級の縄文土器?-
  • 0406花鳥山遺跡-耳飾り-
  • 0145竜安寺川西遺跡-発掘調査速報-
  • 0155竜安寺川西遺跡-発掘調査速報2-
  • 0165竜安寺川西遺跡-発掘調査速報3-
  • 0179竜安寺川西遺跡-ミニチュア土器-
  • 0147境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0157境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0181境川中丸遺跡-S字状口縁台付甕-
  • 0148一の沢遺跡-縄文時代中期の住居-
  • 0293一の沢西遺跡-ヒトをモチーフにした土器-
  • 0307一の沢遺跡-縄文土器-
  • 0350一の沢遺跡-みんなで応援しよう!「ミュージアムキャラクターアワード2012」のいっちゃん-
  • 0150稲山遺跡-発掘調査速報-
  • 0160稲山遺跡-発掘調査速報2-
  • 0170稲山遺跡-発掘調査速報3-
  • 0209稲山遺跡-常滑甕-
  • 0229稲山遺跡-すり鉢-
  • 0288稲山遺跡-かわらけ-
  • 0151三光遺跡-発掘調査速報-
  • 0166三光遺跡-発掘調査速報5-
  • 0171三光遺跡-発掘調査速報6-
  • 0186三光遺跡-耳飾り他-
  • 0173二之宮遺跡-食材をふかす道具-
  • 0284二之宮遺跡-置きカマド-
  • 0219亀甲塚古墳-盤龍鏡-
  • 0264亀甲塚古墳-碧玉製管玉-
  • 0234御坂中丸遺跡-縄文時代早期-
  • 0275馬乗山2号墳-甲府盆地最後の前方後円墳-
  • 0331地耕免遺跡-斎串と馬の歯-
  • 0354中丸東遺跡-縄文時代前期の土器と古墳時代の住居跡-
  • 0356石橋条里制遺構-古代の土地区画整理-
  • 0371太鼓畑遺跡-調査概要-
  • 0382六ッ長遺跡-調査概要-

稲山遺跡出土の常滑大甕(とこなめおおがめ)口縁部について

稲山遺跡は、昨年度山梨リニア実験線建設に先立ち発掘調査が行われた遺跡です。
発掘調査の概要については、トピックスNo.150No.160No.170で発掘調査速報等を紹介しました。その中で、稲山遺跡は中世主体の遺跡であると紹介しましたが、今回は、全国各地の中世の遺跡から出土する常滑焼(とこなめやき)、特に大甕の特徴や使用目的などについて触れてみたいと思います。

常滑大甕の破片出土状況常滑大甕の出土破片

常滑焼とは?

常滑焼(とこなめやき)は、愛知県常滑市を中心とし、その周辺を含む知多半島内で焼かれており、製品は、碗(わん)・皿・鉢(はち)・壷(つぼ)・甕(かめ)・※瓶(へい)・瓦類等がみられ、特に壷や甕類等の大型の容器は、常滑焼の代表的なものです。
常滑大甕の大型の生産は平安末期から始まり幕末までの約800年間生産していたと言われ、また、知多半島の丘陵地からは中世の窯跡が1,000基とも、3,000基とも存在すると言われています。

瓶<液体を入れる容器>

甕の用途と使い方。

常滑では中世から幕末までの約800年間、主に「甕」を生産し、全国に出荷してます。これは、日本の各地の遺跡から常滑の甕の破片が出土していることからも裏付けられます。こんなに多くの甕をいったいどんな用途に使ったのでしょう。

安政4年(1857)の文献には「穀物・水・油・藍・味噌・醤油の保管に良い」と書かれています。当時は冷蔵庫も米櫃(こめびつ)も袋も、ましてやペットボトルなど無い時代です。甕はいろいろなものを貯蔵するために使われました。

また、山梨県内の調査事例として、小判が入った甕が見つかったり、骨が入った甕が見つかったりします。このように甕は時には金庫だったり、お棺だったり、正に万能の収納庫だったと思われます。

棲雲寺開山墓出土の常滑甕

上の写真は、甲州市大和町(こうしゅうしやまとちょう)にある棲雲寺(せいうんじ)開山の墓所、宝篋印塔(ほうきょういんとう)下部より出土した常滑焼の大甕で県の有形文化財(考古資料)に指定されています。
宝篋印塔の紀年名に文和2(1353)年とあり、この大甕も同時期に製作されたものと考えられ、14世紀代の常滑焼編年の基準資料としても貴重な資料です。
普同塔(ふどうとう)という師と衆生(しゅじょう)が一緒に埋蔵される墓の蔵骨器(ぞうこつき)です。

常滑大甕は「口縁部の形状」と「肩の張り」に、時代ごとの特徴があります。
このような、特徴を考えながら見ていくと、発掘された常滑片の形状から、年代が分かることにもなります。
稲山遺跡出土の大甕も、口縁部(こうえんぶ)の形から、棲雲寺のものと同時期と考えられます。
さて、何に使われていたのでしょうか?

参考:【宝篋印塔】→遺跡トピックスNo.193県内最大級の宝篋印塔

県指定史跡~徳川家康側室養珠院墓所大野山本遠寺

 

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