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定点情報(2025年第32週:8月4日~8月10日)/ その他情報(公表までに把握した情報)
(8月14日 山梨県立中央病院 三河貴裕 医師)
【要約】
・新型コロナウイルス感染症:報告数は横ばいです。
・百日咳:多い状態が続いています。
・渡航者の発熱は特殊な疾患を考える必要があります。まずは近医でご相談いただき、必要に応じて大きな病院に紹介してもらいましょう。
〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
新型コロナウイルス感染症は全県で定点あたり5.38(183人)と、先週の5.49に比べ大きな変化はありませんでした。保健所単位では、特に中北地域で定点あたり7.73と多い傾向にあります。年齢別ではどの年齢でも大きな差がありませんでした。下水からの新型コロナウイルスRNA濃度は前週に比べ0.94倍と大きな変化はありません。
【百日咳】
前週の報告では1週間で20件の報告があり、多い状態が続いています。
【ヘルパンギーナ、手足口病】
例年夏になると増加するこれらの疾患については、山梨県内では増加していません。
〇対応
新型コロナウイルス感染者の報告数は横ばいです。ちょうど夏に入りお盆休みを控えていたため、受診行動の影響を受けている可能性もあります。病院などの現場では急激な増加の印象はありませんから、実際に大きく増えてはいないのかもしれません。次週の報告は医療機関の休みの影響を受けるため、参考値となりますから、8月末あたりの報告数を見て流行状況を判断することとなります。
百日咳は引き続き多い報告数で推移しています。妊娠27-36wの妊婦さんにはRSウイルスワクチンのように三種混合ワクチン(百日咳を含んでいる)を接種することで新生児や乳児の感染を防ぐ方法がありますので、接種※についてかかりつけ医にご相談ください。
※妊婦のRSウイルスワクチン、三種混合ワクチン接種は任意接種です。検討される方は早めに主治医にご相談をお願いします。
また海外渡航者の感染症として、デング熱やチクングニア熱に感染する方も出るかもしれません。渡航者の発熱は特殊な疾患を考える必要があります。まずは近医でご相談いただき、必要に応じて大きな病院に紹介してもらいましょう。
*関連ページ
夏を安全に楽しもう! 感染症対策ガイド(厚生労働省)
百日咳 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
伝染性紅斑 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
チクングニア熱 ⇒ 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
◆今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください !
*保健所毎や疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。
2025年8月14日作成
インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内35箇所(2025年14週までは41箇所)の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報】。
対象期間:2025年第32週〔2025年8月4日(月曜日)~2025年8月10日(日曜日)〕
◆下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。
インフルエンザ | |||||||
週 | 山梨県 | 中北 | 峡東 | 峡南 | 富士・東部 | 甲府市 | |
32週 | 報告数 | 11 | - | - | - | 7 | 4 |
定当 | 0.32 | - | - | - | 1.00 | 0.57 | |
31週 | 報告数 | 12 | 5 | 5 | - | - | 2 |
定当 | 0.34 | 0.42 | 0.83 | - | - | 0.29 | |
30週 | 報告数 | - | - | - | - | - | - |
定当 | - | - | - | - | - | - | |
29週 | 報告数 | - | - | - | - | - | - |
定当 | - | - | - | - | - | - | |
28週 | 報告数 | 3 | - | 1 | - | - | 2 |
定当 | 0.09 | - | 0.17 | - | - | 0.29 |
新型コロナウイルス感染症* | |||||||
週 | 山梨県 | 中北 | 峡東 | 峡南 | 富士・東部 | 甲府市 | |
32週 | 報告数 | 183 | 85 | 36 | 12 | 22 | 28 |
定当 | 5.38 | 7.73 | 6.00 | 4.00 | 3.14 | 4.00 | |
31週 | 報告数 | 192 | 83 | 49 | 19 | 14 | 27 |
定当 | 5.49 | 6.92 | 8.17 | 6.33 | 2.00 | 3.86 | |
30週 | 報告数 | 173 | 89 | 23 | 9 | 24 | 28 |
定当 | 4.94 | 7.42 | 3.83 | 3.00 | 3.43 | 4.00 | |
29週 | 報告数 | 130 | 78 | 14 | 6 | 11 | 21 |
定当 | 3.71 | 6.50 | 2.33 | 2.00 | 1.57 | 3.00 | |
28週 | 報告数 | 112 | 52 | 23 | 4 | 10 | 23 |
定当 | 3.20 | 4.33 | 3.83 | 1.33 | 1.43 | 3.29 |
※第32週の報告について:中北保健所管内では1か所未報告の医療機関があります。感染の推移を確認する場合は「定当」(定点あたり患者数)をご参考ください。
*本県独自基準 以下の数値を目安にYCDC医師と協議の上決定(注意報目安:定点あたり10以上、警報目安:定点あたり15以上)
◆発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況や病原体検出状況などがご覧になれます)
◆集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:32KB) ※過去の分はこちら
(施設から報告のあった事例を保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)
*2024年第36週以降の状況
新型コロナ措置状況(PDF:65KB)
インフルエンザ措置状況(PDF:62KB)
感染性胃腸炎措置状況(PDF:63KB)
*甲府市の状況は こちら
新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
*新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。
新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。
下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。
詳しい情報は こちら
〇厚生労働省や国立感染症研究所などが公表する最新・話題のレポート
〇YCDCレポート
警報 |
伝染性紅斑(富士・東部保健所、甲府市保健所管内) |
注意報 |
なし |
8月14日 |
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8月14日 |
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8月13日 |
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8月13日 |
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7月9日 |