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ページID:107665更新日:2023年1月26日

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ハザードマップとは?種類や山梨県での富士山ハザードマップも解説

各市町村から発表されているハザードマップには、災害時に知っておきたい情報が多数記載されています。しかし、「ハザードマップを見たことがない」「どのように活用すればよいのか分からない」という方もいるでしょう。

当記事では、ハザードマップがどのようなものか、種類や活用方法について解説します。山梨県でも、洪水や地震、富士山の噴火に備えハザードマップを作成しているため、いざというときに活用できるようにしておきましょう。

 

ハザードマップとは?

ハザードマップとは

ハザードマップとは、災害発生時に被害が及ぶ可能性の高い場所や避難所情報などを地図で表したツールです。住民の円滑な避難を促し、災害による被害を最小限に抑えることを目的として作成されています。

ハザードマップから読み取れる災害情報は、以下の通りです。

  • 予測される災害発生地点
  • 予測される被害範囲やその程度
  • 避難所
  • 避難経路

ハザードマップは地域別・災害種別に作成されるのが基本であり、各市町村から発表されています。山梨県でも、洪水や土砂、地震、液状化などの災害について、市町村ごとにハザードマップを公開しています。

出典:甲府市「災害ハザードマップについて教えてください」

出典:山梨県「山梨県水害(洪水)・土砂災害ポータルサイト」

 

ハザードマップの活用方法

ハザードマップの具体的な活用方法は、以下の通りです。

住んでいる地域またはこれから住む予定の地域で起こりうる災害を把握する
ハザードマップでは、災害発生時にどの場所でどのような被害が起こりやすいかについて、災害種別ごとに確認できます。自分の住んでいる地域に関して情報を得られるのはもちろん、土地探しをする際にも役立ちます。
避難所や避難のタイミングを確認する
一口に自然災害と言っても、地震と洪水とでは避難経路・避難所が異なる地域も少なくありません。災害ごとのハザードマップを比較しながら確認することで、状況に合わせた避難所やタイミングを把握できます。
マイタイムラインを作成する
マイタイムラインとは、災害時に自分が取るべき行動などの避難対策について、時系列に沿ってまとめたツールです。マイタイムラインを作成するには、ハザードマップを活用して災害リスクや防災情報を得ることが不可欠となります。

 

ハザードマップの種類

ハザードマップにはさまざまな種類があり、対象となる災害ごとに内容・掲載情報に違いがあります。

各種ハザードマップの特徴は、以下の通りです。

  • 洪水ハザードマップ
    洪水浸水想定区域における雨量・水位の情報や避難所への経路などをまとめたマップです。河川氾濫で引き起こされる被害の程度や浸水時間を把握しておくことで、水防活動・避難行動に活用できます。洪水ハザードマップの作成は、「水防法」という法律によって義務付けられています。
  • 内水ハザードマップ
    内水浸水想定区域における被害の程度や、浸水する恐れが高い水路・下水道についてまとめたマップです。内水氾濫は洪水よりも発生頻度が高く、リードタイムも短いため、日頃から避難経路などを確認しておくのが重要となります。しかし、他のハザードマップと比較すると認知度が低く、国土交通省によりマップ作成の促進が進められています。
  • 高潮ハザードマップ
    高潮浸水想定区域や浸水深、被害の程度についてまとめたマップです。高潮被害が発生した際は、立ち退き避難が必要か否かの見極めが重要となります。ハザードマップでは浸水時に屋内で身の安全を確保できるかどうかも確認できるため、適切な避難行動につながります。
  • ため池ハザードマップ
    ため池が決壊した場合に浸水被害が予想される範囲についてまとめたマップです。住んでいる地域の避難所及び避難経路の確認や、被害を未然に防止するために検討資料として活用できます。
  • 土砂災害ハザードマップ
    土砂災害による被害予想区域や避難所についてまとめたマップです。土砂災害ハザードマップ作成の対象となるのは、「土砂災害警戒区域」に指定された区域です。土地の形状や地質、利用状況に加え、航空写真や現地調査をもとに区域指定が行われます。
  • 地震ハザードマップ
    地震による揺れの強さや揺れによって引き起こされる建物倒壊や液状化の危険度などをまとめたマップです。建築物の耐震不燃化、避難地、退避路、防災拠点の整備等の防災まちづくりなどの検討資料として活用できます。
  • 津波ハザードマップ
    津波浸水想定区域や水深予測をまとめたマップです。津波ハザードマップでは、陸域や海域の形状や地質などをもとに、避難体制が必要な基準水位を定めています。これにより、避難所として利用できる建物の高さが明確化され、適切な避難施設を指定することが可能となります。
  • 火山ハザードマップ
    噴石や火砕流などの火山災害の被害が及ぶ可能性が高い地域を示したマップです。個人での防災計画の作成はもちろん、入山規制や土地利用の検討などにも利用されるのが特徴です。火山活動の傾向は火山ごとに異なるため、過去のデータを踏まえたシミュレーションによって作成されます。

 

山梨県における富士山ハザードマップ

富士山ハザードマップ

山梨県でも他の都道府県同様、各種災害に対応する複数のハザードマップを作成・公表しています。中でも山梨県特有のツールとして挙げられるのは、富士山の噴火に関する災害情報がまとめられた「富士山ハザードマップ」です。

ここでは、富士山ハザードマップの改定について詳しく解説します。

 

富士山ハザードマップとは?

富士山ハザードマップとは、富士山の噴火によって影響が及ぶ恐れがある範囲を火山現象種類別にまとめたマップです。

富士山ハザードマップには、ドリルマップと可能性マップの2種類があります。

ドリルマップとは、任意に設定された開始点における災害シミュレーション結果を確認できるマップです。溶岩流を例に挙げると、「設定した開始点から溶岩流が流れ込む可能性のある範囲」が到達時間ごとに色分けして表されています。

可能性マップとは、各開始点のドリルマップをすべて重ねて包絡線とすることで、火山現象が及ぶ可能性のある範囲全体を確認できるマップです。

富士山ハザードマップは2004年に策定されたマップですが、策定後に新たな科学的知見が蓄積されたことを受け、2018年より改定がスタートしました。

改定による主な変更点は、以下の通りです。

  • 想定火口範囲の拡大
  • 対象とする噴火年代の拡大
  • 地形メッシュサイズの変更
  • 溶岩流シミュレーションにおける噴出量の再設定
  • 火砕流シミュレーションにおける噴出規模の見直し
  • 山体崩壊の記載方法の変更

出典:山梨県防災局「2 対策の基本となる計画等の見直し」

出典:山梨県防災局「富士山噴火に備えて〜火山ハザードマップとその活用法1〜」

 

火山現象からどう避難する?

火山現象で起こり得る災害について、その内容や避難方法を解説します。

溶岩流

岩石が溶け出して地表を流れる現象です。富士山の溶岩は1200度という高温であり、市街地では人が歩く程度のスピードで流れます。

溶岩流発生時は、流路を避けることがポイントとなります。日頃からドリルマップをチェックし、被害を受ける可能性が高い火口の位置や溶岩流の到達時間を頭に入れておくのがおすすめです。

火砕流

高温の岩石が空気を取り込みながら斜面を下る現象です。スピードは時速100kmを超えるケースもあります。

緊急時に速やかに影響範囲から離脱できるよう、可能性マップで影響範囲を確認しておきましょう。

融雪型火山泥流

積雪期に火砕流が起きた際に、火砕流中の岩石・火山灰と雪解け水が合わさって流れ下る現象です。

迅速な避難ができるよう、火砕流に関するドリルマップを確認して、住んでいる場所に影響する発生点を把握しておきましょう。

噴石

岩石が弾道を描いて飛び散る現象です。災害エリアは、小規模な噴火で火口から約2km、大規模な噴火で約4kmとなります。

噴火が発生したら、すぐに火口から4km以上確保できるエリアに避難しましょう。万が一逃げ遅れてしまった場合には、建物の中や岩陰などに隠れることで、被害を最小限に抑えられます。

出典:山梨県防災局「富士山噴火に備えて〜火山ハザードマップとその活用法2〜」

出典:山梨県防災局「富士山噴火に備えて〜火山ハザードマップとその活用法3〜」

 

まとめ

ハザードマップとは、災害が起こった際にどのような範囲にどのような被害が及ぶのかを予測し、被害範囲や避難場所・避難経路をまとめた地図のことです。

山梨県でも防災のためにハザードマップを作成しています。特に、いつか起こり得る富士山の噴火に備え、富士山火山防災対策協議会において、2021年にハザードマップの改定を行いました。災害に備えるためにも、ハザードマップをあらかじめ確認し、予想される被害や避難の方法について把握しておきましょう。

 

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