ページID:36544更新日:2017年5月24日

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埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0281美通遺跡

都留市の遺跡

0026四ノ側遺跡-平安時代住居-
0070玉川金山遺跡-奈良時代甕-
0080玉川金山遺跡-土坑墓-
0090玉川金山遺跡-炉穴-
0093玉川金山遺跡-鉄鏃-
0099玉川金山遺跡-地下式坑-
0118玉川金山遺跡-集石-
0182玉川金山遺跡-台石-
0082中溝遺跡-耳飾り-
0104天正寺遺跡-弥生土器-
0128天正寺遺跡-さまざまな弥生土器-
0153中谷遺跡-柄鏡形敷石住居跡-
0190中谷遺跡-三角とう形土製品-
0258中谷遺跡-注口土器と蓋-
0263中谷遺跡-集石土坑-
0167美通遺跡-敷石住居跡-
0174美通遺跡-猿橋溶岩と集石土坑-
0201美通遺跡-発掘調査速報-
0204美通遺跡-発掘調査速報2-
0206美通遺跡-発掘調査速報3-
0220美通遺跡-発掘調査速報4-
0281美通遺跡-イノシシ形装飾付浅鉢-
0289美通遺跡-D区発掘調査速報-
0300美通遺跡-D区発掘調査速報2・玦状耳飾り-
0175九鬼2.遺跡-埋納された装飾土器-
0305九鬼2.遺跡-蔵骨器-
0298三ノ側遺跡-皇朝十二銭・発掘調査速報1-
0303三ノ側遺跡-須恵器・発掘調査速報2-
0320三ノ側遺跡-竪穴住居跡のカマド・発掘調査速報3-
0326三ノ側遺跡-掘立柱建物-
0349三ノ側遺跡-羽口-
0372牛石遺跡-縄文時代のストーンサークル-
0400谷村城-歴史と変遷-
0413谷村城-発掘調査速報-

美通遺跡のあらまし

美通遺跡は、都留市井倉地内に存在する遺跡で、一般国道139号(都留バイパス)の建設工事に伴い平成20年~22年にかけて発掘調査が行われました。都留バイパスのルート上南北約600mにおよぶ範囲を調査した結果、縄文時代早期~中期、弥生時代前期、奈良・平安時代、中世~近代の遺構や遺物を発見しました。

また、調査区内から約8,000年前に富士山から流出したとされる猿橋溶岩が確認されました。

美通遺跡B区4空中写真美通遺跡B区4調査風景

〔写真:左〕美通遺跡B区4調査区の空中写真

〔写真:右〕美通遺跡B区4調査区の調査風景

美通遺跡に関する過去のトピックス
0167美通遺跡-敷石住居跡-
0174美通遺跡-猿橋溶岩と集石土坑-
0201美通遺跡-発掘調査速報-
0204美通遺跡-発掘調査速報2-
0206美通遺跡-発掘調査速報3-
0220美通遺跡-発掘調査速報4-

美通遺跡出土の浅鉢形土器

平成22年度に発掘調査が行われたB区4調査区からは、縄文時代中期中葉(約4,500年前)の住居跡や弥生時代前期(約2,100年前)の土坑墓(どこうぼ:穴を掘って遺体を埋葬したお墓)などが発見されました。

写真の土器は、B区4調査区の2号住居跡から出土した縄文時代中期中葉の浅鉢形土器で、内側に曲がった口縁部(こうえんぶ:器の口の周辺部分)にイノシシの装飾が付けられています。イノシシは縄文土器に装飾として付けられることが多い動物です。縄文時代の人々にとって、イノシシは狩猟の対象になる動物ということだけではなく、子供をたくさん生むことなどから、食料の豊作や子孫繁栄の象徴として、特別な存在であったようです。

また、イノシシは釣手土器(つりてどき)と呼ばれる火を灯すために使われたと考えられる土器に付けられることもあり、火に対する信仰とも関わりのある動物であったと考えられます。

 

 

美通遺跡出土の浅鉢正面美通遺跡出土の浅鉢装飾部分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔写真:左〕美通遺跡B区4出土のイノシシの装飾が付けられた(赤丸部分)浅鉢形土器

 

 

〔写真:右〕正面から見たイノシシの装飾

 

北原遺跡出土の釣手土器宮の前遺跡出土の釣手土器

 

 

〔写真)釣手部分にイノシシの装飾が付けられた釣手土器(左:甲州市北原遺跡、右:西桂町宮の前遺跡)

 

『山梨県史』資料編2原始・古代2考古(遺構・遺物)より

釣手のない釣手土器?

縄文土器の中には、釣手土器(つりてどき)と呼ばれる不思議な形をした土器があります。土器の上部に釣手(物をつり下げるための突起)状の突起が付いた土器で、土器の内部が熱を受けて黒くなっている例が多いことから、火を灯すランプとして使われたのではないかと考えられています。大きな遺跡でも出土する点数が少なく、ムラ全体で行うお祭りやおまじないの儀式の時に使われた特殊な土器とされています。

美通遺跡出土の浅鉢形土器には釣手の部分が付いていませんが、釣手部分を除いた釣手土器の形に非常によく似ています。また、この浅鉢形土器にもイノシシの装飾が付けられていることや、土器の内面が黒くなっていることなどから、釣手土器と同様にランプとして使用された可能性が高いと考えられます。

美通遺跡出土の浅鉢内面1美通遺跡出土の浅鉢内面2

 

 

〔写真〕イノシシ形装飾付浅鉢形土器の内面

 

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