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ページID:4589更新日:2017年6月2日

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遺跡トピックスNo.139宮沢中村遺跡(南アルプス市)

南アルプス市の遺跡

  • 0006十五所遺跡-方形周溝墓-
  • 0010大師東丹保遺跡-網代-
  • 0108大師東丹保遺跡
  • 0149大師東丹保遺跡-木製品-
  • 0200大師東丹保遺跡-出土した種子は何?-
  • 0259大師東丹保遺跡-下駄-
  • 0287大師東丹保遺跡-扇子の骨組-
  • 0357大師東丹保遺跡
  • 0392大師東丹保遺跡
  • 0017二本柳遺跡-木棺墓-
  • 0122二本柳遺跡-福寿院跡-
  • 0164二本柳遺跡出土の擂鉢-
  • 0276二本柳遺跡-火きり臼-
  • 0023宮沢中村遺跡-昆虫・網代-
  • 0051仲田遺跡-田んぼ-
  • 0052百々遺跡-八稜鏡-
  • 0065百々遺跡-錘-
  • 0066百々遺跡-馬の骨-
  • 0101百々遺跡-洪水の跡-
  • 0136百々遺跡-浄瓶-
  • 0172百々遺跡-平安時代の住居跡-
  • 0269百々遺跡-黒色土器-
  • 0274百々遺跡-古代のウシ・ウマ-
  • 0077善応寺遺跡-祭祀の水場-
  • 0081油田遺跡-田んぼと木製品-
  • 0144油田遺跡-木製竪杵-
  • 0231油田遺跡-体験学習用の復元品-
  • 0084堤防遺跡No.23-堤防プレビューの内部-
  • 0409釜無川堤防跡遺跡-
  • 0105石橋北屋敷遺跡-道路跡・区画溝-
  • 0106村前東A遺跡-パレススタイルの壺-
  • 0241村前東A遺跡-手焙形土器-
  • 0250村前東A遺跡-住居跡-
  • 0286村前東A遺跡-S字甕-
  • 0139宮沢中村遺跡-茶碗の焼継ぎ-
  • 0163大塚遺跡-約1,700年前の家の跡-
  • 0168新居道下遺跡の住居跡-
  • 0216長田口遺跡の鏡片-
  • 0340向河原遺跡-水田跡と杭列-

所在地南アルプス市宮沢字東宮沢

時代鎌倉時代・江戸時代

報告書山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第181集2000年(平成12年)3月刊行

 

宮沢中村遺跡は旧甲西町、現在では中部横断自動車道が開通している場所にあります。この遺跡からは多くの磁器が発見され、同じ柄で同じ大きさの磁器が何点も出ていることから日常的に使用されていた物も含まれていることが分かりました。そのなかでみられた当時の技術を紹介します。

焼継うつわ上部

1.上部から見た焼継ぎあと

焼継うつわ底部

2.底から見た焼継ぎ印

現在ではリサイクルやリユース(再使用すること)という言葉がありますが、これはずっと昔から生活の中でごく普通に行われてきた生活の知恵です。

上の2枚の写真を見て頂くとわかるように、茶碗は大きく割れています。現在なら捨ててしまいますが、1790年頃から広まった『焼継』(やきつぎ)といわれる技法によって割れた茶碗・皿などを貼合わせ使えるように直す商いが増えたそうです。

焼継ぎ上部アップ

3.1.のアップ写真

焼継アップ画像

4.2.のアップ写真

焼継とは、白玉(粉)と呼ばれる接着剤を加熱して溶かし、壊れた焼き物を貼り合わせる技法です。その対象となるのは、ほぼ磁器に限られ、透明もしくは、白く濁ったガラス質の焼継剤が3.の写真では帯状に確認できます。焼継剤は低い温度で溶けるガラスと釉薬の一種と推測できます。

2.の底に薄く赤い点が複数あります。4.を見ても少々わかりにくいのですが、これを『焼継印』(やきつぎいん)と言います。焼継師が発注者を忘れないように描かれたものと推測され、焼継剤に赤色等の顔料を加えたものを用いて文字や記号を描いたという事例があります。約200年前の各地の遺跡から多く発見されており、高級品ばかりでなく日常使用している茶碗や皿にも施されていることから、簡単で安価な修復法として広範囲に普及したことがうかがえます。

0023宮沢中村遺跡

 

 

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