ここから本文です。

 

山梨県の現在の警報等発令:なし

この時期注意が必要です!

sfts_top 100

ryuukouiri

YCDC医師からのメッセージ

 定点情報(2025年第42週:10月13日~10月19日)/ その他情報(公表までに把握した情報)

                             (10月23日 山梨大学医学部附属病院 井上修 医師)

【要約】
・新型コロナウイルス感染症は緩徐に減少しています。
・インフルエンザが山梨県内も流行期入りしました。
・百日咳は第42週に5名の報告がありました。
・重症熱性血小板減少症候群への感染例が県内で初めて確認されました。


〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
第42週は確定点医療機関から合計104人(定点あたり2.97)の報告がありました。5週連続で報告数が減少し下水中のウイルス量も減少傾向です。現在も10代に感染者が多い(全体の約2割)ですが、すべての年齢で同じように感染報告があります。第42週も高齢者施設等から施設内発生の相談が入っています。

【インフルエンザ】
定点あたりの新規患者数が1.20(42人)と微増し、流行期入りの目安となる定点あたり1.0を超えました。2024年秋は第48週でしたので、今シーズンの流行は昨年より1ヶ月以上早く始まっています。
現在特に報告数が多いのは甲府市エリア(2.43)と中北エリア(1.58)です。

【百日咳】
第42週は5人の感染報告がありました。本年1月以降計375人となります。第42週は報告数が減少していますが減少傾向にあるのかの判断はできませんので、引き続き警戒が必要です。

【重症熱性血小板減少症候群】
西日本を中心に周辺の静岡県、神奈川県などでも感染者が報告されているマダニ媒介感染症の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ですが、10月20日に山梨県でも初めて確認されたと公表がありました。日常生活の中で、インフルエンザのようにヒトからヒトへ感染が容易に拡がってしまう病気ではありませんが、山野や草むらなどでSFTSウイルスを持っているマダニに刺されたり、このようなマダニに刺されて具合が悪くなった犬や猫の唾液や血液等を介して感染する事もあります。

○対応
新型コロナウイルス感染症は全国的にピークを越え、山梨県でも5週連続で減少傾向となっています。一方でインフルエンザは昨年より1ヶ月以上早く流行期入りしており、今後注意報や警報も早く発令される可能性があります。基本的感染対策をおこなうとともに、インフルエンザワクチンは重症化を防ぐ効果が期待できますので、接種をお考えの方は早々にお受け下さい。

百日咳への注意は引き続き必要です。新生児、乳児が罹患しないよう周囲の大人が感染対策を講じる必要があります。咳エチケットに加え、ワクチン接種対象の月齢(生後2か月)に達した乳児には、百日咳を含むワクチン接種(定期接種)を速やかに受けさせてあげるようにしましょう。また、乳児への百日咳対策として妊娠27-36週の妊婦さんは三種混合ワクチン接種を引き続きご検討いただき、希望される場合や不明な点については産科主治医へご相談ください。

マダニは春から秋にかけて活発に活動するため、この間に山野で仕事をしたり野生動物が現れる畑や草地などで屋外活動をする場合は、肌の露出を避け虫除けスプレーを使用してマダニに刺されないように対策をしましょう。

 

※妊婦の三種混合ワクチン接種など、定期接種対象外のワクチンは任意接種となります。

 

*関連ページ

重症熱性血小板減少症候群(SFTS) ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
百日咳 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
インフルエンザ ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構

 

感染症発生状況

 

今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください ! 

 *保健所毎疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。

      2025年10月23日作成

インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内35箇所(2025年14週までは41箇所)の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報】。

対象期間:2025年第42週〔2025年10月13日(月曜日)~2025年10月19日(日曜日)〕

      トップページインフルエンザ流行マップ警報・注意報なし                              新型コロナウイルス感染症流行マップ39w                           

  ◆下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。

インフルエンザ   
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
42週 報告数 42 19 5 1 - 17
定当 1.20 1.58 0.83 0.33 - 2.43
41週 報告数 34 17 8 - 1 8
定当 0.97 1.42 1.33 - 0.14 1.14
40週 報告数 25 21 1 - 3 -
定当 0.71 1.75 0.17 - 0.43 -
39週 報告数 6 4 - - - 2
定当 0.17 0.33 - - - 0.29
38週 報告数 4 3 - - 1 -
定当 0.12 0.25 - - 0.17 -
新型コロナウイルス感染症*
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
42週 報告数 104 53 13 6 19 13
定当 2.97 4.42 2.17 2.00 2.71 1.86
41週 報告数 169 90 28 9 24 18
定当 4.83 7.50 4.67 3.00 3.43 2.57
40週 報告数 179 88 34 9 30 18
定当 5.11 7.33 5.67 3.00 4.29 2.57
39週 報告数 237 97 46 20 41 33
定当 6.77 8.08 7.67 6.67 5.86 4.71
38週 報告数 286 146 41 15 47 37
定当 8.41 12.17 6.83 5.00 7.83 5.29

*38週の報告について、富士・東部保健所管内では1か所未報告の医療機関があります。感染の推移を確認する場合は「定当」(定点あたり報告数)をご参照ください。
*本県独自基準 以下の数値を目安にYCDC医師と協議の上決定(注意報目安:定点あたり10以上、警報目安:定点あたり15以上)

発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況病原体検出状況などがご覧になれます)

集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:31KB) ※過去の分はこちら
 
施設から報告のあった事例保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)

  *2025年第36週以降の状況
    新型コロナ措置状況(PDF:52KB)
    インフルエンザ措置状況(PDF:51KB)
    感染性胃腸炎措置状況(PDF:51KB)
  *甲府市の状況は こちら

 

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
   *新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。

新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。

 

下水サーベイランス

 下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
 本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。

 詳しい情報は こちら

最新・話題のレポート


 〇厚生労働省や国立感染症研究所などが公表する最新・話題のレポート

 〇YCDCレポート

 〇感染症対策グループHP

山梨県で発生している感染症情報

警報

なし

注意報

なし