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ページID:4590更新日:2017年6月5日

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遺跡トピックスNo.0098南大浜遺跡

上野原市の遺跡

0003談合坂遺跡-埋甕-
0072南大浜遺跡-弥生時代再葬墓-
0098南大浜遺跡-陥し穴-
0132長峰砦跡-鉄砲玉-
0233関山遺跡-縄文時代中期の竪穴住居跡-
0243長峰砦跡-石鏃-
0256談合坂遺跡-縄文時代早期~前期の竪穴住居跡-
0267尾咲原遺跡他-復元された縄文時代の家-

南大浜遺跡(みなみおおはまいせき)〔上野原市〕

遺跡トピックスNo.0094清里バイパス第1遺跡(北杜市)に続く、第2弾!

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シリーズ山梨県で見つかった「陥し穴」No2「南大浜(みなみおおはま)遺跡」

 

所在地:北都留郡上野原市鶴川

時代:縄文時代、弥生時代、平安時代以降

報告書「南大浜遺跡」山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第166集2000年3月

調査機関山梨県埋蔵文化財センター

「南大浜遺跡」(みなみおおはまいせき)の発掘調査は、平成9年度に実施されました。

陥し穴に入っての調査風景(240×178)

陥し穴に入っての調査風景

調査風景(240×150)

調査風景

ここに何がつくられたの?

中央自動車道の混雑をなくすために上野原から大月の間が改築されました。

何が見つかったの?

縄文時代早期末から前期頃、今から約6000年前頃の陥し穴が39基、弥生時代の再葬墓(さいそうぼ)、縄文時代から平安時代の土坑85基などが見つかりました。

ところで、陥し穴を掘った人達の住まいは近くにあったのでしょうか?この遺跡の中では、見つかっていません。

清里バイパス第1遺跡(遺跡トピックスNo.0094)と似たところがありますね。

底に3つの穴が開けられた陥し穴(240×166)

底に3つの穴が開けられた陥し穴

底に2つの穴が開けられた陥し穴(240×143)

底に2つの穴が開けられた陥し穴

見つかった陥し穴の状況(240×430)

見つかった陥し穴の状況

重なり合った陥し穴(240×142)

重なり合った陥し穴

調査した面積はどれくらいですか?

調査の面積は1,600平方メートル程ですが、第1面では弥生時代から平安時代にかけての遺跡が見つかり、第2面では縄文時代前期から縄文時代中期にかけての遺跡が見つかりました。そして第3面では縄文時代早期の陥し穴や土坑などが見つかりました。

ですから、各時代の面積を合計しますと4,800平方メートルを調査したことになります。

どんな遺物が見つかったの?

石器では、縄文時代草創期(そうそうき、今から約9000年前)と中期から後期(今から約4500年前から約3500年前頃)にかけてのものが見つかりました。土器では、縄文時代前期から後期のものと、弥生時代中期中頃の壷(つぼ)(詳しいことは遺跡トピックス0072を観てください)と平安時代のものが見つかりました。

遺跡の標高はどれくらい?

遺跡の標高は295m前後で、桂川と仲間川に挟まれた河岸段丘上に遺跡がありました。

周辺にも遺跡があるのですか?

「南大浜遺跡」の周辺には、大椚1.(おおくぬぎいち)遺跡(縄文時代中後期・平安時代、土坑が約220基あり、ほとんどは縄文時代早期の陥し穴)、大椚2.(おおくぬぎに)遺跡(縄文時代早期、陥し穴が約150基見つかっている)、日野富士塚(ひのふじづか)遺跡(縄文時代)、大曽根(おおそね)遺跡(縄文時代)が分布しています。

ちなみに、南大浜遺跡は大椚遺跡群の一つで、旧甲州街道鶴川宿と仲間川を挟んだ対岸の台地に位置しています。

陥し穴の時期は、どうやって決めたの?

遺物は一点も見つかってはいませんが、土壌(どじょう)分析[土の中に入っているものを調べること]や近接する大椚遺跡から発見された陥し穴群とよく似た形状などから、縄文時代早期末から前期頃につくられたものと決めました。

陥し穴にたまった土の状況(240×142)

陥し穴にたまった土の状況

陥し穴の底にある謎の穴は?

陥し穴の底に開けられた穴の数は様々あるようですが、なぜ1本だったり、2本、3本と分けられているのでしょうか?獲物の種類の違いなのでしょうか、不思議ですね。現在、陥し穴の機能として、穴に落ちたイノシシやシカ、ウサギなどを仕留めるために杭が立てられていたと考えられています。ですから、謎の穴はおそらく杭の穴だと思われます。

次回、シリーズ山梨県で見つかった「陥し穴」No3は、旧御坂町(現在の笛吹市)「桂野遺跡」を紹介する予定です。

 

ではまた、「遺跡トピックス」でお会いしましょう。

 

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